FC2ブログ

読書-サイエンス:雨読夜話

ここでは、「読書-サイエンス」 に関する記事を紹介しています。



ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)
ヴィトルト リプチンスキ (著), 春日井 晶子 (翻訳)
早川書房 2010/5/30



建築学や都市学を専門とするカナダ人の大学教授による、ねじとねじ回しがどのように発達してきたかの歴史を語っている科学エッセイ。
著者は編集者から最高の発明としての工具についてのエッセイを依頼され、いろいろと考えたり奥さんのアドバイスを受けたりしてねじとねじ回しを題材に選んだことを書いている。

火縄銃や西洋式の甲冑にねじが使われた話や、初めの頃は釘とどちらを使用するかがしばしば検討された話、さまざまな工夫で一定の品質を保って量産できるようになった過程、ねじ切りのための旋盤の話などが扱われている。

意義のある作品だし人によってはすごく興味深く読むことができる作品だろうと思うが、私にとってはそれほど関心度が高いテーマでもないことに、読み始めて少しして気づいてしまった。





にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト


最新恐竜学 (平凡社新書)
平山 廉 小田 隆
平凡社 1999/7/1



図書館の古本市で購入したと記憶している、恐竜研究の近年の状況(当時)を語っている作品。
恐竜の分類とか学会の状況はあまり興味がないため、関心のあるところのみの斜め読みとなった。

著者はカメの研究が専門とのことで、体の構造からの話が具体的で興味深い。

『ジュラシック・パーク』に登場するヴェロキラプトルのようなオヴィラプトル類の恐竜は皮膚が羽毛に覆われ、脳が大きい温血動物で鳥の始祖に当たるという話は、小学生の頃に学習雑誌で読んで驚いたような記憶がある。

恐竜はこの温血動物タイプと、首長竜のような大型爬虫類タイプに分かれるそうで、画一的な捉え方はいけないようである。

もう一方の大型爬虫類のうち首長竜は、骨格の構造上や変温動物というメカニズムから、キリンみたいに首を持ち上げることはできなかったとか、見た目よりも体重が軽かった説、想像以上に動きがスローだったという話も書かれている。

さらに、隕石による恐竜滅亡説にも疑問を呈していて、温血動物タイプの恐竜は鳥になったという説を支持している。
そもそも化石が残るかどうかは偶然による部分も大きく、急激に滅んだ証拠もなく、気温の変化や二酸化炭素の濃度低下によって大型爬虫類タイプが徐々に滅んでいったのではないかと書かれている。

20年前くらいに書かれたために古びた部分お多いと思われるが、そこそこ興味深く読むことができた。






にほんブログ村 本ブログへ




昔の地図、地図が書かれた目的、球体の地球を平面で表現するためのさまざまな技法、測量やGPS衛星などの手段など、科学の観点を多めに解説されている作品。

GPSは等高線を描くのには向かないなど、知らなかった話が多く出てくる。
科学的な話はあまり分からないので斜め読みになったが、それなりに興味深くはあった。




にほんブログ村 本ブログへ



スリランカやインド南部で赤い雨が2ヶ月くらい降る現象が発生し、赤い雨を調べたところ細胞らしい粒子が発見されたことから、生命が宇宙から飛来したというパンスペルミア説を語っている作品。

著者は先日読んだ『彗星パンスペルミア 生命の源を宇宙に探す』の監修者で、その本の著者であるチャンドラ・ウィックラマシンゲとのシンポジウムでの対談が後半に収録されている。

基本的には『彗星パンスペルミア』と同じ趣旨の内容で、生物の性質はダーウィンの進化論では説明できないことが多くてウイルスが進化させたという『ウイルス進化論』であれば説明できる部分もあること、そのウイルスがどこから来るかというと彗星や隕石によって雨や霧に混じって来ているとの仮説、伝染病が人口密度に関係なく離れたところでも発症する理由もこれで説明できるとの話などが書かれている。

有機物がウイルスの形で宇宙に満ち溢れているとの宇宙観は魅力的で面白いのだが、本書全体としては脱線が多かったり宇宙への哲学的な考え方が長々と語られている部分が評価を大きく下げている。
テーマがすごく面白いだけにそこが残念だった。






にほんブログ村 本ブログへ

彗星パンスペルミア
彗星パンスペルミアチャンドラ・ウィックラマシンゲ (著),
松井 孝典 (監修), 所 源亮 (翻訳)

恒星社厚生閣 2017-05-02

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
大東亜戦争は日本が勝った -英国人ジャーナリスト ヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」
宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで (ブルーバックス)
人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)
セルフチェック&セルフヒーリング 量子波動器【メタトロン】のすべて 未来医療はすでにここまで来た!
系外惑星と太陽系 (岩波新書)
シュタイナー思想とヌーソロジー 物質と精神をつなぐ思考を求めて
生命の起源を宇宙に求めて―パンスペルミアの方舟 (DOJIN選書36)
最新 惑星入門 (朝日新書)
五〇億年の孤独:宇宙に生命を探す天文学者たち
ハッブル 宇宙を広げた男 (岩波ジュニア新書)


生命が地球で誕生したのではなく、宇宙から飛来したというパンスペルミアという説を解説している作品。

有機物が存在しない惑星の環境から生命が生まれる確率が極めて低いという前提から、さまざまな材料を元に彗星の内部で細菌やウイルスのような微生物の形で生命が誕生し、凍結保存された状態で地球にも飛来したものが地球の生物の元となったと主張している。

細菌の中には高温や低温、真空といった他の生物では生きられない環境で生きるものも多く、例えば成層圏でも微生物が存在するかどうかの実験をして実際に採取できた事例も紹介している。

そして細菌の形で生命は持続的に地球に飛来していて、ヒトゲノムにはウイルスに由来すると思われる部分が多くを占めていることや、一時的に世界各地に流行した後に収束している伝染病、さらにはインフルエンザなども宇宙から飛来した細菌によるものではないか?という仮説など、これまであまり考えたこともない話がいくつもなされているので驚く。

そこから地球にも生命が飛来したことが正しいとすれば、太陽系の他の惑星、さらには他の太陽系でも同じことが起こっているはずだとして、地球外生命体の存在についての話にも及んでいる。

外国の学者が書いた作品ということもあって少し読みづらい部分、用語や表現が少し分かりにくい部分もあるが、論旨は明快で分かりやすい。

おそらくこの説に弱点はいくつもあるのだろうが、刺激的で魅力のある説ということは間違いない。
刺激的な内容の作品で、興味深く読むことができた。






にほんブログ村 本ブログへ