読書-スポーツ:雨読夜話

ここでは、「読書-スポーツ」 に関する記事を紹介しています。


独裁力 (幻冬舎新書)
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川淵 三郎
幻冬舎 2016-09-30

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日本サッカーでJリーグ創設などの業績で知られる川淵三郎氏が、国内リーグが2つに分かれていてFIBA(国際バスケットボール連盟)からの制裁措置でリオデジャネイロ五輪をはじめとする国際試合への出場を禁止された日本のバスケット界のため、リオ五輪開幕までの4ヶ月で単一リーグを創設するなどの体制作りに関わった話を中心に、スポーツがもたらす影響や批判にめげずに実行していくことなどを語っている作品。

当時の日本におけるバスケットボール界は企業のリーグとプロのリーグに分かれていて険悪な関係にあったり、「リーグが代表チーム強化に貢献する必要はない」という幹部がいたり、そもそも組織のガバナンスが機能していないなど、著者が調べていくと絶望的に厳しい状態にあることが分かる。

それに対して「地域に根ざしたチーム作り」、「Jリーグ開幕時とは時代が違うので企業名はつけてもいいが、地域名はつけること」、「体育館ではなく5000人収容のアリーナをホームとすること」、「リーグは三部制」などのルール作りをかなりのスピードで実施し、リオ五輪への代表チームの出場に間に合わせることができた。

このプロジェクトについては当然著者が中心人物の一人として携わったJリーグ創設の経験が活かされていて、批判する人との討論などで理念が徐々に伝わる効果などを書いている。
特にナベツネ(渡邉恒雄・読売新聞主筆)とのバトルはマスコミが大々的に報じてくれたおかげである種の宣伝にもなったとしていて、手厳しくやられたナベツネのことを恩人と呼んでいるのは興味深い。

Jリーグでは「引き分けが多くてつまらない」という意見に対して(延長で得点した時点で勝敗が決まる)Vゴール方式や、水曜と土曜の週2で試合を組んだのは日本選手の体力不足への対策だったなど、少し疑問に感じていた制度にも意図があったことを知ったことには新鮮な驚きを受けた。

他にもサッカー日本代表に関連してハンス・オフトの招聘と解任、ジーコ招聘の経緯、ドイツW杯後でのオシム発言などのことを当事者として語っていたり、現在理事長を務める首都大学東京での取り組みなどについても書かれている。

多分失敗してなかったことにした話も多いとは思うしポジショントークにも気をつける必要はあるが、刺激的な話が多く語られていて興味深かった。





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うまくいかないときの心理術 (PHP新書)
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古田 敦也
PHP研究所 2016-04-16

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ヤクルトスワローズで選手としても監督としても活躍した古田敦也による、自身の野球経験から自分の心理状況をいい方向に持っていったり、他者の心理を洞察したり、うまくいかない時期の過ごし方などに関するヒントをあれこれ語っている作品。

まえがきでも述べているように、必ずしもそのまま応用できるものばかりではないが、野球選手がどのようなことを考えてプレーや練習をしているのかを知ることができるのが興味深い。

この中では、初めの方に書いてあった練習のように日常的に同じようなことを行う場合でも、より良い方法を求めてあれこれ試してみるということの重要性が書かれていて、ついついいつもの方法を取りがちなのでけっこう心に響いた。
野球の場合もそうだが、以前通用していた方法がある日通用しなくなることもままあるわけで、さまざまなパターンがあることを日頃から少しだけでも考えておくことが必要なのだろうと感じた。

春のキャンプは新たなことを試すというよりもシーズンに向けて状態を上げるためのもので、新たなことを試すのは秋のキャンプで行うなど、プロ野球に対して漠然と思い込んでいたことと異なることがけっこう書かれていて、プロ野球ファンの目線からでも興味深く読むことができる。

以前読んだ著者の『「優柔決断」のすすめ』と同様にソフトな語り口で書かれていて、受け入れやすさを重視しているようなところに好感が持てる。





古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術 (朝日新書)古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術 (朝日新書)

古田敦也
朝日新聞出版 2015-03-13

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古田 敦也 NHK取材班
ワニブックス 2016-03-17

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ビリー・ビーン 弱者が強者に勝つ思考法 (PHPビジネス新書)
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桑原 晃弥
PHP研究所 2015-04-18

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オークランド・アスレチックスのGMとして、セイバーメトリクスのような手段を用い、それほど裕福でない球団を何度もプレーオフに導いてきたビリー・ビーンの業績と、彼の言葉を紹介している作品。

ビーンについてはマイケル・ルイス著『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』と、それがブラッド・ピット主演での映画版で知っていたが、それらで扱われていない話も多く出てくる。

例えばビーンがアスレチックスで初めてセイバーメトリクスを用いたわけではなく、前任のGMだったアルダーソンの時代に着目され、支配化のマイナーリーグで適用して一定の成果を上げたようである。
ただしその頃のアスレチックスのオーナーは補強にお金を惜しまないタイプだったことや、監督がラルーサという実績のある人物だったこともあり、一軍での実現は挫折した経緯が書かれている。

その後アスレチックスのオーナーがシブチン健全経営を目指すタイプの人物に代わって球団の予算が削減されたことなどから、ビーンがGMとなって監督やスカウト、選手などの抵抗と戦いながら改革していったことになる。

「出塁率と本塁打率が重要」、「打率、防御率、守備率などは多くの要素が絡むので当てにならない」、「犠打や盗塁はリスクの割に勝利に貢献しない」など、統計から導き出された傾向は野球を見ての感じと大きく異なるわけで、色々なことを言われるのは当然ではあるが大変そうである。

そして受け入れられたら受け入れられたで、他球団から真似をされてしまうという問題も書かれている。
ただし中途半端に受け入れて失敗した球団の事例も紹介されていて、実績があっても実際に結果を上げられるかはまた別の問題だということも分かってくる。

『マネー・ボール』を読んだ上でも新たに知ったり考えたりさせられる話も多く、興味深く読むことができた。





[参考文献に挙げられていた作品]


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関連タグ : 桑原晃弥,

プロ野球スカウトが教える 一流になる選手 消える選手 (祥伝社黄金文庫)
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上田 武司
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読売ジャイアンツで現役時代はV9時代の内野手で、引退後は一軍および二軍のコーチ、育成監督、スカウトを歴任した人物による、選手のスカウト方針や指導方法、これまで出会った指導者や選手についてのエピソードなどを語っている作品。

まずはスカウトの話として、1人が担当するエリアが広くて学校や選手もそれだけ多い上に接触できる時間も限られているなど、かなりの激務であるということが語られていて、元選手がスカウトを務めるのは体力の面からも理にかなっているのだろうと感じた。

そして選手との交渉、他球団との情報戦、上層部からの指示で追ってきた選手を諦めなければならないなどのエピソードが語られている。
その中でも卑劣な手段で契約金を聞きだそうとされたことや、他球団の話として選手と両親の前で札束を積み上げたスカウトがいた話などもしている。
ただし巨人の方がドラフトにまつわる強引な手法、きな臭いうわさも多いはずだが、このあたりはまったく書かれていないので、話半分で受け取るしかない。

獲得した選手の話も多く、指導の結果活躍した選手として斎藤雅樹、岡崎郁、川相昌弘ら、(ドラフト時の期待値と比較して)活躍できなかった選手として小野仁、大森剛、三沢興一、西山一宇らの話が書かれていて、合う合わないによる部分も大きいのかもしれない。
ここもまた、著者たち巨人のコーチ陣の指導がどうだったのか?という疑問も出てくる。

選手の指導については教えすぎがいけないことを語っていて、これはノムさんの著作や『論語』などでも同じ趣旨のことが語られているので、重要だがついつい教えすぎてしまうということなのだろう。

あくまでジャイアンツ関係者というポジションを考慮して読む必要があると思うが、初めて知った人物の本ということもあって興味深く読み進めることができた。






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「最高のチーム」の作り方
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栗山 英樹
ベストセラーズ 2016-12-21

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昨年日本一となった北海道日本ハムファイターズの栗山監督による、2016年シーズンを振り返っての感想などを語っている作品。

ソフトバンクホークスに最大11.5ゲーム差をつけられた状態から怒涛の巻き返しを見せてのリーグ優勝、クライマックスシリーズ突破、引退を発表した黒田博樹のいる広島東洋カープとの日本シリーズと、昨シーズンの要所での試合での出来事とその裏側などが書かれていて、勝つことがいかに大変かということが伝わってくる。

抑え投手だった増井の配置転換、二刀流を続ける大谷翔平の起用法、調子が上がらなかった中田翔の扱いなど、選手たちの話も当然多く出てくるので、選手たちへの関心も高まった。

著者が過去の著作で語っていた言葉を引用して、その後その考えがいかに変わったり変わらなかったりしたのかを率直に語っている部分も多く書かれている。

著者は選手を引退してから解説者やタレントとして活動することが多くて指導者経験がなかったことから、(普通の)監督っぽくならないことを自分に課しているというのが面白い。
吉村GMから「勝ちたがっていませんか?」(勝とうとするあまり野球の魅力についての考えがおろそかになっていませんか?)と聞かれたエピソードからも、球団から求められている役割を果たしているということなのだろう。

大谷を二刀流で起用して成功していたり、他にも奇策と思われる選手起用も多いようで、監督就任時に疑問を持っていた人たちを結果で認めさせてきただけのことはあると感じた。
結果が出ない時期も辛抱強く起用し続けてきた球団も含めての話であり、いい関係が構築できているのだろう。

今年の日本ハムは世代交代や調整の時期に入ってきたのかなかなか結果が出ていないが、巻き返してくるのではないかと考えている。
球団の札幌ドームからの球場移転問題も含め、注目していきたい。






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