読んだ本の感想をつづったブログです。


戦国名将一日一言 (PHP文庫)戦国名将一日一言 (PHP文庫)

童門 冬二
PHP研究所 1996-05

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『名将言行録』から365の言葉やエピソードを紹介している作品。

知名度があまり高くないと思われる人物の言葉もけっこう収録されていて、例えば堀直政、直寄の親子(堀秀政の家老)が多く登場する。

秀吉が高く評価した陪臣(大名の家臣)には直江兼続、小早川隆景、鍋島直茂の3人がいると何かで読んだことがあるが、鍋島直茂に代わって堀直政が入っているものもあるようで、匹敵するレベルの人物だったらしい。

また、武田家からは武田信玄や山本勘助の他、四天王として山県昌景、馬場信房、高坂昌信、内藤昌豊の4人の話が多く収録されているのも印象に残る。
全盛期の武田信玄が強かったのも、人材面で優位にあったことも要因の1つだったことが分かる。

具体的な表現で経験に裏打ちされた言葉が多く、読みやすい構成もあって読み返すのにも向いている。
興味深く読むことができ、改めて参考になった。





『名将言行録』乱世の人生訓 (PHP文庫)『名将言行録』乱世の人生訓 (PHP文庫)

兵頭 二十八
PHP研究所 2016-06-03

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勝海舟の人生訓 (PHP文庫 ト 1-2)
勝海舟の人生訓 (PHP文庫 ト 1-2)
童門 冬二
PHP研究所 1989-08

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勝海舟の事跡や残した言葉、著作などから、人生に役立ちそうなものを紹介・解説している作品。
勝は自慢話やホラに近い話もしばしばしていたらしいので、そのあたりは考慮して読んだ方がいいのかもしれない。

面白い話がいくつもあり、例えば歴史上の人物を論評しているところでは細川頼之(南北朝時代の室町幕府管領)、北条早雲、天海、松尾芭蕉などを評価している。
松尾芭蕉が近江商人を指導したとか、細川頼之が北朝の経済を発展させて南朝を圧倒したなど、広く知られているとは思えない話が紹介されているのが興味深い。

民衆を生活できるようにするのが支配者の役目で、経済を軽視する支配者は滅ぶという趣旨の話はその通りだと感じた。

低い御家人の身分から立身していったこともあり、「世間は生きている、理屈は死んでいる」と語っているようにかなり現実主義的で、イデオロギーにこだわる人物を好まないことも伝わってくる。
これは朝令暮改を気にしない横井小楠を高く評価し、水戸藩の儒者だった藤田東胡を嫌っていた話、江戸幕府滅亡後に明治政府に仕えた勝をひどく非難した福沢諭吉を「幕末は本郷に隠れていた弱い男」と評しているところなどに表れているのがいい。

柔軟ながらも筋を通し、覚悟を持って生きた勝のエピソードが分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。






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日本史に刻まれた最期の言葉 (祥伝社新書)日本史に刻まれた最期の言葉 (祥伝社新書)

童門 冬二
祥伝社 2006-06

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日本史上の多くの人物による最期の言葉を紹介し、彼らの事跡や時代背景などと合わせて語っている歴史読み物。

「最期の言葉」とは必ずしも死ぬ直前のものだけでなく、引退前の言葉だったり、活動期でも自身を振り返った上での言葉なども含まれている。

生涯を振り返って充実して発した言葉も悪くはないが、恨みつらみや無念さが込められた言葉の方がエピソードと関連付けられやすいこともあって面白い。
ただ、この手の本で収録されていていいはずの、織田信孝が秀吉への恨みを込めた辞世の句が入っていないのはちょっと物足りない。

最期の言葉についてだけでなく、江戸時代における社会の変化についての話がされているのも興味深い。
具体的には、学問や政策立案の主体が僧侶から儒学者に代わったことや、町人という市民階級が出現してその影響力を幕府も無視できなくなったことなどである。

最期の言葉では、一休さんや良寛のものがふざけた感じだったのが人柄が伝わって面白かった。

全体的には、短歌はあまり馴染みがないのであまり頭に入らなかった感もある。
古本市で10円で販売されていなかったら、まず読んでいなかったはずの本である。






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「人望力」の条件 歴史人物に学ぶ「なぜ、人がついていくか」 (講談社+α文庫)
「人望力」の条件 歴史人物に学ぶ「なぜ、人がついていくか」 (講談社+α文庫)
童門 冬二
講談社 2002-07-18

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戦国時代から幕末にかけての歴史人物たちの事跡から、他人から一目置かれたり重要な仕事を周りの人の協力を得て成功させるためのヒントを紹介している作品。

信長、秀吉、家康に坂本龍馬といった有名なところから、著者の作品ではレギュラーのような扱いの蒲生氏郷、加藤清正、土井利勝、上杉鷹山など、そしてあまり他では読んだことのない秋本喬知(徳川綱吉の頃の老中)や徳川義直(尾張徳川家の初代)、緒方洪庵(福沢諭吉や大村益次郎の師)、帆足万里(江戸時代の学者)などのエピソードが扱われている。

この中では熊本の細川重賢と米沢の上杉鷹山と2人の藩主がそれぞれ藩校を作ったが、それぞれ財政難という事情を関係者に伝えたかどうかが異なるという話が興味深い。
前者では財政について教えないようにしたのに対して後者ではきっちり教えるという具合だったが、どちらでも人が育ったというのは正解は必ずしも1つではないのだろうと思わせてくれる。

また、坂本龍馬や横井小楠についてはいいエピソードを語っている一方で、龍馬は長生きしていたら疑獄事件で評価を落としていた可能性があるとしていたり、小楠はアル中タレントなので龍馬から前に出ない方がいいと思われていたらしいなど、偉人偉人したところから少し下げた話も面白い。

登場している人物が比較的上の階級ということもあり、できるだけ相手を萎縮させたり反発させたりせず、教えたい内容を伝えるやり方が多く書かれている。
これらは人間関係で苦労した人々だからこそ導き出された方法というものが多く、単純にテクニックとして真似してもわざとらしくなる可能性があるとも感じた。

著者ならではの読みやすさもあって、まずまず興味深く読むことができた。






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家康に訊け!―人情通だからできた「非情の経営」 (ノン・ポシェット)家康に訊け!―人情通だからできた「非情の経営」 (ノン・ポシェット)

童門 冬二
祥伝社 1999-12

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家康の政治や経営、家族などに関する哲学と、その背景となる経験してきたエピソードを考察している作品。

人質時代の苦労、今川家から押し付けられた築山殿という悪妻、一向一揆で家臣の半分が叛いたつらさ、信長の恐怖に秀吉の老獪さと、多くの苦難を経たからこそ、家臣たちから信頼を得つつもうまく使ってきたことが分かってくる。

学がないふりをして自分の主張を御用学者に言わせたり、家臣が感動する振る舞いを分かってやっていたり、1つのポストに複数の人物をつけて競争させるなど、人間の心理をよく分かっていると思わされるエピソードが多く紹介されている。

中でも秀忠を後継者にするまでの経緯や、蓄財がらみの話、健康に関するエピソードなどでは家康と家臣たちとのやり取りが書かれていて面白い。

全体的には通説に基づいたオーソドックスな内容だと思うが、その分まとまっていて分かりやすかった。




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