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読書-サイエンス:雨読夜話

ここでは、「読書-サイエンス」 に関する記事を紹介しています。



関根 康人 (著)
小学館 (2013/12/2)


宇宙探査機による調査で、土星の惑星タイタンにはメタンの海や川が存在することが判明し、地球と大きく異なる環境でも生命は存在する可能性や、存在するのであればどのようなものとなるのか?などを最近の研究も踏まえて語っている作品。

著者は執筆当時30代と気鋭の宇宙科学者で、先陣として多くの有名な科学者たちとのやり取りも紹介している。

まずは太陽系の他の惑星、例えば金星や火星あたりから話をはじめ、木星の惑星であるエウロパの表面を覆う厚い氷の下に存在が推定されている海の話や、土星の惑星エンセラダスの南極からブリュームと呼ばれる水を含んだ粒子の噴出がされている話も触れ、これらもまた生命の可能性があると語っている。

さらには、観測技術の発達によって発見が相次いでいる系外惑星の話にも及んでいて、液体の水が存在するハビタブルゾーンにある「スーパーアース」と呼ばれる惑星への考察もなされている。

読む側の化学や地学の知識が乏しくて理解できた話ばかりではないものの、スケールが大きくて魅力的な話が語られていて、興味深く読むことができた。

著者はSFも多く読んでいるようで、ヴォネガットの『タイタンの妖女』が書いたタイタンの話が昔の作品なのに調査結果と近いという偶然や、クラークの『2001年宇宙の旅』や『2010年宇宙の旅』といった作品にも話が及んでいるところも良かった。






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宇宙が誕生したことの仮説から、銀河、太陽系、銀河、系外惑星、地球外生命体探査などについて、カラーの宇宙望遠鏡などによる観測写真や想像図とともに解説している作品。

太陽がもう少し大きかったらその分だけ寿命が短くなることや、地球と金星の環境が大きく異なるのは水の有無で温室効果に差が出るためであること、惑星がコア・マントル・地殻の比率でさまざまに異なっていることなど、あまり知らなくて関心を持った話があった。

カラー写真が多いのもいいが、著者の文体が合わなかったのかテーマが少し難しかったのか分からないがいまひとつ入り込めず、斜め読みになった。





宇宙用語図鑑
二間瀬敏史 (著), 中村俊宏 (編集), 徳丸ゆう (イラスト)
マガジンハウス 2017/11/9


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サはサイエンスのサ
鹿野 司 (著), とり・みき (イラスト)
早川書房 2010/1/22



科学ライターによる『SFマガジン』に連載されていた科学エッセイをまとめている作品。

クローン、iPS細胞、SETI、天才、生命、知能、小惑星探査機のはやぶさ(この時はまだ帰還していない)、環境問題など多くのテーマを扱っている。
さらには科学者が業績を認められるまでの困難や日本国憲法に法解釈、さらには経済などの話もしている。

扱われた話では環境問題についての話が、政治的なプロパガンダなどでけっこう変わったり、新たな研究の成果によって望ましい対応が変わっても人の意識や法制度などがついてこれず、おかしな結果になる場合が多い話が印象に残る。

ただ、全体的には興味があったりなかったり、予備知識による理解ができたりできなかったりで内容にばらつきがあったり、権威を感じさせないようにとのざっくばらんな書き方が苦手だったりで、あまり好きな作品にはならなかった。





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ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)
ヴィトルト リプチンスキ (著), 春日井 晶子 (翻訳)
早川書房 2010/5/30



建築学や都市学を専門とするカナダ人の大学教授による、ねじとねじ回しがどのように発達してきたかの歴史を語っている科学エッセイ。
著者は編集者から最高の発明としての工具についてのエッセイを依頼され、いろいろと考えたり奥さんのアドバイスを受けたりしてねじとねじ回しを題材に選んだことを書いている。

火縄銃や西洋式の甲冑にねじが使われた話や、初めの頃は釘とどちらを使用するかがしばしば検討された話、さまざまな工夫で一定の品質を保って量産できるようになった過程、ねじ切りのための旋盤の話などが扱われている。

意義のある作品だし人によってはすごく興味深く読むことができる作品だろうと思うが、私にとってはそれほど関心度が高いテーマでもないことに、読み始めて少しして気づいてしまった。





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最新恐竜学 (平凡社新書)
平山 廉 小田 隆
平凡社 1999/7/1



図書館の古本市で購入したと記憶している、恐竜研究の近年の状況(当時)を語っている作品。
恐竜の分類とか学会の状況はあまり興味がないため、関心のあるところのみの斜め読みとなった。

著者はカメの研究が専門とのことで、体の構造からの話が具体的で興味深い。

『ジュラシック・パーク』に登場するヴェロキラプトルのようなオヴィラプトル類の恐竜は皮膚が羽毛に覆われ、脳が大きい温血動物で鳥の始祖に当たるという話は、小学生の頃に学習雑誌で読んで驚いたような記憶がある。

恐竜はこの温血動物タイプと、首長竜のような大型爬虫類タイプに分かれるそうで、画一的な捉え方はいけないようである。

もう一方の大型爬虫類のうち首長竜は、骨格の構造上や変温動物というメカニズムから、キリンみたいに首を持ち上げることはできなかったとか、見た目よりも体重が軽かった説、想像以上に動きがスローだったという話も書かれている。

さらに、隕石による恐竜滅亡説にも疑問を呈していて、温血動物タイプの恐竜は鳥になったという説を支持している。
そもそも化石が残るかどうかは偶然による部分も大きく、急激に滅んだ証拠もなく、気温の変化や二酸化炭素の濃度低下によって大型爬虫類タイプが徐々に滅んでいったのではないかと書かれている。

20年前くらいに書かれたために古びた部分お多いと思われるが、そこそこ興味深く読むことができた。






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