読書-雑学:雨読夜話

ここでは、「読書-雑学」 に関する記事を紹介しています。


カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書)
カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書)
水野 仁輔
角川SSコミュニケーションズ 2008-05

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東京カリ~番長という団体で調理主任を務める人物による、日本でカレーが普及した背景やそのバリエーションなどを語っている作品。

カレーと呼ばれる料理がインドからイギリスを経由して日本に伝わったことについては森枝卓士著『カレーライスと日本人』の方が詳しいので、ここでは書かない。

本書ではカレールーやレトルトカレーといった展開をしていったことや、ハウス食品、エスビー、グリコといったメーカーが取ってきた戦略、スパイスの魅力や利用テクニックなどについての話が面白い。

例えばハウス食品のバーモントカレーでは子供でも食べやすい味、エスビーのゴールデンカレーでは大人向きのスパイシーさ、グリコの熟カレーではコクや旨みといった味のベクトルが分かりやすく書かれているのがいい。

そしてカレーのルーにアレンジを加える人が多いが、メーカーが研究の結果配合したルーをそのまま調理するのが最も万人受けするうまさだと語っているところにも少々驚きを受ける。(よく考えればその通りなのだが・・・)

カレーがさまざまな他の料理と合わせることができるのはスパイスの特性によるもので、他の調味料のように味をつけるのではなくて香りをつけるのがスパイスだからという趣旨のことが書かれているのも確かにそうだと感じた。

テーマがテーマだけに肩肘張らずに読むことができ、まあまあ面白かった。






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超訳「カタカナ語」事典 (PHP文庫)
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造事務所
PHP研究所 2012-04-04

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しばしば使われているが必ずしも皆が理解しているとは限らないカタカナ語について、かなり思い切ったがニュアンスをつかんでいる訳し方をして解説している作品。

知っていて理解している言葉、知っているが理解があやしかった言葉、全然知らなくてそういう言葉が使われていることから初めて知った言葉(特に美容や健康に関する言葉)と分かれるが、それぞれそのようなつかみ方をすればいいのか、と思う部分も多くて興味深い。

例えばオリエンテーションのことをオリエンと略して表現することもあるのは知らなかったので、知らないカタカナ語が実は単純に略されていただけということもあることには気をつけようと思った。

思ったのが、語源となる言葉が理解できていれば初めて読むカタカナ語でも類推がしやすいことで、学校である程度習う英語に由来する場合は類推しやすい一方、馴染みがあまりないフランス語やドイツ語などに由来する場合は類推がしづらいと感じた。

カタカナ語ということは漢字での言葉に定着していないくらい新しい言葉であることが多いわけで、比較的新しいボキャブラリーを得るという使い方もできたので、まずまず役立つ1冊であると思っている。






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必ず役立つ! 「○○(マルマル)の法則」事典 (PHP文庫)
必ず役立つ!  「○○(マルマル)の法則」事典 (PHP文庫)
烏賀陽 正弘
PHP研究所 2012-05-02

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ハインリッヒの法則(重大事故の背景には多くのヒヤリがある)、パレートの法則(20%:80%)、パーキンソンの法則(官僚制の弊害)、ピーターの法則(無能さと出世の関係)など、過去の経験からありそうだと判断されて多くの人から何となくの支持を受ける法則を70個紹介している作品。

例えばマーフィの法則(最も望ましくないところで失敗が発生するなど)は確かにそうだと思わせられる一方、失敗につながりかねないことをやって成功したケースは見過ごされることが多く、悪いことが記憶に残りやすいことを考慮すると法則というよりも心理的な要素の方が強いのかもしれないと考えたりもする。

著者の文章のせいか解説が長いような気もするが、このような法則とされる概念がいくつもあることを知ること、再認識することができたので、読んだ意義は十分にあった。






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トウガラシの世界史 - 辛くて熱い「食卓革命」 (中公新書)
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山本 紀夫
中央公論新社 2016-02-24

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世界各地で幅広く利用されているトウガラシが、どのように伝わって利用されるようになったのかを解説している作品。
以前読んだ著者の『ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争』が面白かったので、これも読んでみた。

まずトウガラシは南北アメリカ大陸が原産で、コロンブスによる新大陸発見をきっかけとして広まったことが書かれている。

原種は上向きに実がつき、熟しきったら弾けて種が飛び散るような特徴があり、現在の種類につながる品種改良はネイティブ・アメリカンが既に始めていたという。
その辛さは動物から食べられることを防ぐためのものだが、鳥は辛さを感じないこと、鳥の消化器では種を消化する作用がないことから、上空から見つけやすい上向きに実がつくことで鳥に食べられることで種子を広い範囲にまく戦略を取っていることになるほどと思う。

そして多くの作物、例えばジャガイモだと毒を多く含んでいるなど原種が食べるのにあまり適していないために栽培されないものが、ペルーなどではとても辛い原種も栽培して食べられているという話が出てきて少し驚く。

そして伝播した各国での栽培や利用のされ方について書かれていく。
例えばハンガリーではトウガラシの一種であるパプリカが国を代表される作物や料理として知られていたり、インド、チベット、四川省、韓国などでは古来から食べられていたように錯覚してしまうほどに定着している。

実際は数百年くらいの歴史しかなかったりするが、トウガラシが伝来する前はコショウを使用していたらしく、元々あった香辛料への需要によく合ったということなのだろう。

ブータンにいたっては香辛料としてよりも野菜として食べられているそうで、現地で少し口に入れて大変な目にあった著者は、鎖国が長く続いたために育てやすいトウガラシの利用が進んだのではないかと考察している。

日本では戦国時代に伝わって江戸時代の園芸ブームで鉢植えとして育てられていたり、一味や七味としての使用はあるものの、韓国のように大々的な利用がされなかった理由として、肉食文化の差があったのではないかとしている。
七味唐辛子のように他のスパイスと混ぜ合わせているように、マイルドにするのが日本における利用の特徴のようである。

強烈な辛さや育てやすさによって急速に普及したトウガラシもアメリカ大陸以外に伝わってからまだ数百年であり、さらにトウガラシを利用した食文化が進んでいく可能性があるとも書かれていて、期待したくなる。
『ジャガイモのきた道』のように興味深い事柄がいくつも書かれていて良かった。





トウガラシ讃歌トウガラシ讃歌

山本 紀夫 小林 尚礼
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とうがらしマニアックスとうがらしマニアックス

とうがらしマニアックス編集部
山と溪谷社 2009-07-16

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世界地図から食の歴史を読む方法―料理や食材の伝播に秘められた意外な事実とは? (KAWADE夢新書)
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辻原 康夫
河出書房新社 2002-01

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世界各地の食事方法や食材、タブーなどについて、その世界的な分布や伝播のルートなどを世界地図で図解しながら解説している作品。

料理については昔ながらの伝統というイメージを持ってしまいがちだが、実は成立してからせいぜい200年くらいしか経っていないものも多いと語っていて少し驚く。
具体的には韓国料理やインド料理とトウガラシ、ドイツ料理とジャガイモなど、現在ではそれ抜きではイメージしづらい食材や調味料がアメリカ大陸原産で中世は存在していなかったなどという例を挙げていて、考えてみれば確かにそうである。

西洋料理のテーブルマナーはややこしいイメージがあるが、フォークを使用するのもかなり後になってからで、インドやアフリカだけでなく、ヨーロッパでも手づかみで食事をしていた期間が長いという話も印象に残る。
ただし手で食事するのは必ずしも遅れている風習とは限らず、例えば食物をつかむための指に指定があるなど、文化とは奥深いものだと感じる。

食生活のタブーについては宗教上の理由から一歩進んで、なぜその宗教では禁止したのかの説まで紹介している。
ここでは当時の技術では腐敗しやすくて保存が難しかったり、家畜として使用する方が重要だったり、その動物が食べるものが人間と競合しているなど、その地域ごとの生活スタイルと関連していることが分かって興味深い。

著者はしばしばかっこつけた感じの食事に毒を吐いたりしていて、ところどころで感情が見え隠れするあたりも面白い。
なかなかためになる1冊だったと思う。





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