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読書-経済小説:雨読夜話

ここでは、「読書-経済小説」 に関する記事を紹介しています。


ジャパン・プライド
ジャパン・プライド江波戸 哲夫 (著)
講談社 2009-09-04

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同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録 (現代プレミアブック)
凄い時代 勝負は二〇一一年
竜の道 飛翔篇


リーマン・ショック以降の大混乱の中、たくましく活躍を続けるメガバンクの行員たちを描いた経済小説。

舞台となるのは関東系の銀行と関西系の銀行が統合してできたメガバンクの東西銀行で、登場するのは
  • 富裕層向け営業のエース
  • 個人向け営業の部長
  • 東西銀行から転身した工作機械メーカーの社長
  • 上記3人の元上司であり時期頭取と言われていたが、失脚して東西銀行を離れた元専務
の4人を中心として
  • 野心的な頭取
  • 頭取の拡大路線に危惧を抱くホールディングス社長
  • 大手電機メーカーを担当する法人向け営業の行員
  • 個人営業でトップクラスの成績を挙げる女性行員
  • 頭取の懐刀と目される企画課長
など多岐に渡る。
当然、取引先やライバルである外資系金融機関や国内外の企業のキーマンたちも登場する。

東西銀行はリーマン・ショックを受けて他の銀行と同様、
  • これまで順調に進んでいたM&A交渉の頓挫とそれに対する対策
  • 投資信託の価格下落による個人投資家の不安
  • 中小企業への貸し渋り
  • 産業構造の変化による業界再編
  • 邦銀による欧米投資銀行への進出と、そうした風潮への反発
など、さまざまな事件が発生し、各人がそれぞれの思惑を胸に活動をしていくことになる。

少し対象が広がりすぎな感じもしないでもないが、その分厚みのある設定となっていてまあまあ楽しめたと思う。
途中色々あるにせよ、前向きな感じでまとめられているのがいい。




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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎 夏海 (著)
ダイヤモンド社 2009-12-04

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昨年末に出版されてベストセラーとなっている、通称『もしドラ』。

タイトル通り、高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読み、無名の公立校野球部を甲子園に出場させるべく奮闘するという小説の形式を取っている。

随所で『マネジメント』に書かれているドラッカーの記述が引用され、普通に読んだだけでは理解が難しいドラッカーの言葉を、高校野球という比較的イメージしやすい事例に落とし込んでいくので分かりやすい。

小説としての完成度はともかくとして、専門家の言葉を分かりやすく翻訳することやイノベーションの必要性など、経営的なところの提言が書かれていて入門書としては良書と言える。

せっかく『もしドラ』を読んだので、「マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]」などのドラッカー関連作品にも挑戦したい。






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マグマ (朝日文庫 ま 27-1)
マグマ (朝日文庫 ま 27-1)
真山 仁
朝日新聞社 2008-03-07

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地熱発電のプロジェクトをめぐるさまざまな駆け引きを描いた経済小説。

冒頭はエネルギー関係の国際会議で日本代表が原子力発電をやめるように欧米から圧力をかけられるところと、ハゲタカファンドに勤める主人公の妙子が地熱発電の会社再建を任されるところから始まる。

そこから日本の原子力発電のチェック体制の甘さと事故隠し、そして地熱発電が原子力がらみの利権により割を食ってきたことなどが妙子と関係者たちとのやりとりから浮かび上がってくる。

登場する人物も、命を削って地熱に打ち込む研究者やエネルギー利権の黒幕といえる政治家、要領よく立ち回って実績を上げようとする妙子の上司などバラエティに富んでおり、エネルギー利権と環境利権の衝突のようなところも出てきて読みごたえがあり面白い。

実際のところ地熱発電(と高温岩体発電)はどこまで引き合う事業なのかよく分からないが、石油価格の高騰がこのまま進むと現実味を帯びてくるかもしれないと思った。



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株主代表訴訟 (幻冬舎文庫)
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牛島 信
幻冬舎 2000-04

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株主総会 (幻冬舎文庫)
MBO―マネジメント・バイアウト (幻冬舎文庫)
買収者(アクワイアラー) (幻冬舎文庫)
逆転 リベンジ (幻冬舎文庫)
社外取締役 (幻冬舎文庫 う 2-6)

いまいち認知度の低い監査役が、商法で規定される最大の範囲で活動したらどこまでできるかをテーマとした企業法律小説。

ワンマン会長とその愛人に公私混同で支配されている百貨店の赤木屋で監査役を務める水上は、ある日30万株以上の株主の代理人と称する人物の接触を受ける。
そこで「監査役の義務として取締役を訴えなさい。さもないとあなたも義務を怠っていて同罪なので訴える」と要求を受け、悩みつつも会長を始めとする取締役たちを相手に株主代表訴訟に参加することになる。

会社と取締役が対立した場合は監査役が会社を代表することや、監査役は必要とあれば調査費を会社に一方的に請求できることなど、監査役というポジションが適切な場を与えられれば本当は強大な権力があるという点がわかって興味深い。



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第三の買収
第三の買収牛島 信

幻冬舎 2007-09
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逆転 リベンジ (幻冬舎文庫)
この国は誰のものか―会社の向こうで日本が震えている
常識崩壊
MBO―マネジメント・バイアウト (幻冬舎文庫)
貸し込み 上

企業のMBO(経営陣による企業買収)やTOB(敵対的買収)について書かれた企業法律小説。

龍神商事の社長である大日向はMBOを実施することを決定し、監査役の狭間と法務室長の日夏にその調査や遂行を命じるところから始まる。
そこで狭間と日夏はとりあえず顧問弁護士の大木に相談したところ、コンフリクト・オブ・インタレスト(利益相反)と龍神商事に社外取締役がいない点がネックになりうることを指摘され、完全に納得しないもののそのままMBOを進めていくことになる。

やがて取締役会を経てMBOの公示を行うに至るが、ここから龍神商事に透明性の欠けていると思われる点などの不備をマスコミで大々的に報じられたり、この機に乗じて買収を仕掛けようとする海外の投資ファンドが現われたり、常務があやしい動きをするなどトラブルが拡大していく。
その中で狭間と日夏は大木の指摘した点が重くのしかかっていることを痛感する。

著者の他の作品よりも企業とは誰のものかという視点が強く、現代の企業や法律を理解するための小説としてはまずまず面白かった。


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