読書-思想(日本):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(日本)」 に関する記事を紹介しています。


本多静六 「蓄財の神様」が教える面白いほど成功する法 (知的生きかた文庫)
本多静六 「蓄財の神様」が教える面白いほど成功する法 (知的生きかた文庫)
日本名著研究会
三笠書房 2016-03-22

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人生計画の立て方


林学博士、造園家、投資家などとして知られる本多静六が語った言葉から、成功するための心構えや習慣を42項目で解説している作品。

本多の名前は株式投資などの本を読んでいると『私の財産告白』という著作があって投資家として成功したらしいことは知っていたが、これまで具体的な業績などはあまり知らなかった。
調べてみると東京帝国大学教授、林学の先駆者、国立公園の生みの親などの業績もあるそうで、かなりの大物だったようである。

本書では資産運用の話はあまりしておらず、人生論や幸福論、労働哲学、健康の秘訣などについての言葉が多く扱われている。

仕事を道楽にするための考え方、逆境の時にすべきことをやって潮目が変わるのを待つこと、うぬぼれはいい面も多いので小出しにすること、失敗は人生の必須科目であることなど、短い言葉の中に示唆に富む言葉が多く書かれている。

苦学して成功を収めてきた過程で得た教訓が多く反映されているのだろう。

再読して効果がありそうなことが多く書かれているので何度か読み返すつもりであるし、著者のことを知って関心を持ったので、他にも何冊か関連した本を読んでみようと思う。






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渋沢栄一の「論語講義」 (平凡社新書)
渋沢栄一の「論語講義」 (平凡社新書)
渋沢 栄一 (著), 守屋 淳 (編集)
平凡社 2010-09-16

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日本資本主義の父とも評される渋沢栄一による、『論語』の言葉を解説した『論語講義』を現代語訳した作品。
『論語』の解説だけでなく、幕末から明治にかけての人物評や、渋沢による独自の解釈なども書かれているのが特徴となっている。

人物評では不平等条約改正の業績で知られる陸奥宗光が頭脳が切れすぎたために人気がなかったことや、渋沢が2度ほど新撰組の近藤勇と会ったことがある話、井上馨や大隈重信らとの交流などが興味深い。

渋沢の語りでは、人の気持ちを血気と志気に分けて血気が年齢の影響を受けやすいのに対して志気は本人の修養で高められるという話、道徳も重要だが生活や経済も重要だし孔子の時代と現在(明治~大正)の違いもあるという話などが印象に残る。

渋沢が日本とアメリカや中国との関係悪化について心を痛め、さまざまな働きかけをしていたことも知ることができる。

『論語講義』を現代語訳した作品では竹内均訳の『孔子―人間、どこまで大きくなれるか』も読んでいるので、比較しての評価をすることになる。

本書がおそらく原文に近い構成で書かれているのに対し、竹内訳の方は現代の人にとって分かりやすさを重視している作品という違いがあるように感じる。
どちらも読むのであれば、竹内訳の方から本書に進むのがいいと思う。






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関連タグ : 渋沢栄一, 孔子,

座右の諭吉 才能より決断 (光文社新書)
座右の諭吉 才能より決断 (光文社新書)
齋藤 孝
光文社 2004-11-13

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福沢諭吉の言動や考え方について、『福翁自伝』をはじめとする著書の記述から解説している作品。

1万円札の顔になっているのでどうしても偉人というイメージを持ってしまうが、実際は自分で「カラリとした精神」と語るように、気さくでさばけた雰囲気の人物だったようである。

考えても仕方がないことはくよくよ悩んだりせずに切り替えや立ち直りが早く、悩む暇があったら目の前のことを実行していくなど、かなり合理的な考え方をしていることが分かってくる。

人間関係にクールなことも随所で語られていて、このために例えば悪人や破滅型の人間に引きずられたり、情に流されての失敗が少なかったことにつながっているようである。

他にも健康とお金は大切だと考える一方で交際や服装に無頓着な傾向があること、変なプライドを持たずに雑事も積極的にこなすなど、現代にいても成功しているタイプの人なのだろうと感じた。

著者が諭吉の言説から考察している話も興味深く、比較的早く読み進むことができた。
まだまだ諭吉については知らないことが多いことを自覚しているので、さらに諭吉に関する本を読んでいこうと思う。






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関連タグ : 齋藤孝,

[抄訳]葉隠
[抄訳]葉隠渡邊 誠
PHP研究所 2009-07-14

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佐賀藩の家臣を引退した山本常朝が、現役の藩士である田代陣基(つらもと)に語った話をまとめた『葉隠』の言葉を現代語で抄訳して1項目当たり1ページで200項目にわたって解説している作品。

相手の面子をつぶさない形での意見、「昔に比べて・・・」と語る人には適度に言い返すこと、我慢しすぎてキレることの弊害、嫉妬やバッシングの避け方など、組織で生きる上での処世術には参考になるところも多い。

ただ、平和な時代になってから戦国時代の武士を尊ぶ感じが強いなど、精神主義でかっこつけたと思われる言葉も多い。
改めて、くせが強い古典だと再認識した。

あと時々、現代の価値観では理解しづらい話も書かれていて、それに対して著者のフォローが足りなかったのか、こちらの理解が足りないのか分からないが、消化不良なところもいくつかあった。

全体的には、そこそこという読後感となる。






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渋沢栄一 巨人の名語録 日本経済を創った90の言葉 (PHPビジネス新書)渋沢栄一 巨人の名語録 日本経済を創った90の言葉 (PHPビジネス新書)

本郷 陽二
PHP研究所 2012-11-17

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渋沢栄一による90の言葉を、1つ当たり見開き2ページで紹介している作品。

代表作の1つである『論語と算盤』のタイトルにもあるように、利益を上げることと人々のために貢献することは両立可能だという話が多く扱われている。

道徳には商業も他の分野と区別するものではないとしていたり、変に昔を美化する風潮への反論、自分のことばかりを優先する人はかえってひどい境遇に陥りがちなこと、不運というもののかなりの割合が普段の言動に起因しているなど、言われると確かにそうだと思われる言葉が随所で紹介されている。

渋沢は業績を上げた分だけ、だまされたりひどい目に遭わされたことも多かったはずだと想像しているが、その上でも前向きな言葉を多く残しているのはすごいと思う。

また、実業を志していて弁舌に自信もあった渋沢を説き伏せて大蔵省にスカウトすることに成功した大隈重信をはじめ、井上馨、木戸孝允、大久保利通、江藤新平といった明治の元勲たちの話が出てくるのも時代を感じるし、各章の末尾には渋沢が2回ノーベル平和賞の候補になっていたなどのトリビアが書かれているのも良かった。

渋沢栄一の言葉に関する本は、5代目の子孫に当たる渋澤健による『渋沢栄一 100の訓言』も読んでいてそれぞれ違った良さがあるが、読みやすさでいけば本書の方がいい。






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