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読んだ本の感想をつづったブログです。



関真興 (著)
KADOKAWA (2016/5/12)


世界史のロングセラーとして知られるが読みづらいとの評価もある、ウィリアム・H. マクニール著『世界史』の内容をダイジェストで紹介している作品。

読んだ感じだと、世界史の概説書として特色がそれほどある印象を受けなかった。
これは読み手側の問題か、著者が分かりやすくしようとし過ぎたためなのかは、元の作品を読んでいないので判断できない。

文体もです・ます調とだ・である調が混ざっていてかなり違和感があった。
著者の他の作品ではこの違和感はそれほどなかったので、マクニールの『世界史』に対する気持ちが空回りしたところがあったのかもしれない。

結局のところ、元の作品を読む必要がある、ということだろう。




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世界各地における紛争や対立の原因の1つとなっている宗教的な経緯を、世界史や地政学、経済、民族や部族などの観点とも合わせて紹介・解説している作品。

宗教や宗派、民族や部族ごとの対立もあるが、それぞれのグループ内部でも急進派と穏健派、他のどのグループと協力するかなどでも派閥が分かれているケースも書かれていて、ニュースなどで報道される以上に複雑で分かりにくいことがいくつも書かれている。

日本では報道されることが少ない中央アフリカでのフツ族とツチ族の対立を起因として8ヵ国が関わった「アフリカ大戦」や、南スーダンでのイスラム教徒とキリスト教徒の対立、中米におけるカトリック、プロテスタント、解放の神学派(カトリック系だがヴァチカンは非公認)のキリスト教三派の三つ巴の争いなど、知らなかったことが多くて暗たんとした気持ちにもなる。

著者が末尾で見解のコメントをしているところが微妙に偉そうに感じるところもないではないが、紹介という観点からはまずまず興味深く読むことができたかもしれない。






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古代、中近世、近現代で20章の構成で、さまざまな民族の活動や移動、衝突や迫害といった出来事を紹介・解説している作品。
フェニキア人、ユダヤ人、アルメニア人、ゲルマン人、ノルマン人、トルコ系、漢民族など、世界史の教科書に登場する多くの民族が扱われている。

単一あるいはグループが限られた民族であればまだ理解しやすいが、ゲルマン人の諸部族、ノルマン人の諸派、アフリカの部族などは細かなグループが多数出てくるので、なかなか理解が追い付かない。

あまり知らなかったり意識することがない事柄も多く書かれていて、ドイツ、ポーランド、ウクライナとその周辺地域は平原が続くために頻繁に国境線が変わって悲劇が繰り返されてきたことや、ドイツ系住民が東欧やバルト海沿岸などに数百年にわたり住んでいたのを第二次世界大戦後にドイツに強制的に「帰国」させたために当事者がひどい目にあったのはもちろん指導者を引き抜かれた地域も経済的に打撃を受けた話、ユダヤ人は世界中に広がりすぎてイスラエル建国を目指したシオニズム運動に反対のユダヤ人も多かったことなどがそれに当たる。

「漢民族」の概念が時代を追うごとに変質したり、中央アジアなどでトルコ系がイスラム化していったり、地域によっては複数の民族が同化することや名前は同じでも内実が変わるなど、さまざまな事情で民族の構成が変わっていく話も随所で出てくるのも興味深い。
同化を期待してマイノリティに対し宥和政策を取ったのに同化が進まなかったために弾圧に転じるようなケースもあり、民族に対する政策で長期的にこれはという正解はないのかもしれない。

ところどころで読みにくかったり著者の見解に異を唱えたくなるところもないではないが、内容が濃くて刺激的な内容だったと思う。






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世界史に影響を与えてきた国々の成立から滅亡まで、そしてその国が後世に与えてきた影響などを紹介している作品。

古代のアレクサンドロス帝国やローマ帝国、中世の神聖ローマ帝国やモンゴル帝国、近世のオスマン帝国やティムール帝国、近代の大日本帝国やロシア帝国など、地域から世界にかけて勢力を保持してきた国々が扱われている。

世界史の教科書で目にしてもそれだけでは実情が分からなかったりするので、その国が滅亡した後にどの国が支配したり後継国家となったりしたのかが書かれているので、足りないことを自覚していた知識を補うことができる。

例えば神聖ローマ帝国やオーストリア=ハンガリー二重帝国が成立した経緯や、大英帝国の悪行がもたらした紛争の数々、オスマン帝国のような多民族国家の崩壊によって旧支配地域が火薬庫となってしまう話は示唆に富む。

完成度はそうでもないかもしれないが、あまり扱われない切り口から書かれていて興味深かった。






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キリスト教が世界史に与えた影響などについて、30章にわたって紹介している作品。

中東で生まれたキリスト教がローマ帝国に伝わり、ローマ帝国の東西分裂によってローマとビザンティンの2つの教会に分かれるなど、教義などをめぐって分化を繰り返しながら世界各地に広まっていったことが書かれている。

中世からはローマカトリックを中心とした記述になっていて、神聖ローマ皇帝(ドイツ王)、フランス王、スペイン王といった世俗の君主たちやイタリアに割拠するさまざまな都市国家と戦ったり協定を結んだりと、教皇領の君主として活動する話も多い。
近代でもナポレオン、ビスマルク、ヒトラー、ムッソリーニといった英雄や独裁者たちとのやり取りも描かれている。

ローマ教皇には優れた人物もつまらない人物も陰謀家もいたわけで、叙任権をめぐる神聖ローマ皇帝との争い、カノッサの屈辱、十字軍、贖宥状など、多くのトピックが出てくる。
堕落していた時代は聖職者の位を売官したり聖職者が妻帯していたなど、聖職者といえども人間だと思わされる部分が多い。

近代以降は植民地支配や大規模になってきた戦争との関わりで苦悩する教皇の姿が多く書かれている。
そしてイタリア人が多く務めてきた教皇もヨハネ・パウロ2世(ポーランド出身)、ベネディクト16世(ドイツ出身)、現在のフランシスコ教皇(アルゼンチン出身)と、イタリア以外の出身者が教皇になっている事象は興味深い。
はたして、ヒスパニックや黒人など有色人種の教皇が誕生する日は来るのか・・・?

ヨーロッパ史と同様にローマ教皇もまたイノケンティスとかピウスとかレオとかユリウスとか、同じような名前の人物が多く登場して覚えられないのが難点なので、別で分かりやすい人物伝みたいな本があれば理解しやすくなるのではないかと思う。

なじみが少なくて初めて知った話が多く書かれていて、ためになった。






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