読んだ本の感想をつづったブログです。


「四書五経」の名言録―儒教の精神・経営の心 (日経ビジネス人文庫)
「四書五経」の名言録―儒教の精神・経営の心 (日経ビジネス人文庫)
守屋 洋
日本経済新聞出版社 2010-12-02

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儒教の経典として知られる四書五経(『大学』、『中庸』、『論語』、『孟子』、『易経』、『書経』、『詩経』、『春秋』、『礼記』)に収録されている言葉を、経営という観点からどのように活かせるかを語っている作品。

この四書五経は、朱子学によって選択されたものという。
朱子学は儒教の教条主義的な部分が集まった感じがしてあまりいい印象を持っていないが、ある種の整備は必要で、整備されたからこそ現代に伝わったという面もあるのだろう。

経営に絡める性質上、著者が講演などで知り合った経営者のエピソードなど、著者の見聞を語った話が多くなり、エッセイに近い感じとなっている。

それもあってか、著者の作品での悪癖である説教臭さ、具体的には「昔に比べて現代は・・・」という感じで話を締めくくる箇所が多く出てきてうっとうしい。
いい言葉が扱われているだけに、くどくなって効果が薄れているようなのは惜しい。

儒教と経営について書かれた本を読むのならば、渋沢栄一の『現代語訳 論語と算盤』あたりから始めるのがいいと思う。






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守屋 洋
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中国の古典のうち、『論語』、『老子』、『孫子』、『韓非子』、『三国志』といった有名なものから『酔古堂剣掃』(すいこどうけんすい)や『為政三部書』、『文中子』のような現代日本では知名度の低そうなものと幅広い範囲から、逆境に耐えたり打開することに役立ちそうな言葉100を選択し、現代語と解説をしている作品。

具体的には対人的なトラブルを避けたり、自身の身を滅ぼしかねない考えや感情の処理に当たる言葉が多い。

特に、怒りという感情についての言葉が印象に残る。
他人から受けた嫌な言動については後々まで覚えているもので、私もしばしば思い出して怒りの感情を持て余すというかとらわれることを自覚していて、この手の感情を抑えるのはつくづく難しいものだと思う。

有名な古典の言葉では既に読んだことのあるものが多い一方で、目にした記憶がない古典からの言葉は比較的新鮮に感じ、こちらへの関心が高まった。
むしろこうしたマニアックと思えるような古典からだけ引用した言葉を集めた作品というのがあったら読んでみたい気もするが、あまり出ていなさそうなのは知名度が売り上げに大きく影響しているからなのだろうかとも思ったりもした。

著者による解説の説教臭さは相変わらずとして、内容自体は興味深い。





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安岡 正篤
PHP研究所 2005-07-01

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[新訳]呻吟語
[新訳]呻吟語呂 新吾 (著), 守屋 洋 (翻訳)
PHP研究所 2012-06-14

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守屋洋による、明代に官僚として活躍した呂新吾の著作『呻吟語』から80の言葉をピックアップして現代語訳と解説を行っている作品。

理想論の部分が強い『孟子』やドライすぎる『韓非子』などと比較すると、実際に宮勤めで苦労した人物なだけにリアルな人間関係を踏まえていると思われる部分が多い。

他人に対する教育や批判、アドバイスなどはあまりしつこくしてはならず、こちらが正しい場合でもあまり追い詰めないようにすることや、徳と能力のバランスについて語っているところなどがそうで、訳者は著者が目指している部分も書いているのではないかと語っていて、そうしたところもあると思った。

組織の中で生きていくうえでの心構えや行動について示唆に富むところが多く、折に触れて読み返したいところである。





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守屋 洋
三笠書房 2015-09-24

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中国の古典12作から名言をピックアップし、解説と著者の見解を述べている作品。

扱われているのは『老子』、『荘子』、『孫子』、『韓非子』、『論語』、『孟子』、『荀子』、『菜根譚』、『申呻語』、『戦国策』、『史記』、『三国志』で、有名な古典のダイジェスト版という感じがする。

最初に書かれたのが90年代後半からゼロ年代前半くらいだったのか、日本のバブル期に関する失敗や愚行を皮肉るような感じのコメントが目につくが、現在はこれらの古典が生まれた国でこうした傾向が見られるのもまた皮肉である。
こうした古典が生まれたのも、現実社会がひどかったためという面もあるためだろう。

著者による『論語』、『孫子』、『韓非子』あたりに関連した作品を何冊か読んでいたのでこのあたりはさすがに目新しさは少ないが、著者の作品であまり読んでいない『孟子』や『荀子』、『菜根譚』、全然読んでいない『申呻語』あたりでは印象的な言葉がいくつも見つかった。

例えば『孟子』では本の内容を鵜呑みにしてはいけないような言葉があったが、その後中国では儒教がどんどんこり固まった感じになっていったように感じるので、孟子も不本意なのではないかと思った。

『荀子』では学びかけの人はすぐにひけらかすという感じの言葉があった。
話すという形でのアウトプットが知識の定着につながる面はあるが、おそらく受ける側が不快に感じるような形になってはいけないということだろう。

『菜根譚』では欲望にとらわれるという問題は比較的改善しやすいが、理屈や思い込みにとらわれる問題は改善が難しいことを語っていて、カルト宗教やある種の運動をやっている人たちを見ていると全くその通りと思う。
また、他人の失敗や愚行をあまり責めたり追い詰めたりしてはいけないと語っていて、自省しなければと感じる。

『申呻語』では才能をひけらかすのは問題だが、もっといけないのは才能がないのにあるふりをすることという言葉が印象に残ったし、他にも処世に関する言葉が多かった。

中でも『菜根譚』と『申呻語』についての関心が高まったので、現代語訳した作品を読んでみようと思う。





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PHP研究所 2014-02-13

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中国の戦国時代に儒教の学者として活躍した荀子の言葉を抄訳している作品。
比較されることの多い孟子が仁義をキーワードとしているのに対して荀子は礼儀をキーワードにしているとまえがきに書かれていて、いかに後天的に人格を磨くかに重点を置いているかが分かる。

そして儒教の主流である孔子や孟子、そして朱子などでは孝に重点を置くあまり親には何があっても逆らってはいけないという教えとなりがちだが、荀子は従うべきでない場合もあることを語っているのには好感が持てる。

また、天変地異を為政者の失政のためという考えを採らず、天と人を分けて考えるところも当時としてはかなり進んだ考え方だと感じている。雨乞いをしようとしまいと雨は降る時には降るという言葉がいい。

「君臣編」では民が君主を支えることもひっくり返すこともできることを船と水に例えていて、家康が君主と家臣の関係をこれになぞらえているあたり、荀子をよく読んでいることが推察される。
江戸時代は朱子学を公式の学問としていたが、人の力を重視する荀子の学問もまた日本の思想に大きな影響を与えていたのではないかと考えている。

ポイントを押さえた形で荀子の思想を知ることができ、折に触れて読み返したい一冊だと思う。




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