読書-対談:雨読夜話

ここでは、「読書-対談」 に関する記事を紹介しています。


げんきな日本論 (講談社現代新書)
げんきな日本論 (講談社現代新書)
橋爪 大三郎 大澤 真幸
講談社 2016-10-19

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社会学者2人による、社会学の方法を用いて日本史の特性を語り合った対談本。

社会学の手法、欧米の歴史におけるモデル、中国史のモデルなどと比較し、日本でこれらのモデルでは説明できないことが多く、どのような行動原理でそのようになっていたかを対談しながら推定していく。

文字やイエ制度のように関心が薄かったり予備知識をあまり持っていなかったりしてちょっと読みにくいくだりも少しあったが、一般的な歴史読み物では出てこない話がいくつもでてくるので、知的な刺激を楽しむことができる。

扱われているのは土器、古墳、天皇、仏教、律令、ひらがなとカタカナ、荘園、摂関政治、武士、幕府、一揆、朱子学などで、他国から伝わったり似た制度があっても日本ではかなり異なった概念になっていたり使われ方が独特だったりしたことが伝わってくる。

他の地域では農業が伝わってから定住という流れなのが、日本では狩猟・採集生活を行っていた頃から定住していたために土器が世界で最も古くから使用されていたり、中国では「天」という概念があったのに対して日本では「神」までしかなかったので正当性の確保に苦心したこと、古代における余剰の労働力が城壁に使用されなかったために巨大古墳が造られたなどの話がなされていく。

全体を通すと、他国から取り入れた思想や文化のピンとこない部分をどのようにするかでさまざまな方法が生まれ、全体的な整合性や正統性で怪しい部分がありながらも、だましだましそれなりにうまく運営しているいう流れになっているということが語られているのが面白い。

かなり中身の濃い対談となっていて、興味深く読むことができた。






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民主主義ってなんだ?
民主主義ってなんだ?
高橋 源一郎 SEALDs
河出書房新社 2015-09-18

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作家の高橋源一郎とSEALDsの3人が行っている対談。
SEALDsにはあまりいい印象を持たないが、まあ何を言っているかくらいは本でも読んでみようと思い、図書館で借りて読んだ。

内輪で盛り上がる話が多くて斜め読みになったが、大まかな流れとしては高橋が昔学生運動をしていたと語って理解者というスタンスを示し、3人は自分たちの活動の自慢話で応え、我々のやっていることっていいよねという話になっていくような感じである。

民主主義とは?という疑問を提示し、いまいち論理展開は分からないがデモなどをやって横車を押すことが民主主義の1つの方法だと言っているようである。

古代ギリシアの民主制やルソーの社会契約論、フランス革命などを例に挙げたりして、何やら論理武装しているつもりのようだが、現代日本の民主主義や選挙制度、法律についての話はあまりせず、安倍首相は立憲主義に反して暴走しているといういつもの主張になる。

選挙制度が整っていないなどと語るのならまだ理解できるが、ルールに従ってどう世の中を変えるかという話を一気にすっ飛ばしてデモ!という展開にはついていきようがない。

どのような世の中になってほしいなどのビジョンを示しもせず、とりあえず気に入らない動きに反対するということだけを言っているのはどういうことなのだろうと思うが、宗教みたいなものなのだろう。
宗教といえば、平安時代あたりに朝廷に対して比叡山の僧兵たちが自分たちの要求を通すためにたびたび強訴に及んでいたらしいが、この現象に近いのかもしれない。

この学生たちの後ろにはたきつける人たちがいると思うのだが、なかなか語ってくれないように感じる。

高橋も「安保に反対なら中国に抗議しろよと言われる」という意味のことを語っているが、これに対しての反論も特にせずにスルーしていて、作家ならもう少し言葉を尽くしてほしいと思う。
さすがに「日本政府に抗議しても特に何もされないけど、中国に抗議したらどのような圧力を受けるか分からないのでしたくない」とか「中国を刺激しなければ平和は達成されるはず」とか「日本政府に抗議するのがマスコミに受けそうだから」などとは言えないだろうが・・・

もしかしたら興味深いことを言ったり考えたりしているのかもしれないとちょっとだけ考えていたが、それもなかったようなのは残念である。




動物農場 (角川文庫)動物農場 (角川文庫)

ジョージ・オーウェル 高畠 文夫
角川書店 1995-05

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一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

ジョージ・オーウェル 高橋和久
早川書房 2009-07-18

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日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国
日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国
宮崎 正弘 室谷 克実
徳間書店 2015-05-21

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これから始まる中国の本当の悪夢: 習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱


中国と韓国のウォッチャーによる、この2国がいかに危険な状態に陥っているかを語っている対談本。

今年の春に発行されているので、AIIBの迷走(?)、安倍首相の米国議会での演説をめぐる駆け引き、バンドン会議での日中首脳会談での習近平が安倍首相の演説を聞きたくないために退席した話、一連の出来事を受けての韓国の慌てぶりなど、昨年から今年初めにかけてのトピックも扱われている。

反日活動の執拗さについては、中国が自国に得になるよう動いているのに対して韓国は得にならなくても日本に嫌がらせをしたいがための反日活動の数々が書かれ、読んでいて腹が立つ。

外国人についての理解が深まるごとに好感度が上がる話はしばしば聞くが、韓国と韓国人については知れば知るほど嫌悪感が高まるというのは実に残念なことである。

パチンコについての話も触れられていて、韓国ではパチンコを禁止したことについて日本ではこれを褒め称える本が出ているが、実際にはノ・ムヒョン大統領一派が大汚職をして取り締まったというのが真相で、実はむしろ博打大国と書かれていて驚く。

軍事面では人民解放軍や韓国軍における兵器や軍事物資の横流し、予算の着服、兵器の品質の低さ、士官が敵前逃亡するような士気の低さなどを挙げている。

逆に人民解放軍の強みは何か考えたら、「核兵器を持っている」、「非人道的な作戦を平気で取れる」、「諜報活動やプロパガンダに長ける」、「兵や兵器の数が多い」、「逃げ足が速くてとどめをさすのが難しい」といったところだろうか。
そして韓国軍の長所はあまり思いつかない。

メディアについての話もあり、新聞やテレビは日本でも台湾でも左派紙が多数を占める一方で、出版では保守派の本が売れているという。
そして日本ではその理由として「新聞を綿密に読んでいない」としているのに失笑してしまった。

韓国ではどうかというと右派はアメリカ寄り、左派は北朝鮮寄りという違いがあるが、反日という点では一致しているというのがらしいといえばらしい。

他にもパク・クネ政権の権力構造の異常さや、中国における習近平派と江沢民派の暗闘、政治家や官僚の並外れた腐敗ぶりなど、多くの事柄が語られている。

3日前の14日にはソウルで発生した「民衆総決起デモ」にまつわるニュースの詳細を把握できていないが、本書に書かれていたような事態が色々と発生したのだろう。
改めて、うかつに近づいてはいけない国だということを認識させられる1冊だった。




[宮崎氏の他の作品]


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爆笑問題のニッポンの教養 この世はすべて錯覚だ 知覚心理学爆笑問題のニッポンの教養 この世はすべて錯覚だ 知覚心理学

太田 光 田中 裕二 北岡 明佳
講談社 2008-05-27

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NHKで放送されていた爆笑問題の教養バラエティ番組を新書化したシリーズの1作で、本書では立命館大学に知覚心理学として錯視を研究する北岡明佳教授を訪ねている。

研究室に飾ってある、動いて見える錯視の絵を爆笑問題の2人が見ていて、入ってきた人に「撮影中なので・・・」と追い出そうとするとそれが北岡教授だった・・・という、バラエティ番組でしばしば見られるやり取りから始まっている。

北岡教授の慎重な言葉遣いに対して太田から、間違うことを恐れているためにそのような話し方になっているのかと質問があり、北岡教授は錯視には説明が必要となるためと回答していて、なかなか読みごたえがある。

北岡教授は研究のために錯視の絵を多く制作していて、その多彩さに驚嘆する。
これらは偶然見つけてできたものが多く、論理的にこう見えるはずとして作成したのは1作だけというのも興味深い。

錯視の種類によってはそれを感じる人と感じない人がいて、北岡教授も錯視として感じ取れない絵があり、感じ取れないのはつまらないと正直に語っている。
この話を読む限り、妙に見えるから面白いというのはあると感じる。

後半では太田が完全な客観視みたいなものを求める質問をして、北岡教授から「無理無理」とあっさり否定されて脱力している画像が掲載されているのも面白い。

人の見え方は完全でないところがあるということがよく分かり、楽しく読むことができた。





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世界の辺境とハードボイルド室町時代
世界の辺境とハードボイルド室町時代
高野 秀行 清水 克行
集英社インターナショナル 2015-08-26

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世界の辺境に関する著作の多いノンフィクション作家と、日本中世史を専門としてNHKの番組「タイムスクープハンター」で時代考証も手がけている歴史学者による対談本。
世界の辺境と日本の中世、具体的にはソマリランドと室町時代で共通することが多いことを主な議題としている。

タイトルは村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』をもじっていると思われる。

高野氏がある時清水氏の著作を読み、上記の共通点に気づいたことから紹介を得て出会うことになり、あまりにも話が弾んだことで本書が書かれることになったという。

読んでいくと、一見全く異なる分野と思われるところで意外に共通するところが多く、意気投合する場面が多く見られるのが面白い。
例えば一元的な法律ではなく、複数のルールがそれぞれ存在する社会で、何かを達成するためにはより主体的に行動しなければならないところなどが挙げられていて、清水氏は歴史研究へのヒントを得られて喜んでいる。

他にも日本から中古車が多く輸出される背景として、日本人がケガレ思想で中古品を嫌がるのか、はたまた形見分けのように一度使用した物には使用した人の魂が宿ると考えられているのかなど、面白い話題が次から次に出てくる。

日本中世史は史料の量が古代ほど不足もしておらず、近世ほど多すぎず、ほどほどに残っているのがいいところとしていたり、サスペンスドラマのように新たな史料が発見されたことをめぐって殺人事件が起こることはまずありえないこと、探検や学問で食べていくことは損得勘定ができる人は無理ということなど、歴史学の世界の裏話も興味深い。

清水氏の師に当たる藤木久志氏の『刀狩り』など、面白そうな歴史読み物の話もところどころで出てくるので、これらも読んでみたくなる。
内容が充実した、面白い作品だった。





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