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読書-歴史(世界:通史):雨読夜話

ここでは、「読書-歴史(世界:通史)」 に関する記事を紹介しています。




砂糖から、近代の世界史を解説している作品。
最近読んだ世界史関連の本に参考文献に挙げられていて、関心を持ったので読んでみた。

主にサトウキビから取れる砂糖を扱っていて、それを欧米人が夢中になっていかにして収穫を増やし、普及させていったかが書かれている。

サトウキビは熱帯で育ち養分を多く必要とするために連作すると土壌が荒れる性質があり、サトウキビの収穫や精糖には多大な労働力が必要とされることから、欧米人はカリブ海の島々やブラジルで奴隷を使用したプランテーションで砂糖を収穫するようになった過程が語られている。

そしてヨーロッパからは綿布や雑貨、西アフリカからは奴隷、中南米からは砂糖や綿花を輸出するという貿易システムが構築されていて、いかに過酷な労働に支えられてきたのかが分かるようになっている。

また、コーヒーや紅茶に砂糖を入れるようになった経緯やカフェ文化の発生、紅茶がらみでアメリカ独立戦争につながったエピソード、産業革命で発生した工場の労働者が砂糖入りの紅茶を飲むようになった理由など、イギリスを中心に多くの話が扱われていて、砂糖の影響力が強かったことには改めて驚かされる。

その後、産業団体間の対立が原因となって奴隷廃止につながったことや、18世紀末から温帯でも育つビート(サトウダイコン、甜菜)の栽培によって砂糖はサトウキビだけでなくなったことなど、広い範囲の話になっている。

ジュニア向けに書かれているだけあって分かりやすいだけではなく、大人が読んでも充分読み応えのある内容となっていて、20年以上にわたるロングセラーとなっているのも納得できた。






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戦争や平和条約交渉、戦争に備えたり戦争を避けたりするための国際関係の構築など、世界史で戦争と外交に関する事例を解説している作品。

カデシュの戦いの後にエジプトとヒッタイトで結ばれた世界最初の国際条約や、中世イタリアでメディチ家のコジモの尽力もあって奇跡的に平和が40年くらい続いた「ローディの和」、北宋とキタイ(契丹、遼)で結ばれた澶淵の盟という条約など、平和条約の話から話が始まっている。

そしてヨーロッパで長らく続いた宗教戦争の後始末や、「敵の敵は味方」式で異教徒や異民族、長らく対立関係にあったライバル国などと結ばれたありえなかったはずの同盟、ウィーン体制やベルサイユ体制など戦後に構築された国際関係システムがうまくいったりいかなかったりした話などが書かれている。

平和交渉は困難だが重要なこと、しばしば平和交渉は弱腰だと批判を受けやすいこと、国際情勢を見通さないとひどい失敗をすること、交渉ごとでは理念を持った方が有利なことなどが法則として挙げられている。
例えばウィーン会議で正統主義の理念によってフランスが敗戦国なのに賠償や領土割譲といったペナルティを避けることに成功したタレーランの交渉力は突出している。

ただ、理念よりもさらに有利なのは、軍事力や経済力を持つ側という部分を過小に書かれているような気がしないでもない。
国際交渉には武力の裏づけがなければ強制力が薄れるのは、現代の日本を見ても分かると思うのだが、著者はあまり書きたくないように感じられる。

フランクリン・ルーズベルトのことを戦後の国際体制の構築に功があったと大きく持ち上げていたり、現代の中国に楽観的な見方をしているところも違和感を持った。
特に、ソ連の影響を受けた可能性が高かったり日本に難癖をつけて戦争に引きずり込んだイメージが強いFDRのことは肯定的に評価したくない。

著者の歴史観にところどころ納得しにくいところもないではないが、知らない話も多くて参考になる1冊だと思う。






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関連タグ : 出口治明, ,



歴史の因果関係を戦争と革命の切り口から、現代からさかのぼって解説している作品。

21世紀に入って勃発した9.11などにおけるアメリカによる陰謀説から、アジアや中東などで発生してきた紛争の多くにアメリカやイギリスといった列強の身勝手な政策や、アメリカが戦争するための大義名分を得るために実施するえげつない手法の数々が書かれていて、特に強国の主張には注意が必要だと感じた。

それぞれの世紀別に話がなされていて、ベトナム戦争によるアメリカの覇権の終焉、日露戦争による白人支配の終わりの始まり、ロシア革命に各国が干渉したことでソ連が強大化した皮肉、ビスマルクによるプロシアのドイツ統一戦争の上手さなど、世界史の教科書で書かれていることをさらに一歩踏み込んで書かれているのが興味深い。

エジプト、イラン、イラクといった国々における政変など、報道で扱われないが背景として知っておかなければ理解が進まないことも知ることができたのもよかった。

少しくせが強い書き方ではあるが、刺激的な内容で示唆に富む1冊だったと思う。






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若い頃に世界の各地を旅した経験を持つ予備校教師による、世界史を分かりやすく解説している本。
ヨーロッパ、アメリカ、中国、インド、中近東の5つの地域別に章立てされている。

最初に5つの世界史のパターンがあることを指摘していて、その中でも「地中からの液体(水・ワイン・石油)をめぐって争う」というのと「ピュシス(自然)とノモス(設計)の二分法で思考する」、「ユダヤ人への対応による国際情勢が決まる」の3つが印象に残る。
英仏百年戦争では毛織物産業で栄えたフランドル地方が係争地なのは知っていたが、ワインの産地であるボルドーもそうだったのは知らなかった。

基本的に世界史の勉強をする高校生などに向けて書かれたもののようで、事件の背景にはあまり深く踏み込まずに次の話に移ったり、諸説ある事件でも定説を紹介して異説をあまり扱っていないので、マニアックな話が好きな人にはあまり向いていない。

「世界一」は大げさだが、平易な文章なのと概略の地図を多用しているので読みやすいとは思う。






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世界史に影響を与えてきた国々の成立から滅亡まで、そしてその国が後世に与えてきた影響などを紹介している作品。

古代のアレクサンドロス帝国やローマ帝国、中世の神聖ローマ帝国やモンゴル帝国、近世のオスマン帝国やティムール帝国、近代の大日本帝国やロシア帝国など、地域から世界にかけて勢力を保持してきた国々が扱われている。

世界史の教科書で目にしてもそれだけでは実情が分からなかったりするので、その国が滅亡した後にどの国が支配したり後継国家となったりしたのかが書かれているので、足りないことを自覚していた知識を補うことができる。

例えば神聖ローマ帝国やオーストリア=ハンガリー二重帝国が成立した経緯や、大英帝国の悪行がもたらした紛争の数々、オスマン帝国のような多民族国家の崩壊によって旧支配地域が火薬庫となってしまう話は示唆に富む。

完成度はそうでもないかもしれないが、あまり扱われない切り口から書かれていて興味深かった。






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