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読書-伝記(日本:単独・近世):雨読夜話

ここでは、「読書-伝記(日本:単独・近世)」 に関する記事を紹介しています。



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板野 博行 (著)
三笠書房 (2022/11/30)


以前読んだ『眠れないほどおもしろい吾妻鏡: 北条氏が脚色した鎌倉幕府の「公式レポート」』の著者による、徳川幕府の公式記録である『徳川実紀』版。

『眠れないほどおもしろい吾妻鏡』の語り手は『愚管抄』の作者である慈円だったが、本書では『三河物語』の作者ととして知られる大久保彦左衛門が務めている。

本作も章のはじめに四コマ漫画を入れていたり、彦左衛門による人間臭いコメントがなされているなど、かなりとっつきやすさを重視した書かれ方になっている。
ただ、時代が比較的新しくて既に知られている情報量が多いためか、初めて知った話はあまりなかった。

今日からAmazonの画像リンクが作成できないだけでなく、既に作成されたものも表示できなくなっていた。
楽天アフィリエイトなどに貼り直しをした方がいいのだろうが、無料サービスというものはこういうリスクを許容するということでもある。
Amazonの画像リンクが表示できなくなったのは2019年くらいからの5年間分くらいなので、少しずつ貼り換えを進めてみるか。




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磯田 道史 (著)
文藝春秋 (2023/2/17)


家康が周囲を強敵に囲まれた境目の領主だった境遇から、共進化を起こして強い領主へと変貌を遂げていった過程を解説している作品。

最近の研究結果の他、必ずしも信ぴょう性が高いとは言えない二次史料から、どのように家康が見られていたかも含めて書かれている。

家康が三河の家臣たちから支持されていたのは幼少期に人質になっていてあまり知られていなかったからでは?という逆説や、武田信玄・勝頼父子と戦い続けたことで軍事だけでなく謀略の面でも成長できたと思われる話、武田の謀略が家康の長男・信康だけでなく信長も殺したと考えられることなど、あまり読んだことがない話も多く書かれていて興味深い。

他には、随所で紹介される重臣・酒井忠次の有能なエピソードや、家康の関東移封に際して前田利家が旧北条家の家臣を雇い入れて嫌がらせをした話などが印象に残る。




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渡邊 大門 (編集)
柏書房 (2020/1/28)


信長について回っている朝廷や将軍の権威をあまり気にしない革命児というキャラクターだが、研究が進むにつれてそうでもなかったと思われる話を9つの章で解説している作品。

武田信玄が三方ヶ原の合戦で家康に勝利するまでは信長と足利義昭の関係は基本的には良好だったことや、朝廷に対しても忠義を尽くしていたらしいこと、楽市楽座などの政策や信長の城についても特別に新しかったわけではないが時代の流れを取り入れていたなど、信長は破天荒な感じではなくバランス感覚があったキャラクターが浮かび上がってくる。

多くの研究者によって書かれている性格上、読みやすい・読みにくい、関心を持ちやすい・持ちにくいなどはあるが、全体的には興味深く読むことができたかと思う。




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宮崎 正弘 (著)
ビジネス社 (2022/10/3)


家康の業績について、歴史学者や作家が必ずしも言及できていないと思われることを語っている作品。

明治以降に政治的な理由などから「狸おやじ」という悪いイメージがついていることが多いが、実際は学問好きで好奇心が強く、バランス感覚を持っていた人物だったことが語られていく。

多くの合戦や危機からインテリジェンスを学んだことや、今川・武田・北条といった併合した大名家の縁者を側室にしたことが支配を円滑にした効果、家康が封じられた江戸は北条家が後背地として意図的に発展させていなかったことなど、なるほどと思わされる話も多い。

法治主義や通貨の一元化など、江戸幕府は当時としてはかなり近代的な政権だったことも書かれていて、後にあれこれ問題とされる朱子学の導入も、弊害も多かった仏教に頼り切らない統治の思想を求めたらベターな選択だったことも伝わってくる。

他にも朝鮮通信使が実際は日本への朝貢だったとする考え方や、江戸時代に朱子学者を名乗りながらも実際は陽明学の思想を持っていた人物は佐藤一斎だけでなく多くの儒学者がそうだったらしいという話も印象に残る。

細かな部分での間違いが気になるところもあるが、著者が実際に家康ゆかりの土地を訪れての感想なども書かれていて、興味深く読むことができた。




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渡邊 大門 (著)
幻冬舎 (2022/7/27)


家康自身と、関わった合戦などで登場した人々に関するエピソードの真偽を、一次資料などを用いて考察している作品。

例えば、関ケ原の合戦で井伊直政と松平忠吉(家康四男)が福島正則を欺いて抜け駆けした話や、家康が長男の信康を自害させたのは信長の指示だったという説、真田昌幸が大坂の陣に向けて戦略を立てていた逸話などは、当時の史料には出ておらず、残っている書状などからは別の状況が語られているのが面白い。

家康が秀吉に局地戦で勝利した小牧・長久手の合戦では家康が政治的に負けたとされているが、実際には軍事的にも秀吉軍に追い詰められていて家康・信雄側が講和を乞うていた話や、関ケ原の合戦直後では家康が豊臣家に遠慮しなければならなかった状況を徐々に打開していった話も印象に残る。

これからも研究が進むにつれて多くの説が出てくると思うので、楽しみにしている。




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