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読んだ本の感想をつづったブログです。


戦国史譚 徳川家康 (PHP文庫)戦国史譚 徳川家康 (PHP文庫)

戸部 新十郎
PHP研究所 1990-06

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歴史作家の戸部新十郎が家康について、出身である松平氏の歴史から家康の前半生までをさまざまな史料とともに考察・解説している作品。

三河の山間部を根拠としていた松平氏が勢力を拡大しながら平地の岡崎に進出してきた経緯、祖父・清康の活躍と守山崩れによる挫折、父・広忠の時代に桜井松平の信定などの一族が離反して混乱状態が続いたことなど、家康が生まれる前の話にも多くのページが割かれていて興味深い。

家康が生まれてからも、織田と今川での人質時代、今川家一門に準じる客将としての活躍と家臣たちの盛りたて、信長と同盟を結んだ後の勢力拡大、三河一向一揆での苦難、武田信玄・勝頼父子との長い戦いと、多くのエピソードが描かれている。

家康と家臣たちが不運にめげずに運命を切り開いていったことはもちろん、著者は苦難を乗り越える先に幸運にも恵まれたことが多かったのではないかと書いていて、このくだりも面白い。
例えば三河一向一揆では家臣の半分と吉良氏などの旧勢力が一向一揆に属して家康と戦ったわけだが、この戦いに勝利したことで徳川家という組織を以前以上に統制できるようになったことなどが挙げられる。

かなり以前に書かれた作品ではあるが、家康についてそれほど扱われるわけでもない話が多く書かれていて、思っていた以上に早く読み進めることができた。






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徳川秀忠 下 (徳間文庫)
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戸部新十郎
徳間書店 2010-08-06

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家臣の半六から見た徳川秀忠を描いた歴史長編の下巻。

家康が征夷大将軍に就任し、これまでは形の上だけは豊臣家を立てていた徳川家だったが、権力だけでなく権威も獲得していく。
そして秀忠は家康から征夷大将軍を引き継ぐことになり、家康が動きやすい体制の構築を行っていくこととなる。

キリシタン対策や、徳川政権に反抗して盗みや放火を繰り返す曾呂利の一党や服部氏にまつわる影の一党の暗躍、本多正信・正純VS大久保忠隣らの譜代家臣による反目と、揺れ動く政治情勢の中、家康の施策と思われるものにも秀忠が着実に関わっていることが書かれている。

そして徳川政権にとって最大の懸念点である、大阪城の豊臣秀頼を滅ぼすための布石を次々と打っていく。
そして半六は江戸や伏見、大坂といった重要拠点で活動を続けていく。

関ヶ原の合戦、大阪冬の陣・夏の陣といった華々しい合戦をあまり描かず、その間の政略に関する話が多くを占めているのが面白い。
少し長くはあるが、十分に読み応えのある作品だった。




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徳川秀忠 上 (徳間文庫)
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戸部新十郎
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戸部新十郎による、徳川幕府の2代将軍秀忠の生涯を、側近の視点から描いた歴史長編の上巻。

伊賀忍者の血縁で、徳川秀忠に側近として仕える花垣秀成(半六)が主人公で、身近なところから秀忠のすごさを感じるという書かれ方となっている。

ストーリーは関ヶ原の合戦において、秀忠が総大将を務める東山道軍が、真田昌幸・幸村父子が立て籠もる信州・上田城を攻めるかどうかというところから話が始まる。

知られるようにこの上田城攻めは敗戦に終わって関ヶ原の決戦に間に合わず、秀忠は武将としてはいまひとつという評価されるようになるが、実は実は家康と本多正信による徳川軍の主力を温存するための策を察知し、見事に演じていることが分かるという書き方をされている。

世間一般や家臣たちからは温厚・篤実なだけで凡庸な人物と見られているが、半六に対しては唐突かつ断片的な指示を出し、その意図するところが時間が経ってから内容が判明するシーンが繰り返される。

関ヶ原後の戦後処理や、大名の転封(鉢植え)、江戸の都市政策や治安維持、服部家が統括していた忍者部隊の再編など、多くの政策上で秀忠が存在を徐々に発揮していく。

半六は本多正信、高台院(北政所)、大久保長安、豊臣秀頼といった多くの人物から気に入られることから、秀忠からの命により使い番として江戸と伏見を中心に、各地を巡ることとなる。

家康も家臣への指示はいまひとつ要領を得ないものが多かったらしく、このあたりはよく似ていると思う。
思っていた以上に面白く、ぐいぐい読み進んでいった。
(下巻へ続く)




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戸部 新十郎
中央公論新社 2002-01

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松永弾正久秀を描いた歴史小説の下巻。

久秀の貢献もあって畿内を支配するに至った三好家だが、その後のビジョンの不明確さ、長慶の長男や弟たちの相次ぐ死などにより徐々に没落の傾向を見せ始める。
当主の長慶も衰えが目立つようになり、これまで以上に久秀が表に立って活動を余儀なくされていく。

他の本ではいかにも主家乗っ取りの悪人というイメージで語られることの多い久秀だが、本書ではわりと長慶に忠実な家臣として描かれていて、厚みのある構成となっていたのがよかった。



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松永弾正〈上〉 (中公文庫)
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戦国の梟雄とされる松永弾正久秀の生涯を描いた歴史小説の上巻。

盗賊をやっていた少年の多門(後の久秀)と甚介(後の長頼)の兄弟は堺の豪商・天王寺屋宗達と出会ったことをきっかけに阿波の名門である三好家に仕えることになる。
当時三好家では当主の元長が勢力争いに敗れて自害し、まだ少年だった嫡子の千熊(後の長慶)が残されていた。そこから多門は智謀で、長頼は武勇で出世していく。

やがて勢力を盛り返した三好勢は混乱の続く畿内へ再度進出し、名を改めた久秀と長頼も活躍の場を広げていく。
その過程で故・元長の仇の一人である木沢長政をついに打倒することに成功するが、まだまだ戦いは続くというところで上巻が終わる。



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