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読んだ本の感想をつづったブログです。


「国境」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
「国境」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
武光誠
PHP研究所 2017-09-02

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世界各国で現在の国境になるに至った経緯や、現在の紛争につながった事情などを紹介している作品。
著者の『世界地図から歴史を読む方法』『世界地図から歴史を読む方法〈2〉』などと重なる部分も多い。

基本的には著者の世界史関連の作品と同様、広く・薄くといった内容で、読者である自分の知識の弱いところを補強できればいいので、読みやすいこともあって読む意義はそれなりにある。

印象に残ったのは南北アメリカ大陸やオセアニアなどを広い意味でのヨーロッパ世界と位置づけている記述や、ロシアと中国には際限なく膨張しようという欲求があるとの説、中東やアフリカなどでの部族という単位の重要性などで、ニュースなどを理解する際の参考になる。

USAが現在の領域になるまでの経緯や、オスマン帝国崩壊以降の中東におけるごたごた、カリブ海における国家の独立などのあたりが比較的あまり意識できていなかった話が多かったように思う。





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「葉隠」に学ぶ誇り高い生き方 (成美文庫)「葉隠」に学ぶ誇り高い生き方 (成美文庫)

武光 誠
成美堂出版 2012-01-05

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佐賀藩で伝えられ「武士道とは死ぬことと見つけたり」というフレーズで有名な『葉隠』に入っている言葉から、人生訓を語っている作品。

古典を訳した作品では著者の意見が出がちな方だったので、途中から退屈して斜め読みになってしまった。
今回の場合は扱われている古典が『葉隠』で、サラリーマン化した武士向けに語られているために、さらにそういった説教臭い感じがより強く感じてしまったのかもしれない。

『葉隠』を扱うのであれば、江戸時代や佐賀藩、武士社会などの窮屈さといった背景に重点を置いたり、語り手である山本常朝をいじるくらいの内容の作品があったら面白そうなので読むと思う。
(そうするほどメジャーな作品なのか?ということや、賛否はあるだろうが)

著者の作品は歴史に関しては分かりやすくて興味深いものが多いが、こうした分野だといまいちだと感じた。






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「宗教」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
「宗教」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
武光 誠
PHP研究所 2016-08-03

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宗教が世界史に及ぼした影響や、それぞれの宗教や宗派の間での争いがもたらした結果などを解説している作品。

宗教に対しては古臭くて迷信っぽいイメージを持ってしまうことがあるが、宗教が成立してから布教される間は哲学、科学思想、健康法などを含んだ体系的なものであるわけで、現代の視点からだけで考えてはいけないことを再認識させてくれる。

また、一神教と多神教の違いの背景として、以前読んだ『森林の思考・砂漠の思考』を引き合いに出して前者が砂漠の宗教、後者が森林の宗教ということで、それぞれの長所と短所を対比させているのもいい。

そして中近東で生まれた一神教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教がそれぞれ影響を与え合ってきたことや、教義が時代によって少しずつ変更が加えられてきたり、信仰と世俗の風習を別にすることで教義と現実のギャップを埋めようと努力が加えられてきたことも興味深い。

例えば利子はキリスト教でもイスラム教でも元々は禁止されていたわけだが、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で考察されたように真っ向から向き合ったか、イスラム金融のように金の貸し借りに事業を挟むことで解決してきたかで、社会や経済の仕組みが違ってくるのも分かるような気がする。

それぞれの宗教における概念についての理解はできたとは言えないが、歴史上の出来事と宗教の関連について分かりやすく書かれていて、思っていた以上にしっかりした内容の作品だと感じた。






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日本史もわかる「世界史」地図 (宝島SUGOI文庫)日本史もわかる「世界史」地図 (宝島SUGOI文庫)

武光 誠
宝島社 2009-03-05

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日本史および世界史の時代ごとに、それぞれの地域でどのような国家や政権が存在したり出来事が発生していたかを紹介している作品。

ユーラシア大陸の東西で同時期にどのような国が存在していたかが地図で図解されているのは分かりやすくていいが、文章の構成が非常に読みづらい。

時代の概略と地域別の歴史が分けて書かれているが、記述が重なる部分が多くて、読むリズムが悪くなってしまう。

例えば時代の流れとしてはモンゴル帝国の後にオスマン帝国が登場するのだが、逆の順番で書かれてあれ?と感じさせられてしまったりする。

文庫本という構造上の制約があったのだろうが、多くの情報を詰め込もうとして失敗した作品という印象が強かった。





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「地形」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
「地形」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
武光 誠
PHP研究所 2015-08-05

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世界史上で発生した文明の興亡や交易、宗教の広がり、戦争などについて、その背景となった地形や気候とともに解説している作品。
謎を解くというよりも、教科書的な解説をする性質の本となっている。

シルクロード(のうちのオアシスの道)、中国の南北やインドの南北における風土の違い、オリエントでのギリシア文明やイスラム教の成立、ラテンアメリカにおける文明の形成、北米でのフロンティア開拓などが扱われている。

読んでいくとヒマラヤ、ロッキー、アンデスといった山脈があることで海側と陸側で湿った地域と乾いた地域の差が大きく出ること、そして気候が植生の違いや主食の違いにつながること、地形によって交通が不便になっていたことで交易する効果が大きくなっていたことなどが理解しやすい。

歴史読み物を読んだりする際に意識が薄れがちな部分についてよく解説されていて、興味深く読むことができたと思う一方で、もう少し深くこのテーマを扱った本があったらいいなとも感じた。

このあたりはできれば歴史学者の著者よりも、元建設官僚でインフラを専門にする竹村公太郎氏の著作として、そうした本を読んでみたい。
(近年の著作から、著者は竹村氏を意識しているのではないか?と邪推している)






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