読書-伝記(日本):雨読夜話

ここでは、「読書-伝記(日本)」 に関する記事を紹介しています。


知れば知るほど面白い!「その後」の関ヶ原 (じっぴコンパクト新書)
知れば知るほど面白い!「その後」の関ヶ原 (じっぴコンパクト新書)
二木 謙一
実業之日本社 2015-07-02

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地方での合戦を含め、関ヶ原の合戦に参加したりしなかったりした大名たちと、その子孫のその後を紹介しているデータブック。

西軍の主力だった石田三成や宇喜多秀家、大阪の陣で活躍した真田幸村などの子孫が江戸時代を生き抜いてきたことや、合戦に関連した駆け引きや家中のやりとりで運命が大きく変わってきたことが分かりやすい。

東軍として大幅な加増を得た加藤清正、福島正則、小早川秀秋、加藤嘉明といった豊臣系の大名が当代あるいは次の代で改易(取り潰し)になったことも、政治的な意図を考えればまあ理解できる。

そして、改易になった後に大名として返り咲いたのは立花宗茂と丹羽長重の2人で、宗茂に比べて扱われることが少ない長重のことを知ることができたのが良かった。
2人とも二代将軍の秀忠に気に入られたことも大きかったかと思う。

他にも譜代大名の家などで後継者不足で絶えそうになったのを何とか養子を迎えて続けてきた経緯や、宗氏や五島氏のような地方勢力の動向などが扱われているのもいい。

ところどころ記述ミスが見られるのは残念だが、そこそこ興味深く読むことができた。






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徳川軍団に学ぶ組織論 (日経ビジネス人文庫)
徳川軍団に学ぶ組織論 (日経ビジネス人文庫)
小和田 哲男
日本経済新聞出版社 2017-04-04

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天下を取った家康とその家臣たちが、組織を発展させる上でいかに活躍したかを解説している作品。

メインで扱われているのは家康、徳川四天王(本多忠勝、井伊直政、酒井忠次、榊原康政)、本多正信、服部半蔵正成の7名で、各章の章末のコラムでは鳥居元忠、平岩親吉、成瀬正成、大久保兄弟(忠世、忠佐、彦左衛門忠教)、石川数正、土井利勝、伊奈忠次も紹介されている。

戦場での武功が目立ちがちな武将が政治力や交渉力も持ち合わせていたり、家康との特別な関係性、各人の出身などが整理して解説してあり、理解が進められる。

例えば徳川四天王の中でやや地味な印象がある榊原康政は能力のパラメータにバランスが取れていたらしいことが書かれていて、これが特徴を分かりにくくさせたように感じる。
(スポーツ選手や芸能人でもそうしたタイプの人は何人か思い当たる)
康政が用いていた「無」と描かれた旗印や鎧兜は博物館の特別展で見たことがあってかっこよかったので、もう少し人気が出てもいいように思う。

キャラクターを見たところそれなりにくせがある人々だったと思われ、彼らをまとめていた家康の統率力や苦心も過小評価されがちなのかもしれない。
分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。






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関連タグ : 小和田哲男, 徳川家康,

天下人の父・織田信秀――信長は何を学び、受け継いだのか(祥伝社新書)
天下人の父・織田信秀――信長は何を学び、受け継いだのか(祥伝社新書)
谷口 克広
祥伝社 2017-04-01

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信長の父である、織田信秀の事跡に関する研究結果、そして信長への影響を解説している作品。

信長に関する史料は多い一方で、父の信秀や祖父の信貞(信定)に関する史料は数が少ないようで、名前や兄弟の順番、系図などにもいくつか説があって分かれているようで、研究が難しいことが伝わってくる。

流れとしては信貞の代に港町として繁栄していた津島の支配権を握り、信秀の代で尾張最大の実力者となって美濃の斎藤道三や三河の松平清康、駿河の今川義元といった他国の大名との合戦も多く行っている。

一方で津島社や熱田神宮、伊勢神宮などへ寄進を行ったり、朝廷に皇居修理の費用を出すなど、かなりの財力を持っていたことが分かる。
また、守護の斯波氏や守護代の清須織田氏といった旧勢力ともまずまずの関係を持っていたことが書かれている。

その信秀が実施していて信長も倣ったと思われることは多いようで、戦略的に本拠地を移転することや商業の重視、合戦では籠城策を取らずに外へ出て戦ったこと、何度敗戦してもめげずに戦いを挑むメンタルの強さなどが挙げられていて、確かにその通りだと思った。

近年の信長の研究でこれまでイメージされていたように既成の秩序を破壊する感じではなく、権威や座のような団体、宗教勢力に対しては基本的に協力してくれれば保護する姿が描かれている。
将軍・足利義昭の追放や一向一揆の弾圧は敵対された結果であり、例えば信長に協力的な神社を保護したことはあまり着目されない傾向がある。

必ずしも興味深い話ばかりではなかったが、多くの敵に囲まれていた中で戦いを続け、信長が飛躍するための基盤を整えた業績はもっと評価されてもいいと思った。






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現代語訳 渋沢栄一自伝 「論語と算盤」を道標として (平凡社新書)
現代語訳 渋沢栄一自伝 「論語と算盤」を道標として (平凡社新書)
渋沢 栄一 (著), 守屋 淳 (編集)
平凡社 2012-02-17

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渋沢栄一による自伝『雨夜譚』を中心に、渋沢の著作である『論語講義』や他の人が渋沢について語っている作品などを現代語訳し、自伝として編集している作品。

武蔵の富農に生まれて攘夷の志士として決起を企てたり、平岡円四郎(慶喜の家老)の引きで一橋家に仕官したり、慶喜の弟である昭武(民部公子)のお供としてフランスへ派遣されていた間に徳川幕府がなくなっていたりと、幕末という事情があったとしてもかなり急激な変化をいくつも経験している。

帰国後は幕府の遺臣が集まっている静岡藩に仕えるつもりだったのが大隈重信らのスカウトで大蔵省に入省して予算制度の確立に奮闘した後、民間の人材不足や政争もあって辞職して銀行など多くの企業を設立し、日本の資本主義の父と呼ばれる大活躍をしている。

若い頃は高崎城乗っ取りや横浜での外国公館焼き打ちを仲間たちと計画していたり、一橋家時代には薩摩の兵学者に学んでいた頃に酒がらみのトラブルで(後に警視総監となる)三島通庸を刺殺しようとしたりと、かなり血の気が多かったことが伝わってきて、人って変わるものだと思ってしまう。

明治維新の元勲たちについての人物評もしていて、考えが読めなくて不気味な大久保利通、おしゃべりすぎる大隈、気配りの木戸孝允、マイナス思考な井上馨、目的のために手段を選ばない江藤新平、無定見で頼りにならない三条実美と、これらの人々が亡くなった後に語ったのかかなりずけずけと評しているのも面白い。

実業の世界では三菱の岩崎弥太郎との確執や、益田孝(三井物産創業者)や古河市兵衛(古河電工などの前身である古河財閥の創業者)らとのやり取りなどが語られているのもいい。

読みやすい現代語訳になっていて、見出しで何を書いているか分かりやすくするなど編集も工夫されていて、渋沢の生涯について興味深く読むことができた。






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大間違いの織田信長
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倉山 満
ベストセラーズ 2017-08-19

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信長には天才的、革新的、戦争の天才、残虐、権威をないがしろにしたなどのイメージがつきやすいが、史実からは全くそうではないことを語っている作品。

信長は基本的には常識人で負けも多いなど必ずしも強いとは言えず、室町幕府や朝廷といった権威を上手に利用したり必要に迫られれば武田信玄や上杉謙信のような強敵に頭を下げることも辞さないなど、たゆまぬ努力で難局を切り抜けてきたことが書かれている。

そして歴史上の人物で真似がしやすいのは信長と坂本龍馬と語り、いかに他の人物が真似すべきでないか、例えば秀吉の才能、家康の異常な忍耐強さ、高杉晋作の無謀さなどを引き合いに出して説明している。

信長が家臣からすると恐ろしくて仕えにくいというイメージがあるが、これは上杉謙信が死んで調子に乗った晩年の3年くらいの出来事に由来する部分が大きいようで、勝てなくて当然の敵(信玄とか謙信)に敗れても処罰がされなかったり、ノルマも比較的妥当なラインに設定されていたり(家康あたりと異なり)具体的な指示を与えるなど、信長軍団は思われているほどブラックでもないと感じられる。

豊かな地方にありがちな兵の弱さは数や装備を充実させてカバーしたり、何度も作られた信長包囲網に対しては「一番弱い敵を叩く」という基本を徹底したり、奪回されてもいいから進出を続けるなど、トップとして打てる手を次々と打ってきたことが分かり、こうした成果が積み重なって実像と異なるイメージが形成されるというのも興味深い。

また、信長以外にも、例えば上杉謙信は出る時代を間違えたくらい強烈すぎる人物という趣旨の人物評をしたり、毛利一族で輝元のアホさは比較的知られているが賢人とされがちな小早川隆景を現状主義タイプで大嫌いとしていたりと、他であまり読んだことがない評価をしているところも非常に面白い。

こういう信長の見方もあることを知り、興味深く読むことができた。






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