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読んだ本の感想をつづったブログです。



本郷 和人 (監修), カレー沢 薫 (イラスト)
小学館 (2021/7/1)


東大史料編纂所の教授を務める本郷和人氏が、カレー沢薫氏の漫画とともに鎌倉時代から戦国時代までをゆるく解説している作品。

鎌倉時代の武士たちの凶暴さ、足利尊氏の情緒不安定さ、応仁の乱では本当に燃やしてはまずい建物などは燃やしていないという話、伊達政宗や細川忠興の強烈なエピソードなど、著者が他の作品で良く出してきた話が多く出てきて面白い。

また、時代ごとの解説パートでは著者と担当編集のSさんの掛け合いで書かれているのも分かりやすい。

タイトルや体裁に合った書かれ方をしつつ、日本史への関心を持たせてくれる構成となっている。





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関連タグ : 本郷和人,


佐々木 貴教 (著)
岩波書店 (2021/6/1)


ジュニア向けに書かれた、地球外生命体の可能性や研究について説明されている作品。
太陽系内、太陽系外に分けて書かれている。

太陽系内では、火星、エウロパ、タイタン、エンケラドスの4つの惑星・衛星に生命が存在する可能性を語っていて、液体の状態での水が存在するかどうかというポイントが重要なようである。
今後探査機によって地中や氷で覆われた近くの奥での探査が進めば、微生物などが発見されてもおかしくないのだろう。

太陽系外の話では、系外惑星の探査の歴史や、地球と同じように水が液体として存在できるハビタブルゾーンに存在する、スーパーアース(巨大な地球)の話が多く書かれている。
アースではなくてスーパーアースの話になるのは、小さいと見つかりにくいからだと思われる。

若い研究者が書いていることもあってか、かなり分かりやすいと感じていて、ジュニア向けとしてなかなかいい作品だと思う。





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渡邊 大門 (著)
朝日新聞出版 (2020/7/13)


三谷幸喜原作で映画にもなった、秀吉や柴田勝家が登場する清須会議について、一次史料や二次史料から史実を考察している作品。

小説などのイメージだと能力から信孝を推す勝家VS筋から三法師(秀信)を推す秀吉という構図だが、実際は三法師が織田家の家督を継ぐことに異論は出ておらず、むしろ幼い三法師の名代を誰が務めるのか?ということと、信長・信忠の遺領の配分で美濃(信孝)と尾張(信雄)の境界決めにおいて信雄と信孝の間で熾烈な争いが発生したのが最初の衝突だったようである。

その2人の争いのために信長の葬式や法事もままならない状態となり「外聞が悪い」ことを気にした秀吉が光秀討伐の最大の殊勲者ということもあって主導権を握った形で清須会議の議事を主導し、さらには決定を覆すこともしばしばとなり、勝家や滝川一益、信孝らと対立するようになった経緯が書かれている。

双方の陣営ともに毛利氏、上杉氏、長宗我部氏、本願寺といった周辺の勢力に味方に付くように外交を行ったり、柴田勝豊や原長頼のように寝返り工作を実施したりと駆け引きが繰り広げられるが、一枚も二枚も秀吉が上手なのが目につく。
戦況を実態よりも大きく有利であるように書状に書いたり、味方に付かなければ後で討伐すると暗に恫喝するなど、なりふり構わないやり方が書かれていて、勝家が勝つのは難しかっただろうことが伝わってくる。

また、賤ケ岳の合戦の後に発生する秀吉VS信雄・家康による小牧・長久手の合戦についても書かれている。
局地戦では家康に敗れた秀吉だったが、信雄の領国である伊勢・尾張方面では多くの城を攻略して信雄を追い詰めていることが多くの書状から伝わってきて、通説でよく書かれている「信雄が家康に許可なく和睦した」というよりも「追い詰められて降伏に追い込まれた」というのが実情に近いことが分かる。

ここでも秀吉による外交戦のうまさが出ていて、家康が同盟者として頼みとしていた北条氏が、秀吉の見方となった佐竹氏や上杉氏から牽制されて援軍を出せなかったことが書かれているのが印象に残る。

近年の研究によって司馬遼太郎などが描いてきた「陽気な秀吉」よりも「陰険で腹黒い秀吉」という部分がクローズアップされてきていて、本書でもその流れで書かれている。
以前から秀吉にはうさん臭さを感じていたので、今後さらにあくどい面が研究として明らかになってくるのではないか?と思っている。





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港瀬 つかさ (著), シソ (イラスト)
KADOKAWA (2020/11/10)


料理や家事、かわいいものなどが大好きな男子高校生・悠利が異世界に転生して活躍するライトノベルの第11巻。

今回はダンピール(吸血鬼の血を引いていて一部の能力を受け継いでいる人)であるマリアが初登場していて、見た目は色っぽいお姉さんなのに実際は血の気が多くて闘争本能が旺盛というキャラクターになっている。
そして、トマトジュースやトマト料理によって精神を落ち着けるという設定が面白い。

また、第3巻が初登場だったワーキャットの若様であるリディが悠利を訪ねてきて、第7巻に登場したダンジョン「収穫の箱庭」のダンジョンマスターに一緒に会いに行く話が後半で多く扱われている。
これまでは猫語しか話せなくてアロールの通訳が必要だったリディが人語を話せるようになり、展開がスムーズになっているのもいい。

悠利は少し前の作品で港町にメンバーたちと出かけたみたいで(未読…)、その時に大量に購入した魚介類で海鮮焼きそばを作ったり、暑い時期だったためか冷やしおでんを作るなど、おいしそうな料理の描写も安定している。

8~10はまだ読んでいないので、これらも読んでみようと思う。





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