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読んだ本の感想をつづったブログです。



渡邉哲也 (著)
徳間書店 (2023/2/1)


昨今の世界的な政治・経済の情勢について解説している作品。

ロシアのウクライナ侵略、中国の度重なる横暴に対してアメリカの制裁が積み重なっていることを中心に、日本は中国の役割が小さくなることで繁栄の可能性があることを語っている。

ロシアが外交的に強気になったり弱気になったりするのは原油価格による部分が大きく、ウクライナを侵略したのは原油価格の高騰が要因にあり、その背景には民主党・バイデン政権による中東などをめぐる外交やエネルギー政策・環境政策の失敗を挙げている。

特にオバマ政権・バイデン政権で要職にあるジョン・ケリーを「無能な働き者」と評していて、アメリカは民主党が外交をこじらせて戦争になり、共和党がそれを収める構図になっているという。

中国との関係悪化もアメリカの外交の失敗も絡んでいるが、これに加えて中国で鄧小平・江沢民・胡錦涛と続いてきた路線から習近平になってからの独善的な姿勢があり、後戻りできない形になったということが分かってくる。

そして、日本は中国が世界に出てこないといい状態にある傾向があるとし、原発再稼働や環境への負荷が小さい石炭火力発電所への転換によってエネルギー問題の解決ができれば、繁栄の可能性が高いという話につなげている。

著者のメールマガジンを購読していてある程度は著者の考えを知っているつもりだが、書籍の形で整理されたものも読むと、より理解が深まることを再認識できた。




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渡邉哲也 (著), 猫組長 (著)
徳間書店 (2020/9/29)


経済評論家の渡邉哲也と元経済ヤクザの猫組長の2人による、安倍晋三氏の首相退任後の国債情勢や今後の見通しなどを語り合っている対談本。
2人の対談本である『2019年表と裏で読み解く日本経済―米中覇権戦争が生むポスト平成の正体』が読みごたえがあったので、本書も読んでみた。

序盤は報道されない安倍政権の功績や叩かれ過ぎだという話や、菅政権の成立に関連した自民党の話が書かれている。
安倍氏は肩書がなくなってより動きやすくなることや、自民党の派閥はかつての利権集団よりも政策集団の面が強いこと、細田派・麻生派・竹下派の3派が会見を開いたのは「変なことをすると岸田に代えるぞ」というメッセージだという話が印象に残る。

中盤は国政催事の話で、台湾や香港での政情は、英米が裏で暗躍している部分もあることなどが報道されることが少ないのは理解できる部分で、こうした書籍などでしか分からないことだろう。

そして、アメリカか中国か、あるいはどちらの顔を立てていくか、みたいなことが語られるが、日本にはそもそもアメリカについていくしか選択肢がないと身もふたもないことが書かれている。

そして、アメリカからの圧力などもあって親中派の排除がさらに進んでいくわけで、政界では二階俊博など、経済界ではソフトバンクなどが該当している。
現在の学術会議への6人の変な学者たちを任命拒否した件にまつわる騒動もこの流れだろうと思っている。

全体的には安倍政権が『自由で開かれたインド太平洋』構想に基づいて日米豪印の体制づくりなど国際的な基盤を作り、菅政権が国内の掃除をするという流れというか役割分担に見える。

他には、猫組長がアメリカの国務長官をポンペオ兄貴と呼んでいたり、渡邉氏が安倍氏の首相退任でアメリカだけでなく仲裁役がいなくなって中国も困っていると語るなど、興味深いポイントが多くて読みごたえがあった。




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渡邉 哲也 (著), エミン・ユルマズ (著)
かや書房 (2020/6/25)


経済評論家の渡邉哲也氏と投資家・アナリストのエミン・ユルマズ氏による対談本。
中国排除の機運が高まっていたところにコロナショックがきっかけで本格化し、その中で日本が存在感を出していくことになるという話がなされている。

2人とも欧米が中国を排除する方向性で世界が動いているとは捉えていたものの、きっかけが何になるのかが分からなかったところに、今回のコロナショックが決定打となったという話をしていて、過去の両者の著作でもそうした話が書かれていた記憶があるので、分かる人は分かるのだろうと感じた。

中国によるグローバリズムへのただ乗りによる悪影響は想像以上のようで、国際機関や新興国の指導者の買収、スパイの暗躍、そして中国国内から資産の持ち出しをさせないという理不尽なやり方には憤りを覚えるし、初期はともかく少し前までに中国に進出していた企業もどうなのかとも感じる。

アメリカ議会を中心に中国への締め付けは強化されていくようで、ソフトバンクのように中国とのかかわりが深い企業はかなり大変なことになることが語られている。
そして、ソフトバンクを大正時代に急激な拡大の後に倒産した鈴木商店に似ているという話が非常に面白かった。

日本に関してはインデックスファンドが中国に組み入れている部分が排除され、その部分の投資が日本に回るのではないかということや、(7/1に香港国家安全維持法が成立した)香港にあった金融センターの機能が東京に移る可能性などが書かれていて、政府や財界には積極的な取り組みを期待したいところである。

中国と韓国からのインバウンドがなくなったことにも触れていて、数は多くてもマナーが悪くて観光公害ばかり発生させてお金を落とさない中国と韓国向けではなく、金額ベースでインバウンドを対応すべきという意見はその通りと感じた。

報道では叩かれてばかりの日本のコロナ対策も評価されるようになったことも語られていて、ワイドショーによる「感染者が少ないのは隠ぺいしているから」というようなデマを平気で垂れ流すメディアの問題も書かれていて、これが現在の大きな問題の1つと感じている。

外交の話ではトランプ大統領がポーカーするように顔の見える相手を好むという話から金正恩は嫌いではなく、文在寅は相手にする価値がないと見ているらしいとの話も面白い。

現在のメディアによる報道の偏向がひどいためにこうした書籍が必要になるのはどうしたことなのかと思ったりもするが、どこぞの国のように出版が差し止められたりしないことはありがたいことなのだろう。




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渡邉哲也 (著)
徳間書店 (2020/3/27)


現在も被害が拡大している、中国・武漢を感染源とする新型コロナウイルスによる、今後の政治や経済に及ぼす影響について解説している作品。
著者の作品は変に煽り立てたりする度合いが低くて比較的信用できそうなので、いち早く出た感のある本書を読んでみた。

基調としては少し前からトランプ政権による米中貿易戦争の傾向がさらに強まり、先進国を中心に脱中国の動きが加速していくというものである。
グローバリズムにただ乗りして先進国の技術や資本を得、GAFAのようなグローバル企業も利用して国際社会の支配を狙ってきた中国が、それまでの問題に加えて今回の新型コロナウイルスの対応で非難を浴びる状況となっている。

また、電子機器のような防衛に直結する製品や現在品薄のマスクのような必需品の供給を中国に依存するリスクを各国が認識したわけで、中国に依存しないか、できれば中国を外したサプライチェーンの構築がなされていくという見立てが書かれていて、実際そうなっていくと考えている。

また、アメリカで中国に対して強硬なのはトランプ大統領よりもさまざまな中国を制裁する法律を成立させた議会という話や、日本でも中国からの悪影響を取り除くための法律が制定されているなど、本来メディアで報道されるべき話が多く書かれている。

日本については野党で政策を立案する能力がないという弊害、取材や報道の名のもとにある意味最もコンプライアンスを守っていないメディア業界の凋落、今回の問題でパンダハガーと呼ばれる政財官での親中派が力を失っていくことなどが書かれていて、これもまたメディアで報道しない自由を行使されがちなことだと感じる。

ただ、自民党は良くも悪くも危機に強いことや、政治家がやろうと思えば強力な権限を行使できる「普段使われない法律」の存在、財政投融資の活用案など、コロナ恐慌に対する提言というかやれる方策が書かれているのは少しだけ希望が持てる。

そして、最もコロナの被害を食い止めることに成功した台湾との関係を良くすべきことなど、今回の問題を契機にこれまでできなかった対応が可能になるかもしれないという話もなるほどと思う。

きちんとした見通しがついた本書を読むと、コメンテーターと称する人々の思い付きのコメント、政権批判や日本下げ・中韓上げという結論ありきの論調ばかりが流れるテレビのワイドショーなどは馬鹿馬鹿しくて見る気がなくなる。

感情を煽る報道に左右されることなく、できるだけ冷静な視点を持ちたいものである。




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渡邉 哲也 (著)
徳間書店 (2018/7/31)


アメリカが中国との貿易戦争で金融という武器をまだ使っていないことや、テロやマネーロンダリング、脱税などへの対策が国際的に実施されているが日本が遅れがちなこと、仮想通貨のリスク、日本の銀行の問題点など、金融の観点から世界情勢を解説している作品。

どの話題も重要だと感じられる話だが、この中でははず、日本で少し前に成立したがマスコミや野党議員からあれこれ批判の多かった「共謀罪」を制定しなかったら日本がテロ支援国家に指定されていた可能性があった話が印象に残った。

上記の法律が制定されたら困る人々が焦って反対活動を繰り広げたというのが実情のようで、反対した層がどのような人々だったのかをチェックしておきたいところである。

次に、不正を行うための銀行口座を国際的にチェックする仕組みが整えられているものの、日本の銀行、特にゆうちょ銀行や地方銀行ではそれらへの対応ができていないところが多く、この種の対応も地銀の再編につながっているという話はなるほどと思った。

そして、特に地方銀行では担保や保証なしでの融資ができておらず、銀行本来の役割をはたしていないという、「銀行のための銀行」にしかなっていないという話がなされている。

著者は地銀などでやりようによっては商機があるとしていて、住宅ローンなどと消費者金融などの金利差が大きくて中間くらいの金利で融資するところが現在あまりないところや、リコースローン(担保の住宅を手放しても差分の借金が残る)ではなくノンリコースローン(担保の住宅を手放したら借金はチャラ)での融資、リバースモーゲージなどを例に挙げている。

日本の銀行に関しては『捨てられる銀行』『金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実』でも存在意義を問われていることが書かれていたことを思い出し、色々と考えさせられる。

細かな用語が少し分からなかったところもあるが、興味深く読むことができた。




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