読書-対談:雨読夜話

ここでは、「読書-対談」 に関する記事を紹介しています。


トランプ新大統領誕生で世界はこうなる
トランプ新大統領誕生で世界はこうなる
長谷川 慶太郎 田原 総一朗
SBクリエイティブ 2016-12-20

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アメリカでのトランプ大統領誕生を受け、長谷川慶太郎と田原総一郎が語り合った内容をまとめた対談本。

基調として大規模な戦争がないことによるデフレ経済の定着と、リベラルが失墜してポピュリズムが前面に出るという2つの変化がもたらすさまざまな影響という形で話がなされている。

アメリカでは前大統領のオバマによる政策が失望を生み、同じ路線となるであろうヒラリー・クリントンの支持も伸びず、結果として従来の政治家と異なって変化を起こしてくれそうなトランプが当選することになったと長谷川氏が語っていく。

そしてトランプ政権誕生を予見できずにトランプを叩く報道を繰り返しているアメリカにおけるマスコミの問題点についてもしばしば話が及ぶ。
これに対して田原氏は安倍政権へのヒステリックないちゃもんをつけることが多い日本のマスコミの話になったら自身にも矛先が向けられるのが嫌なようで、慌てて話題を変えようとしていることが文面から伝わってきて非常にかっこ悪い。

他にも田原氏はテレビでやっているのと同様に畳み掛けるような話し方をしているが内容に新鮮味がなく、長谷川氏から淡々と諭されるシーンが目立ち、格の違いが感じられる。

他にもドイツ銀行が破綻したらユーロ体制も崩壊するであろうこと、ロシアと中国がかなり危険な経済情勢にあること、日本はあてにならない国連とは別にG7やNATOを活用して安全保障を進めていく可能性があるなど、昨今の情勢分析が書かれていてためになる。

田原氏の話は面白くもないし好きでもないが、長谷川氏の話を引き出す役割はそれなりに果たしていて、興味深く読むことができた。





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長谷川慶太郎
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長谷川 慶太郎
PHP研究所 2017-03-11

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本人に訊く〈1〉よろしく懐旧篇
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椎名 誠 目黒 考二
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椎名誠の全著作について、椎名の長年の友人であり本の雑誌社の発行人も務めてきた目黒考二(北上次郎)が、椎名本人に対して各作品の評価や背景についてインタビューしているシリーズの第1作。

デビュー作『さらば国分寺書店のオババ』から始まり、『はるさきのへび』までの78作を扱っている。

現在の雑魚釣り隊シリーズに続く『わしらは怪しい探険隊』、私小説のシリーズもの『哀愁の町に霧が降るのだ』、『新橋烏森口青春篇』、『銀座のカラス』、椎名SFの三部作『アド・バード』、『水域』、『武装島田倉庫』、息子との話である『岳物語』、南米南端への紀行文『パタゴニア』など、代表作の数々が扱われているとともに、15年で78作というのはかなりのハイペースで書かれていることに改めて驚かされる。

北上次郎のペンネームで書評家としても活躍しているのと、椎名の友人としてあまり遠慮しなくていいこともあり、目黒はストレートに評価をしているのが面白い。
面白い作品は高く評価する一方、「読んだ当時は面白かったが現在では辛い」とか、「文体が古びたような気がする」、「椎名は対談に向いていない」などの感想もずけずけと語っていて、椎名もそれを受け入れている。

中には執筆した椎名、発行した目黒の2人ともに忘れていた作品もけっこうあり、それだけ多くの作品に携わっていたということなのだろう。

椎名が会社員を務めていた時期の大変さや、友人である沢野ひとしや木村晋介との交流、本の雑誌社が経営が苦しかったことから出した本があったなど、エッセイや私小説のシリーズで語られていない事情がいくつも語られているのもいい。
もっと書いてほしいネタがいくつもあり、椎名と仲間たちの経験の豊富さに感心する。

『岳物語』でネタにされた息子の岳氏が20歳の頃に大変な思いをしてきたという恨み言を書いたエッセイが収録されているのも印象に残る。
家族や親族が作家になった場合に起こりえる問題が書かれていて、ネタにされたらたまったものではないというのは分かる。

まだ読んでいない作品の中で面白そうな作品があるので読んでみようと思ったし、本シリーズの続きも読みたい。





[本書で扱われている作品の一部]


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げんきな日本論 (講談社現代新書)
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橋爪 大三郎 大澤 真幸
講談社 2016-10-19

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社会学者2人による、社会学の方法を用いて日本史の特性を語り合った対談本。

社会学の手法、欧米の歴史におけるモデル、中国史のモデルなどと比較し、日本でこれらのモデルでは説明できないことが多く、どのような行動原理でそのようになっていたかを対談しながら推定していく。

文字やイエ制度のように関心が薄かったり予備知識をあまり持っていなかったりしてちょっと読みにくいくだりも少しあったが、一般的な歴史読み物では出てこない話がいくつもでてくるので、知的な刺激を楽しむことができる。

扱われているのは土器、古墳、天皇、仏教、律令、ひらがなとカタカナ、荘園、摂関政治、武士、幕府、一揆、朱子学などで、他国から伝わったり似た制度があっても日本ではかなり異なった概念になっていたり使われ方が独特だったりしたことが伝わってくる。

他の地域では農業が伝わってから定住という流れなのが、日本では狩猟・採集生活を行っていた頃から定住していたために土器が世界で最も古くから使用されていたり、中国では「天」という概念があったのに対して日本では「神」までしかなかったので正当性の確保に苦心したこと、古代における余剰の労働力が城壁に使用されなかったために巨大古墳が造られたなどの話がなされていく。

全体を通すと、他国から取り入れた思想や文化のピンとこない部分をどのようにするかでさまざまな方法が生まれ、全体的な整合性や正統性で怪しい部分がありながらも、だましだましそれなりにうまく運営しているいう流れになっているということが語られているのが面白い。

かなり中身の濃い対談となっていて、興味深く読むことができた。






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民主主義ってなんだ?
民主主義ってなんだ?
高橋 源一郎 SEALDs
河出書房新社 2015-09-18

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時代の正体――権力はかくも暴走する
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特別編集 戦争への不服従


作家の高橋源一郎とSEALDsの3人が行っている対談。
SEALDsにはあまりいい印象を持たないが、まあ何を言っているかくらいは本でも読んでみようと思い、図書館で借りて読んだ。

内輪で盛り上がる話が多くて斜め読みになったが、大まかな流れとしては高橋が昔学生運動をしていたと語って理解者というスタンスを示し、3人は自分たちの活動の自慢話で応え、我々のやっていることっていいよねという話になっていくような感じである。

民主主義とは?という疑問を提示し、いまいち論理展開は分からないがデモなどをやって横車を押すことが民主主義の1つの方法だと言っているようである。

古代ギリシアの民主制やルソーの社会契約論、フランス革命などを例に挙げたりして、何やら論理武装しているつもりのようだが、現代日本の民主主義や選挙制度、法律についての話はあまりせず、安倍首相は立憲主義に反して暴走しているといういつもの主張になる。

選挙制度が整っていないなどと語るのならまだ理解できるが、ルールに従ってどう世の中を変えるかという話を一気にすっ飛ばしてデモ!という展開にはついていきようがない。

どのような世の中になってほしいなどのビジョンを示しもせず、とりあえず気に入らない動きに反対するということだけを言っているのはどういうことなのだろうと思うが、宗教みたいなものなのだろう。
宗教といえば、平安時代あたりに朝廷に対して比叡山の僧兵たちが自分たちの要求を通すためにたびたび強訴に及んでいたらしいが、この現象に近いのかもしれない。

この学生たちの後ろにはたきつける人たちがいると思うのだが、なかなか語ってくれないように感じる。

高橋も「安保に反対なら中国に抗議しろよと言われる」という意味のことを語っているが、これに対しての反論も特にせずにスルーしていて、作家ならもう少し言葉を尽くしてほしいと思う。
さすがに「日本政府に抗議しても特に何もされないけど、中国に抗議したらどのような圧力を受けるか分からないのでしたくない」とか「中国を刺激しなければ平和は達成されるはず」とか「日本政府に抗議するのがマスコミに受けそうだから」などとは言えないだろうが・・・

もしかしたら興味深いことを言ったり考えたりしているのかもしれないとちょっとだけ考えていたが、それもなかったようなのは残念である。




動物農場 (角川文庫)動物農場 (角川文庫)

ジョージ・オーウェル 高畠 文夫
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日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国
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宮崎 正弘 室谷 克実
徳間書店 2015-05-21

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これから始まる中国の本当の悪夢: 習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱


中国と韓国のウォッチャーによる、この2国がいかに危険な状態に陥っているかを語っている対談本。

今年の春に発行されているので、AIIBの迷走(?)、安倍首相の米国議会での演説をめぐる駆け引き、バンドン会議での日中首脳会談での習近平が安倍首相の演説を聞きたくないために退席した話、一連の出来事を受けての韓国の慌てぶりなど、昨年から今年初めにかけてのトピックも扱われている。

反日活動の執拗さについては、中国が自国に得になるよう動いているのに対して韓国は得にならなくても日本に嫌がらせをしたいがための反日活動の数々が書かれ、読んでいて腹が立つ。

外国人についての理解が深まるごとに好感度が上がる話はしばしば聞くが、韓国と韓国人については知れば知るほど嫌悪感が高まるというのは実に残念なことである。

パチンコについての話も触れられていて、韓国ではパチンコを禁止したことについて日本ではこれを褒め称える本が出ているが、実際にはノ・ムヒョン大統領一派が大汚職をして取り締まったというのが真相で、実はむしろ博打大国と書かれていて驚く。

軍事面では人民解放軍や韓国軍における兵器や軍事物資の横流し、予算の着服、兵器の品質の低さ、士官が敵前逃亡するような士気の低さなどを挙げている。

逆に人民解放軍の強みは何か考えたら、「核兵器を持っている」、「非人道的な作戦を平気で取れる」、「諜報活動やプロパガンダに長ける」、「兵や兵器の数が多い」、「逃げ足が速くてとどめをさすのが難しい」といったところだろうか。
そして韓国軍の長所はあまり思いつかない。

メディアについての話もあり、新聞やテレビは日本でも台湾でも左派紙が多数を占める一方で、出版では保守派の本が売れているという。
そして日本ではその理由として「新聞を綿密に読んでいない」としているのに失笑してしまった。

韓国ではどうかというと右派はアメリカ寄り、左派は北朝鮮寄りという違いがあるが、反日という点では一致しているというのがらしいといえばらしい。

他にもパク・クネ政権の権力構造の異常さや、中国における習近平派と江沢民派の暗闘、政治家や官僚の並外れた腐敗ぶりなど、多くの事柄が語られている。

3日前の14日にはソウルで発生した「民衆総決起デモ」にまつわるニュースの詳細を把握できていないが、本書に書かれていたような事態が色々と発生したのだろう。
改めて、うかつに近づいてはいけない国だということを認識させられる1冊だった。




[宮崎氏の他の作品]


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