読書-対談:雨読夜話

ここでは、「読書-対談」 に関する記事を紹介しています。


爆笑問題のニッポンの教養 生物が生物である理由 分子生物学 (爆笑問題のニッポンの教養 11)
爆笑問題のニッポンの教養 生物が生物である理由 分子生物学 (爆笑問題のニッポンの教養 11)
太田 光 田中 裕二 福岡 伸一
講談社 2008-01-11

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NHKで放送されていた爆笑問題の教養バラエティ番組を新書化したシリーズの1作で、青山学院大学の相模原キャンパスに分子生物学が専門でベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』の著者でもある福岡伸一教授を訪ねた回を扱っている。

生物と無生物の違いや遺伝子といった話からシェーンハイマーが行った実験の話になり、一気に本題に入った感じとなる。
この実験はマウスのえさを分子レベルでトレースできるようにしておいて食べたものがどのように移動するのか?というものだったが、えさの分子はマウスの体中に速いスピードで広がっていくという結果となった。
これは食べ物の分子がマウスの身体を構成する分子と入れ替わったわけで、シェーンハイマーはこれを「動的平衡」と名づけている。

この話から生物は分子レベルでは常にダイナミックに入れ替えをやっているわけで、ある瞬間の自分は他のいつの自分とも異なるという形で話が進む。
太田と田中の間でも大学で知り合った頃の2人は既に死んでしまっていると表現したり、「千の風になって」の歌が分子生物学と相性がいいといった話題になったりもしていて考えさせられる。

そして太田がしばしば学者たちにぶつける哲学的な問いかけを福岡氏にもしている。
福岡氏は科学者としては文章や文体にこだわりのある人のようで、真摯に応え、科学とは一つの文体と表現しているなど興味深い話をしている。

分子が動き回っているという現象は少し常識を揺らがせる感じがあり、興味深く読むことができた。






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(032)勝ち上がりの条件 (ポプラ新書)
(032)勝ち上がりの条件 (ポプラ新書)
半藤 一利 磯田 道史
ポプラ社 2014-05-07

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最近メディアでの露出が多い気鋭の歴史学者と、元文芸春秋の作家による歴史対談。
軍師・参謀の役割の変化や人物評などを、戦国時代あたりから大戦期に至る時代を対象として語られている。

参謀として重要なことは希望的観測ではなく冷静に事実を判断することや、最悪の事態を想定して対策を立てておくこと、極限の状態でも判断力を失わないことなど、確かにそうだと思える話がなされている。
そして参謀にありすぎてはいけないものがカリスマ性や野心で、これがあったために漢王朝の成立に貢献した韓信が粛清されたエピソードも語られている。

人物では黒田官兵衛、本多正信、松平信綱、勝海舟、大村益次郎らを高く評価している。
そして『天地人』や直江状で有名な直江兼続は前田家の処世術と比較すると大局観に欠けると評したり、家康が直江を処罰しなかったのは直江と近い立場にある毛利、島津、佐竹などの家老たちが反乱を考えないようにするためだったという文書が出たという話、高杉晋作が長生きしていたら明治政府に対して反乱を起こしていただろうという読みなど、面白い話がいくつも紹介されている。

近代のところでは半藤氏が長州嫌いという話からしなくてもいい安倍首相の悪口を言ったりして、このあたりが半藤氏の『名言で楽しむ日本史』を読んでから後は著作を読んでいない理由なのだろうと感じた。

半藤氏の説教じみた感じは相変わらずだが磯田氏の話はなかなか面白かったので、磯田氏の著作をもう少し読んでみようと思っている。






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本人に訊く〈2〉おまたせ激突篇
本人に訊く〈2〉おまたせ激突篇
椎名 誠 目黒 考二
椎名誠旅する文学館 2017-05

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書評家で本の雑誌社元社長の目黒考二(北上二郎)が、椎名誠の著作を読み返して椎名にあれこれ聞き出している対談シリーズの第2作。
本作では1995年の『南国かつおまぐろ旅』から2005年の『大漁旗ぷるぷる乱風編』までが扱われている。

前作の『本人に訊く〈1〉よろしく懐旧篇』に引き続き、目黒は再読した感想をストレートに語り、椎名に執筆した意図などを尋ねている。

特に多いのがタイトルへのダメ出しで、初版が出た際の元々のタイトルに対するものよりも、文庫化した際に改題したタイトルへのものが多い。
これは著作があまりに多くてネタ切れしていたのと、さまざまな雑誌に掲載したり連載したエッセイがあってまとまりのあるタイトルがつけづらかったためかと考えている。

本の雑誌社の経営が苦しかったために出した本というのも多かったようで、椎名とイラストレーターの沢野ひとしが旅に出る際に『あやしい探検隊』シリーズに関する写真を渡して船の上で対談してもらったものを書籍化したのが『鍋釜天幕団フライパン戦記 あやしい探検隊青春篇』だったとか、6人で共通のテーマに関するエッセイを書く方式で製作期間の短縮を狙った(けど椎名と沢野の原稿が遅れた)など、出版にまつわる裏話が面白い。

中でも、椎名が定期的に教会で行っていた絵本に関する講演が『絵本たんけん隊』として出されたが、同じ講演で絵本に関する度合いが低い話を編集して『ここだけの話』としてもう1冊出したという話には驚く。

他にも『沢野字の謎』『発作的座談会〈2〉いろはかるたの真実』のような『発作的座談会』シリーズでは沢野が常人離れした発想からの発言をどれだけするかで面白さが変わってくると指摘していたり、目黒が『武装島田倉庫』と同じ世界観で書かれた「北政府もの」のSF短編を集めた『続・島田倉庫』みたいな作品を待望しているなど、シリーズ作品の話も興味深い。
椎名は『続・島田倉庫』というタイトルに難色を示しているが、タイトルは別のものでもいいのでこれは出てほしいと思う。

本作でもこれまでに読んだ椎名作品を思い出したり、未読の作品に関心を持ったりと、面白く読むことができた。
このシリーズはあと2作出るようなので、発売を楽しみにしている。





[本書で扱われている作品の一部]


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「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話を4つください。」
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山田真哉 花輪陽子
祥伝社 2013-12-04

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ニコニコ動画で放送されていた生放送番組から、評判が良かった回を書籍化している作品。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などの著作で知られる公認会計士の山田真哉氏と、FPの花輪陽子氏が解説し、東大卒・社会学者・やおい研究家・自宅警備員という変な肩書きの金田淳子氏が聞き役として話を進めていく。

扱われているテーマは給与明細の読み方、消費税増税への対応、カードについてで、特に給与明細の読み方についての話が参考になった。
税金や社会保険料の算出方法や控除の種類、確定申告のすすめなど、現在関心があるテーマだっただけに身を入れて読んだ。
他の本でも書かれていたが確定申告は思ったよりも簡単とされるので、トライしたい。

消費税増税の話は放送当時に8%へ上げる前だったという背景があったためのもので、10%に上がる際には役立つかもしれないが、すぐに利用できる情報でもないので少し斜め読みになった。
ただし家賃が消費税の対象にならないことや、名前だけ知っている軽減税率の解説はためになる。

カードについてはクレジットカードやポイントカードの種類や業界勢力図、そしてカード現金化やリボ払いの恐ろしさについて書かれているのが非常に有益な情報となった。
リボ払いは月々の支払額が決まっているだけで利息がどんどん増えていくわけで、まさに「朝三暮四」の故事成語が当てはまる話である。
カード会社から中国の故事でバカにされた猿と同様に見られるのは悔しいので、簡単にリボ払いをするわけにはいかない。

クレジットカードの種類では楽天カードが広く使われていることは予想通りだったが、ポケットカード社が発行しているP-oneカードでは買ったものが1%割引になると書かれていて、作ってみようかと思ってしまっている。
また、保険料や通信費の中から、銀行の口座振替からカード払いに変更することも改めて検討してみたい。

身近なところからお金に関して役立つ情報が分かりやすく書かれていて、思っていた以上に有益な作品だった。






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トランプ新大統領誕生で世界はこうなる
トランプ新大統領誕生で世界はこうなる
長谷川 慶太郎 田原 総一朗
SBクリエイティブ 2016-12-20

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アメリカでのトランプ大統領誕生を受け、長谷川慶太郎と田原総一郎が語り合った内容をまとめた対談本。

基調として大規模な戦争がないことによるデフレ経済の定着と、リベラルが失墜してポピュリズムが前面に出るという2つの変化がもたらすさまざまな影響という形で話がなされている。

アメリカでは前大統領のオバマによる政策が失望を生み、同じ路線となるであろうヒラリー・クリントンの支持も伸びず、結果として従来の政治家と異なって変化を起こしてくれそうなトランプが当選することになったと長谷川氏が語っていく。

そしてトランプ政権誕生を予見できずにトランプを叩く報道を繰り返しているアメリカにおけるマスコミの問題点についてもしばしば話が及ぶ。
これに対して田原氏は安倍政権へのヒステリックないちゃもんをつけることが多い日本のマスコミの話になったら自身にも矛先が向けられるのが嫌なようで、慌てて話題を変えようとしていることが文面から伝わってきて非常にかっこ悪い。

他にも田原氏はテレビでやっているのと同様に畳み掛けるような話し方をしているが内容に新鮮味がなく、長谷川氏から淡々と諭されるシーンが目立ち、格の違いが感じられる。

他にもドイツ銀行が破綻したらユーロ体制も崩壊するであろうこと、ロシアと中国がかなり危険な経済情勢にあること、日本はあてにならない国連とは別にG7やNATOを活用して安全保障を進めていく可能性があるなど、昨今の情勢分析が書かれていてためになる。

田原氏の話は面白くもないし好きでもないが、長谷川氏の話を引き出す役割はそれなりに果たしていて、興味深く読むことができた。





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長谷川 慶太郎
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