読書-産業・技術:雨読夜話

ここでは、「読書-産業・技術」 に関する記事を紹介しています。


世界を制した「日本的技術発想」―日本人が知らない日本の強み (ブルーバックス)
世界を制した「日本的技術発想」―日本人が知らない日本の強み (ブルーバックス)
志村 幸雄
講談社 2008-11-21

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古代日本の超技術 改訂新版 (ブルーバックス)
世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」 (SB新書)
日本人こそ知っておくべき世界を号泣させた日本人
日本はこうして世界から信頼される国となった〜わが子へ伝えたい11の歴史
超・技術革命で世界最強となる日本


日本人の技術に関する発想や取り組み方について、その優位性を解説している作品。

模倣とけなされることも多かったが模倣自体が難しいことやそれ以上のものを作ってきたこと、戦後に民生目的での技術が進んできたことのメリット、サイズの小ささや低価格への追求、消費者が求めるレベルの高さ、質や量の分野をクリアして感性に訴える部分を数値化しようとする試みなどが書かれている。

例には三洋電機、シャープ、東芝など、その後色々なことが発生してしまった企業が挙げられていて、複雑な気持ちになってしまった。

アメリカ発ではアップルやダイソンといった企業の製品がヒットを出しているが、日本でできずにアメリカでできた製品やサービスとの比較もあるといいなと感じた。

日本での優位性が活かされた形で、より世の中が良くなる商品やサービスが出たらいいなと思いながら読んでいった。






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宇宙エレベーター その実現性を探る(祥伝社新書)
宇宙エレベーター その実現性を探る(祥伝社新書)
佐藤 実
祥伝社 2016-08-01

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宇宙エレベーターの本: 実現したら未来はこうなる
宇宙エレベーターの物理学
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宇宙エレベーター−宇宙旅行を可能にする新技術−
20 under 20 答えがない難問に挑むシリコンバレーの人々
量子コンピュータが人工知能を加速する
宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで (ブルーバックス)
世界のへんな肉


各分野で研究が進められている宇宙エレベーターについて、その実現性や研究の現状、宇宙エレベーターが実現したらどのようなことが可能になるかなどを解説している作品。

現在での主な課題としてはケーブルの素材(カーボンナノチューブなどが候補)やクライマー(昇降装置)といった技術面、法制度、費用負担や利益の分配、犯罪やテロへの対策などが挙げられている。

そして、宇宙エレベーターに関わっている人として、ゼネコンの大林組、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、JAMSS(有人宇宙システム株式会社)の担当者にインタビューしているコーナーも収録されていて、現場の人の意見や考えが伝わってくるのがいい。

下記の関連記事に挙げている本と重なる話も多くて私にとっては目新しい話は多くなかったが、まとまりはいいので最初に読む1冊としてであればなかなかいい作品だろうと思う。





宇宙エレベーターの物理学宇宙エレベーターの物理学

佐藤 実
オーム社 2011-04-27

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流通大変動 現場から見えてくる日本経済 (NHK出版新書)
流通大変動 現場から見えてくる日本経済 (NHK出版新書)
伊藤 元重
NHK出版 2014-01-08

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アマゾンと物流大戦争 (NHK出版新書)
週刊東洋経済 2017年3/4号 [雑誌](物流が壊れる アマゾンの大奔流にヤマトも悲鳴)
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孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術


具体的な例を挙げての解説が分かりやすい経済学者による、ここ数十年の流通業の変化と経済に及ぼした影響について語っている作品。
読んだことがある過去の著作で目にした事もある、下記のような話題が扱われている。
  • アメリカの要求による大規模小売店舗法(大店法)の緩和
  • 内外価格差の解消
  • 高齢化社会への対応
  • 小売業の郊外への進出と都心部への回帰
  • 百貨店の変動
  • 問屋に代表される中間流通の再編
  • 情報技術の発達が流通業に及ぼした影響
  • アジア市場拡大への対応

ダイエー、ユニクロ、セブンアンドワイ、吉野家、ウォルマートといった企業が取っている手法が分かりやすく書かれているので読みやすい。

著者はミクロ経済や流通が元々の専門だと思っていたが、実際は国際経済学や貿易摩擦などを研究していたと語っていて意外だった。
それが、日本で羊毛の市場についての専門家がいないために調査してほしいとの依頼を受けたことがきっかけで、流通の現場で調査する魅力を感じて現在に至る過程が書かれていたので興味深い。

流通業にまつわる多くの話題が分かりやすくまとめられていて、概要を知ったり知っている事項を整理するのに役立つ1冊だと思う。






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関連タグ : 伊藤元重,

流通業の「常識」を疑え!―再生へのシナリオ
流通業の「常識」を疑え!―再生へのシナリオ
松岡 真宏 中林 恵一
日本経済新聞出版社 2012-01-06

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小売り 第2版 (日経文庫 業界研究シリーズ)
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時間資本主義の到来: あなたの時間価値はどこまで高められるか?


流通業や小売業のここ数十年の変化と、その背景、そして今後の展望などについて解説している作品。

百貨店、GMS(イオンやイトーヨーカ堂などに代表される総合スーパー)、コンビニ、専門の小売店と業態別に話をしている。

流通業を語る際は売り上げが悪化しているところは「不景気による消費の低迷で・・・」という話がなされることが多いが、必ずしも実態を表しているとは限らず、経営戦略の失敗による部分も大きいという。

例として消費性向の具体的なデータを挙げ、金額ベースでの消費はそれほど下がっている訳ではないが、通信費やサービスへの消費が増えた一方で、単価が下がったこともあって金額ベースで衣料品の消費が減っていることが分かる。(購入している点数はそれほど変わっていない)

それなのに少し前の百貨店では衣料品に力を入れる戦略を取ったため、結果として大失敗となった経緯が書かれている。
また、百貨店にテナントを多く入れるのではなく「小売業としてのあるべき姿」にこだわったことも良くないとして、集客力のある専門店を効果的に入れることが望ましいとしているようである。

これはGMSでも同様で、さらに郊外への過剰な出店によって消耗戦が起こっていることも問題に挙げている。
ただし土地利用に関する契約などから簡単に閉店することができない事情も書かれていて、適正な形になるには時間がかかりそうでもある。

専門の小売店については紳士服店や衣料品店、ドラッグストアなどを挙げ、法律の改正などで出店が増える時期と頭打ちになる時期、そして淘汰と寡占が進むプロセスが書かれていて、知っている店の名前がいくつも出てくる。

後半では大きな流れとして、少し前は小売業と総合商社の提携、近年では小売業と鉄道会社と提携という現象を取り上げている。
駅の改札内や周辺に建設した大型の商業施設が成功している事例を出し、それぞれでの売り上げに限界が見えてきたことでより効率的な販売の形を探っているようである。

流通業や小売業の大まかな動きが分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。
消費者としては、よりよいサービスや販売方法が提供されることを期待したい。





時間資本主義の到来: あなたの時間価値はどこまで高められるか?時間資本主義の到来: あなたの時間価値はどこまで高められるか?

松岡 真宏
草思社 2014-11-20

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問屋無用論から半世紀 これが世界に誇る日本の流通インフラの実力だ
問屋無用論から半世紀 これが世界に誇る日本の流通インフラの実力だ
玉生 弘昌
国際商業出版 2013-06-01

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日本の問屋は永遠なり [ハードカバー] by 大竹愼一; 有賀泰夫
卸売が先進企業になる法―流通の新たな機能を狙え!
卸売業復権への条件
1からの流通論
流通業の「選択」 ~チェーンストアを超えて~


メーカーや小売業に比べると脚光を浴びることが少ない、卸売業(問屋)の重要性や日本の流通インフラの優秀さなどを語っている作品。

1960年代に「問屋無用論」というのが語られたらしく、卸売業を経由することでコストが上がってしまうイメージが持たれやすいが、これに対しては数式を用いて反論している。

物流にはコストが必ずかかるわけで、それをメーカーあるいは小売業で行おうとした場合は限られた取引先だけと取り引きする場合はコストを安くできるものの、一定以上の数の取引先と取り引きしようとすれば、卸売業を経由した方がはるかに効率が良いわけで、納得しやすい。

これによって日本では多品種の商品が安く購入できているのに対し、そうなっていない国の例としてアメリカを挙げている。
アメリカではウォルマートのような小売業が寡占で強くなりすぎたことによる弊害が書かれていて、増田悦佐の作品でも読んだことがあったのを思い出した。

その卸売業を支えているインフラにはさまざまなものがあるが、その中でも著者が経営する会社による、プラネットというメーカーと卸売業の間での通信システムの話に移る。

これは従来電話回線を用いていたものをインターネット回線によるものに更新することで効率が良くなったと自賛している一方で、卸売業と小売業の間ではまだまだ古い通信システムから更新できていない実態を問題視している。

これは早い時期に通信システムを作り上げてしまったことによるもので、今後の課題としてはこの通信システムの更新と、日本では意識されることの少ない流通インフラを海外に展開することを挙げている。

海外での取り引きはリスクが高いことは当然として、少しずつ進められればということが語られていて、このあたりは町工場など下請け企業が支える製造業の話と似ているようにも感じた。

他にも小売業によるプライベートブランドについて、メーカーが儲からないので作りたがらないものを消費者の利便性のために作らせる場合、大手メーカーの陰に隠れて世に出られないメーカーに製造を依頼する場合は意味があるとの意見を紹介していて、なるほどと思わせられた。

意識されることは少ないものの社会を支える基盤のひとつについての知らなかった話が多く書かれていて、興味深く読むことができた。






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