読んだ本の感想をつづったブログです。


低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー
低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー
朝倉智也
朝日新聞出版 2012-12-07

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投資信託の評価を行っているモーニングスター社の代表取締役による、投資環境の変化に応じた投資信託の選び方やポートフォリオの組み方、海外ETFの紹介などを行っている作品。

まずは日本の投資信託における残念な状況を語っている。

販売手数料や信託報酬が高くなっている上、何にそれだけのコストがかかっているのか、誰が運用しているのかなどの情報開示があまりになされておらず、投資家ではなく販売会社のほうばかりを向いた運営がなされているようで、仮にTPPが締結されるようであれば真っ先にアメリカに合わせて改革してほしいところである。

そして人気のある毎月分配型の投資信託では、ファンド・オブ・ファンズの形にすることでインカムゲインも分配の対象にできる抜け道を見つけたり、通貨選択型という三重にも四重にも階層を重ねた構造にすることでリスク評価やコスト構造を分かりにくくしたものを開発しているなど、手数料を稼げればいいという昔ながらの悪癖が続いているようである。

次に投資環境の変化についての話がなされていて、これまでは国内・海外と株式・債券という形での分散投資が勧められていたが、今後それだけでは分散効果が出にくくなるという。

これは国内と先進国、新興国との間で資産の価格変動が似てきたことを指していて、似ているのならば預貯金や保険で日本国債に既に投資している割合が大きい日本だけでなく、経済成長が期待できる新興国の割合を増やした方がいいのではないかという話になっている。

そして新興国の中でも、インドネシアやトルコは他国と比較的相関関係が小さいので分散効果が見込めることや、他の資産クラスと相関関係が小さい金への投資が意味を持つという。

そこから、ETF(上場投資信託)への投資の話になっている。
日本のETFも商品自体は悪くはないものの金融機関が売りたがらないために人気と知名度が低くて取引数が少ないので、海外ETFを勧めている。

お勧めの海外ETFではバンガード社やブラックロック社といった有名な会社による運用期間が長いものが紹介されていて、信託報酬の安さは確かに魅力的である。

本書が書かれた頃はまだ海外ETFを特定口座で扱える証券会社はなかったが、現在はマネックス証券と楽天証券では扱えるようになっていて、便利になったものだと感じる。
ただ、購入するごとに売買の手数料がかかるのでまとまった額がたまってからやった方がいいのと、取引方法や銘柄選びでの調査は必要なのは当然なので、今後検討してみる。

そして昨年くらいからインデックス型の投資信託の中に信託報酬がETFと大差ないものも出てきているので、当面はインデックス型の投資信託を積み立てることを続けるつもりである。

投資信託に関してあまり知らなかったことがいくつも書かれていて、大いに参考になった。
ブックオフで200円で販売されていたものを購入したのだが、なかなかお値打ちだったと思う。






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問屋無用論から半世紀 これが世界に誇る日本の流通インフラの実力だ
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玉生 弘昌
国際商業出版 2013-06-01

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メーカーや小売業に比べると脚光を浴びることが少ない、卸売業(問屋)の重要性や日本の流通インフラの優秀さなどを語っている作品。

1960年代に「問屋無用論」というのが語られたらしく、卸売業を経由することでコストが上がってしまうイメージが持たれやすいが、これに対しては数式を用いて反論している。

物流にはコストが必ずかかるわけで、それをメーカーあるいは小売業で行おうとした場合は限られた取引先だけと取り引きする場合はコストを安くできるものの、一定以上の数の取引先と取り引きしようとすれば、卸売業を経由した方がはるかに効率が良いわけで、納得しやすい。

これによって日本では多品種の商品が安く購入できているのに対し、そうなっていない国の例としてアメリカを挙げている。
アメリカではウォルマートのような小売業が寡占で強くなりすぎたことによる弊害が書かれていて、増田悦佐の作品でも読んだことがあったのを思い出した。

その卸売業を支えているインフラにはさまざまなものがあるが、その中でも著者が経営する会社による、プラネットというメーカーと卸売業の間での通信システムの話に移る。

これは従来電話回線を用いていたものをインターネット回線によるものに更新することで効率が良くなったと自賛している一方で、卸売業と小売業の間ではまだまだ古い通信システムから更新できていない実態を問題視している。

これは早い時期に通信システムを作り上げてしまったことによるもので、今後の課題としてはこの通信システムの更新と、日本では意識されることの少ない流通インフラを海外に展開することを挙げている。

海外での取り引きはリスクが高いことは当然として、少しずつ進められればということが語られていて、このあたりは町工場など下請け企業が支える製造業の話と似ているようにも感じた。

他にも小売業によるプライベートブランドについて、メーカーが儲からないので作りたがらないものを消費者の利便性のために作らせる場合、大手メーカーの陰に隠れて世に出られないメーカーに製造を依頼する場合は意味があるとの意見を紹介していて、なるほどと思わせられた。

意識されることは少ないものの社会を支える基盤のひとつについての知らなかった話が多く書かれていて、興味深く読むことができた。






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超訳 言志四録 佐藤一斎の「自分に火をつける」言葉 (知的生きかた文庫)
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田口 佳史
三笠書房 2015-04-22

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江戸時代後期に儒学者として多くの人材を育成した佐藤一斎の『言志四録』の言葉を超訳・解説している作品。

他の関連書でも心に刺さる言葉が多いことは知っていたが、本書でもいかに自分の生活や考え方、働き方などに活かせる言葉が紹介されている。

本書で特に印象に残ったのは、『言志四録』では宋学(朱子学)の影響によって天、地、気といった言葉や概念を用いた言葉が多いということである。

宋学に対しては偏狭なナショナリズムや教条主義を生み出した問題のある思想というイメージを持っているが、元々の儒教の教えに加えて仏教や道教などの概念を加えたものと解説されていて、もう少し知識を得ておかなければならないと感じた。

原文のリズムの良さ、例え話の絶妙さ、当たり前のことを当たり前に行うことの重要さを説いていることなど、佐久間象山や山田方谷、横井小楠、渡辺崋山など癖の強い人々を教えてきただけのことが書かれている。

さらっと読み終えるにはもったいない1冊なので、手元に置いて読み返したい。






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関連タグ : 佐藤一斎,

初歩から値下がり対策まで 損しない投資信託 (朝日新書)
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中桐啓貴
朝日新聞出版 2012-10-12

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投資信託の選び方やポートフォリオの組み方、失敗した場合の対処方法、お勧めの投資信託などを語っている作品。

まず、銀行が販売する投資信託、人気の投資信託、分配金の利回りを高く維持するために元本を削って分配金に充てて基準価格を下げるような投資信託は選んではいけないとあり、日本で販売される投資信託の多くがこれに当てはまってしまう。

その分配型投資信託では元本を削らないものの選び方を解説しているが、そもそも分配するとその度に税金をきっちり取られるので、長期投資には向いていないような気がする。
ここで多くのページが割かれているのは、老後の資金運用のように分配型投資信託に対する需要が大きいためなのだろう。

投資信託で損失を抱えている場合の対処としては、『株・投資信託、いま損を抱えている人の投資の処方箋』にもあったようにサンクコスト(既に失われたコスト)の考え方が用いられている。
現在の価格で購入していいと思うのなら保持あるいは買い増し、購入したくなければ損切りしてでも売却、という基準を示していて、まあ納得できる。

「買値の呪縛」と表現されている心理的な抵抗は大きいが、やらなければ傷口が広がることが多いようだ。
海外のハイ・イールド債に投資する投資信託を1本保有してきたが、信託報酬は高めな上に長期投資の効果が全く感じられないので、少しだけ損切りとなるが売却することにした。

また、同じ資産クラスに投資する投資信託でもっとパフォーマンスのいいものに買い換えることも書かれている。
これは今年初めに、海外株式のインデックスファンドをより信託報酬の低いものに換えたことを思い出した。

著者の他の作品でも紹介されていたが、お勧めする投資信託はコストが高めでもベンチマークに勝っているアクティブファンドが中心で、コストが安いインデックスファンドは面白みがないのかあまり扱っていない。

お勧めの投資信託ではノーロードではなくて販売手数料を取るものも多いので、積み立てで購入するよりもまとまった額での購入を考えたほうがいいのかもしれない。
そして、書かれたのが4年前なので、現在どうなっているかの調査も当然必要となる。

インデックスファンドについてももう少し書かれていいような気もするが、それ以外はまずまずまとまっている内容の作品になるかと思う。






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警備員の山田さんが4年で1億8000万円の資産を築いたヒミツ
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山田 勤
すばる舎 2014-02-27

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警備員でアパート投資をやっている人物による、自分がどのように成功したのかを語っている作品。

著者はリストラを経て警備員の職に就いたものの浪費癖がひどく、妻がひき逃げに遭って保険金を得たもののそれも半分を使ってしまい、これはまずいと思って不動産投資に賭けて成功したと語っている。

成功するための2つの要件としては交渉力と物件力を挙げていて、前者では不動産業者や関係者とのやりとり、後者では欠点があるとされる物件の中から当たりを見つけることを書いている。

「私でもできたのだから読者もその気になればできる」といった調子で書かれているが、金額とかコストとか、不動産業者とか入居者とかの話で具体的なことが触れられておらず、読みやすい一方で内容に軽さを感じる。

パートナーとなる不動産業者と付き合うことや、物件のメンテナンスなどおそらく面倒なこともそれなりにあるはずだと思うのだが、そこがちょっと足りないのが説得力が欠けている。

そう思って本書の奥付に掲載されていた著者のブログを読んでみると、本書内で2件目に購入した千葉の物件は運用に失敗して手放し、自慢していたハワイのコンドミニアムも売却したとあり、そううまくいくわけがないなと納得できた。

つまり、本書は不動産投資で失敗する前に書かれたもので、いい気になっている人がどのようなことを語るのかを読むという使い方をすべき作品なのだろう。

著者のブログを読まずに、本書に書かれた内容だけで判断してはいけないことを注意点として挙げておく。






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