FC2ブログ

読書-歴史(世界:通史):雨読夜話

ここでは、「読書-歴史(世界:通史)」 に関する記事を紹介しています。


5日でわかる世界歴史 (小学館文庫)5日でわかる世界歴史 (小学館文庫)

羽仁 進
小学館 2012-08-03

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


80年代だか90年代だったかにTBSのクイズ番組によく出演していた印象がある映画監督による、自身の経験などを踏まえて大きな視点から世界史を語っている作品。

アメリカ大陸の人類と旧大陸の人類で文明に差が出てきた理由や、人々が求めてきた自由と平等の両立がなかなかできないこと、発明の対価としての特許の是非とキュリー夫人やエジソンを例に挙げての考察など、歴史学者や政治学者、経済学者などがあまり語らない視点からの話がいくつも出てきて興味深い。

それだけに、文章が長くて読みにくさを感じ、ところどころ斜め読みをしながらの読書となってしまった。
これは最初に書かれたのが90年代前半のため、その後インターネットの普及などによる文章の変化が反映されていないためなのではないかと思っている。

一文を短くしたり、細かく区切ったりすることで、より読まれるものになるのではないかと考えている。





にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

キリスト教からよむ世界史 (日経ビジネス人文庫)
キリスト教からよむ世界史 (日経ビジネス人文庫)
関 眞興
日本経済新聞出版社 2018-02-02

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
「民族」で読み解く世界史
30の「王」からよむ世界史 (日経ビジネス人文庫)
ワインの世界史 自然の恵みと人間の知恵の歩み (日経ビジネス人文庫)
30の発明からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
信長はなぜ葬られたのか 世界史の中の本能寺の変 (幻冬舎新書)
逆転の世界史 覇権争奪の5000年
科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス)
テンプル騎士団 (集英社新書)
昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)
日本史のツボ (文春新書)


キリスト教が世界史に与えた影響などについて、30章にわたって紹介している作品。

中東で生まれたキリスト教がローマ帝国に伝わり、ローマ帝国の東西分裂によってローマとビザンティンの2つの教会に分かれるなど、教義などをめぐって分化を繰り返しながら世界各地に広まっていったことが書かれている。

中世からはローマカトリックを中心とした記述になっていて、神聖ローマ皇帝(ドイツ王)、フランス王、スペイン王といった世俗の君主たちやイタリアに割拠するさまざまな都市国家と戦ったり協定を結んだりと、教皇領の君主として活動する話も多い。
近代でもナポレオン、ビスマルク、ヒトラー、ムッソリーニといった英雄や独裁者たちとのやり取りも描かれている。

ローマ教皇には優れた人物もつまらない人物も陰謀家もいたわけで、叙任権をめぐる神聖ローマ皇帝との争い、カノッサの屈辱、十字軍、贖宥状など、多くのトピックが出てくる。
堕落していた時代は聖職者の位を売官したり聖職者が妻帯していたなど、聖職者といえども人間だと思わされる部分が多い。

近代以降は植民地支配や大規模になってきた戦争との関わりで苦悩する教皇の姿が多く書かれている。
そしてイタリア人が多く務めてきた教皇もヨハネ・パウロ2世(ポーランド出身)、ベネディクト16世、現在のフランシスコ教皇(アルゼンチン出身)と、イタリア以外の出身者が教皇になっている事象は興味深い。
はたして、ヒスパニックや黒人など有色人種の教皇が誕生する日は来るのか・・・?

ヨーロッパ史と同様にローマ教皇もまたイノケンティスとかピウスとかレオとかユリウスとか、同じような名前の人物が多く登場して覚えられないのが難点なので、別で分かりやすい人物伝みたいな本があれば理解しやすくなるのではないかと思う。

なじみが少なくて初めて知った話が多く書かれていて、ためになった。






にほんブログ村 本ブログへ

人に話したくなる世界史 (文春新書)
人に話したくなる世界史 (文春新書)
玉木 俊明
文藝春秋 2018-05-18

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』 (文春新書)
逆転の世界史 覇権争奪の5000年
ヨーロッパ 繁栄の19世紀史 (ちくま新書)
週刊文春「シネマチャート」全記録 (文春新書)
戦国日本と大航海時代 - 秀吉・家康・政宗の外交戦略 (中公新書 2481)
世界史を動かした脳の病気 偉人たちの脳神経内科 (幻冬舎新書)
30の「王」からよむ世界史 (日経ビジネス人文庫)
日本史のツボ (文春新書)
歴史学者と読む高校世界史: 教科書記述の舞台裏
イスラム10のなぞ - 世界史への招待 (中公新書ラクレ)


世界史の教科書に書かれていることとは印象が異なると思われる、貿易、保険、商業ルール、産業などの話を13章に分けて解説している本。

古代ではアレクサンドロスがインダス川流域までで進撃が止まったのはアケメネス朝ペルシアの交易範囲がそこまでだったためで、アレクサンドロスはアケメネス朝から引き継いだ部分が大きかったことが分かってくる。

また、海で活躍したイメージが強いヴァイキングはバルト海からロシアの大河を経て黒海やカスピ海にも進出し、ビザンツ帝国やムスリム国家とも交易を盛んに行ってきた話も面白い。

大航海時代ではポルトガルは元から喜望峰を経由してのアジアへの航路を目指していたのではなく、西アフリカにある黄金の交易ルートを探していたという話にはけっこう驚いた。

アニメ『母をたずねて三千里』でマルコの母親がイタリアからアルゼンチンに出稼ぎに行ったのは労働力不足だったためとあり、背景が分かってくると改めてアニメを観てもいいかもしれないと思った。

中世から近世にかけてのヨーロッパでは貿易をしながら戦争も継続していたが、これは中立国の存在があったためとあり、竜率はいけないとするマキェベリの『君主論』の話とは異なる結果が出ているところが面白い。

国債を用いた借金による軍費調達の能力で先んじたイギリスがオランダやフランスを破って多くの植民地を獲得したことは知られているが、南米のように非公式の帝国を形成していたり、ポルトガル、スペイン、インドの綿織物なども衰退するまでには思われているよりも長い時間を要した話も意外だった。

著者の他の作品と重なる話もあるが、刺激的な内容なので興味深く読むことができた。
話す相手に一定以上の歴史に対する予備知識が必要なのが難点だが、確かに人に話したくなる内容が書かれていると思う。






にほんブログ村 本ブログへ

世界一おもしろい 世界史の授業 (中経の文庫)
世界一おもしろい 世界史の授業 (中経の文庫)
宇山 卓栄
KADOKAWA/中経出版 2014-02-27

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
一冊でわかるイラストでわかる図解世界史―地図・イラストを駆使 超ビジュアル100テーマ (SEIBIDO MOOK)
世界一おもしろい 日本史の授業 (中経の文庫 い 14-1)
イラスト大図解 世界史
経済を読み解くための宗教史
“しくじり”から学ぶ世界史: 古今東西40名の「失敗」から教訓を導く! (知的生きかた文庫)
面白いほど世界がわかる「地理」の本 (知的生きかた文庫)
世界史は99%、経済でつくられる
教科書よりやさしい世界史
ゆげ塾の構造がわかる世界史
時代と流れで覚える! 世界史B用語 (シグマベスト)


世界史の予備校教師として実績のある人物による、専門用語を最小限に抑えてそれぞれの事件が「どうして起こったのか?」にポイントを置いて世界史を解説している作品。
先日読んだ著者の『「民族」で読み解く世界史 教養として知っておきたい』がなかなか良かったので続けて読んでみた。

専門用語を抑えている部分としては、例えば中国・唐の時代で「節度使」の言葉を使用せずに地方の軍閥に軍権を与えてしまってコントロールできなくなったといった表現になっているのが確かに分かりやすい。

また、「英雄や偉人はいない」(多くは構成の歴史家や作家、政治家による脚色)といった形で断言しているところも面白い。
この話では『三国志』での劉備や関羽は塩の密売グループ、呉の孫家(孫堅・孫策・孫権)は海賊上がりだろうと身も蓋もない。

古来からいくつもあった政治上の対立では、右派と左派の対立という概念を多く使用して解説していて、他にも統制経済VS自由経済、保護貿易VS自由貿易など、中世以前でもこうしたモデルは十分使用できるものだと感心した。

中国の政治は繰り返しが多いことが他の本でしばしば書かれているが、経済に関しては
  • 唐:統制された市場
  • 宋:自由市場
  • 元:グローバルな自由貿易
  • 明:元の反動として農本主義
とそれなりに変化していることが分かるのもいい。

ヨーロッパではまず、英仏百年戦争で英国は大陸側の領土を失って敗戦したように見られるが、実際は戦争目的のひとつだったフランドル地方の毛織物加工業者が戦争を避けるためにロンドンに移住したことで、経済的に勝利したので戦争の目的がなくなった趣旨のことが書かれていることに少し驚く。
一方で「勝利」に浮かれたフランスが経済的に停滞したのもコントラストをなしている。

宗教と政治の関係でも、フランスやスペイン、オーストリアなどが経済界に影響力のあったカルヴァン派を弾圧して経済が停滞し、カルヴァン派を受け入れた英国やオランダが経済発展した話が面白い。

そして絶対君主の思いつきでなされたと思っていた軍事行動もその裏には経済界からの働きかけがあったらしいことも、多く描かれている。

国内での対立はどこでもあるが、ヨーロッパ近代に反対派を処理した方法が以下のように分かれているのが分かりやすい。
  • 英国:議会で決めた
  • プロイセン:ビスマルクが反対派を支援するオーストリアやフランスに戦争で勝利して抑え込んだ(何やら現代の日本でも参考になりそうな部分が多そうな気がする)
  • アメリカ:南北戦争で多くのアメリカ人が戦死

他にも持ち上げられすぎなフランクリン・ルーズヴェルトやチャーチルの問題点、特にルーズヴェルトがソ連に宥和的な政策を取ったことが冷戦を生み出したことなど、ある決断が構成に多く影響を与えた事例が多く書かれている。

思っていた以上に充実した内容の作品だった。






にほんブログ村 本ブログへ

誰も教えてくれない 真実の世界史講義 古代編
誰も教えてくれない 真実の世界史講義 古代編
倉山 満
PHP研究所 2017-02-10

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
誰も教えてくれない 真実の世界史講義 中世編
学校では教えられない歴史講義 満洲事変
嘘だらけの日仏近現代史 (扶桑社新書)
嘘だらけの日独近現代史 (扶桑社新書)
理数アタマで読み解く日本史 ─なぜ「南京30万人」「慰安婦20万人」に騙されてしまうのか?
世界の歴史はウソばかり
検証 検察庁の近現代史 (光文社新書)
日本人だけが知らない「本当の世界史」 (PHP文庫)
倉山満が読み解く 足利の時代─力と陰謀がすべての室町の人々
どの教科書にも書かれていない 日本人のための世界史


現在日本で教えられている世界史はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、中国といった国々の視点ばかりが前面に出ているとして、より幅広い観点から過激な書き方で古代史を語っている作品。

オリエント、北アフリカ、ペルシア、アジアのステップ地帯、イスラム圏といった地域を過小評価というか、意図的に貶める風潮があると語っている。

一方で古代ギリシアのポリス、ローマ帝国、フランク王国などは過大評価だとしている。
古代から中世にかけてヨーロッパの勢力がアジアの勢力に大勝利を収めたのはアレクサンドロス大王の時の1回だけで、数少ない勝利を課題に宣伝していると評価している。
それ以外はローマ帝国でカエサルでさえパルティア(ペルシア系)に勝利することができなかったことを挙げている。

表現として面白かったのが、ヨーロッパ諸国にとってオスマン帝国は急に現れた怖い奴、そしてペルシアは昔から存在し続けてきたもっと怖い奴というもので、現代と大きく印象が異なっている。

中国についても遊牧民の王朝から侵略されたりカツアゲされたりと、散々な書かれ方をされている。
そして(王朝成立→功臣の粛清→外征で兵を減らす→皇帝のやりたい放題→側近たちのやりたい放題→農民反乱の頻発→地方軍閥による首都制圧)という7段階によるパターンが繰り返されているという話が面白い。

また、隋の煬帝が元々は明帝という諡号だったのが唐によって悪のイメージをつけられた話は知らなかったので、勝者によって歴史が書かれるということを改めて認識することができる。

歴史はさまざまな見方をすることができることを認識できる1冊で、くせが強いが興味深く読むことができた。






にほんブログ村 本ブログへ