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読書-紀行文(国内):雨読夜話

ここでは、「読書-紀行文(国内)」 に関する記事を紹介しています。


食の街道を行く (平凡社新書)
食の街道を行く (平凡社新書)
向笠 千恵子
平凡社 2010-07-16

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司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズを意識し、食事の道をたどって地元に方々から話を聞いたり考察したりしている紀行文。

以下の道が扱われていて、先日読んだ『日本「古街道」探訪 東北から九州まで、歴史ロマン23選』と重なる道も杯っている。
  • 海辺から山への道:鯖街道、ぶり街道、塩の道、鮑の道
  • 海上の道:昆布の道、醤油の道
  • 権力者がつくった街道:鮎鮨街道、お茶壷道中
  • 渡来食品が伝わった道:砂糖街道、豆腐の道、唐辛子の道、さつま芋の道

題材として食物が伝わったり運ばれたりした道というのは面白いテーマなのだが、著者の食物へのこだわり(国産とか無添加とか)をあれこれ語っているとこや、道中での経験の話があまり面白く感じない。

テーマを前面に出した形での紀行文というのは、教養要素と紀行文要素のバランス取りが難しいのだろう。
この点、『街道をゆく』や『ブラタモリ』はかなり高度な技術や工夫のたまものなのだろう。

もう少し構成が何とかならないのかというところもあるが、それなりに関心を持って読むことができた。






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街道をゆく 夜話 (朝日文庫 し 1-55)
街道をゆく 夜話 (朝日文庫 し 1-55)
司馬 遼太郎
朝日新聞社 2007-10-10

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司馬遼太郎による短いエッセイや評論、解説、あとがきなどから、『街道をゆく』シリーズにつながるものを集め、地域ごとに構成している作品。

収録された文章の種類と数が多いこともあり、面白い作品、つまらないと感じる作品のばらつきが大きい。
内容としては出会った人とのローカルすぎるやり取りを長く続けたり、地域振興などのために書かされたと思われる作品が厳しい。
おそらく著者がまとめてほしくなかったと思っているものも多いのではないだろうか。

興味深かったのは幕末に会津から激動の舞台に引っ張り出された秋月悌次郎の素朴な感じや、京都の人に見られる複雑な感情、出雲の人々に見られる大和への反感や石見の人から嫌われる事情、播磨の三木城で秀吉軍との篭城戦を戦った別所氏の時代遅れな見識などで、どうやら話の広がりと面白さに相関関係がありそうである。

解説文には『街道をゆく』シリーズの入門書に最適と書かれているが、そうでもないと思っている。
理由は本作の文章だと著者の話が脱線したままになったり、話が戻っても残りのページ数が少なかった場合が多かったことによる。
『街道をゆく』シリーズは私にとっては、つまらない脱線と面白い脱線を読み分けるもので、ある程度のページ数がないと良さが出ないような気がしている。






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関連タグ : 司馬遼太郎, 街道をゆく,

徳川家康の詰め将棋大坂城包囲網 (集英社新書 476D)
徳川家康の詰め将棋大坂城包囲網 (集英社新書 476D)
安部 龍太郎
集英社 2009-01-16

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安部龍太郎による、家康が関ヶ原の合戦後から大阪夏の陣の間にかけて豊臣家を包囲するために諸大名に築城させたり改修させたりした西日本の城郭群を訪れて歴史を語っている紀行文。

扱われているのは当時はどれも交通の要地だった伏見城(家康)、姫路城(池田輝政)、今治城(藤堂高虎)、甘崎城(高虎)、下津井城(池田長政)、彦根城(井伊直政)、丹波篠山城(松平康重)、名古屋城(徳川義直)、伊勢亀山城(松平忠明)、伊勢安濃津城(高虎)、伊賀上野城(高虎)の11で、それぞれ著者がその場所を訪れている。

家康は関ヶ原の合戦後すぐに実権を握ったように思われがちだが、西日本における大名の配置には豊臣家(実権を持つのはおそらく淀殿)に気兼ねしながらやらなければならなかったらしく、しばらくは親藩や譜代の大名を封じることができなかったと書かれていて少し驚く。

家康はそれではと、輝政(娘婿)や高虎(腹心)といった親しい外様大名たちの領地に堅固な城を築かせている。
仮想敵となるのは毛利や島津、そして豊臣系の福島正則、加藤清正、加藤嘉明といったあたりだったと思われる。
特に清正は熊本城、嘉明は松山城と家康から見て目障りなくらい巨大な城を築いていることも念頭にあったのではないかと思っている。

その後は譜代大名の井伊直政や松平康重、松平忠明ら、そして息子の徳川義直と、自らにより近い大名を配置していっている。

それらの城の築城に当たっては藤堂高虎や小堀遠州、中井正清といった大名や建築家の話が書かれていたり、家康が豊臣家とスペインやポルトガルといったカトリックの勢力との結びつきを警戒していたらしい話など、興味深い話が多い。

ただ、本書も先日読んだ『日本「古街道」探訪 東北から九州まで、歴史ロマン23選』と同様に「材料はいいが処理の仕方が残念」という弱点がある。

紀行文にしてはエピソードが少なくてつまらないし、歴史読み物としては著者が訪れた話が余計に感じたりと、中途半端な印象が強い。
場所についても簡単なイラストだけではいまいち伝わりづらい。

後半で述べた不満点はあるものの、甘崎城とか下津井城などは本書を読むまでおそらく知ることはなかったと思われるマニアックな知識を得ることができ、興味深く読むことができた。
本文で少し書かれている、近江の膳所城とか豊後の岡城などについても読んでみたいところである。





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関連タグ : 安部龍太郎,

街道をゆく 42 三浦半島記 (朝日文庫)
街道をゆく 42 三浦半島記 (朝日文庫)
司馬 遼太郎
朝日新聞出版 2009-05-07

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司馬遼太郎による『街道をゆく』シリーズの第42巻で、三浦半島を中心に書かれている。

小栗上野介が幕末に造船所を建設した横須賀や、鎌倉時代に幕府の外港だった六浦や北条実時の金沢文庫で知られる横浜市金沢区、鎌倉の鶴岡八幡宮、さらには海でつながった伊豆半島や房総半島などにも話が及んでいる。

最も多く扱われているのは鎌倉幕府に関する話で、源頼朝がいかに武士という農場主の階級からのニーズに応えてきたかや、頼朝の死後に北条氏が梶原景時、比企一族、畠山重忠、和田義盛、三浦一族といった有力御家人のライバルを滅ぼしていったエピソードが印象に残る。
平家の興亡や義経、範頼、頼家、実朝といった源氏の悲劇、西行法師と頼朝の関わりなども書かれていて、初めて知る話も多い。

また、横須賀と関わりの深い日本海軍の興亡として、日露戦争での日本海海戦、大東亜戦争でのミッドウェー海戦、キスカ島からの撤退作戦、「スマートであれ」という海軍での教えについてなどの話が興味深い。
陸軍に徴兵されていて著者からすると、「それに比べて陸軍は・・・」という愚痴を語ってしまっているのは仕方のないところだろう。

できれば室町時代の関東管領だった上杉氏や戦国時代の後北条氏についての話ももっと知りたかったが、このシリーズの中ではなかなかいい方の作品に入ると思う。






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関連タグ : 司馬遼太郎, 街道をゆく,

日本「古街道」探訪 東北から九州まで、歴史ロマン23選 (PHP文庫)日本「古街道」探訪 東北から九州まで、歴史ロマン23選 (PHP文庫)

泉 秀樹
PHP研究所 2007-04-03

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日本の古い街道を訪れ、その歴史やかつての賑わい、その後さまざまな事情によって寂れていく過程などを語っている作品。

塩の道(岡崎~塩尻の中馬街道)、紅花の道(最上川~羽州街道)、酢の道(東海道より少し内陸寄りの中原街道)、鯖の道(小浜~京都)、ニシンの道(阿賀野川~若松街道)、日本のシルクロード(八王子~横浜)、煙硝の道(五箇山~金沢)、石灰の道(青梅街道)、甍(瓦)の道(伊良湖岬~奈良)など、各地の特産品や資源が運ばれる街道の話が多く、このあたりは知らないことが多いので面白い。

特産品の運搬にまつわる大変さや旧家などに見られる賑わいの様子、その後資源の枯渇や海外からの輸入、政治の変化といった事情で寂れ、著者が街道の跡があまり残っていないことを残念がる記述も多い。

他にも本能寺の変前後にまつわる街道(亀岡街道や山陽道、伊賀越え)、信長が甲信平定後に通った街道(東山道、東海道)、幕末にまつわる街道(馬野鎮平という公家侍が道中日記を残した東海道やハリスが通った下田街道)など、歴史の舞台となった街道も扱われている。

このように、扱われている題材は興味深いものが多い。
しかし、しばしば当たる「材料はいいが処理の仕方が残念」な作品という印象を受けた。

掲載していた雑誌のページの都合もあるのだろうが、街道の解説に徹するか、旅情に重きを置くかが中途半端になっているような感じがあり、書き方によってはもっと良くなったのではないかと思う。

また、地図がついているのはいいのだが、少し不親切というか雑な感じがある。
本文にいくつも地名が出てきてその場所は地図でどこなのか?と思ってみたら記載されていなかったりして、少しイライラした。

上記のような欠点もあるが、かつて賑わった街道についてのさまざまなことを知ることができたのは良かった。





道路の日本史 - 古代駅路から高速道路へ (中公新書)道路の日本史 - 古代駅路から高速道路へ (中公新書)

武部 健一
中央公論新社 2015-05-22

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跡部 蛮
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