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読んだ本の感想をつづったブログです。





アルフレッド・アドラーの心理学を、働いている人向けにすぐに活かせる形で内容を紹介している作品。
タイトルにある8つの習慣は下記の8つで、それらに応じた手法を数ページずつで分かりやすく解説されている。
  • 【習慣1】「ありのままの自分」を受け入れる
  • 【習慣2】自分を知る
  • 【習慣3】失敗や欠点を糧にする
  • 【習慣4】負の感情とうまく付き合う
  • 【習慣5】建設的に考える
  • 【習慣6】大局から見る
  • 【習慣7】共感する
  • 【習慣8】勇気をもつ
印象に残ったのはマイナスに見える感情や行動も原因から考えるのではなく目的から考えるという話で、そうすることによって何を実現しようとしているのか?というところに少し考えさせられた。

また、自分の考えだけで悩んでしまうケースも多いこと、建設的な考え方は必ずしも難しい場合だけでもないなど、ちょっとした気分の落ち込みからの回復に役立ちそうな言葉が多く書かれている。

本書もまた、時々読み返したい優れた作品だと思う。






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先日福岡市美術館に「仙厓―小西コレクション」展(開催期間:2019年10月1日〜12月1日)を観に行った。
ここではギュスターヴ・モロー展(2019年10月1日〜11月24日)も同時期にやっていたがこちらは入場料が1500円で関心がなかったのでスルーし、入場料200円のこちらにした。

仙厓(せんがい)は江戸時代に博多・聖福寺の住持としても活躍した禅僧で、親しみやすい書画により「博多の仙厓さん」として地域住民からも親しまれたという。

観てみると確かにゆるくてかわいい感じの禅画が多く展示されていて、簡単そうなタッチだがこんなイメージを持って絵を描くことはできないはずで、印象に残る。

現代の目から見ても楽しめる絵で、当時も仙厓の絵を欲しがる人が多かったのも分かる。

低額でなかなか楽しめる展示だったので、行って良かった。







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応仁の乱について、背景や局面の変化、他の地方への影響、関係した人物など、項目ごとに分かりやすく解説している作品。
ベストセラーとなった呉座勇一著『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱』ももちろんまとまっていて良かったが、本書みたいに項目ごとに解説している作品があるとさらに理解を助けてもらえる。

特に、九州、中国、四国のように近畿地方以外でどのような戦いがなされたのかや、享徳の乱・長享の乱でそれどころではなかった東国の事情、活躍が目立つ登場人物の解説などが充実しているように感じている。

本書では畠山政長、畠山義就、大内政弘、朝倉孝景あたりが印象に残る一方で、土岐氏の守護代として大活躍した斎藤妙椿があまり扱われていないのがちょっと意外に感じた。

一部の勢力図が少し見づらかったところがマイナス点だが、全体的にはよくまとまってて興味深く読むことができた。






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中国奇想小説集: 古今異界万華鏡
井波 律子 (翻訳)
平凡社 2018/11/9



有名な清代の『聊斎志異』などのような中国の幻想・奇想小説を26編、六朝、唐、宋、明、清と各時代ごとに収録し、それぞれの元となった作品の作者や時代背景、それぞれの関係なども解説されている作品。

これまでに読んだ『聊斎志異』や『唐宋伝奇集』にあったような、日本と違った人間臭い感じの化け物や幽霊などが登場し、人間となんだかんだやり取りしている話が多くて面白い。

日本と違うなと思うのは女性の幽霊や化け物で、日本だと単純に恨んで祟るとか弱らせるまでで終わりなのが多いのに対し、「白娘子 永に雷峰塔に鎮めらるること」に出てくる巨大な白蛇が化けた美女のように、しつこく主人公の青年につきまとってくるなど、やけにエネルギッシュなところで、国情の違いを感じたりもする。

解説では、六朝時代の『捜神記』や宋代の『夷堅志』のように「不思議な出来事の記録」スタイルと、唐代伝奇や清代の『聊斎志異』のように「虚構の物語世界」スタイルの2種類に大別できることが書かれていて、過去に読んだこの手の作品がどちらになるか、という視点で読み返すのも面白そうである。

久しぶりに現実から離れて楽しむことができる中国の幻想・奇想小説を読むことができ、いい気分転換になった。






捜神記 (平凡社ライブラリー)
干 宝 (著), 竹田 晃 (翻訳)
平凡社 (2000-01-24)


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日本史の新常識 (文春新書)
文藝春秋 (編集)
文藝春秋 2018/11/20



古代から明治時代にかけて、通説と異なることが判明した最近の日本史の研究結果について、歴史学者や研究者、歴史作家などが解説している作品。
当ブログで著作をしばしば紹介している、出口治明氏や本郷和人氏も執筆している。

古代では「日出ずる国の天子・・・」と仏教の関連、壬申の乱と唐VS新羅の戦争の関連、平安貴族がしきたりで激務だったこと、光源氏のような貴族が『殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語』にもあるように暴力的だった話などで、貴族が暴力的だったのはしきたりの激務でストレスがたまったこともあるのかもしれない・・・と思ってしまった。

中世以降では信長がけっこう世論を気にしていたことや、「慶安のお触書」が実は慶安時代に全国的に発令されたわけではないという衝撃、明治時代の留守政府がラディカルな改革を次々と断行したのはリーダーシップが弱くて各省庁が頑張りまくったためという話、西郷隆盛がイメージに反して繊細でストレスで何度も体調不良になっていたエピソード、西郷隆盛幻想の危険性などの話が興味深い。

中でもマニアックで印象に残ったのは、姫路藩酒井雅楽頭家の家老として藩の名誉回復に活躍した河合道臣(隼之助)の話である。
道臣のことは小説『財政再建の名家老 河合道臣』で財政再建に成功していたことは知っていたが、酒井雅楽頭家を没落前の状態に再興させた話は初めて知り、前述の小説では彼の業績が多くて書ききれなかったのだろうと思った。
(あるいは、書かれていたけど私が読み飛ばしてしまっていただけかもしれない)

新たに知ることができた日本史の知識が多く、興味深く読むことができた。





世界史の新常識 (文春新書)
文藝春秋 (編集)
文藝春秋 2019/3/20


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関連タグ : 本郷和人, 出口治明,