読書−産業・技術:雨読夜話

ここでは、「 読書−産業・技術」 に関する記事を紹介しています。


エネルギーの未来 宇宙太陽光発電 宇宙の電気を家庭まで (アスキー新書)
エネルギーの未来 宇宙太陽光発電 宇宙の電気を家庭まで (アスキー新書)
高野忠
アスキー・メディアワークス 2012-02-10

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放射性廃棄物の憂鬱(祥伝社新書269)
宇宙太陽光発電所 (Dis+cover science)
NHKサイエンスZERO 宇宙太陽光発電に挑む (NHKサイエンスZERO)


宇宙太陽光発電の仕組みと意義について、JAXAの名誉教授を務める工学博士が語っている作品。

概略的なイメージとしてはNHKサイエンスZEROの放送を単行本化した『宇宙太陽光発電に挑む』以上に分かったものはあまりなく、細かな技術的なところもあまり理解できなかった。
また、愚痴やぼやきが多いなど関心のある記述が少ないこともあって、斜め読みになってしまった。

京大の総長が書いた『宇宙太陽光発電所−新太陽光エネルギー社会と宇宙生存学が明日をつくる』もそうだったのだが、これでは偉い学者の本は能書きが多くて読みにくいという印象を持ってしまいかねない。



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大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書)
大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書)
石井彰
アスキー・メディアワークス 2011-08-10

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エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版新書 356)
天然ガスが日本を救う 知られざる資源の政治経済学
トコトンやさしい天然ガスの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
自然エネルギーの可能性と限界—風力・太陽光発電の実力と現実解—
シェールガス争奪戦―非在来型天然ガスがエネルギー市場を変える (B&Tブックス)


3.11により原子力発電に対する不安が高まった現在、日本の発電で使用するエネルギーにおいて天然ガスの割合を高めていくことが望ましいと語っている作品。

以前読んだ著者の『天然ガスが日本を救う 知られざる資源の政治経済学』と重なる内容で、天然ガスのエネルギー源としての性質や市場で取り扱われている状況などを紹介し、安定供給が見込めることが分かってくる。

また、『天然ガスが・・・』では書かれていなかったシェールガス革命と呼ばれる、非在来型の天然ガスが商用ベースに乗った現象について書かれていて、本書の中で最も興味深いところだった。
非在来型ガスとは下記のような天然ガスで、隙間から効率的に採集する技術が発達したらしい。
  • シェールガス        :頁岩(けつがん)の隙間に貯蔵されたガス
  • タイトサンドガス      :砂岩の隙間に貯蔵されたガス
  • CRM(コールベッドメタン):炭鉱の石炭層のひび割れに存在するメタン
この結果としてアメリカが天然ガスの輸入国から輸出国に転じたり、天然ガスの価格が下がったなどの現象が触れられている。

ただ、天然ガス自体の性質や市場が成熟していないこと、交渉が不得手なことなどから、日本は天然ガスを高く吹っかけられることが多いというのが少々残念に感じる。
サハリンからの天然ガスパイプラインなどが実現すれば交渉も進めやすくなるであろうことも書かれていて、今後の展開を期待したいと思う。

天然ガスは地味だがエネルギー効率の高さは他と比較してもかなり高く、太陽光や風力のような再生型エネルギーのような安定供給への不安も少ない。
いまひとつ天然ガスに利用が少ないように感じるのは電力会社の姿勢や規制、業界の慣習といった技術以外の理由が大きいようなので、これらの課題がクリアされると案外早く普及する可能性がある。

一般的に持たれがちは不安点に対する回答も書かれていて、天然ガスは現実的に穴が少ないエネルギー源ということが認識できる1冊だと思う。



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爆笑問題のニッポンの教養 ロボットに人間を感じるとき…… 知能ロボット学 (爆笑問題のニッポンの教養 9)
爆笑問題のニッポンの教養 ロボットに人間を感じるとき…… 知能ロボット学 (爆笑問題のニッポンの教養 9)
太田 光 田中 裕二 石黒 浩
講談社 2007-12-06

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ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書)
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爆笑問題のニッポンの教養 人間は動物である。ただし…… 社会心理学
どうすれば「人」を創れるか―アンドロイドになった私
爆笑問題のニッポンの教養 宇宙人はどこにいるのか? 惑星科学


爆笑問題の冠番組を書籍化したシリーズの1冊で、この回では大阪大学の石黒浩教授を取材している。
黒ずくめの服装にちょっとこわもての風貌の石黒教授の専門は知能ロボット学で、人間の研究とロボットの研究を相互にフィードバックし合う感じの学問だと感じた。

研究では実際にロボットの開発も行っており、赤ちゃんのような動作をするロボットやリアルな動きをするコンパニオン型のロボット、さらには石黒教授そっくりに作られ、ちょっとしたしぐさまで再現しているジェミノイドまでが登場する。
特に石黒教授のジェミノイドに接していると、周囲の人も本人も石黒教授本人に接しているような気持ちになってくるらしいのが興味深い。

そのようなエピソードから、人間なんて中身が分かって接しているわけではないことや、ほどほどに誤解があるからうまくいっている部分があるなどの話につながっていく。

このシリーズでは太田が哲学的な議論を吹っかけて学者が困惑するシーンが多いが、今回は太田も石黒教授も物事を理屈っぽく考えていくのが好きなタイプのためか、妙に意気投合した感じが印象深い。

”既に人間そっくりの人形がある”ということで、柔らかい感じの皮膚感を参考にするためラブドールを研究した話なども面白かった。





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関連タグ : 爆笑問題,

日本は世界1位の金属資源大国 (講談社プラスアルファ新書)
日本は世界1位の金属資源大国 (講談社プラスアルファ新書)
平沼 光
講談社 2011-03-23

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絵でみる金属ビジネスのしくみ (絵でみるシリーズ)
いま世界経済で起きている大変なこと―奈落の底に沈む国、V字回復する国


日本が潜在的に持っている金属資源や技術力を解説し、今後の資源戦略を提言している本。

まず、昨年発生した中国との尖閣諸島での問題でレアアースの存在がクローズアップされたが、太陽光発電や電気自動車、携帯電話に工作機械など、思っていた以上の多くの用途でリチウムや白金といったさまざまなレアアースが私用されていることが書かれている。

また、レアアースは中国にしかないのではなく、中共がこれまでダンピング攻勢で他国の鉱山を閉山に追いやってきたとあり、他の国からひんしゅくを買うえげつないやり方だと思う。
日本も仕返しに中国への工作機械の輸出を止めるなどのやりようはあると思うが、長期的に得かというと疑問があるし・・・

そして、
  1. 都市鉱山
  2. 日本近海からの金属資源の調達
というメインテーマについて語られていく。

まず、都市鉱山と呼ばれる、携帯電話や家電などの製品に既に使用されているレアアースを取り出す話がなされ、金や銀のストックは世界一に達することが書かれている。
また、他の金属も多く蓄えられていることも分かってくる。
当然、どのように集めるか、どのように取り出すのかという課題に対する取り組みも書かれている。

そして、海洋にある金属資源の部分では、海底の斜面や海水中にどのような金属が眠っているかや、資源開発への取り組みなどが書かれている。
これまで外国が日本近海の資源調査を規制する法律がなかったとのことなので、早急に整備を進めて欲しいところである。

他にも、鹿児島にある菱刈金山で算出される金の品位が世界トップレベルということや、レアアースを使用しない技術の開発が進んでいることなどが書かれている。

現状における日本の金属資源との関わりが分かりやすくまとめられていて、興味深かったと思う。
本書に書かれている取り組みが進んでいくことを期待している。


地上資源が地球を救う―都市鉱山を利用するリサイクル社会へ
「地上資源が地球を救う―都市鉱山を利用するリサイクル社会へ」
 著者:馬場 研二
 出版:技報堂出版
 発売日:2008-07
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com
図解 よくわかる「都市鉱山」開発―レアメタルリサイクルが拓く資源大国への道 (B&Tブックス)
「図解 よくわかる「都市鉱山」開発―レアメタルリサイクルが拓く資源大国への道 (B&Tブックス)」
 著者:原田 幸明,醍醐 市朗
 出版:日刊工業新聞社
 発売日:2011-08
 価格:¥ 1,890

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ほんとうはすごい!日本の産業力
ほんとうはすごい!日本の産業力
伊藤 洋一
PHP研究所 2011-09-13

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だからテレビに嫌われる
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経済学者の伊藤洋一による、経済読み物。

タイトルのわりに産業関連の話があまり触れられておらず、日本の報道における傾向や情報収集のコツ、国際情勢などの話が多い。
これは巻末に、本書の内容はウェブ上で連載していた『10代で学ぶ金融そもそも講座』という作品を加筆修正したものとあって納得した。
『日本力 アジアを引っぱる経済・欧米が憧れる文化』など他の著書と比較すると、かなり軽めの内容となっている。

まずは、
  • 外国からの日本批判を過大に取り上げる
  • 悲観的な一面ばかりを取り上げた報道が多い
という、日本の新聞やテレビといったマスコミ報道の癖を扱っている。
ネットなど他のメディアからも情報を収集して客観的に考えるべきことが書かれ、日本のマスコミが改善することはあまり期待できないとの思いをいっそう強くした。

産業関連では、MRJ(三菱の国産ジェット機)、宇宙開発、細胞シートなどの医療技術といった例を挙げ、日本で産業の裾野が広がっていることを語っている。
アメリカのように劣勢の産業からは撤退して、規制緩和を前提に新たな産業にリソースを投入することの重要性を強調しているが、アメリカのように潔すぎる撤退はリスクが大きすぎるのでやめてほしいと感じる。

そして、世界経済や為替、金融政策などに最も多くページが割かれている。
主に金融政策などで孤立するなど、グローバル化が進んだことでアメリカも世界の金融に影響を与えられなくなりつつある現状から、世界経済の安定のためには通貨政策の司令塔を新たに造ることが必要ではないかということが語られている。

これまで読んだ著者の作品はどれも興味深く読むことができたが、本書はそれらに比べてかなり落ちるように感じた。少々残念に思う。



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