爆笑問題が日本史上の偉人を取り上げて漫才の調子で語っている作品。
取り上げられているのはヤマトタケル、聖徳太子、空海、紫式部、源義経、千利休、豊臣秀吉、天草四郎、松尾芭蕉、平賀源内、坂本龍馬、吉田茂の12人であり、太田はあとがきで、時代の中心であると同時に時代の異端者でもあったと書いている。
偉人たちのすごいところや異常なエピソードなどを語りつつ、太田がシモネタや時事ネタで悪乗りのボケを連発して田中が突っ込むというおなじみの形式で、ところどころで彼らが鋭い知見を出したりもするので油断できない。
例えばヤマトタケルの古事記における記述だけ見ると乱暴者で卑怯な手段で敵を倒すという英雄らしからぬところに気付かされたり、日本国憲法制定の際に戦争放棄に反対していたのは共産党など野党だったこと、空海の修行時代はインテリがある種の新興宗教にハマるのに近く見えたかもしれないことなど、短い中にもあまり知られていないポイントが書かれていたりする。
2人の語りの後についている田中聡氏による解説も興味深く、秀吉の出生伝説や聖徳太子の架空人物説、松尾芭蕉が引っ越しをする前後での変化など歴史の裏話が楽しめる。
あと、太田が折に触れて出してくるライフスペースやサッチー・ミッチー戦争、電波少年などの時事ネタは中途半端に古びていてちょっと懐かしい。
- 爆笑問題の作品について書いた記事
- 『爆笑問題のニッポンの教養 宇宙人はどこにいるのか? 惑星科学』
- 『爆笑問題のニッポンの教養 人間は失敗作である 比較解剖学』
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多くのメディアでの露出の多い経済評論家による、タイトル通りシンプルな資産運用方法を語っている本。
一言で言ってしまうと当座の必要資金は預貯金、その他は内外のインデックス型ETF(国内4:海外6)というもので、オプションに個人向け国債10年ものとMRFがつく。
(国内の例:TOPIX連動型上場投資信託・コード1306)
(海外の例:iShare MSCI KOKUSAI INDEX・ティッカーコードTOK)
そしてまとまった資金が必要な時は投資していたETFを取り崩すという方法で、ETFが値下がりしていた際の心理的な葛藤に打ち勝つことさえできれば、シンプルで資産価値の把握がしやすい。
以前読んだ著者の『お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール』にはETFは銘柄の入れ替えが恣意的になされるデメリットが書かれていたが、あくまで簡単な運用を重視したがゆえの選択なのだろう。
それ以前の前提として借金を避けることが力説され、”返済に勝る運用なし”という大前提が書かれているのはもっともである。
また、投資の種類をギャンブル種類に対応して例えているところが秀逸で、
- 株式 : 考慮すべき要素が多く、思い入れが入りやすい点で競馬
- 外貨・商品 : 基本的にゼロサムゲームなのでカジノ
- 債券 : 株式よりは考慮すべき要素が少なく、人間臭い動きをする点で競輪
また、先日読んだ『花のタネは真夏に播くな−日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学』にある投資方法も、タニマチというか金持ちの道楽的なところはきちんと符合している。
あくまで上記の運用術はあくまで資産運用に時間やエネルギーを割きたくない人向けで、投資にギャンブル的な楽しみを感じる人がリスクを認識した上で余裕資金を投入することは肯定している。
そして他のさまざまな金融商品、特に銀行で販売されるものと民間の生命保険や医療保険にいかにクズが多いかを具体的な例を挙げて論じており、営業トークにひっかからないような注意がなされているのも有用である。
(いいと思われる商品、例えばライフネット生命保険などは安くて合理的と書いてある)
さすがに本書のような本を読むような資産運用にやる気のある人で完全にこの通りにやる人はあまりいないと思うが、基本の部分では理にかなっているように感じる。
資産の多くの部分を上記の方法で運用し、一部のリスクが高目でもいいと思える分だけを個別株式やFXなどに投入して楽しんでいくのがいいのではないかと思う。
他の著作やダイヤモンドオンラインなどでも触れることのできる、著者らしい辛口な語り口は健在で、役立つと同時に楽しんでも読むことができた。
- 著者の作品について書いた記事
- 『お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール』
- 関連記事
- 『臆病者のための株入門』
- 『フリーランチ投資家になろう!』
- 『花のタネは真夏に播くな−日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学』
- 『内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法』
- 『のんびり!カンタン!!幸せな長期投資』
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武者絵や妖怪を用いた風刺画などで知られる歌川派の浮世絵師である歌川国芳の作品をカラーグラビアで紹介し、その生涯や画風について解説している本。
少し前までは存在自体知らなかったが、江戸期の妖怪画などの本を読むと必ずといっていいほど国芳の作品が出てくるので関心を持ち読んでみた。
国芳が活躍したのは幕末期で同時代人には葛飾北斎や歌川広重などがおり、この二人に比べると現在での知名度では落ちるが、当時はかなりの人気絵師だったことが分かってくる。
有名な作品としては、最初にブレイクした水滸伝の武者絵があり、九紋龍史進や浪裏白跳張順などの背中に彫り物を入れた伊達男たちの絵は迫力がある。
また、ユーモラスさや活力にもあふれ、幕府当局からの取り締まりを気にして風刺対象を分かりにくくした妖怪の風刺画の他、子どもたちの絵や動物などを擬人化した絵が楽しくて特に好きな作品である。
自身の絵についても、顔は出さないよう後ろ向きのものが多いが、トレードマークの地獄絵が描かれたドテラをはおった猫とたわむれる人物としてしばしば登場し、ある種の美学というか遊び心が感じられて面白い。
江戸っ子らしい人物で親分肌、月岡芳年など多くの個性豊かな弟子たちに慕われていたことや、国芳宅への訪問者が竹垣の手入れをしている職人らしい男に”主人はご在宅かな?”と聞いたら、”ワッチが国芳だ”と答えたので客が驚いたエピソードなど、作品だけでなく本人のキャラクターもかなり面白かったことが推察される。
思っていた以上に多彩な作品を楽しむことができて興味深かった。
国芳が登場する以下の時代小説も読んでみたくなった。
- 関連記事
- 『河鍋暁斎―奇想の天才絵師 超絶技巧と爆笑戯画の名手』
- 『千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景』
- 『目をみはる伊藤若冲の「動植綵絵」』
- 『熈代勝覧の日本橋―活気にあふれた江戸の町』
- 『魑魅魍魎の世界―江戸の劇画・妖怪浮世絵』
国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ (小学館文庫)
[河治 和香]
[河治 和香]
国芳一門浮世絵草紙〈2〉あだ惚れ (小学館文庫)
[河治 和香]
[河治 和香]
国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖 (小学館文庫)
[河治 和香]
[河治 和香]
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『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』、『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』に続く、生物学者による周囲の動物たちとの交流を描いたエッセイの第3作。
本作でも前作と同様、ユーモラスな語り口で動物たちとの事件の数々が書かれており、子リスが天敵を認識した際の威嚇行動とフェレット(イタチの一種)が受ける反応、大学構内でのモグラとの遭遇と捕獲後の実験、夜間にイモリやヤモリを捕まえようと奮闘する場面などの事件が扱われている。
また、モグラを見つけて少しびびり気味の著者をよそに平然とさわってしまう学生にショックを受けたり、カヤネズミを捕獲してきた学生たちに対して名前がしばらく思い浮かばずに焦ったりと、大学教授としての”張りぼての威厳”を保とうと苦心している様が面白い。
著者は人間動物行動学を提唱しているだけに、人間が動物をかわいがるメカニズムや、人間や動物が秩序やきれいさを選択する生物的な理由を考察しているなど、面白いだけではなく生物学について考えさせられるような内容ともなっていてなかなか奥が深い。
比較的早く読み終えることができる割に、印象にも残る。
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日本一の個人投資家として取り上げられることの多い竹田和平氏について、おそらく最初に書かれたと思われる『日本一の大投資家が語る大貧民ゲームの勝ち抜け方』の文庫版。
竹田氏にインタビューを実施して、その人生や投資哲学・人生哲学などが書かれている。
著者は先日読んだ『超円高社会 日本が変わる』も書いている水澤潤氏で、希望の持てる内容を分かりやすい文章で書いてあったため、本書も読む気になった。
竹田氏は菓子職人の長男として生まれ、父親から引き継いだ店をたまごボーロや麦ふぁ〜などのロングセラー商品を生み出す優良な製菓会社に成長させたという経歴を持つ。
それまでのさまざまな苦労についても触れられており、そうした中から現在の旦那的投資哲学が形成されたことが書かれている。
その後自社の設備投資が一巡して内部留保の運用先として株式投資を始めることになり、成功と失敗を経験する中、”市場から評価されていない優良企業を応援する”というスタンスの投資を行うようになった経緯が述べられている。
投資手法そのものは意外とシンプルで、
- 情報源は『四季報』のみ、これを詳細に分析して低PERの割安優良企業を探す
(割安でも石ころはダメ) - 他の企業の子会社は官僚化の傾向があるため避け、独立系の企業を選ぶ
- 一株利益のうち、どれほど株主へ配当の形で還元しているかを重視する
配当を重視するのは株主に対しての感謝の表れであり、企業はこれを通して人々に報いるのが本道であるとしている。
そして企業が社会貢献をアピールした活動をするのは勘違いをしており、これは経営者が自身のポケットマネーでやればいいこととしている。
また、上がる銘柄ではなく下がりきった銘柄を選んで投資するあたりは、結果や成功を急がないという点で旦那というよりもいい意味でのタニマチ的な投資方針だと感じた。
詳しくは書かれていないが、おそらくこれまでにだまされたりひどい仕打ちにあったことも多かったと思われるが、それらを乗り越えてこうした考え方にたどり着くのは並大抵のことではできない。
全体を通して投資だけでなく、人生訓や社会との関わりという観点からも竹田氏はすばらしい考え方をする人だと思う。
心に響くことが分かりやすい書き方で述べられていて、いい内容の作品だった。
- 著者の作品について書いた記事
- 『超円高社会 日本が変わる』
人とお金に好かれる「貯徳」体質になる!
[竹田 和平]
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