読書:雨読夜話

ここでは、「読書」 に関する記事を紹介しています。


世界の名言100選 (PHP文庫)世界の名言100選 (PHP文庫)

金森 誠也 (監修)
PHP研究所 2007-12-03

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日本を除く古今東西の偉人による名言を、その人物の紹介や名言が語られたエピソードなどとともに1人当たり1つの名言、1項目当たり見開き2ページで解説されている作品。
金森誠也氏と岡崎博之氏の2名が解説を執筆している。

古くはソクラテスや中国の諸子百家、最近ではビル・ゲイツやサッカーの元ブラジル代表だったロマーリオなどが扱われている。
また、欧米の人物の比率が多く、アジアの人物が少しという割合になっていて、このあたりは著者の得意不得意が出てそうである。
選ぶ人によっては、イスラム圏の賢人や南米の革命家などが入ってきそうな気もする。

偉人自体を知らないことも多く、その人物の事跡を紹介しているのは理解するのに助かる。
ただ、項目によってはそのエピソードが語られた背景についての解説がなされていない部分も多く、少々不満が残った。

選ばれた名言の傾向にくせがあるので、読む人によって合う合わないが出てきそうな気はするが、そこそこ興味深く読んだ。





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抄訳・ギリシア神話 (PHP新書)抄訳・ギリシア神話 (PHP新書)

ロバート・グレイヴズ (著), 椋田 直子 (翻訳)
PHP研究所 2004-07-16

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イギリスの詩人で作家だったロバート・グレイヴスによる、ギリシア神話のエピソード紹介した作品を抄訳したもの。

子どもの頃に世界文学全集か何かでギリシア神話を読んで概略は知っているが、阿刀田高の解説にもあるように周辺の話がいくつもあるらしく、知らなかった話も結構収録されている。

まず印象に残るのはゼウスをはじめとする神々のあまりな人間臭さで、好色なゼウス、嫉妬深いヘラ、八つ当たりをしてしまうアポロン、いたずら好きなヘルメスなど、しばしば地上の人間たちが理不尽な目に遭っていたりする。

しかも必ずしも全能というわけでもなく、冥界の王であるハデスが人間であるシシュポスの姦計にはめられたり、巨人族との戦いで劣勢に陥った際には神々が動物に化けて逃げようとしたなど、かっこ悪いエピソードも入っているのは日本神話とも通じるところがある。

ヘラクレスのように別々の話に登場する人物がいるなど、地域によって異なる話になっていたり、話を面白くするために有名なキャラクターをねじ込んだのではないかと思われるなど、神話が編纂される過程が垣間見られるのも面白い。

そして大地母神や蛇などがオリンポスの神々に敵対する役回りを演じているのは、ギリシアと敵対していた地域で信仰されてきた神々だったという説をどこかで読んだことがあり、当たっているように思う。

本書の最終話ではローマ帝国の皇帝としてギリシア・ローマの神々を最期まで信仰していたユリアヌスが死んだことでヨーロッパがキリスト教世界となり、オリンポスから神々が去ったことが書かれている。
多神教であるオリンポスの神々と、一神教であるキリスト教は相容れない存在ということなのだろう。

元々は子供向けに書かれたものらしく、1つの話の長さもそれほど長くなく、平易な文章で書かれていて分かりやすかったと思う。






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[超訳]老子 心が安らぐ150の言葉 (PHP文庫)
[超訳]老子 心が安らぐ150の言葉 (PHP文庫)
岬 龍一郎
PHP研究所 2011-08-03

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『老子』の言葉150を分かりやすい現代語訳で翻訳している作品。

余計なことはしない、自然のままに任せるという印象が強かった『老子』だが、へりくだることや他者への思いやりを語っている言葉がけっこう含まれていることに少し驚く。

そして「大器晩成」、「天網恢恢疎にしてもらさず」、「無為にして化す」、「如水」、「足るを知る」、「小国寡民」、「無用の用」など、日本語の中に定着していると思われる言葉、『老子』からの言葉と知らなかった言葉があることを再認識した。

また、『老子』には「怨みに徳を以て応じる」という言葉があり、『論語』だと孔子がこれに対してそれではダメで、「怨みに直を以て応じる」という趣旨の話があり、孔子より前の時代に書かれたことを思い出したりもする。

著者がまえがきやら解説文やらで3.11の原発事故や現代の世相について憂いてみせ、教訓ぶった話をしているのは『老子』的でない気もするが、本文自体は興味深く読むことができた。






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「宗教」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
「宗教」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
武光 誠
PHP研究所 2016-08-03

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宗教が世界史に及ぼした影響や、それぞれの宗教や宗派の間での争いがもたらした結果などを解説している作品。

宗教に対しては古臭くて迷信っぽいイメージを持ってしまうことがあるが、宗教が成立してから布教される間は哲学、科学思想、健康法などを含んだ体系的なものであるわけで、現代の視点からだけで考えてはいけないことを再認識させてくれる。

また、一神教と多神教の違いの背景として、以前読んだ『森林の思考・砂漠の思考』を引き合いに出して前者が砂漠の宗教、後者が森林の宗教ということで、それぞれの長所と短所を対比させているのもいい。

そして中近東で生まれた一神教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教がそれぞれ影響を与え合ってきたことや、教義が時代によって少しずつ変更が加えられてきたり、信仰と世俗の風習を別にすることで教義と現実のギャップを埋めようと努力が加えられてきたことも興味深い。

例えば利子はキリスト教でもイスラム教でも元々は禁止されていたわけだが、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で考察されたように真っ向から向き合ったか、イスラム金融のように金の貸し借りに事業を挟むことで解決してきたかで、社会や経済の仕組みが違ってくるのも分かるような気がする。

それぞれの宗教における概念についての理解はできたとは言えないが、歴史上の出来事と宗教の関連について分かりやすく書かれていて、思っていた以上にしっかりした内容の作品だと感じた。






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ダマされない金融商品の買い方 (マイコミ新書)ダマされない金融商品の買い方 (マイコミ新書)

永野 良佑
毎日コミュニケーションズ 2007-12-21

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金融商品を購入する上で気をつけるべきことと、よく分からなくて恐れている気持ちに対してリスクを判断できれば恐れなくてもいいことを解説している作品。
さまざまな金融商品があるが、購入する上でタイプ別に検討する上で重要なポイントがいくつも書かれている。

まず印象に残ったのは、オプション(権利)という概念についてである。
これは保険や預金などでも使われているもので、契約によってオプションを持つ側が相手に見返りとして費用などを支払う形(例としては保険料の支払い)で、オプションの対価が見合っているものとそうでないものがあることを語っている。
その中でも、銀行側に続けるかどうかのオプションがある預金などは、顧客からするとかなり不利であることが分かってくる。

そしてFXや商品先物取引、株の信用取引のようにレバレッジをかけるタイプの手法は危険なイメージが強いが、レバレッジの倍率をコントロールすることでリスクを下げたり、使い方によっては保有する金融商品の値下がりに対するヘッジを効かせることができることが書かれている。

ただ、丁寧に解説されていてもまだ理解が追いついていなかったり、コストが見合ったものなのかの判断がついていなかったりするので、実施する上では最低限の情報と方針が必要なことは変わらない。

また、レバレッジをかけた取り引きをする場合は証拠金の額を意識することが多いが、本当に意識すべきなのはレバレッジがかかった実際の投資額という話は心しておきたいと感じた。

他には、投資信託はアクティブ型の投信がインデックスに勝つのは難しいために著者は投資信託をインデックス型のもののみにしていることも書かれている。
私も基本的には近い考え方だが、「さわかみファンド」、「ひふみ投信」、「朝日Nvest グローバルバリュー株オープン」といったアクティブ型の投信も買っているのは自分でも中途半端だと自覚している。
まあ納得してやっていることなので、今のところ変更するつもりはない。

TSUTAYAに中古として108円で販売されていたものをそれほど期待せずに購入して読んだわけだが、思っていた以上に参考になる部分が多く、得した気分になった。






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