読んだ本の感想をつづったブログです。


鍋釜天幕団ジープ焚き火旅 あやしい探検隊さすらい篇 (角川文庫)
鍋釜天幕団ジープ焚き火旅 あやしい探検隊さすらい篇 (角川文庫)
椎名 誠
KADOKAWA/角川書店 2015-02-25

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椎名誠の『あやしい探検隊』シリーズのエピソードを多くの写真とともに振り返り、隊長の椎名と釜炊きメグロこと目黒考二の2人が対談している作品。
本作では第2作である『あやしい探検隊北へ』と、第3作である『あやしい探検隊 不思議島へ行く』の2作で収録されている旅行について語り合っている。

福島県の塩屋崎や新潟県の粟島、瀬戸内の瓢箪島、東京湾の猿島、北海道のイソモシリ島、琵琶湖沿岸と、以前読んできた旅の裏話がいくつも出てきてテンションが上がる。

初代炊事班長の沢野は雑だが手早く料理するのに対し、2代目炊事班長の長谷川による料理は種類が多くてうまい一方で、丁寧に作るために時間がかかってイライラすることがあるなど、野外での料理による個性の違いを語っているのが面白い。

アウトドア雑誌『ビーパル』から長いこと借りたまま使い続けていた巨大フライパンの話や、長谷川が始めた火吹きの芸の経緯など、懐かしい話も出てくる。

椎名以外は旅にあまり乗り気でなかったらしいことや、書かれることのなかった猪苗代湖や五島列島の旅など、本編に出てこないエピソードも多い。

椎名の対談相手が、粟島の後は一同と行くことが少なくなった目黒になっているのが、内輪話になりすぎなくてよかったのかもしれない。
この回顧録的な作品はもう1冊、『鍋釜天幕団フライパン戦記 あやしい探検隊青春篇』というのがあるので、これもぜひ読んでみようと思う。




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ゴミの定理 (講談社文庫)ゴミの定理 (講談社文庫)

清水 義範
講談社 2004-02

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清水義範による、12編の短編集。
著作を表現する際に多く使われる、パロディなどを意味するパスティーシュ小説が収録されている。

数学者がゴミが増える現象について考察している表題作、田舎のこれといって特徴のない村の観光ガイドの体裁を取った「鄙根村の歩き方」、文豪が自身が死んだ際の報道や扱いを異常に気にして周囲を振り回す「ニュース・ヴァリュー」、東京から帰郷した若者が村おこしのためにディナーショーを企画する「鮫島村のデナーショー」など、じわじわくる作品が多い。

作風による弱点というか「ケータイ星人」のように、スマホが普及して少々内容が古びたものがあったりもする。

「夢の話」や「泥江龍彦のイラン旅行」、「ガイドの話」などは、自身の経験を大きく反映しているようで、小説の体裁を取ったエッセイ、あるいはエッセイに近い私小説とでも取れそうである。

著者の作品の中では、そこそこという評価となる。




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ST 沖ノ島伝説殺人ファイル<警視庁科学特捜班> (講談社文庫)
ST 沖ノ島伝説殺人ファイル<警視庁科学特捜班> (講談社文庫)
今野 敏
講談社 2013-06-14

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ST(警視庁科学特捜班)シリーズの沖ノ島編。

福岡県の沖ノ島で工事に携わっていたダイバーが変死し、事故か他殺かなども判明していないという事件が発生し、STは福岡県警から要請があって福岡へ出張することとなる。

この沖ノ島は神の島で、神社の特別がなければ立ち入り禁止、島で起こったことの口外禁止、島のものは一木一草たりとも持ち出し禁止とタブーだらけで、捜査員たちも沖ノ島への信仰による遠慮があることから、捜査が進まずに苦慮していた。

さらにこの工事を受注した地元ゼネコンには福岡県警のOBがいて刑事課長などに圧力をかけてくるなどの問題が多い中、キャップ(係長)の百合根はメンバーたちの言動に振り回されながら調査に当たっていく。

本作では宗教がらみということで僧侶でもあるの山吹、そしてプロファイリングで比較的早い段階から事件の背景を感づいている様子の青山が目立つ活躍をしている。

著者の他のシリーズを読むことが多く、このシリーズは丸2年ほど読んでいなかったが、やはりこのシリーズは面白い。
読んでいなかった間にドラマ化されていて、百合根を岡田将生、赤城を藤原竜也などと思い合わせてどうなのか考えながら読んでみるのも楽しい。




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【オーディオブックCD】桶狭間合戦 大阪夏の陣他(CD2枚組) (<CD>)【オーディオブックCD】桶狭間合戦 大阪夏の陣他(CD2枚組) ()

菊池 寛 (著), しみじみ朗読文庫 (編集)
響林社(しみじみ朗読文庫。Amazon販売:密林社) 2013-10-25

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芥川賞や直木賞を創設したことでも知られる菊池寛の『日本合戦譚』から、「大阪夏の陣」、「鳥羽伏見の戦い」、「桶狭間合戦」の3編を収録している朗読CD。
内容としては、日本史上に残る合戦について語った歴史エッセイのようである。

基本的には通説に則って述べられているようだが、大阪冬の陣での講和の条件として、豊臣家が別の領地へ転封する代わりに雇った浪人たちの雇用を確保するために加増が話し合われていたらしいことや、鳥羽伏見の戦いにおける新撰組の動き、桶狭間の合戦前後での松平元康(後の徳川家康)の活躍など、これまでに読んだ歴史読み物であまり触れられていないことがところどころで書かれていて、思っていた以上に興味深く聴くことができた。

聴く前は戦前の人の文章なので硬い文体なのかと思っていたが、普通に聴くことができる文体で、この部分も意外と良かった。
抵抗なく読めそうなので、現在も発売されている作品や、青空文庫に収録されている作品でも読んでみようかと思った。




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日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典
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蛇蔵 海野 凪子
幻冬舎 2011-08-25

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『日本人の知らない日本語』シリーズの著者たちによる、日本文学の名作を著者や実在する登場人物をキーとして現代風に分かりやすく解説しているコミックエッセイ。
日本語を学ぶ外国人から質問を受けたり、日本語教室で紹介したことなどが執筆のきっかけとなったという。

登場する人物は、清少納言、紫式部、藤原道長、安倍晴明、源頼光、菅原孝標女、鴨長明、兼好法師、ヤマトタケルノミコトの9名で、それぞれの特徴や残している言葉、エピソードなどを楽しく描いている。

清少納言のあけすけさや菅原孝標女の痛いオタクぶり、普通に考えるとそうなのだが意識されることの少ない安倍晴明が高級官僚であることなど、人物像が一気に身近になっていく。
特に、『徒然草』にある説話を「ケンコウくん」という4コマ漫画にしているのが秀逸である。

古典への心理的なハードルを下げてくれる内容となっていて、現代語訳やコミックなどになった作品でも読んでみようかという気にさせられた。




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