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読書-ノンフィクション:雨読夜話

ここでは、「読書-ノンフィクション」 に関する記事を紹介しています。


ぼくたちは、銀行を作った。―ソニー銀行インサイド・ストーリー
ぼくたちは、銀行を作った。―ソニー銀行インサイド・ストーリー
十時 裕樹
集英社インターナショナル 2001-07

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先日、ソニーの社長に十時裕樹氏が就任することがニュースとなり、見覚えの名前がある名前だと少し考えたら、以前読んだ本書の著者だった。

『ぼくたちは、銀行を作った。―ソニー銀行インサイド・ストーリー』ではシステムエンジニアの櫻井氏によるとっぴな言動に戸惑ったり、当時の大賀典夫会長に「君はカルロス・ゴーンに似ているね」といじられていたエピソードを思い出した。

本書の出版時は30代後半くらいだった著者が出世を重ねて社長になるとは、時の流れを感じる。




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警視庁捜査一課長の「人を見抜く」極意 (光文社新書)
警視庁捜査一課長の「人を見抜く」極意 (光文社新書)
久保 正行
光文社 2014-05-15

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取調べ・職質に使えるヒント集―人はどうやってウソを吐くか。そのウソを見抜く。アクティブ・コミュニケーションのすすめ


第62代の警視庁捜査一課長を務めた人物による、刑事がどのようなポイントから人や現場、遺体の状況や証拠などから事件を解明するための手がかりをつかんでいるかを多くの事例とともに解説している作品。

著者は北海道出身で高校を卒業して警視庁に入庁、勤務しながら駒大を卒業して捜査一課長や所轄の署長、方面本部長などに上り詰めるという、かなりの努力をしたことが伝わる経歴の持ち主である。

殺人や傷害、放火といった強行犯を担当する捜査一課の第一線で活躍を続けてきただけあり、どうしても出てしまう犯人の癖や、狡猾な犯人に出し抜かれそうになった苦い経験など、警察小説では必ずしも出てこないようなリアルな話が語られている。

凶悪犯罪を犯した犯人とのやり取りなどを読むと、現実の重さを思い知らされるような気がする。

刑事や警察官がどのような考えで行動しているかの一端を知ることができ、興味深く読むことができた。





現着: 元捜一課長が語る捜査のすべて (新潮文庫)現着: 元捜一課長が語る捜査のすべて (新潮文庫)

久保 正行
新潮社 2013-05-27

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元刑事が徹底検証! 刑事ドラマのリアル (文庫ぎんが堂)
元刑事が徹底検証! 刑事ドラマのリアル (文庫ぎんが堂)
小川泰平
イースト・プレス 2016-04-10

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「刑事ドラマあるある」はウソ?ホント?―元刑事が選ぶ本当にリアルな刑事ドラマ大全
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神奈川県警で捜査三課(窃盗犯担当)などを長く担当した犯罪ジャーナリストによる、刑事ドラマと実際の警察での捜査や取り調べ、警官の私生活などについての相違を解説している作品。

扱われている刑事ドラマは『相棒』や『踊る大捜査線』、『ハンチョウ』、『臨場』、『科捜研の女』などで、右京さんや青島、安積班長、倉石、鑑識の米沢さん、スリーアミーゴスといったキャラクターが何かをしたりしなかったりしたシーンを具体的に例として挙げているので分かりやすい。

例えば本庁と所轄のいがみ合いはフィクションでそんなことをすれば捜査が進まないと書いていたり、刑事ドラマだと逮捕で終わるが実際は逮捕した後にやることが多いというリアルな話、経費の扱いや職場の人間関係など、著者が経験したエピソードを交えた話が多く書かれている。

著者はフィクションとしての刑事ドラマもそれはそれで楽しいとしていて、リアルさばかりを求めるのならば『警察24時』のようなドキュメンタリーを観ればいいと語っているのは納得しやすい。

各章の末尾では著者が選ぶ刑事ドラマのランキングも収録していて、読むとより刑事ドラマを楽しむことができると思う。






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カリスマ鈴木敏文、突然の落日 ―セブン&アイ「人事抗争」全内幕―
カリスマ鈴木敏文、突然の落日 ―セブン&アイ「人事抗争」全内幕―
毎日新聞経済部
毎日新聞出版 2016-05-31

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さらばカリスマ セブン&アイ「鈴木」王国の終焉
セブン-イレブン 鈴木敏文帝国崩壊の深層
週刊東洋経済 2016年6月18日号 [雑誌]
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鈴木敏文 孤高
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「理」と「情」の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス
都知事失格
週刊ダイヤモンド 2016年 5/14 号 [雑誌] (カリスマ退場 流通帝国はどこへ向かうのか)
失敗の研究 巨大組織が崩れるとき


昨年春にセブンアンドワイホールディングスで起こった、セブンイレブンジャパンの社長人事をめぐる幹部間の対立から、長年トップに君臨してきた鈴木敏文氏が突然の辞任を発表した騒動について、毎日新聞が取材した内容をまとめている作品。

騒動の発端とされるのは、鈴木氏がセブンイレブンの社長を務めていた井阪隆一氏を更迭して井阪氏よりも年上の副社長に替える人事案を出したことで、業績も好調で井阪氏にこれといって問題があったわけでもなかったことから井阪氏本人や社外取締役、大株主の投資ファンドなどが反対の意向を示し、さらには創業者である伊藤雅俊氏も反対に回り、取締役会で人事案が否決された。

その結果、鈴木氏が辞任を申し出たという経緯となっている。

辞任を発表した会見では鈴木氏と彼に近い幹部や顧問が出席し、その場にいない井阪氏の悪口を立て続けに言っているので非常に印象が悪い。
特に、鈴木氏と伊藤氏の間でメッセンジャーをする以外は何をしているのか不明な顧問が、井阪氏(当時58歳)の父親を味方につけるべく説得した話をしていて、やり方もまずければそれを会見の場で語るのも恥ずかしくないのか疑問に感じた。

鈴木氏は「もう7年もやったのだから」と井阪氏を更迭しようとしていたが、それなら20年以上にわたってトップの座にいた鈴木氏はどうなのか?長期政権の弊害はこちらの方が大きいのでは?と思ってしまう。

それほどの業績を挙げたわけでもない鈴木氏の息子が取締役になっていることなどから、ワンポイントの社長を挟んで息子に社長を引き継がせようとしたのではないか?との観測も多くの人から上がったようで、これもまた重要なポイントになったようである。

そして創業者と経営トップとして良好な関係を続けてきた伊藤氏と鈴木氏の関係が悪化した事情についての考察も書かれている。
伊藤氏は鈴木氏に経営を一任して現在の発展につながってきたのだが、長く成果を出し続けてきたことで周囲が鈴木氏に逆らいにくい雰囲気になってきたこと、鈴木氏が人を通じて伊藤家に会社への援助を求めてきたことなどが書かれている。

以前読んだ長谷川慶太郎著『2017年 世界の真実』では、伊藤氏が世襲を図った鈴木氏を切り捨てたという見立てと、マスコミが鈴木氏が怖くてはっきり報道できていないと書かれているが、そういった部分もありそうだと思っている。

せっかく経営のカリスマとして栄光を浴びてきた人物だっただけに、会見の様子を読む限りだと晩節を汚したように見えるのは非常に残念である。

この出来事についてはあまり細かなことを知らなかったので、会見での具体的なやり取りや取材の結果分かってきたことなどが書かれていて、興味深く読んでいくことができた。
鈴木氏が辞任したことでセブンアンドワイはしばらく大変だと思うが、これからも消費者のために貢献する企業として活躍してもらいたいと切に願っている。






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仕事にやりがいを感じている人の 働き方、考え方、生き方。
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毛利 大一郎
幻冬舎 2017-03-27

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仕事にやりがいを感じて取り組んでいる、さまざまな企業で活躍する人10人にインタビューし、仕事に対する考え方や、現在に至るターニングポイントなどを語ってもらっている作品。

テレビのドキュメンタリー番組のような内容となっていて、例えば1代で大企業を築いたような雲の上に感じられる人ではなく、比較的身近というか、かなりの努力をすれば到達できるのかもしれないと思われるくらいの地位の人を多く扱っているようである。

10人のそれぞれの経歴や考え方は当然ながらさまざまで、中には出会った人が良かったからいい結果につながったが、問題のある人に心酔していたらどうなったのだろう?と思ってしまう人もいる。
これは、その人が人を見る目があったということなのだろう。

生きていればいいことも悪いことも起こるわけで、その中で何を考えて次につなげていくかが重要なのだということ、考え方や行動を変えることに熟慮は必要だが恐れてはいけないことなど、考えさせられるポイントが多くあった。

興味深く読み終えることができ、何らかの形で活かすことができそうである。






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