読んだ本の感想をつづったブログです。


グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史
グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史
出口 治明
PHP研究所 2017-03-18

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ライフネット生命会長による、歴史上大きな役割を果たすことが多かった10都市を選び、その歴史を語っている作品。

イスタンブール、サマルカンド、デリー、カイロ、北京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマが取り上げられていて、読んでいくと納得できる選択ということが分かってくる。
次点の都市を選ぶとすると、エルサレム、バグダッド、ダマスカス、アムステルダム、ウィーン、京都などが候補に挙がるだろうか。

ペルシアやイスラムの諸王朝、マケドニア、ローマ帝国、モンゴル帝国といった大国の興亡や住民の移り変わり、例えばパリではナポレオン三世とオスマンのように都市建設に貢献した人物の話など、多くの情報が盛り込まれている。
そのため、レビューで具体的な話をすると収まらなくなりそうなくらいになっている。

著者がそれぞれの都市を訪れた際に印象に残ったことなども書かれていて、訪れてみようという人に対しても親切な構成となっていると思う。
都市から歴史という視点で物事を捉えるヒントとなる作品であり、興味深く読んだ。






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出口 治明
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ライフネット生命会長による、20代の人向けにお金にまつわる考え方を語った作品。
30代以降の人にも役立つ内容となっている。

まず、「日本の財政は危ない」とか「年金で世代間の不公平がひどい」という話がよく報道されていることに対し、これらは不安に乗じて儲けようとする人たちの陰謀だと断じているのが痛快である。
不安がっているだけでいいことはないし、現状からいかにして現実的な手段でよりよくできるかを考えるべきというロジックには納得できる。
(このあたりに関しては、「年金カット法案」だなんだと騒いでいた野党の人々のレベルの低さを思い起こす)

現在の年金にしても掛けた額の2倍はもらえる計算になるそうで、実際の数値に当たらないとだまされると思った。
当然、それだけでいいかというと別の問題となるので、確定拠出年金の利用を検討している。

お金の使い方については、高度成長期やバブル期のように経済が右肩上がりで成長していた頃の消費を基準にしている世代、通称「バブルおじさん」の言うことを真に受けてはいけないと書かれていて、その通りだと思う。

著者が専門とする生命保険については、保険でしか対応できない掛け捨て型のものが基本であり、投資信託などで代用可能な払い戻しのある生命保険は顧客にとって不利でしかないとし、このあたりも近年感じていたことと一致する。

例えば独身だったら高額な死亡保障は必要でなく、むしろ働くことができないリスクに備える終業不能保険の方が役立つという話も参考になる。
他の社会保障との兼ね合いにもなるが、検討に値するのでもう少し調べてみたい。

自分自身への投資の重要性、比較的スタンダードな形での株式や投資信託への積立投資、今後に予想される働き方の変化、欠陥は多いが民主主義以上の政治制度が現在存在しないことなど、幅広い事柄について分かりやすく語られており、大いに役立つ内容だった。






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「全世界史」講義 II近世・近現代編:教養に効く! 人類5000年史
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出口 治明
新潮社 2016-01-18

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ライフネット生命会長による、世界史を各世紀ごとに語っていく歴史読み物の下巻。
上巻に続いて、15世紀から現在までを語っている。

他の歴史読み物ではあまり読んだことがない事件の捉え方や歴史の流れについての話が多く、随所で目につく記載が出てくる。

例えば、イベリア半島でレコンキスタ(再征服)を完了したスペインではユダヤ系とムスリムを追放したために金融業と農業が打撃を受け、異端裁判によって有能な人が流出して人口減少をを招き、南米の銀が流入していた最盛期ですら何度もデフォルトを起こしている話が印象に残る。

排他主義がいきすぎると国家の衰退を招くいい例であり、当時のスペイン王家だったハプスブルク家はドイツやオランダでも同様の愚策を繰り広げ、婚姻によって勢力を拡大した割に「賢主が出ない不思議な家系」と評しているのが言い得て妙だと感じた。

排他主義の失敗例としてはムガール帝国で宗教に寛容な皇帝が続いた後、6代目のアウラングゼーブが敬虔すぎるムスリムだったために戦争を繰り返して領土拡大をした一方で反乱にも悩まされ、ここからムガール帝国の衰退が始まったことも挙げられていて、人間はどこでも何度でも似た過ちをしてしまうものだと思う。

近代では第一次世界大戦の後にドイツへの憎しみを抑えないフランスがドイツに法外な賠償金を要求してヒトラーの台頭を招いたり、日本では国力を考えたら出来すぎなくらいの勢力拡大をしていたのに悪い情報を隠していたために民衆からの突き上げで妥協ができずに第二次世界大戦での敗北に突き進んでいった話、冷戦下でアメリカが頼ってきたエジプトやキューバを冷たくあしらったために東側になってしまったなど、近い時代なだけによりその重さが伝わってくる。

『フランス革命の省察』の著者であるエドマンド・バークの保守主義の考えを一言で「人間はアホ」として、人間の理性には信頼が置けないので経験や市場でうまくいったことを重視すべきだという話にはなるほどと思う。

著者独自の視点からの話が本書でも多く書かれていて、さまざまなことを考えさせてくれる。






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「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史
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出口 治明
新潮社 2016-01-18

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ライフネット生命の会長による、自身の豊富な歴史知識を動員して語っている歴史読み物の上巻。
人類発生あたりから中国の明における永楽帝の治世あたりまでを扱っている。

普段イメージする中国やヨーロッパの歴史だけでなく、中東や中央アジアで進んできた歴史学の成果も反映されていて、かなり得をした気になる。
人名や国名を区別するのにつらい部分もあるが、少し前に著者の『世界史の10人』を読んでいたことが本書の理解にかなり役立った。

ヨーロッパではローマ教皇がローマ皇帝、フランク王、神聖ローマ皇帝、フランス王など、異民族や異教徒からイタリアを守ってくれる一方で強くなりすぎると困るという君主たちとの確執の歴史が繰り返されていることが分かってくる。
また、ヴェネチアやフィレンツェのようなイタリアの都市国家やハンザ同盟、神聖ローマ皇帝になれなかったドイツの領主たちもローマ教皇と利害が一致することも多く、中世にドイツが統一国家として振るわなかった事情も書かれている。

また、教会でざんげというか告白をする習慣は中世のローマ教会が始めたもので、これでローマ教皇はビッグデータを握ったことで、ヨーロッパ各国に対してさまざまな政治工作ができるようになった話にも驚いた。

ユーラシアの東側である中国では、グローバル型・重商主義・現実主義といった風潮と国粋主義・排他傾向・イデオロギー偏重の風潮が繰り返され、最終的には後者が優勢になったことで歴史の流れが逆向きになった話が書かれている。

前者には宋とキタイ(契丹、遼)の間で結ばれたような農耕民国家と遊牧民国家の共存システム、王安石の改革、大元ウルスのクビライによるユーラシアを横断する交易システムであり、後者は朱熹による朱子学、そして明の朱元璋(洪武帝)による毛沢東の政治に近いような政策がそれに当たる。

気候や気温の変化が歴史上の事件に大きく影響を及ぼした話や、大元ウルスでユーラシアの交易路が開かれたことで東・西・南にそれぞれ分かれていた風土病がペストの形で蔓延してしまった話など、歴史の教科書であまり大きく扱われないことも多く書かれていて、かなりの読みごたえがあった。




「全世界史」講義 II近世・近現代編:教養に効く! 人類5000年史「全世界史」講義 II近世・近現代編:教養に効く! 人類5000年史

出口 治明
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世界史の10人
世界史の10人出口 治明
文藝春秋 2015-10-31

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ライフネット生命の会長による、世界史上の偉人を10人ピックアップして彼ら・彼女らが成した業績の意義を紹介している作品。
以前読んだ著書の『仕事に効く 教養としての「世界史」』が面白かったので本書も読んでみた。

扱われているのは下記の10人で、日本ではほとんど知られていなかったり、いまいちな評価を受けることが多い人物がいたりして、マニアックな興味をかきたてられる。
  • バイバルス : マムルーク朝エジプトでマムルーク(適切な訳語がないが、スルタンに養われた兵)からスルタンに出世後、モンゴル軍の撃退に成功。敵の敵ならばモンゴルの一派とも結ぶ現実的な外交も行っている。

  • クビライ : チンギス・ハンの孫で大元ウルス初代皇帝。銀の流通によるユーラシアを横断した交易システムを構築した。

  • バーブル : ティムールの子孫で父祖の地であるサマルカンドを諦めてインドに転進し、ムガール帝国を建国。

  • 武則天 : 唐の皇后から中国史上唯一の女帝となった女傑。

  • 王安石 : 北宋の政治家で、時代を何百年も先取りした改革を行おうとした。

  • アリエノール : フランスの大貴族の家に生まれた女性でイギリス国王と結婚したことで両国の王族に多くの子孫を残した「ヨーロッパの祖母」

  • フェデリーコ2世 : シチリア国王と神聖ローマ皇帝を務め、必要に応じてムスリムとも交渉したり中央集権化を進めるなど、ローマ教皇の権威にとらわれない政治を行う。

  • エリザベス1世 : スペイン無敵艦隊を破った時期のイギリス女王で、イメージに反して優柔不断な言動が多かったが、それが国益に資することが多かった。

  • エカチェリーナ2世 : ドイツの下流貴族の家からロシアのロマノフ皇室に嫁ぎ、さまざまないきさつがあって女帝として君臨。

  • ナポレオン3世 : ナポレオン・ボナパルトの甥で遊び人として知られていたがフランス皇帝に登りつめる。失敗も多かったがフランスの近代化や産業振興、今に残る美しいパリの街づくりに取り組むなど評価が難しい人物。

この10人の業績と合わせて当時の政治情勢や後の人物がロールモデルとして参考したと思われる事例、一面ばかりが語られてきた歴史的な事柄への別の角度からの話なども書かれていて読みごたえがある。

著者はあとがきで、ソ連崩壊によってペルシア語やアラビア語、トルコ語などで書かれた文献が知られるようになって中国の文献と比較できるようになったことで中央ユーラシアの歴史研究が進んだことや、人間の脳はそれほど進化していないことから歴史に学ぶことはとても役立つことなどが書かれていて、最新の研究なども読んでいると思われることが伝わってくる。

本書も十分以上に興味深い内容だったので、そのうち他の著作も読むことになるかと思う。





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