読んだ本の感想をつづったブログです。


人類5000年史I: 紀元前の世界 (ちくま新書)
人類5000年史I: 紀元前の世界 (ちくま新書)
出口 治明
筑摩書房 2017-11-08

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ライフネット生命の会長による、人類の歴史5000年を5冊で解説していくシリーズの第1巻。
本作では人類の発生やグレート・ジャーニーといった頃から知の爆発の時代(諸子百家やギリシアの哲学者、ブッダなどが登場した頃)までを扱っている。

著者の他の作品と比較するとやや固めの記述となっている。
教科書に近い書き方を意識しているように感じるので、気楽に読むよりも真面目に学ぶような読み方となる。

時代ごとに区切ってさまざまな地域を扱う形となっていて、ギリシアのポリスと諸子百家、ローマと漢といった風に同時代に別の地域で起こっていた出来事を意識できるところがいい。

最新の研究結果や著者の考察も入っていて、例えば中国の古代史における歴史書の記述では部族抗争の背景などを推察しているところなどが興味深かった。

地域としてはメソポタミアやエジプト、小アジアといったオリエントにおける、アッシリアやバビロニア、ヒッタイト、アケメネス朝ペルシア、「海の民」など、多くの国や集団が登場するところはなかなか理解が進まないが、はまったら面白いのだろう。

しっかりした内容の作品で、興味深かったと思う。






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0から学ぶ「日本史」講義 古代篇
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出口 治明
文藝春秋 2018-02-27

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ライフネット生命の会長による、日本の歴史で摂関政治のあたりまでで解説している作品。
著者の多大な読書量もあって、比較的最近の研究成果も反映されている。

まず、隋、唐、高句麗、新羅、百済、渤海といった古代東アジアの国々が関連した政治的な力学が働いたという構図での話が面白い。
中華の帝国が強大な時期は周辺の国々が精力的に使節を送り、弱体化すれば自立の動きを見せるというのは分かりやすい。

また、白村江の戦いの後に唐から使者として日本を訪れた郭務悰(かくむそう)をマッカーサー、唐の長安を真似た平城京や中国の史書を意識して書かれた『日本書紀』などの唐風文化を「鹿鳴館政策」と表現しているのはなかなかうまい。
天智天皇が近江京に遷都したのは畿内が唐軍に占拠されていたためでは?という説にも驚かされる。

大化の改新(乙巳の変)や壬申の乱といったクーデターや内乱は親唐派と反唐派の対立という要素が強いことや、反唐派が勝利しても政権を握ると現実が分かって親唐派に変じるというパターンが繰り返されること、遣隋使や遣唐使が留学の意味だけでなく外交特使の役割があったことなどは納得しやすい。

「鹿鳴館政策」で面白かったのは『日本書紀』のところで、元々は『史記』のように『日本書』として「本紀」、「世家」、「列伝」とする予定が「本紀」のみとなったのが『日本書紀』で、事前調査でまとめられたのが各国の『風土記』という話に少し驚かされた。

そして奈良時代は唐の武則天に影響されたのか、強い女性、弱い男性、賢い補佐役という構図が続いたという話も面白い。
強い女性が持統天皇、光明子、孝謙(称徳)天皇で弱い男性が聖武天皇や淳仁天皇、賢い補佐役が藤原不比等や藤原仲麻呂(恵美押勝)などが挙げられている。

他にも大衆向けには分かりやすい儒教や浄土宗が受け入れられ、意味ありげで難解そうなものを好むインテリには道教や禅宗が受けたと書かれていて、納得しやすい。
多分、村上春樹とかエヴァンゲリオンが好きな層も後者に当たるのだろう。

多大な読書量からアウトプットされた知見を多く得られ、充実した読書となった。






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グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史
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出口 治明
PHP研究所 2017-03-18

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ライフネット生命会長による、歴史上大きな役割を果たすことが多かった10都市を選び、その歴史を語っている作品。

イスタンブール、サマルカンド、デリー、カイロ、北京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマが取り上げられていて、読んでいくと納得できる選択ということが分かってくる。
次点の都市を選ぶとすると、エルサレム、バグダッド、ダマスカス、アムステルダム、ウィーン、京都などが候補に挙がるだろうか。

ペルシアやイスラムの諸王朝、マケドニア、ローマ帝国、モンゴル帝国といった大国の興亡や住民の移り変わり、例えばパリではナポレオン三世とオスマンのように都市建設に貢献した人物の話など、多くの情報が盛り込まれている。
そのため、レビューで具体的な話をすると収まらなくなりそうなくらいになっている。

著者がそれぞれの都市を訪れた際に印象に残ったことなども書かれていて、訪れてみようという人に対しても親切な構成となっていると思う。
都市から歴史という視点で物事を捉えるヒントとなる作品であり、興味深く読んだ。






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働く君に伝えたい「お金」の教養
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出口 治明
ポプラ社 2016-01-13

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ライフネット生命会長による、20代の人向けにお金にまつわる考え方を語った作品。
30代以降の人にも役立つ内容となっている。

まず、「日本の財政は危ない」とか「年金で世代間の不公平がひどい」という話がよく報道されていることに対し、これらは不安に乗じて儲けようとする人たちの陰謀だと断じているのが痛快である。
不安がっているだけでいいことはないし、現状からいかにして現実的な手段でよりよくできるかを考えるべきというロジックには納得できる。
(このあたりに関しては、「年金カット法案」だなんだと騒いでいた野党の人々のレベルの低さを思い起こす)

現在の年金にしても掛けた額の2倍はもらえる計算になるそうで、実際の数値に当たらないとだまされると思った。
当然、それだけでいいかというと別の問題となるので、確定拠出年金の利用を検討している。

お金の使い方については、高度成長期やバブル期のように経済が右肩上がりで成長していた頃の消費を基準にしている世代、通称「バブルおじさん」の言うことを真に受けてはいけないと書かれていて、その通りだと思う。

著者が専門とする生命保険については、保険でしか対応できない掛け捨て型のものが基本であり、投資信託などで代用可能な払い戻しのある生命保険は顧客にとって不利でしかないとし、このあたりも近年感じていたことと一致する。

例えば独身だったら高額な死亡保障は必要でなく、むしろ働くことができないリスクに備える終業不能保険の方が役立つという話も参考になる。
他の社会保障との兼ね合いにもなるが、検討に値するのでもう少し調べてみたい。

自分自身への投資の重要性、比較的スタンダードな形での株式や投資信託への積立投資、今後に予想される働き方の変化、欠陥は多いが民主主義以上の政治制度が現在存在しないことなど、幅広い事柄について分かりやすく語られており、大いに役立つ内容だった。






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「全世界史」講義 II近世・近現代編:教養に効く! 人類5000年史
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出口 治明
新潮社 2016-01-18

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ライフネット生命会長による、世界史を各世紀ごとに語っていく歴史読み物の下巻。
上巻に続いて、15世紀から現在までを語っている。

他の歴史読み物ではあまり読んだことがない事件の捉え方や歴史の流れについての話が多く、随所で目につく記載が出てくる。

例えば、イベリア半島でレコンキスタ(再征服)を完了したスペインではユダヤ系とムスリムを追放したために金融業と農業が打撃を受け、異端裁判によって有能な人が流出して人口減少をを招き、南米の銀が流入していた最盛期ですら何度もデフォルトを起こしている話が印象に残る。

排他主義がいきすぎると国家の衰退を招くいい例であり、当時のスペイン王家だったハプスブルク家はドイツやオランダでも同様の愚策を繰り広げ、婚姻によって勢力を拡大した割に「賢主が出ない不思議な家系」と評しているのが言い得て妙だと感じた。

排他主義の失敗例としてはムガール帝国で宗教に寛容な皇帝が続いた後、6代目のアウラングゼーブが敬虔すぎるムスリムだったために戦争を繰り返して領土拡大をした一方で反乱にも悩まされ、ここからムガール帝国の衰退が始まったことも挙げられていて、人間はどこでも何度でも似た過ちをしてしまうものだと思う。

近代では第一次世界大戦の後にドイツへの憎しみを抑えないフランスがドイツに法外な賠償金を要求してヒトラーの台頭を招いたり、日本では国力を考えたら出来すぎなくらいの勢力拡大をしていたのに悪い情報を隠していたために民衆からの突き上げで妥協ができずに第二次世界大戦での敗北に突き進んでいった話、冷戦下でアメリカが頼ってきたエジプトやキューバを冷たくあしらったために東側になってしまったなど、近い時代なだけによりその重さが伝わってくる。

『フランス革命の省察』の著者であるエドマンド・バークの保守主義の考えを一言で「人間はアホ」として、人間の理性には信頼が置けないので経験や市場でうまくいったことを重視すべきだという話にはなるほどと思う。

著者独自の視点からの話が本書でも多く書かれていて、さまざまなことを考えさせてくれる。






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