読書-産業・技術:雨読夜話

ここでは、「読書-産業・技術」 に関する記事を紹介しています。


がっちりマンデー!! 知られざる40社の儲けの秘密
がっちりマンデー!! 知られざる40社の儲けの秘密
がっちりマンデー!!制作委員会
KADOKAWA 2017-05-12

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TBSでまともに観る気になる数少ない番組の1つである、がっちりマンデー!!で放送された中から、40社を選んで書籍化している作品。
この番組でレギュラーを務める森永卓郎が各章で解説をしている。

1社目で日本の中古車をアフリカなど世界各国に輸出する会社であるビィ・フォワードが挙げられていて、この会社は高野秀行のノンフィクション『恋するソマリア』『世界の辺境とハードボイルド室町時代』を読んで知っていたので少しテンションが上がった。

また、少し前に読んだ『マンガで学ぶ はじめてのコインランドリー投資』を出しているマンマチャオ社も、主婦をターゲットとしたコインランドリーの経営で紹介されていることも少し驚いた。

もう1社本書を読む前から知っていたのはホテルAZを運営するアメイズ社で、AZを利用したことはあったがその特長については考えたこともなかったのでなるほどと思った。

他にも芝ではなくコケで屋上緑化をする会社、ビルの屋上を借りてバーベキュー会場にする会社、営業力が弱点のIT企業に代わって営業を請け負う会社、花をよく贈る企業に胡蝶蘭を扱う子会社の設立を持ちかける会社(これは税金対策でもメリットがあるのか?)など、「そうした手があるのか!」というアイデアで儲けている会社を知ることができて興味深い。

日曜の朝に少し眠い状態で観ているとそのまま頭を通過していくことも多いが、書籍の場合だと「ライバルは出てこないのか?」、「この会社が進出していない場所でやったら儲かるのではないか?」、「契約のトラブルや防犯はどうなっているのか?」、「本当にそれだけでコストを抑えられるのか?」などと考えながら読むことができるので、書籍化の意義は十分あると思う。





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がっちりマンデー!!製作委員会
幻冬舎 2010-10

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物流大激突 アマゾンに挑む宅配ネット通販 (SB新書)
物流大激突 アマゾンに挑む宅配ネット通販 (SB新書)
角井 亮一
SBクリエイティブ 2017-06-06

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ネット通販による配達数の増加や再配達による現場の疲弊など、近年問題があることが広く知られるようになってきた物流業界において、最大手であるアマゾンとその競合企業が取り組んでいるサービスやインフラを解説している作品。

主に扱われている企業はアマゾンと、楽天、ヤフージャパン、ユニクロ、セブン&アイ、ヨドバシカメラ、アスクル、ウォルマートといったところで、自社で受け持つ部分と他社に委託する割合、店舗や倉庫といったインフラの構成、店舗とネットでの扱いの違いなどが各社でさまざまな方法を取っていることが分かる。

本書では「オムニチャネル」という言葉がしばしば用いられ、これは店舗での販売やネットでの注文、宅配、店舗での受け取りなど、さまざまな経路を利用した流通の形態で、それぞれの特性に合った方法を取ったり、共通化して効率化することなどで相乗効果を図っていることが書かれている。

宅配と店舗受け取りでは例えば梱包の方法のようにオペレーションが異なり、それぞれ別の倉庫を建設するなど、利用者からはなかなか分からないことが書かれていて興味深い。

著者も物流の問題には受け取る側の消費者にも改善した方がいい部分があることを語っていて、受け取る時間帯などが決まっている場合などはドライバーの方に迷惑をかけないようにしようと改めて思った。
ただ心がけだけで何とかなる問題でもないので、再配達する回数が減るような仕組みづくりができることが望ましい。






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捨てられる銀行2 非産運用 (講談社現代新書)
捨てられる銀行2 非産運用 (講談社現代新書)
橋本 卓典
講談社 2017-04-19

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銀行などの金融業界での問題と、現在起こっている変化を解説している作品の第2作。
前作は地方銀行と地域の中小企業について書かれていたが、本作では証券業務も可能となった銀行と、顧客をめぐる資産運用に関する問題を扱っている。

サブタイトルは金融機関が力を入れて販売している金融商品が「資産運用とは言えない」もので、「悲惨な運用」になってしまうという意味のようである。

90年代になされた金融ビッグバンで銀行、証券、保険といった業種の垣根が低くなったことや再編でメガバンクができたこともあり、資産運用会社が販売会社(銀行や保険会社)の系列にあることの弊害として、顧客のためになる金融商品ではなく手数料を稼げる金融商品を作って大々的に販売することを重大な問題として挙げられている。

具体的には毎月分配型の投資信託、一時払い生命保険、ファンドラップなどで、特に大して資産があるわけでもないのに資産配分に手数料を払うファンドラップはあまり意義を感じない。
このあたりは山崎元氏や竹川美奈子氏などの著作を読んで知っていて、金融機関なんてそんなものと感じていた。

前作でも登場した金融庁の森信親長官は「フィデューシャリー・デューティー」という概念を政策の方針にしていて、これは顧客のためだけに働くこと、利益背反をしないことなどの意味があり、医師や弁護士のような義務のイメージのようである。
アメリカなどでは信託においてこの概念が前提となっているそうで、日本でもこれを掲げる企業が出てきているとはいえ、実現には時間がかかりそうである。

年金基金がETFなどを購入して大株主となる現象についても書かれていて、ピーター・ドラッカーは「見えない革命」と呼んだそうである。
これはいい面もあれば悪い面もあり、前者は安定した企業経営ができることや敵対的な買収への障壁となりうること、後者は株主としてのチェック機能が働かない恐れがあることや規模が大きくて売買が市場に影響を与えてしまうことが挙げられている。

日本でもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がETFに投資して損失が出た時はマスコミで叩かれたが、けっこう利益を出している現在はできるだけ扱わないようにしていて、マスコミのダメさ加減を感じたりもしている。

後ろの方ではTOPIXや日経平均のような指数の問題についても書かれている。
TOPIXは定量的な指数なので日本株のインデックスファンドの指数になっているわけだが、これのパフォーマンスがいまいちなのは業績のよくない大企業を含んでいるために指数としてあまりよろしくないのでは?という趣旨のことが書かれていて少し衝撃を受けた。

だからインデックスがダメというわけではなく、もっと金融商品を購入する顧客のためになる指数に連動したインデックスファンドやETFが開発・販売されるべきなのでは?という流れで語られており、そうしたものが普及することを期待したいところである。

資産運用に関する本は数十冊読んでいてある程度知っているつもりだったが、まだまだ知らないことが多いことを気づかせてくれる1冊だった。
これからも精進に励み、よりよい資産運用を考えたいと思う。






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捨てられる銀行 (講談社現代新書)
捨てられる銀行 (講談社現代新書)
橋本 卓典
講談社 2016-05-18

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ここ20年くらいにおける金融庁の政策と、それに伴う地方銀行で発生してきた問題、そして森信親氏が金融庁長官に就任してからの改革の意義などについて解説している作品。

90年代から2000年代前半は不良債権の問題が深刻だったため、金融庁は厳正な検査マニュアルを作成・運用して銀行の放漫経営を取り締まったり、貸し渋りを防ぐために担保・保証制度を整えたりし、結果として不良債権は減った。

その反面、特に地銀は担保や保証に頼れば融資ができる、検査マニュアルに通ればいいという感じで、低金利での融資競争や傾きかけた貸出先からの貸し剥がしに奔走するようになり、地域の中小企業が必要とする経営支援などの役割を果たさなくなったことが深刻な問題になったことが書かれている。

地銀は顧客である中小企業がどのような問題を抱えているのかをヒアリングするする必要も能力も失っている状況は深刻で、いくら日銀が金融緩和をしても実体経済への効果が限定的だったのも理解できる。

こうした顧客や地域経済に向き合わない傾向に対して森長官が強い危機感を抱き、省庁がやるには異例の果敢な改革を実施していることが書かれている。
主導しているのが金融庁のトップなだけに官僚たちや地方銀行がサボタージュする傾向も熟知しているわけで、地方銀行で企業の経営支援などで実績を上げてきた人材などをスカウトしたり、形式的な対策にならないような手法を取っていることが書かれている。

そして改革に携わるキーマンたちの話や地方経済に貢献している地銀の例なども挙げ、顧客である地域の企業のために貢献できない企業は淘汰されていくであろうことが書かれている。

例えば以前読んだ『投資は「きれいごと」で成功する――「あたたかい金融」で日本一をとった鎌倉投信の非常識な投資のルール』のように長期的な視点で中小企業を支援する投資ファンドが出てきたのも、地銀が本来の仕事をしていなかったことが背景にあるのだろうと感じた。

地方銀行が主体となって地域の中小企業を支援するファンドを運営することもひとつの方法として考えられるが、これもまた業界の慣習などが抵抗となってすぐには実現が難しいのだろう。

地域経済を蝕んできた問題の根深さや森長官の改革の行方など読みごたえがあり、色々と考えさせられる内容だった。






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世界を制した「日本的技術発想」―日本人が知らない日本の強み (ブルーバックス)
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志村 幸雄
講談社 2008-11-21

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日本人の技術に関する発想や取り組み方について、その優位性を解説している作品。

模倣とけなされることも多かったが模倣自体が難しいことやそれ以上のものを作ってきたこと、戦後に民生目的での技術が進んできたことのメリット、サイズの小ささや低価格への追求、消費者が求めるレベルの高さ、質や量の分野をクリアして感性に訴える部分を数値化しようとする試みなどが書かれている。

例には三洋電機、シャープ、東芝など、その後色々なことが発生してしまった企業が挙げられていて、複雑な気持ちになってしまった。

アメリカ発ではアップルやダイソンといった企業の製品がヒットを出しているが、日本でできずにアメリカでできた製品やサービスとの比較もあるといいなと感じた。

日本での優位性が活かされた形で、より世の中が良くなる商品やサービスが出たらいいなと思いながら読んでいった。






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