読書-社会:雨読夜話

ここでは、「読書-社会」 に関する記事を紹介しています。


新訂 ワイドアトラス 日本地図帳
新訂 ワイドアトラス 日本地図帳
平凡社 2015-09-18

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昨年くらいから地図帳や地図を手元に置いて眺めたくなり、先日購入した地図帳。
選んだポイントは大きくて見やすいこと、一定以上の情報量があること、地図以外のあまり必要と思わない情報(統計など)が最小限に抑えられていることなどで、この地図帳となった。

自宅で見ると大きいだけあって使用している本棚に入らないが、普段から手に取るのであれば特に問題はない。

内容としては、沖縄県から北海道へと西から東に並んだ構成となっている。
基本的には県別で、島根県のように細長い県の場合は2回に分かれていたりもする。

学生時代以来手元に地図帳を置くことはなかったが、改めて眺めて見ると地図は面白いものだと思う。
既に何度も行った地方でも交通機関の乗り継ぎは知っていても方角や平面状の距離などは分かっていないことが多いわけで、普段いかに位置関係をいい加減に認識していたか、そしてそれで特に困るわけでもなかったことに気づいたりもする。

旅行を検討している場所でも少し離れたところは知らなくて発見があったり、行った地方が増えることでさらに地図を眺めて思い出すことがあるなど、楽しめることは多いようだ。

もっと早く購入しても良かったくらいで、いい買い物だったと思う。






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「豊かさ」の誕生(下) 成長と発展の文明史 (日経ビジネス人文庫)
「豊かさ」の誕生(下) 成長と発展の文明史 (日経ビジネス人文庫)
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近代の急激な経済発展を、制度や技術の点から考察している作品の下巻。
上巻に続いて下記の4つの要因を用い、まずは先頭に立った国(オランダ、イギリス、アメリカ)、出遅れたが追いついた国(フランス、スペイン、日本)、取り残されたままとなっている国(かつてオスマントルコの領域だった国や、スペインから独立したラテンアメリカ諸国など)についてのケースを解説していて、具体的で興味深い。
  • 私有財産制
  • 科学的合理主義
  • 資本
  • 動力・スピード・光
フランスでは統制経済、スペインでは略奪や地下資源への依存、日本では江戸幕府による鎖国などの政策が上記の要素を妨げてきたとしている。
制度についてはイギリスの植民地だった国とスペインの植民地だった国では法律によって財産権を保護する部分に差が出ていて、これが経済発展の差につながっているとしている。
これはあくまで法や社会制度についての話であり、植民地でマイノリティを優遇していがみ合いを煽ってきたイギリスの統治にも問題はあるわけで、あくまで経済成長ではという但し書きがつくかとは思っている。

その後は経済成長が幸福につながるかはなんとも言えないが、著者の母親によれば「少なくとも居心地のいい場所で苦しむことができる」という話をしたり、民主化は経済成長につながるとは限らないが経済成長は民主化につながりやすいという話、そして経済成長と民主化を達成した国は国防費を一定レベル(30%くらい)に抑えようとしたり、戦死者を減らすために軍事技術が発達する傾向があることなどを解説している。

後半は少し読みづらく感じる部分もあったが、まずまず前向きな形で経済成長についての話が書かれていて、興味深く読むことができたと思う。





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「豊かさ」の誕生(上) 成長と発展の文明史 (日経ビジネス人文庫)
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ウィリアム・バーンスタイン (著),‎ 徳川 家広 (翻訳)
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1860年前後を境に経済や産業の発展スピードがが急激になっているとして、その背景を解説している作品。
これは以下の4つの条件が揃ったことによるものと語り、それぞれに章を立てている。
  • 私有財産制
  • 科学的合理主義
  • 資本
  • 動力・スピード・光

私有財産制が重要なのは権力者などから不法に財産を没収されたりすることがないことであり、自由も財産権と密接に関係していることは借金があると自由がなくなることを考えると理解しやすい。
特許で自身の発明が守られなければ工夫しようとするインセンティブが働かないし、「共有地の悲劇」や共産主義による失敗からも、自分のものにならなければ生産や技術も発達しないことが書かれていてその通りだと感じた。

科学的合理主義でなかった状態というのは例えば、カトリックがプトレマイオスによる天動説を正規の説として、それを疑ったり地動説を大衆に広めるとガリレオのように宗教裁判にかけられるようなことを指している。
宗教改革で有名なルターもガリレオの学説には否定的だったことを考えると根深いものがあるわけで、科学と宗教の分離がまず必要という話になっている。
この章ではコペルニクス、ブラーエ、ベーコン、ガリレオ、ケプラー、ニュートン、ハレーといった人々が果たした役割が書かれている。例えばハレー彗星のことでしか知らなかったハレーはニュートンの弟子で、科学だけでなく保険業やオーストラリア大陸発見にも実は貢献していたという話にはけっこう驚いたりした。

資本のところでは、資本主義が成立する前は出資者は損失に対して全財産を支払わなければならず、イギリスなどで債務不履行をすると懲役を受けた時代もあったことが書かれている。
それだと出資のリスクが高すぎるので、家族経営をするか高利で融資を受けるしかなかったわけで、長期で多額の資金を必要とする事業には限界があったという。
アジアやアメリカ大陸との貿易でのリスクを分散・有限化するために株式会社の仕組みができたわけで、有限責任(損失は出資した金額まで)によって資金がさまざまな事業に流れるようになったことが理解できた。
19世紀に大規模なインフラ工事がなされたのはデフレで金利が低かったからということもあるとは思うが、さすがにページの都合であまり触れられていない。

4条件で最後の動力・スピード・光については、蒸気機関と電信をメインで扱っている。
蒸気機関の発明によって人や動物、自然エネルギーではできなかった強く安定した動力を得られたことで、工場や鉱山といった産業での用途、そして蒸気船や蒸気機関車で輸送のスピードが劇的に向上した効果を語っている。
電信についても情報の伝達スピードが上がったことで、価格が一定の範囲内に収まるようになったという経済的な効果を例に挙げている。

興味はあったが少し硬そうなので読むまで時間がかかったが、読み出すと興味深いポイントがいくつも分かりやすく解説されていて、充実した読後感を得ることができた。
続いて下巻も読むつもりである。





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ついに日本繁栄の時代がやって来た (WAC BUNKO 249)
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日下 公人
ワック 2017-01-26

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日下公人による、近年の日本におけるポジティブだがマスコミが報道しない変化について語っている作品。

アベノミクスの3本目だか4本目だかの経済成長だが、これは新たに生み出されるものであり、それをあれこれ聞くほうが間違っていると語っているのが著者らしくて面白い。

また、安倍首相が精力的に行っている外交の意義を報じないメディアが多すぎることも印象に残る。
現在北朝鮮にまつわる危機が発生しているわけだが、インドを訪問して北朝鮮との裏取引などを行わないように働きかけることに成功したことなどがあまりテレビや新聞で報道されず、言いがかりに近い森友・加計の話題のような偏向報道を繰り返しているわけで、バランスを取る情報を得るには本書のような本を読まなければならないのは少々不本意な気もする。

(少なくともアメリカが主導する形では)TPPは雲散霧消するのではないかという見立てを披露していて、現在アメリカを除いた11カ国でのTPPについての話し合いがなされていると思うが、それなりに注視している。

景気を良くするにはもっと働くこと(公務員として働くことではない)や、政治が景気に対してできることなんて限られているなど、民間や大衆への信頼が感じられるのも好感が持てる。

著者が日頃の準備ととっさの行動に関して尊敬する人物として平田竹男氏、宮崎正弘氏、安倍首相の3名を挙げていて、それぞれの特徴を語っているのも興味深い。
安倍首相と著作を読んだことがある宮崎氏は多少分かるが、平田氏についてはほとんど知らないので著作などを読んでみようかと思った。

近年の話題を織り交ぜつつ、著者らしい主張が分かりやすい語り口で書かれていて非常に良かったと思う。





新しい日本人が日本と世界を変える新しい日本人が日本と世界を変える

日下 公人
PHP研究所 2016-12-22

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関連タグ : 日下公人,

イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか (新潮新書)
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宮田 律
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イスラム研究者による、イスラム圏の人々の間で親日傾向が強いことについて解説している作品。

日本人に見られる礼儀正しさやおもてなしの精神などがイスラムの教えや風習と合っていることや、欧米人と異なり上から目線の態度をしないことなどを挙げている。

歴史的な経緯についても、トルコのエルトゥールル号遭難事件、日露戦争勝利が与えた影響、第二次世界大戦時の軍政の良さ、戦後に独立戦争に協力した日本人が多かったこと、シベリア抑留時の日本軍人の働き、出光のタンカーがイランに石油買い付けに行った話、アフガニスタンやイラクでの復興に際しての自衛隊やNGOの活躍などが書かれている。

国としてはトルコ、イラン、ウズベキスタン、サウジアラビアなどが多く扱われていて、改めてこうした国との関係は大切に品kればならないと感じる。

他にもイスラムでテロを起こす集団はごく一部であり、大多数は平和を愛する人々であることや、日本に対してはもっとイスラムの風習を理解してほしいこと、広報活動に力を入れてほしいなどの要望なども書かれている。

多くの知らなかった話が分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。






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