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読んだ本の感想をつづったブログです。


日本よ、いったい何を怖れているのか
日本よ、いったい何を怖れているのか
牛島 信
幻冬舎 2012-09-26

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現役の弁護士で、なおかつ『社外取締役』『MBO―マネジメント・バイアウト』『第三の買収』など、企業と法律を扱う小説を出している作家でもある牛島信によるエッセイ集。

月刊誌の『月刊ザ・ローヤーズ』と『Business Law Journal』において、昨年の5月から今年の9月にかけて寄稿していたものが収録されており、政治や経済、法律などのニュースを扱っていることが多い。

例えば、衆議院選挙で国民の信任を受けた小泉政権や鳩山政権はともかくとして、選挙を経ていない安倍、福田、麻生、菅、野田といった政権の正当性に疑問を呈したり、現在の政情から民主主義の長所と短所とは何かといったことを語っている。

また、弁護士という職業柄と掲載している雑誌の内容から、コンプライアンス関連の話題や日本の弁護士が海外進出できるかという話、社外取締役制度の意義など、法律関連の話題も多い。

法律ということで言えば憲法も該当し、憲法成立の過程などから日本はまだ米国の属国なのではないかという話から、真の独立は何かという部分についても熱く語っている。

納得できる意見ばかりではないが、ある法律家の視点から世の中を捉えるという部分が目新しく感じ、興味深く読むことができた。



[著者の他の作品]


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牛島 信
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いまいち認知度の低い監査役が、商法で規定される最大の範囲で活動したらどこまでできるかをテーマとした企業法律小説。

ワンマン会長とその愛人に公私混同で支配されている百貨店の赤木屋で監査役を務める水上は、ある日30万株以上の株主の代理人と称する人物の接触を受ける。
そこで「監査役の義務として取締役を訴えなさい。さもないとあなたも義務を怠っていて同罪なので訴える」と要求を受け、悩みつつも会長を始めとする取締役たちを相手に株主代表訴訟に参加することになる。

会社と取締役が対立した場合は監査役が会社を代表することや、監査役は必要とあれば調査費を会社に一方的に請求できることなど、監査役というポジションが適切な場を与えられれば本当は強大な権力があるという点がわかって興味深い。



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第三の買収
第三の買収牛島 信

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常識崩壊
MBO―マネジメント・バイアウト (幻冬舎文庫)
貸し込み 上

企業のMBO(経営陣による企業買収)やTOB(敵対的買収)について書かれた企業法律小説。

龍神商事の社長である大日向はMBOを実施することを決定し、監査役の狭間と法務室長の日夏にその調査や遂行を命じるところから始まる。
そこで狭間と日夏はとりあえず顧問弁護士の大木に相談したところ、コンフリクト・オブ・インタレスト(利益相反)と龍神商事に社外取締役がいない点がネックになりうることを指摘され、完全に納得しないもののそのままMBOを進めていくことになる。

やがて取締役会を経てMBOの公示を行うに至るが、ここから龍神商事に透明性の欠けていると思われる点などの不備をマスコミで大々的に報じられたり、この機に乗じて買収を仕掛けようとする海外の投資ファンドが現われたり、常務があやしい動きをするなどトラブルが拡大していく。
その中で狭間と日夏は大木の指摘した点が重くのしかかっていることを痛感する。

著者の他の作品よりも企業とは誰のものかという視点が強く、現代の企業や法律を理解するための小説としてはまずまず面白かった。


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逆転 リベンジ (幻冬舎文庫)
逆転 リベンジ (幻冬舎文庫)牛島 信

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『買収者(アクワイアラー) 』『MBO―マネジメント・バイアウト』 など企業法律小説の著者による短編集。

本社の理不尽な都合で退職を迫られたり、関係会社に出された後に裏切りにあった主人公たちが法律や当時の経済環境を利用して闘いに挑むといったものが多く、MBO(経営陣による企業買収)や非競合条項(ライバル社への3年間の移籍禁止)など最近の商法にからむ用語が出てきて少し勉強になる。

1作あたり約10ページとあっさりしたものなので、ちょっとした時間で読み終えることが出来る。

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MBO―マネジメント・バイアウト (幻冬舎文庫)
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牛島 信
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MBO(経営陣による企業買収)の実態を描いた企業法律小説。

ギャラクシーデパートのサラリーマン社長である小野里は、ある日親会社のオーナーである成海に呼びつけられ、社長を解雇するつもりであることを言い渡される。しかも社長就任時に退職後3年間は競合他社へ就職しないという誓約書も書かされており苦境へ陥る。

これに対し小野里が取ったのは海外の投資ファンドを味方につけて株式の第三者割り当てを実施し、会社の株式における成海の比率を過半数割れに追い込むことで会社の支配権を奪うというものだった。

当然これは成海に対しての挑戦であり、迎え入れた投資ファンドも味方とばかりはいえず、さらには部下たちとの間にも確執が生じるなど、小野里は右へ左へと闘いを続けることになる。

この著者の作品は法律を中心に描くので小説としての深みは期待できないが、ビジネスに関する法律の読み物としてはドラスティックに描かれるため、分かりやすくて面白い。



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