読んだ本の感想をつづったブログです。


唖の十蔵【朗読CD文庫】 (鬼平犯科帳)唖の十蔵【朗読CD文庫】 (鬼平犯科帳)

池波正太郎
横浜録音図書株式会社 2005

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池波正太郎の代表作のひとつである『鬼平犯科帳』の第1巻に収録されている短編を扱った朗読CD。

火付盗賊改方の同心である十蔵は無口なことから名前をもじって「唖(おし)の十蔵」と呼ばれている一方、多くの実績を挙げて評価されている。

その頃、野槌(のづち)一味と呼ばれる盗賊団による強盗殺人事件が頻発していて、十蔵は普通の町人に紛れた野槌一味の捜査に当たっていたが、いくつかの問題に直面する。

上司である火付盗賊改方の長官は堀という旗本だったのだが、交代となって赴任してきた新長官が鬼平こと長谷川平蔵で、ここが鬼平の初登場シーンになると思われる。

短めの短編のためこれ以上あらすじは書かないが、これまで読んだことのなかった『鬼平犯科帳』の感じがいくらか分かった。
刑事ものと時代劇の人情的な感じが合わさった作品という印象を受け、シリーズの他の作品も読んだり聴いたりしてみようと思った。




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恋するソマリア
恋するソマリア高野 秀行
集英社 2015-01-26

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世界有数の紛争地帯・ソマリアを取材したノンフィクションである『謎の独立国家ソマリランド-そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』の続編に当たるような作品。

著者によるとソマリアは民主政治や武装解除を実現している西部のソマリランド、海賊の根拠地であるプントランド、度重なる内戦で「リアル北斗の拳」とも呼ばれる南部ソマリアの3つに大別され、そのうちソマリランドと南部ソマリアを再訪している。

初めの方では日本の中古車輸出会社とのやり取りで、当時日本からの直接輸出がなかったソマリランドへの中古車輸出を宣伝して「もしかするとソマリランドの中古車流通に革命を起こせる!?」と浮かれたりするシーンがあり、他の作品でも見られる著者の山っ気が出ているのが楽しい。

そしてソマリランドと南部ソマリアへ行き、ソマリランドではワイヤッブ、南部ソマリアではハムディを初めとする旧知のジャーナリストたちと再会し、前作で知っていたのと同様のキャラクターなのに安心する。

前回の旅ではできなかった、ソマリ人の日常生活や普段食べられている料理作りを体験したり、危険な南部ソマリアで首都モガディショ以外の土地を訪問するなど、新たな体験をしている。
また、前作同様にソマリ人の話の早さや飽きっぽさ、氏族社会のいい面と悪い面、覚醒効果のある植物であるカートでえんかいをするシーンなども書かれている。

場所柄として当然ながら、南部ソマリアを訪れた後半ではかなり危険な目に遭い、臨場感たっぷりに描かれている。
大変に目に遭えば遭うほど、著者がソマリアに魅せられていくのがよく分かる。

本書単独でも十分面白いが、できれば前作から読んでいく方が望ましいと思う。




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世界のなかの日本―十六世紀まで遡って見る (中公文庫)
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司馬 遼太郎 ドナルド キーン
中央公論社 1996-01

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『日本人と日本文化』に続く、司馬遼太郎とドナルド・キーンによる対談本。

江戸時代の人々における出島を通したオランダから得られる知識への欲求や、中国や朝鮮半島の儒教で重視される礼楽が意識されていなかったことの影響、明治時代に西洋文化に触れた際の反応、日本語の変化といった話を語り合っている。

幕末に鎖国が古来からの法であったかのように思われていた例を挙げて、日本古来の伝統とされるものは意外と近い時代に始まったものという話になり、せいぜい戦中や戦後すぐの時期から始まったものが昔からの伝統と思われているというくだりにはなるほどと思った。

他にも『司馬遼太郎が語る 4 文章日本語の成立』でも語られていた、明治時代に共通の文章日本語が成立した話もなされている。
夏目漱石あたりが書き、昭和初めごろに定着したとされるが、こうした傾向に不満を持って分かりにくい文体を好んだ作家が多かった話もあり、いかにもありそうだと思った。

終章あたりでの「日本は世界の会員として云々・・・」という話はちょっと違和感があったが、それ以外はそこそこ面白かったと思う。




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日付記事タイトル
2015/02/27『スポンサーから一言』
2015/02/26『鱸とおこぜ、スパニエル幻想』
2015/02/25『破綻する中国、繁栄する日本』
2015/02/24『書き替えられた日本史: 「昭和~平成」でこんなに変わった歴史の教科書』
2015/02/23『司馬遼太郎が語る 4 文章日本語の成立』
2015/02/22『天使と宇宙船』
2015/02/21『マンガ はじめましてファインマン先生-超天才物理学者の頭の中』
2015/02/19『爆笑問題のニッポンの教養 ひきこもりでセカイが開く時 精神医学』
2015/02/18『ぼくは眠れない』
2015/02/17『司馬遼太郎が語る 8 医学が変えた近代 』
2015/02/16『現代語訳 徒然草 』(岩波現代文庫・嵐山光三郎訳)
2015/02/14『司馬遼太郎が語る 7 キリスト教文化と日本』
2015/02/13『爆笑問題のニッポンの教養 万物は渋滞する 渋滞学』
2015/02/12『司馬遼太郎が語る 1 建築に観る日本文化』
2015/02/11『お金で世界が見えてくる!』
2015/02/10『新訳 信長の言葉』
2015/02/09『街道をゆく 3 陸奥のみち、肥薩のみちほか』
2015/02/08『爆笑問題のニッポンの教養 教授が造ったスーパーカー 環境工学』
2015/02/07『スメル男』
2015/02/06『逆転力-ピンチを待て』
2015/02/05『中国古典からもらった不思議な力―視点がブレなければ、行動もブレない!』
2015/02/04『司馬遼太郎が語る 3 草原からのメッセージ』
2015/02/03『思わずナットク 基礎から学ぶ最新お金運用術』
2015/02/02『照葉樹林文化―日本文化の深層』
2015/02/01『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』


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スポンサーから一言 (創元SF文庫)
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フレドリック・ブラウン (著), 中村 保男 (翻訳)
東京創元社 1992-12

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宇宙をぼくの手の上に (創元推理文庫 605-5)
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フレドリック・ブラウンによるSF短編集で、私の中でブラウンのベスト作品だと思う。

最も好きなのは表題作で、東西冷戦が一触即発の事態を迎えている時期に世界各地のラジオで、「スポンサーから一言」とある指示がだされたことから世界中の人々が困惑し、誰が、なぜ、どのようにしてこうした放送を流したのかを必死に議論するところが面白い。

また、主人公がスーパーコンピュータにくだならい質問をしたら答えが返ってきたところから話が始まる「地獄の蜜月旅行」や、敵対する異星人と一対一の決闘をするはめになる「闘技場」、短いページ数の中であっと驚く展開を見せる「ブードゥーの魔術」などもいい。

「選ばれた男」のちょっと落語みたいな展開や「かくて神々は笑いき」のサスペンス性なども印象的で、あまり内容に触れることができないのがもどかしい。

短い作品は短い作品なりに、そこそこの長さの作品はその分だけ楽しませてくれる短編集だと思う。




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