読書-思想(日本):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(日本)」 に関する記事を紹介しています。


座右の諭吉 才能より決断 (光文社新書)
座右の諭吉 才能より決断 (光文社新書)
齋藤 孝
光文社 2004-11-13

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福沢諭吉の言動や考え方について、『福翁自伝』をはじめとする著書の記述から解説している作品。

1万円札の顔になっているのでどうしても偉人というイメージを持ってしまうが、実際は自分で「カラリとした精神」と語るように、気さくでさばけた雰囲気の人物だったようである。

考えても仕方がないことはくよくよ悩んだりせずに切り替えや立ち直りが早く、悩む暇があったら目の前のことを実行していくなど、かなり合理的な考え方をしていることが分かってくる。

人間関係にクールなことも随所で語られていて、このために例えば悪人や破滅型の人間に引きずられたり、情に流されての失敗が少なかったことにつながっているようである。

他にも健康とお金は大切だと考える一方で交際や服装に無頓着な傾向があること、変なプライドを持たずに雑事も積極的にこなすなど、現代にいても成功しているタイプの人なのだろうと感じた。

著者が諭吉の言説から考察している話も興味深く、比較的早く読み進むことができた。
まだまだ諭吉については知らないことが多いことを自覚しているので、さらに諭吉に関する本を読んでいこうと思う。






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[抄訳]葉隠
[抄訳]葉隠渡邊 誠
PHP研究所 2009-07-14

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佐賀藩の家臣を引退した山本常朝が、現役の藩士である田代陣基(つらもと)に語った話をまとめた『葉隠』の言葉を現代語で抄訳して1項目当たり1ページで200項目にわたって解説している作品。

相手の面子をつぶさない形での意見、「昔に比べて・・・」と語る人には適度に言い返すこと、我慢しすぎてキレることの弊害、嫉妬やバッシングの避け方など、組織で生きる上での処世術には参考になるところも多い。

ただ、平和な時代になってから戦国時代の武士を尊ぶ感じが強いなど、精神主義でかっこつけたと思われる言葉も多い。
改めて、くせが強い古典だと再認識した。

あと時々、現代の価値観では理解しづらい話も書かれていて、それに対して著者のフォローが足りなかったのか、こちらの理解が足りないのか分からないが、消化不良なところもいくつかあった。

全体的には、そこそこという読後感となる。






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渋沢栄一 巨人の名語録 日本経済を創った90の言葉 (PHPビジネス新書)渋沢栄一 巨人の名語録 日本経済を創った90の言葉 (PHPビジネス新書)

本郷 陽二
PHP研究所 2012-11-17

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渋沢栄一による90の言葉を、1つ当たり見開き2ページで紹介している作品。

代表作の1つである『論語と算盤』のタイトルにもあるように、利益を上げることと人々のために貢献することは両立可能だという話が多く扱われている。

道徳には商業も他の分野と区別するものではないとしていたり、変に昔を美化する風潮への反論、自分のことばかりを優先する人はかえってひどい境遇に陥りがちなこと、不運というもののかなりの割合が普段の言動に起因しているなど、言われると確かにそうだと思われる言葉が随所で紹介されている。

渋沢は業績を上げた分だけ、だまされたりひどい目に遭わされたことも多かったはずだと想像しているが、その上でも前向きな言葉を多く残しているのはすごいと思う。

また、実業を志していて弁舌に自信もあった渋沢を説き伏せて大蔵省にスカウトすることに成功した大隈重信をはじめ、井上馨、木戸孝允、大久保利通、江藤新平といった明治の元勲たちの話が出てくるのも時代を感じるし、各章の末尾には渋沢が2回ノーベル平和賞の候補になっていたなどのトリビアが書かれているのも良かった。

渋沢栄一の言葉に関する本は、5代目の子孫に当たる渋澤健による『渋沢栄一 100の訓言』も読んでいてそれぞれ違った良さがあるが、読みやすさでいけば本書の方がいい。






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覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 (Sanctuary books)
覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 (Sanctuary books)
池田貴将
サンクチュアリ出版 2013-05-25

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吉田松陰の言葉を現代語で超訳したものを、1つ当たり1ページあるいは2ページで176項目で構成している作品。
勇気を持って行動することの大切さを説いた言葉が多い。

そもそも吉田松陰の著書を読んだことがなくてどのような本があり、原文でどのような言葉があるのかも知らないのだが、そのあたりの原典や原文の補足が全くない。
そのため、松陰の言葉がどのていどのニュアンスで伝えられているのかが分からないのがまず大きな問題だと感じた。

文章の内容から著者(池田氏)が前面に出てきて語っているのではないかと思われる言葉も散見され、松陰の看板を使って話をしているような感じはあまり好感を持てなかった。

なんとなく心に響かず、途中から斜め読みになってしまった。
少し前に読んだ『自分を敬え。超訳・自助論』と同じくらい期待はずれな本で、少なくとも自分には合わなかった。






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渋沢栄一 100の訓言 (日経ビジネス人文庫)
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渋澤 健
日本経済新聞出版社 2010-08-03

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渋沢栄一の5代目の子孫で、コモンズ投信を経営する渋澤健による、渋沢栄一が残した言葉100を1つ当たり見開き2ページで現代語訳と解説している作品。

代表的な著書のタイトルである『論語と算盤』にも見られるように、道徳と利益を上げることのどちらも重要であり、特に正しいことを行って利益を上げることに引け目を感じることはないというメッセージが伝わってくる。

次に、「悲観的の人は残酷である」という言葉が強く印象に残った。
これは絶望が自己中心的になることにつながり、他人への思いやりが持てなくなるということを指していて、つらい時に他人への思いやりを持てるかどうかが人として試されているような気持ちになる。

他にも、悪いことをしないことだけがいいことではないこと、わがままと元気を誤解してはいけないこと、機が熟せずにうまくいかない時は勇気を持って耐えること、昔の人がすべて偉かったわけではないなど、心に刺さる言葉がいくつも収録されている。

若い頃はテロを計画していたり、その後一橋家、徳川家、明治政府を経由して多くの事業を興した人物というだけのことがあり、明るく前向きな姿勢が感じられるのがいい。
さらに、渋沢栄一関連の本を読んでみようと思う。






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