読書-社会:雨読夜話

ここでは、「読書-社会」 に関する記事を紹介しています。


ついに日本繁栄の時代がやって来た (WAC BUNKO 249)
ついに日本繁栄の時代がやって来た (WAC BUNKO 249)
日下 公人
ワック 2017-01-26

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日下公人による、近年の日本におけるポジティブだがマスコミが報道しない変化について語っている作品。

アベノミクスの3本目だか4本目だかの経済成長だが、これは新たに生み出されるものであり、それをあれこれ聞くほうが間違っていると語っているのが著者らしくて面白い。

また、安倍首相が精力的に行っている外交の意義を報じないメディアが多すぎることも印象に残る。
現在北朝鮮にまつわる危機が発生しているわけだが、インドを訪問して北朝鮮との裏取引などを行わないように働きかけることに成功したことなどがあまりテレビや新聞で報道されず、言いがかりに近い森友・加計の話題のような偏向報道を繰り返しているわけで、バランスを取る情報を得るには本書のような本を読まなければならないのは少々不本意な気もする。

(少なくともアメリカが主導する形では)TPPは雲散霧消するのではないかという見立てを披露していて、現在アメリカを除いた11カ国でのTPPについての話し合いがなされていると思うが、それなりに注視している。

景気を良くするにはもっと働くこと(公務員として働くことではない)や、政治が景気に対してできることなんて限られているなど、民間や大衆への信頼が感じられるのも好感が持てる。

著者が日頃の準備ととっさの行動に関して尊敬する人物として平田竹男氏、宮崎正弘氏、安倍首相の3名を挙げていて、それぞれの特徴を語っているのも興味深い。
安倍首相と著作を読んだことがある宮崎氏は多少分かるが、平田氏についてはほとんど知らないので著作などを読んでみようかと思った。

近年の話題を織り交ぜつつ、著者らしい主張が分かりやすい語り口で書かれていて非常に良かったと思う。





新しい日本人が日本と世界を変える新しい日本人が日本と世界を変える

日下 公人
PHP研究所 2016-12-22

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イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか (新潮新書)
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宮田 律
新潮社 2013-09-14

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イスラム研究者による、イスラム圏の人々の間で親日傾向が強いことについて解説している作品。

日本人に見られる礼儀正しさやおもてなしの精神などがイスラムの教えや風習と合っていることや、欧米人と異なり上から目線の態度をしないことなどを挙げている。

歴史的な経緯についても、トルコのエルトゥールル号遭難事件、日露戦争勝利が与えた影響、第二次世界大戦時の軍政の良さ、戦後に独立戦争に協力した日本人が多かったこと、シベリア抑留時の日本軍人の働き、出光のタンカーがイランに石油買い付けに行った話、アフガニスタンやイラクでの復興に際しての自衛隊やNGOの活躍などが書かれている。

国としてはトルコ、イラン、ウズベキスタン、サウジアラビアなどが多く扱われていて、改めてこうした国との関係は大切に品kればならないと感じる。

他にもイスラムでテロを起こす集団はごく一部であり、大多数は平和を愛する人々であることや、日本に対してはもっとイスラムの風習を理解してほしいこと、広報活動に力を入れてほしいなどの要望なども書かれている。

多くの知らなかった話が分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。






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消えた都道府県名の謎 (イースト新書Q)
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八幡和郎
イースト・プレス 2016-07-10

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明治時代に何度かの変遷を経て47都道府県の原型ができたわけだが、その過程でできては消えた都道府県名についてマニアックな知識を紹介している作品。

まず、「藩」という表現は江戸時代はあまり用いられず、明治になって版籍奉還の際に正式に用いられるようになったという話に驚く。
また、会津藩の本拠だった会津若松市が福島県の県庁所在地にならなかったように、戊辰戦争で負けた藩は県名や領域、県庁所在地の選定などで冷遇されたという話があるが、これは都市伝説に近いウソと書かれているのも少し衝撃を受ける。

細かな旧藩名や旧県名は覚えられないし知らない地方だとよく分からないが、幕府、大名、旗本、寺社などの領地が錯綜していた状態からさまざまな試行錯誤を繰り返して現在の形に落ち着いた経緯や、利権や面子、県庁所在地、開発方針などをめぐっての争いが繰り返された話などが紹介されていて興味深い。

群馬県の前橋と高崎、埼玉県の東部と西部、長野県の北部と南部、福井県の嶺北と嶺南など、県の中で地域間で意地の張り合いがあることが書かれていて、特に知名度の低い地域の人に対してあまり触れてはいけない話題があるかもしれないと注意をした方がいいのだろう。

東京だと三多摩、京都だと丹波や丹後といった農村部のエリアが組み入れられて少し細長い形になっているのは、当時が農業中心の産業構造だったために税金を農村で徴収して都会で使うためとあり、そういうことかと合点がいった。

都道府県の領域決めではいくつもありえたIFがあるとして、例えば飛騨が岐阜県ではなく富山県、能登が石川県でなく富山県、三河が愛知県ではなく静岡県など、地勢や文化からさまざまな組み合わせを想像して楽しめそうである。

本書は『残念な人の仕事の習慣』などとともに図書館で開催された古本市で10円で購入したもので、コストを考えると十分当たりの本だったと思う。






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ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史
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宇宙の成立から、銀河→太陽系→地球→生物の発生・・・といったあたりから、人類の発生→農耕の発生→社会の変化など、大きなスケールでの歴史を一通りまとめている歴史書。

自然科学や社会科学の分野だけでなく、昔は世界や宇宙についてはこのように考えられていた、という神話や伝承に関する話も紹介されていて、実に幅広い内容となっている。

また、多くの写真やカラーグラビア、図解などもふんだんに用いられているので、眺めていくだけでも概略を知ることができる。

このようにボリュームと読み応えがありすぎるので、初めから熟読していくのは少し疲れるかもしれない。
まずは書かれている見出しを一通り眺めて進んでいくだけでもそれなりに時間をかけることができるし、大まかな流れがつかみやすいと思う。

理科や社会の授業で習っていたはずの話がかなりの深さにまで掘り下げて書かれているので、これまでの知識の確認、研究の進歩による新たな知識の獲得、思い違いの修正など、多くの結果を得ることができる1冊となっている。

繰り返して読んでいくことで、より得られる知見は増えていくものと考える。





ビッグヒストリー入門-科学の力で読み解く世界史-ビッグヒストリー入門-科学の力で読み解く世界史-

デヴィッド・クリスチャン (著), 渡辺 政隆 (編集, 翻訳)
WAVE出版 2015-10-09

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137億年の物語―宇宙が始まってから今日までの全歴史137億年の物語―宇宙が始まってから今日までの全歴史

クリストファー ロイド (著), 野中 香方子 (翻訳)
文藝春秋 2012-09

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日本人が知らないヨーロッパ46ヵ国の国民性 (PHP文庫)
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造事務所
PHP研究所 2013-07-03

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ヨーロッパ46カ国におけるそれぞれの国民性や歴史の一部、生活や日本との関わりなどを国別に紹介している作品。

西欧、東欧、北欧、南欧の4エリアに大別していて、判断が分かれる地域だと旧ユーゴスラビア諸国が南欧、バルト三国が北欧、イスタンブール周辺のバルカン半島側にも領土を持つトルコが南欧に分類されている。
そしてプライドが高い西欧、地味だが我慢強い東欧、個人主義の傾向が強い北欧、ノリがいい南欧という傾向がよく分かる。

多くの民族が住む地域ということもあり、1つの国の中でも沿岸部と内陸部でタイプが大きく異なったり、イタリアのように「イタリア人」の意識よりも「ヴェネチア人」、「ジェノヴァ人」、「フィレンツェ人」としての意識の方が強いなど、歴史的な背景も大きく影響しているようだった。

ヨーロッパの中でも都会と田舎、古都と新興地域などのイメージがついていて、例えばハプスブルク帝国だったオーストリアやチェコは京都や奈良、田舎者としていじられることが多いポーランドは埼玉や群馬あたり、言葉がきつく感じられたりマフィアが多そうに思われるアルバニアは広島や北九州あたりが似たイメージのように感じた。

各国の著名人についても紹介していて、アーノルド・シュワルツェネッガー(オーストリア系)、マルチナ・ヒンギス(スロバキア)、マザー・テレサ(アルバニア)などは出身国のイメージがあまりなかったので少し驚いた。

それぞれの国や地域には違いとこだわりがあり、一緒くたにされると不快なのは自分をその立場に置き換えれば想像できることなので、可能なら尊重したい。

知らない話も多く、そこそこ興味深く読んだ。






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