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読書-思想(日本):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(日本)」 に関する記事を紹介しています。




松下幸之助によるさまざまな言葉を、そのエピソードとともに解説している作品。
著者は松下電器入社後にPHP研究所に移り、松下とともに活動してきた人物である。

人のやる気をそぐことを言わないこと、ほめることの大切さ、見方を変えて問題を解決することなど、ごもっともな言葉が分かりやすくかつ、具体的なエピソードとともに書かれている。

多くの苦労を重ねて成功につなげてきただけあって、人の機微に触れるようなことを多く語っていると感じた。
以前よりもさらに松下幸之助のことを知ることができ、偉大さを感じることができた。






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1分間武士道 差がつくビジネス教養1 (1分間名著シリーズ)
Posted with Amakuri
新渡戸 稲造, 齋藤 孝
SBクリエイティブ 2017/12/20


五千円札でも有名な新渡戸稲造の『武士道』の言葉を1項目当たり見開き2ページで77項目にわたり現代語訳および解説している作品。
タイトルに「1分間」とあるのは、1項目を読むのに要する時間が1分程度だからだと思われる。

まえがきで新渡戸が南部盛岡藩士の家に生まれたことなどはこれまで予備知識がなくて知らなかったが、これもまた彼が『武士道』を西欧人向けに書くことができた一因だとも思った。

書かれている内容には一部時代に合わなくなった部分も少しあるが、基本的には名誉や正直さを重んじること、弱者や敗者へのいたわり、感情のコントロールなど、現代でも十分に美徳とされる哲学が書かれている。

武士とか切腹のイメージばかりを持っていた西欧人に対して正しく日本の良さを知ってもらうため、西欧人の長所と日本人の短所を比べるなと語っているあたりは、他の事例でも他者をけなす場合にやりがちなことなので注意したい部分だと思った。

『武士道』はまだきちんと読んだことがないのでどの程度の部分が入っているのか分からないが、エッセンスは伝わったと思うし興味深く読むことができた。






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武士や商人が子孫のために遺した家訓を紹介し、現代的な意味も加えて解説している作品。

武士では有名な戦国武将のものもあるが、北条重時(義時の三男)、斯波義将(室町初期の管領)、伊勢貞親(足利義政の側近)といった、必ずしも一般的に知名度が高いとは言いづらい人物の言葉が多く紹介されているのが興味深い。

著者は「北条氏の家風がいい」という趣旨のことを書いているが、北条氏はライバルの有力御家人たちに対して内部対立を仕向けるような謀略を仕掛けて滅ぼしてきたわけで、自分たちが内部対立によって滅ぼされないように和を協調した言葉を遺しているのでは?と思ってしまった。

商人では江戸時代の三井、住友、鴻池、本間といった大商人や、各地で商いをした事で知られる近江商人、そして近代では渋沢栄一や岩崎弥太郎、安田善次郎などの言葉が紹介されている。

言葉の内容では周囲の人からの評判を気にかけることや、喜怒哀楽をむやみに表情に出さないこと、対人関係で好き嫌いをあまり出さないこと、芸事によって人生を豊かにすることなど、各人の立場や業績が反映された言葉が多く紹介されているのが興味深い。
特に、北条重時が人間関係を気にしたり、斯波義将が芸事の重要性を強調しているところが面白かった。

参考になる話が多く書かれていて、ためになる作品だと思う。






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明治時代に一代でみずほ銀行、損保ジャパン、明治安田生命といった現在の大企業の前身となる安田財閥を築いた、安田善次郎による、自身の経験を踏まえた人生訓や処世術を語っている作品。

明治の四大財閥(三井・三菱・住友・安田)のうち、三井と住友は江戸時代から続く豪商に由来し、三菱を一代で築いた岩崎弥太郎ももちろんすごいが、坂本龍馬らの亀山社中・海援隊を引き継いだ部分をどう考えるか?と思ってしまう。
そして徒手空拳から身を起こして国家予算の1/8に相当する資産を築いた安田はすごい。

安田が語っていることは強い意思を持って目的のために正しい方向で努力すること、適切な習慣を身につけること、事業では内容だけでなく人を見ることが重要であること、身の丈に合った生活をすることなど、シンプルで理解しやすいものの実践は難しい、ということが多く書かれている。
これを実践するために必要なのが、意志の力ということになるのだろう。

明治になって産業がまだあまり発達していなかった時代に幕末から金融業を始めていたことから、いち早く銀行業を自分のものとした事で、多くの企業を救ってきたことが書かれていて、さらに安田のことを知りたいと思った。

一方、一代で財を成したということや善行は「陰徳」としてあまりひけらかさなかったこともあるためか、ケチとか企業乗っ取りをしているなど、必ずしも実態に合っていないと思われる非難をされることも多かったようで、これは当時も現代も変わらない悪風だとも思った。
そしてチンピラから金をせびられて断ったために刺殺される最期を遂げていて、つまらない人間のつまらない行動によって世の中がダメになることを思ってしまった。

これまであまり知らなかった、近代日本に多大な貢献をした大人物のことを知ることができ、興味深く読むことができた。






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図解 言志四録─学べば吉 (図解シリーズ第5弾)
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齋藤 孝
ウェッジ 2017-10-19

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TBSの報道バラエティ番組「ニュースキャスター」でレギュラー出演していることでも知られる学者・齋藤孝による、佐藤一斎の『言志四録』の言葉を分かりやすく図解・解説している作品。

著者は『最強の人生指南書-佐藤一斎「言志四録」を読む』も著しているので、さらに分かりやすい形で書かれた作品ということになるだろうか。

『言志四録』の言葉は心に響くものが多く、本書でもそれは感じることができる。
特に、

「心下痞塞すれば、百慮皆錯あやまる」
(しんかひそくすれば、ひゃくりょみなあやまる)
現代語訳:心の奥底が塞がっていると(何もよい考えが出てこなくて)、考えも計画もみな誤ったものになってしまう

という言葉が強く印象に残った。
仕事などでさまざまな課題に対応する上で有用な言葉と思ったので、職場で輪番で実施している朝会での資料朗読(何かしら役立つ話を選んで発表する場)でこの言葉を発表したくらいである。

他にも体と心の関係を表した言葉、経験の重要性を語った言葉、自己肯定を得るための言葉などがいくつも収められていて、味わい深い。
繰り返し読むのに適した言葉が多く、いい作品だと思う。






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