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読んだ本の感想をつづったブログです。



今野 敏 (著)
角川春樹事務所 (2022/11/15)


今野敏による安積班シリーズの最新作。

臨海署の近くの海上で老人の他殺体が発見され、安積班・相楽班ともに殺害事件の捜査本部で捜査に当たることになる。

その人物は少し前に葛飾署管内で詐欺の容疑で逮捕されたことがあったことが分かり、葛飾署の生活経済係で当時の取り調べをしていた係長の広川も、安積が手掛ける捜査に協力していく。

それとは別に、東報新聞記者の山口が安積班の水野に、先輩に当たる定年を過ぎた記者からセクハラまがいの指導を受けていると相談を受けていて、これも話に多少影響してくる。

本作で目立つのは間延びした口調だが実際はかなり有能なことが伝わってくる広川の活躍で、こうしたゲスト的な人物が活躍するのもこのシリーズでの見どころである。
また、交通機動隊小隊長の速水も、重要なポイントで登場する。

SNSの普及や高齢化といった時代的な話を織り交ぜたり、それにふさわしいキャラクターを活躍させるなど、本作もまた楽しむことができた。





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今野敏 (著)
角川春樹事務所 (2019/6/12)


今野敏の安積班シリーズ最新作。
江東区のアリーナでグラビアアイドルの絞殺死体が発見され、殺人事件を捜査する回となっている。

捜査線上に浮上したのは被害者が所属する芸能事務所の親会社を経営する「芸能界のドン」とされる柳井という人物(おそらくB事務所のS社長がモデル)だったが、刑事部長がなぜか毎回捜査会議に出席したり柳井を気にする様子が見え、安積らは不自然さを感じる。
さらに、安積が昔の先輩で継続捜査を担当する海堀からも、柳井に嫌疑がかかった13年前の事件に関連して難題を持ちかけられてしまい、難しい判断を迫られて悩むシーンが多い。

警視庁本庁の捜査第一課から池谷管理官と安積に敵対心を持つ佐治係長が捜査に参加するのはこのシリーズの長編ではよくあることだが、今回は佐治の元部下で安積とともに臨海署の係長を務める相楽も捜査に参加している。
佐治に可愛がられていると思われている相楽が意外な言動をしばしば見せるところが面白い。

安積班では須田のひらめきや強運ぶり、村雨の堅実さなどが今回も描かれている他、水野が組んだ捜査第一課の達川というベテラン刑事もいい味を出している。

本作でも安積をはじめとして魅力的なキャラクターが多く活躍するところを読み、楽しむことができた。




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道標 東京湾臨海署安積班
道標 東京湾臨海署安積班
今野敏
角川春樹事務所 2017-11-30

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棲月: 隠蔽捜査7
時限捜査 (集英社文庫)
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警視庁公安部・青山望 一網打尽 (文春文庫)
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今野敏の安積班シリーズにおける最新の連作短編集。

安積が警察学校時代、中央署で地域課の交番勤務をしていた時期、目黒署で刑事課強行犯係に着任した頃の話、初期の臨海署に着任した時のエピソードなど、安積の若い頃を描いた作品が多い。
また、水野が同期の須田の過去を語る回や、安積が研修に出ている間に村雨が係長代理として安積のことを考える回など、このシリーズの設定にさらなる厚みを加える役割を果たしている。

語り手も安積や村雨、水野といった安積班のレギュラーメンバーの他に、安積や速水と警察学校の同期だった人物(名前は出てこない)、目黒署の強行犯係で安積を指導した三国、臨海署で鑑識係長を務める石倉、初期の臨海署で安積班に所属していた大橋など、さまざまな人物に安積班の面々を語らせているのがうまい。

ここでも須田が語り手になることはなく、本シリーズをドラマ化した『ハンチョウ』シリーズで須田を演じるドランクドラゴンの塚地武雅にキャラクターが近づいているような気がするところも面白い。

また、自己顕示欲が旺盛で同期の安積との掛け合いが面白い、交機隊の小隊長を務める速見もあちこちで登場して話を盛り上げているのもいい。

安積班シリーズをさらに面白くしている1冊だと思う。
本作では安積にライバル意識を燃やす強行犯二係の相楽がほとんど登場していないので、次回以降での活躍を期待している。






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潮流―東京湾臨海署安積班
潮流―東京湾臨海署安積班
今野 敏
角川春樹事務所 2015-08-28

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関連商品
マル暴総監
プロフェッション
捜査組曲 東京湾臨海署安積班
防諜捜査
臥龍: 横浜みなとみらい署暴対係 (文芸書)


昨年夏に出された今野敏の代表的なシリーズの1つである、安積班シリーズの最新作。

夏の暑いある日、臨海署が比較的平穏な状態にあると思っていたら、別々の場所で3人が熱射病に似た症状で救急搬送されたとの無線が流れてくる。

これに須田が違和感を感じて安積に確認を進言したりしているうちに、その後3人が搬送先の病院で亡くなったことで事件性が出てきたので捜査が行われることになった。

本庁の捜査一課からは準レギュラー的存在となった池谷管理官と佐治係長のチームが捜査に参加し、プライドが高くて思い込みも所轄を見下す傾向も強い佐治が安積に突っかかるシーンがここでも多く出てくる。

捜査が難航している間に次の犯行が行われたり、安積班が過去に担当した事件の不審な点が浮上したりと、安積をはじめとして係員たちが苦労する様子がよく伝わってくる。

この苦境に対して交通機動隊小隊長の速水をはじめ、普段は安積をライバル視する相楽、刑事総務係の岩城、さらには臨海署の野村署長と、臨海署の面々が安積を助ける形となり、このシリーズの醍醐味のひとつであるチームワークの良さが出ている。

多くのキャラクターの個性がよく出ていて、本作も一気に読み進んだ。





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関連タグ : 今野敏, 安積班シリーズ,

捜査組曲 東京湾臨海署安積班
捜査組曲 東京湾臨海署安積班
今野 敏
角川春樹事務所 2014-07-31

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自覚: 隠蔽捜査5.5
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見えざる貌 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)


今野敏による安積班シリーズの最新刊。
連作となっており、多くの作品で安積をはじめとした安積班のメンバーや、安積班と関わりの多い臨海署の面々による一人称で書かれ、タイトルが捜査組曲とあるようにそれぞれの章の名がが曲名となっている。

安積班では村雨、水野、黒木、桜井の4人で、もう一人の須田は何を考えているのか分からないという設定を守るためか一人称で出てこないが、他のメンバーの章で存分に存在感を発揮している。
また、安積に強いライバル意識を持つ強行犯第二係長の相楽、安積と相楽の上司である課長の榊原、これも常連である鑑識係長の石倉による章も入っている。

他にも瀬場副署長や水上安全課の吉田係長、海上保安庁の大友三正、相楽班の荒川と日野といったキャラクターも登場し、安積班が活躍する臨海署の設定に厚みを加えているのがいい。
安積の同期でもある交通機動隊小隊長の速水ももちろん登場し、随所で重要な役割を果たしている。

安積の魅力だけでなく村雨の的確なアドバイス、須田の優しさ、相楽の安積に対する複雑な感情、榊原課長の気苦労、荒川が上司の相楽を慕う言動など多くのエピソードが描かれている。

やはり安積班は安定して面白いシリーズだと再認識し、どうしても次の作品も期待したくなってしまう。




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