読書-社会:雨読夜話

ここでは、「読書-社会」 に関する記事を紹介しています。


イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか (新潮新書)
イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか (新潮新書)
宮田 律
新潮社 2013-09-14

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
日本はなぜアジアの国々から愛されるのか
アラブの大富豪 (新潮新書)
住んでみた、わかった! イスラーム世界 (SB新書)
決定版「ハラル」ビジネス入門
世界が感嘆する日本人~海外メディアが報じた大震災後のニッポン (宝島社新書)
だから日本は世界から尊敬される (小学館新書)
ニッポンの評判―世界17カ国最新レポート (新潮新書)
日本が戦ってくれて感謝しています アジアが賞賛する日本とあの戦争
アメリカはイスラム国に勝てない (PHP新書)
アメリカ人が語る アメリカが隠しておきたい日本の歴史


イスラム研究者による、イスラム圏の人々の間で親日傾向が強いことについて解説している作品。

日本人に見られる礼儀正しさやおもてなしの精神などがイスラムの教えや風習と合っていることや、欧米人と異なり上から目線の態度をしないことなどを挙げている。

歴史的な経緯についても、トルコのエルトゥールル号遭難事件、日露戦争勝利が与えた影響、第二次世界大戦時の軍政の良さ、戦後に独立戦争に協力した日本人が多かったこと、シベリア抑留時の日本軍人の働き、出光のタンカーがイランに石油買い付けに行った話、アフガニスタンやイラクでの復興に際しての自衛隊やNGOの活躍などが書かれている。

国としてはトルコ、イラン、ウズベキスタン、サウジアラビアなどが多く扱われていて、改めてこうした国との関係は大切に品kればならないと感じる。

他にもイスラムでテロを起こす集団はごく一部であり、大多数は平和を愛する人々であることや、日本に対してはもっとイスラムの風習を理解してほしいこと、広報活動に力を入れてほしいなどの要望なども書かれている。

多くの知らなかった話が分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。






にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

消えた都道府県名の謎 (イースト新書Q)
消えた都道府県名の謎 (イースト新書Q)
八幡和郎
イースト・プレス 2016-07-10

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
最終解答 日本近現代史 (PHP文庫)
世界と日本がわかる 最強の世界史 (扶桑社新書)
日本と世界がわかる 最強の日本史 (扶桑社新書)
なぜ、地形と地理がわかると戦国時代がこんなに面白くなるのか (歴史新書)
「昔の名残」が見えてくる! 城下町・門前町・宿場町がわかる本
最終解答 日本古代史 (PHP文庫)
ここまでわかった 本能寺の変と明智光秀 (歴史新書y)
戦国時代前夜 応仁の乱がすごくよくわかる本 (じっぴコンパクト新書)
知れば行きたくなる! 京都の「隠れ名所」 (じっぴコンパクト新書)
日本史が面白くなる「地名」の秘密 (歴史新書)


明治時代に何度かの変遷を経て47都道府県の原型ができたわけだが、その過程でできては消えた都道府県名についてマニアックな知識を紹介している作品。

まず、「藩」という表現は江戸時代はあまり用いられず、明治になって版籍奉還の際に正式に用いられるようになったという話に驚く。
また、会津藩の本拠だった会津若松市が福島県の県庁所在地にならなかったように、戊辰戦争で負けた藩は県名や領域、県庁所在地の選定などで冷遇されたという話があるが、これは都市伝説に近いウソと書かれているのも少し衝撃を受ける。

細かな旧藩名や旧県名は覚えられないし知らない地方だとよく分からないが、幕府、大名、旗本、寺社などの領地が錯綜していた状態からさまざまな試行錯誤を繰り返して現在の形に落ち着いた経緯や、利権や面子、県庁所在地、開発方針などをめぐっての争いが繰り返された話などが紹介されていて興味深い。

群馬県の前橋と高崎、埼玉県の東部と西部、長野県の北部と南部、福井県の嶺北と嶺南など、県の中で地域間で意地の張り合いがあることが書かれていて、特に知名度の低い地域の人に対してあまり触れてはいけない話題があるかもしれないと注意をした方がいいのだろう。

東京だと三多摩、京都だと丹波や丹後といった農村部のエリアが組み入れられて少し細長い形になっているのは、当時が農業中心の産業構造だったために税金を農村で徴収して都会で使うためとあり、そういうことかと合点がいった。

都道府県の領域決めではいくつもありえたIFがあるとして、例えば飛騨が岐阜県ではなく富山県、能登が石川県でなく富山県、三河が愛知県ではなく静岡県など、地勢や文化からさまざまな組み合わせを想像して楽しめそうである。

本書は『残念な人の仕事の習慣』などとともに図書館で開催された古本市で10円で購入したもので、コストを考えると十分当たりの本だったと思う。






にほんブログ村 本ブログへ

ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史
ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史
デヴィッド・クリスチャン シンシア・ストークス・ブラウン クレイグ・ベンジャミン 長沼 毅
明石書店 2016-11-13

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
失われた時を求めて フランスコミック版 スワン家のほうへ
ビッグヒストリー入門-科学の力で読み解く世界史-
サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
いま世界の哲学者が考えていること
Big Book おおきなかぶ
Big Book うらしまたろう
正倉院宝物: 181点鑑賞ガイド (とんぼの本)
Big History: Between Nothing and Everything
Big History: Examines Our Past, Explains Our Present, Imagines Our Future


宇宙の成立から、銀河→太陽系→地球→生物の発生・・・といったあたりから、人類の発生→農耕の発生→社会の変化など、大きなスケールでの歴史を一通りまとめている歴史書。

自然科学や社会科学の分野だけでなく、昔は世界や宇宙についてはこのように考えられていた、という神話や伝承に関する話も紹介されていて、実に幅広い内容となっている。

また、多くの写真やカラーグラビア、図解などもふんだんに用いられているので、眺めていくだけでも概略を知ることができる。

このようにボリュームと読み応えがありすぎるので、初めから熟読していくのは少し疲れるかもしれない。
まずは書かれている見出しを一通り眺めて進んでいくだけでもそれなりに時間をかけることができるし、大まかな流れがつかみやすいと思う。

理科や社会の授業で習っていたはずの話がかなりの深さにまで掘り下げて書かれているので、これまでの知識の確認、研究の進歩による新たな知識の獲得、思い違いの修正など、多くの結果を得ることができる1冊となっている。

繰り返して読んでいくことで、より得られる知見は増えていくものと考える。





ビッグヒストリー入門-科学の力で読み解く世界史-ビッグヒストリー入門-科学の力で読み解く世界史-

デヴィッド・クリスチャン (著), 渡辺 政隆 (編集, 翻訳)
WAVE出版 2015-10-09

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

137億年の物語―宇宙が始まってから今日までの全歴史137億年の物語―宇宙が始まってから今日までの全歴史

クリストファー ロイド (著), 野中 香方子 (翻訳)
文藝春秋 2012-09

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

にほんブログ村 本ブログへ

日本人が知らないヨーロッパ46ヵ国の国民性 (PHP文庫)
日本人が知らないヨーロッパ46ヵ国の国民性 (PHP文庫)
造事務所
PHP研究所 2013-07-03

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
日本人が意外と知らないアジア45カ国の国民性 (PHP文庫)
日本人が驚く中南米33カ国のお国柄 (PHP文庫)
こんなにちがう ヨーロッパ各国気質 32か国・国民性診断
「アメリカ50州」の秘密 (PHP文庫)
「中東アラブ25ヵ国」のすべて (PHP文庫)
国民性の違いがはっきりわかる本---たとえば、韓国人がめったに割り勘しない理由とは? (KAWADE夢文庫)
ニュースではわからない イスラム57か国の実像 (KAWADE夢文庫)
こんなに違うよ!日本人・韓国人・中国人 (PHP文庫)
ニュースでわかるヨーロッパ各国気質
世界トンデモ常識


ヨーロッパ46カ国におけるそれぞれの国民性や歴史の一部、生活や日本との関わりなどを国別に紹介している作品。

西欧、東欧、北欧、南欧の4エリアに大別していて、判断が分かれる地域だと旧ユーゴスラビア諸国が南欧、バルト三国が北欧、イスタンブール周辺のバルカン半島側にも領土を持つトルコが南欧に分類されている。
そしてプライドが高い西欧、地味だが我慢強い東欧、個人主義の傾向が強い北欧、ノリがいい南欧という傾向がよく分かる。

多くの民族が住む地域ということもあり、1つの国の中でも沿岸部と内陸部でタイプが大きく異なったり、イタリアのように「イタリア人」の意識よりも「ヴェネチア人」、「ジェノヴァ人」、「フィレンツェ人」としての意識の方が強いなど、歴史的な背景も大きく影響しているようだった。

ヨーロッパの中でも都会と田舎、古都と新興地域などのイメージがついていて、例えばハプスブルク帝国だったオーストリアやチェコは京都や奈良、田舎者としていじられることが多いポーランドは埼玉や群馬あたり、言葉がきつく感じられたりマフィアが多そうに思われるアルバニアは広島や北九州あたりが似たイメージのように感じた。

各国の著名人についても紹介していて、アーノルド・シュワルツェネッガー(オーストリア系)、マルチナ・ヒンギス(スロバキア)、マザー・テレサ(アルバニア)などは出身国のイメージがあまりなかったので少し驚いた。

それぞれの国や地域には違いとこだわりがあり、一緒くたにされると不快なのは自分をその立場に置き換えれば想像できることなので、可能なら尊重したい。

知らない話も多く、そこそこ興味深く読んだ。






にほんブログ村 本ブログへ

「昔はよかった」病 (新潮新書)
「昔はよかった」病 (新潮新書)
パオロ・マッツァリーノ
新潮社 2015-07-17

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)
誰も調べなかった日本文化史: 土下座・先生・牛・全裸 (ちくま文庫)
エラい人にはウソがある ―論語好きの孔子知らず
日本人のための怒りかた講座 (ちくま文庫)
反社会学講座 (ちくま文庫)
続・反社会学講座 (ちくま文庫)
ザ・世のなか力: そのうち身になる読書案内
ブランコのむこうで (新潮文庫)
パオロ・マッツァリーノの日本史漫談
13歳からの反社会学 (角川文庫)


『反社会学講座』『つっこみ力』の著書を読んだことがある自称イタリア生まれの戯作者による、美化されがちな昔の状態がそれほどいいものでもなかったことを新聞記事や投書、広告、統計といった具体的なデータを用いて面白おかしく語っている作品。

「道徳が低下している」、「治安が悪くなった」、「絆やふれあいが薄れてきた」といった「昔はよかった」ネタに痛烈な攻撃をしているのが面白い。
こうしたことを言う人は大体「自分は別」と考えている場合が多いという話には、確かにそうだと思った。

犯罪の件数が低下しているにも関わらず犯罪報道が増えたり、「被害額は最多」(件数は減少)のような印象操作がなされていることや、火の用心のようなパトロールはプラスよりもマイナスが大きくて始まった頃から反対され続けてきたこと、団塊の世代が最も凶悪で暴走老人という表現が合っていることなど、ひとつひとつ具体的に事例を挙げていく。

商店街の衰退についても、そもそも具体的なビジョンや方法論もなく安易に商売を始めた人が多かったなど、当事者が指摘されると嫌がるであろうデータが多い。

昔はよかったネタだけでは一本調子になると危惧したのか、コーラとウーロン茶が普及した背景や、美人やハイテンションという言葉が報道で扱われる数が増えた傾向などについての話も面白い。
例えば、下戸で知られる芥川龍之介がコーラとウーロン茶を扱ったしょうもない短歌を作って自分でウケていた(けど他人からは不評だった)という話に失笑してしまった。

本書を読んでいくと、現代は問題はそれなりにあるとはいえ、それほど悪い時代でもないように思えてくる。
メディアの報道や他人からの話をすぐに受け入れてしまうのではなく、できれば実際のデータにも当たって裏を取ることの重要性を教えてくれる1冊でもあった。






にほんブログ村 本ブログへ