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読書-アート:雨読夜話

ここでは、「読書-アート」 に関する記事を紹介しています。



安村 敏信 (監修)
平凡社 (2010/9/3)


葛飾北斎の代表作の1つである「冨嶽三十六景」に収録されている46枚(10枚は好評のため増刊)の富士山を描いた浮世絵のカラーグラビアとともに、その解説や現在におけるそれぞれの場所の情報、現在富士山の方向を向けて撮影した写真などとともに紹介している作品。

有名な「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」(通称赤富士)、「山下白雨」といった有名な作品だけでなく、特別展で観たことがないような絵も収録されていて、東は茨城県から西は愛知県あたりまでの広範囲の場所の絵を描いていることを再認識させられる。

現在は東京の都心では当然ながら高層ビルによって富士山を見ることができない場所が多いが、東京よりも東の霞が関沿岸や、千葉県の多くの場所ではきっちり富士山が映っている写真が掲載されていて、天気が良ければ思っていた以上に広範囲で富士山が見えるということに驚いたりもした。

北斎の生涯や作品について語っている解説文やコラムも、読んでみるとなかなか面白い。
例えば風景画を多く描いたことで比較されることもある歌川広重との違いは何か?というコラムでは、どちらも現実にない風景を描く場合もあるが、広重の場合は写実的に描くのに対し、北斎は構図などのインパクトを重視して描くようなことが書かれていて、確かにその通りだと納得した。

「冨嶽三十六景」についての解説によって新たに知る部分も多く、興味深く読むことができた。






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関連タグ : 葛飾北斎,




ハロプロのアイドルグループ・アンジュルム(本書発行時はスマイレージ)のリーダーで美大にも通っていた和田彩花による、「かかいい」という切り口で古今東西の絵画の感想を語っている作品。
著者は少し前にアンジュルムからの卒業を発表し、芸能活動は続けるようである。

けっこう前に購入して読みかけ、そのまま積読状態になっていたものを読み返してみた。

読んでいくとところどころで面白い意見もあるが、全体的に紹介された絵から著者みたいに感じ取る感性が足りないのか、それほど面白く感じなかった。

多分、私がそこまで美術への知識や情熱が不足していることが原因であり、それらがある人からすると面白く感じられるのだろう。





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妖怪 水木しげる画集
水木 しげる
講談社 2019/3/10



水木しげるの生誕97周年を記念して出された、妖怪画の画集。
カラー画62作品、モノクロ画12作品の74作品が収録されている。

『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する砂かけ婆や一反木綿、ぬらりひょんなどをはじめ、日本各地に伝わる怪奇現象や妖怪の言い伝え、ローカルな神などが描かれている。

それにしても人がいないはずの場所で「さわられただけ」とか「声や音がしただけ」といった目に見えない現象も妖怪のしわざとしてキャラクター化しているのは改めて考えるとすごいことだと思う。

ひさしぶりに水木作品の絵を見たが、改めて独特の魅力を感じ取ることができた。




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関連タグ : 水木しげる,

ヘンな浮世絵 (コロナ・ブックス)
日野原 健司 (著), 太田記念美術館 (監修)
平凡社 (2017-08-30)



幕末に2年8ヶ月間という短い期間に広重や北斎のパロディというかパクリみたいな面白い浮世絵を出した、歌川広景(うたがわひろかげ)の作品『江戸名所道戯尽』を紹介・解説している作品。

50作におよぶこのシリーズは広重の『名所江戸百景』や北斎の『北斎漫画』の背景やキャラクターを模倣していて、そこに登場するキャラクターが変な失敗したり、とんでもないハプニングが発生したシーンを描いていて面白い。

人を化かす狸や狐、河童、雷様なども登場していて、河に落ちた雷様から尻小玉を取ろうとする河童などの絵には笑ってしまった。

監修は過去に何度か行ったことがある原宿の太田記念美術館によるもので、また行ってみたいと思った。






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大津絵 民衆的諷刺の世界 (角川ソフィア文庫)
クリストフ・マルケ (著), 楠瀬 日年 (イラスト)
KADOKAWA/角川学芸出版 (2016-07-23)


江戸時代に東海道や伊勢神宮参拝の宿場町だった大津で土産物として販売されていた大津絵を紹介・解説している作品。

大津絵は浮世絵と同じように量産されて手頃な値段で普及していて、それゆえに希少価値がないと判断されてあまり残っていないという。
使い方は元々は仏教などの宗教画として描かれ、その後風刺画や護符としても流通したことが書かれている。

中盤では明治時代に活躍した篆刻家の楠瀬日年による、リバイバルとして作成された大津絵をカラーで掲載している。
表紙にあるように、漫画家としてはさくらももことか、見ル野栄司などの作風を髣髴とさせる、ゆるいタッチの絵となっている。

扱われているのは七福神や仏様、天狗、鳥獣、江戸時代の人々などで、現代の絵としても十分見れる出来となっている。
こうした作品はおそらく最初に自分で描いたか、発注して描いてもらったかした人がいたはずなので、どのような人物だったのかがけっこう気になった。

楽しい絵を多く見ることができて良かった。




大津絵こう話
片桐 修三 (編集)
サンライズ印刷出版部 1997/5


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