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読んだ本の感想をつづったブログです。



小和田 哲男 (著)
毎日新聞出版 (2019/11/23)


戦国武将たちの危機管理という観点から、実施した政策などを紹介している作品。
タイトルに明智光秀が入っているのは、大河ドラマ「麒麟がくる」を意識してのものと思われ、光秀の話に第1章を割いている。

そして第2章に信長・秀吉・家康、第3章が武田・北条・上杉・今川の4氏、第4章が伊達、長宗我部、毛利といった地方大名、第5章を戦国武将の家臣たちの話に当てている。

分国法と呼ばれる領域内での法制や家訓といった法律作りや、産業政策、家臣の反乱や後継者争いを避けるための知恵、権力者からマークされないための工夫など、戦国武将たちが多くの危険から身を守るための手法をいくつも取ってきたことが分かる。

とがったところは少ないが、ややマイナーと思われる話もそこそこ入っていたので興味深く読むことができた。






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戦国武将 (中公文庫)
小和田 哲男
中央公論新社 (2015-08-22)



戦国時代を専門とする歴史学者による、戦国武将のさまざまな面を解説している作品。

まず印象に残るのは、戦国武将は独裁者や絶対君主ではなく、有力国人の集合体をまとめるポジションという性質が強いことで、宇喜多秀家の重臣が秀吉をバカにする放言を吐いたり、「黒田節」で有名な母里太兵衛が主君の黒田長政から怒られても冷笑していたシーンを例に挙げている。

そのため主従関係も後世のような忠義がどうのといった形よりも契約による部分が強く、働きに報いることができない主君からは去る、それが進むとダメな主君は下克上で排除することにつながることが書かれている。
前者では可児才蔵や渡辺勘兵衛、後者では陶晴賢らが例に挙げられていて分かりやすい。

他にも宗教で戦いに勝つために神仏に頼る話や一向一揆への対応の仕方、学問や趣味では三大娯楽に溺れた例として「足利義政の茶湯、大内義隆の学問、今川氏真の歌道」を挙げられている文書の例、政略結婚や人質にまつわる悲劇など、幅広い内容から戦国武将が語られていて興味深い。

30年以上前に書かれた作品で、文庫化に際してその後の研究成果も反映されているので、その点も安心して読むことができる。





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徳川軍団に学ぶ組織論 (日経ビジネス人文庫)
徳川軍団に学ぶ組織論 (日経ビジネス人文庫)
小和田 哲男
日本経済新聞出版社 2017-04-04

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天下を取った家康とその家臣たちが、組織を発展させる上でいかに活躍したかを解説している作品。

メインで扱われているのは家康、徳川四天王(本多忠勝、井伊直政、酒井忠次、榊原康政)、本多正信、服部半蔵正成の7名で、各章の章末のコラムでは鳥居元忠、平岩親吉、成瀬正成、大久保兄弟(忠世、忠佐、彦左衛門忠教)、石川数正、土井利勝、伊奈忠次も紹介されている。

戦場での武功が目立ちがちな武将が政治力や交渉力も持ち合わせていたり、家康との特別な関係性、各人の出身などが整理して解説してあり、理解が進められる。

例えば徳川四天王の中でやや地味な印象がある榊原康政は能力のパラメータにバランスが取れていたらしいことが書かれていて、これが特徴を分かりにくくさせたように感じる。
(スポーツ選手や芸能人でもそうしたタイプの人は何人か思い当たる)
康政が用いていた「無」と描かれた旗印や鎧兜は博物館の特別展で見たことがあってかっこよかったので、もう少し人気が出てもいいように思う。

キャラクターを見たところそれなりにくせがある人々だったと思われ、彼らをまとめていた家康の統率力や苦心も過小評価されがちなのかもしれない。
分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。






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関連タグ : 小和田哲男, 徳川家康,

家訓で読む戦国―組織論から人生哲学まで (NHK出版新書 515)
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小和田 哲男
NHK出版 2017-04-11

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戦国武将たちが遺した家訓や分国法などを紹介し、現代に通じる話や当時の状況から必要だったルールなどを解説している作品。

武田信玄や徳川家康、毛利元就といった有名な戦国大名だけでなく、扇谷上杉定正(関東管領)や多胡辰敬(尼子経久の家臣)、上井覚兼(島津義久)といった明らかに知名度の低いと思われる人物によるものも紹介されていて、多くの書物を当たってのものと推定される。

例えば定正なんて絶対に手放してはいけない家臣と思われる大田道灌を謀殺して扇谷上杉家を衰亡に導いたダメな人物というイメージがあるが、(成功したかどうかはさておき)多くの家臣を使いこなしたことが書かれているのが意外に感じたりもする。

意外性で言えば、時代背景もあって戦国武将が戦いの際に占いを重視していた中、秀吉などは占いをあまり信じていなかった一方、実利思考と思われる家康がけっこう呪術を信じていたらしいのも面白い。
(東照大権現の新号を得たり、風水から日光東照宮などの位置を決めたことなどからすると納得はできるが)

全体的には読み下し文での紹介が多く、できるだけ現代文での紹介をしてほしかったところではある。






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戦国武将の実力 - 111人の通信簿 (中公新書 2343)
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小和田 哲男
中央公論新社 2015-10-22

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戦国武将を111人選び、先見性・統率力・教養・実行力・企画力の5つの基準で能力を評価し、その業績を解説している作品。
通説の評価だけでなく、最近の研究結果が反映されているのが特徴となるかと思う。

戦国武将ではどうしても合戦の話が多くなるが、本書では領国統治や経済政策についての話を多くしているのもポイントが高い。
例えば今川氏親による金山開発、長宗我部元親による商品作物の輸出、島津家でなされた貿易や独自通貨の発行など、伝記や歴史小説で扱われることが少ないと思われるので面白かった。

戸沢政盛や蠣崎(松前)慶広といった遠方の地方勢力、京極高次や亀井茲矩といった少しマイナーな武将、武田勝頼や別所長治のように敗者としてイメージが良くない武将など、必ずしも多くの人が選ぶとは思えない人物が掲載されているのも特徴がある。

パラメーターの評価は参考までというところだと思うが、解説文が読みやすさと興味深さのバランスが取れていてなかなか良かった。






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