読書-思想(日本):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(日本)」 に関する記事を紹介しています。


「葉隠」に学ぶ誇り高い生き方 (成美文庫)「葉隠」に学ぶ誇り高い生き方 (成美文庫)

武光 誠
成美堂出版 2012-01-05

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佐賀藩で伝えられ「武士道とは死ぬことと見つけたり」というフレーズで有名な『葉隠』に入っている言葉から、人生訓を語っている作品。

古典を訳した作品では著者の意見が出がちな方だったので、途中から退屈して斜め読みになってしまった。
今回の場合は扱われている古典が『葉隠』で、サラリーマン化した武士向けに語られているために、さらにそういった説教臭い感じがより強く感じてしまったのかもしれない。

『葉隠』を扱うのであれば、江戸時代や佐賀藩、武士社会などの窮屈さといった背景に重点を置いたり、語り手である山本常朝をいじるくらいの内容の作品があったら面白そうなので読むと思う。
(そうするほどメジャーな作品なのか?ということや、賛否はあるだろうが)

著者の作品は歴史に関しては分かりやすくて興味深いものが多いが、こうした分野だといまいちだと感じた。






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家訓で読む戦国―組織論から人生哲学まで (NHK出版新書 515)
家訓で読む戦国―組織論から人生哲学まで (NHK出版新書 515)
小和田 哲男
NHK出版 2017-04-11

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戦国武将たちが遺した家訓や分国法などを紹介し、現代に通じる話や当時の状況から必要だったルールなどを解説している作品。

武田信玄や徳川家康、毛利元就といった有名な戦国大名だけでなく、扇谷上杉定正(関東管領)や多胡辰敬(尼子経久の家臣)、上井覚兼(島津義久)といった明らかに知名度の低いと思われる人物によるものも紹介されていて、多くの書物を当たってのものと推定される。

例えば定正なんて絶対に手放してはいけない家臣と思われる大田道灌を謀殺して扇谷上杉家を衰亡に導いたダメな人物というイメージがあるが、(成功したかどうかはさておき)多くの家臣を使いこなしたことが書かれているのが意外に感じたりもする。

意外性で言えば、時代背景もあって戦国武将が戦いの際に占いを重視していた中、秀吉などは占いをあまり信じていなかった一方、実利思考と思われる家康がけっこう呪術を信じていたらしいのも面白い。
(東照大権現の新号を得たり、風水から日光東照宮などの位置を決めたことなどからすると納得はできるが)

全体的には読み下し文での紹介が多く、できるだけ現代文での紹介をしてほしかったところではある。






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私の財産告白
私の財産告白本多 静六
実業之日本社 2005-07-10

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明治時代から昭和にかけて多くの分野で活躍した学者である本多静六が、財産を作った方法や仕事への考え方、組織での処世術などについて語っている作品。
前半では蓄財に関する話が多く、後半では仕事や人間関係、学習についての話が多く語られている。

本多について書かれた本として『本多静六 成功するために必要なシンプルな話をしよう』『本多静六 「蓄財の神様」が教える面白いほど成功する法』の2冊を読んでいたのだが、特に前半は既にこの2冊で知ったことが多く出てきた。
これはそれだけ、その2冊が重要なポイントを押さえて印象に残るように解説してくれたということだと思う。

蓄財については天引き貯金、投資先の分散、金利差を生かした「いい借金」の活用など、現在でも普通に通用する方法が書かれていて、基本は時代を問わないものだと思わせられる。
さすがに山林への投資は現在ではあまり有効ではないし、素人が手を出すべき分野ではないようである。

本多は1952年没で戦後まで生きたわけで、当然ながら敗戦によってかなりの財産を失ったことを語っているが、それでも一定額を残しているのは日頃の研鑽の賜物なのだろう。

財産や仕事で目立ったら妬みを買ったり嫌われたりすることがあるが、本多は寄付した額が多かったために同僚の教授たちから辞職勧告を受けるというピンチになったエピソードも紹介されている。
こうした経験から、組織での処世術について書かれている部分も実に具体的で参考になる。

少し前の時代から同時代の人物として、福沢諭吉、渋沢栄一、安田善次郎(安田財閥・芙蓉グループの創業者)、桂太郎(総理大臣、陸軍大将)、鮎川義介(日産自動車や日立製作所の創業者)の話も多く扱われていて、これらも興味深い。

必ずしも特別な人でなくても実行できそうなことが書かれていること、時代を経ても古びていないことは高く評価できるポイントで、有意義な読書となった。






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本多静六 成功するために必要なシンプルな話をしよう (知的生きかた文庫)
本多静六 成功するために必要なシンプルな話をしよう (知的生きかた文庫)
本多 静六
三笠書房 2010-09-21

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[オーディオブックCD] 本多静六 人生を豊かにする言葉 ()


明治時代に林学や造園などの分野で活躍し、投資家としても知られている本多静六が、自身の経験から人生を豊かに過ごすための方法論を語っている作品。

財産は仕事という道楽をしたカス、功を人に譲ることで勤労貯蓄が貯まるといった独特の言い回しで、努力の重要性やモチベーションの保ち方、健康法、処世術などが語られている。

自分の適性は自分の好みだけでなく人の意見も聞いてから判断することなど、多くの人から助けられたことを感謝していることが伝わってくる。

一方で好ましくない人物と出会うこともあるわけで、借金を申し込まれた際の対応のように金銭トラブルを避けるための方法や、助言がしつこくなって恨みを買わないようにすること、正直すぎることの弊害など、実践的なアドバイスが書かれている。

そして収入から一定の割合を貯蓄に振り分けていき、貯まったら投資をするという形でのスタンダードだが効果的な蓄財方法についても語られている。

分かりやすい言葉で書かれていて、これからも時々読み返してみたい内容となっている。
次は『私の財産告白』あたりも読んでみたい。






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渋沢栄一 100の金言 (日経ビジネス人文庫)
渋沢栄一 100の金言 (日経ビジネス人文庫)
渋澤 健
日本経済新聞出版社 2016-01-07

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渋沢栄一 100の言葉


渋沢栄一の5代の子孫で、コモンズ投信を経営する渋澤健による、栄一が残した言葉100を現代語訳および解説とともに紹介している作品。
少し前に読んだ『渋沢栄一 100の訓言』の続編のような位置づけとなる。

道徳と利益を得ることの両立、官が民業を圧迫することへの危惧や、公共のためという名目で自分の得になることを主張する人の話、言う人が必ずしもやる人でないこと、経済だけでなく政治や外交でも民間が積極的に関与すべきことなど、現代でも通用する言葉がいくつも扱われている。

難を言えば栄一の言葉と著者の解説文で趣旨が少しずれているのではないか?と感じたり、著者の思いが出すぎているようなところがある部分などがある。
例えば栄一が「偉い人の用途は限られるが、完き人の用途はいくらでもある」という趣旨の言葉について、「完璧な人」と表現しているのは少しアクセントがつきすぎ、せいぜい「バランスの取れた人」とか「ほどほどの人」くらいにしておいた方が良かったように思う。

ただし著者は学者などではなくビジネスマンということもあってか、この手の本を書く人にありがちな「昔に比べると最近は・・・」といった感じの昔は良かった的な繰言を書いていないことは大いに評価できる。

渋沢栄一の言葉が味わい深いので、手元に置いて読み返したい。






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