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読書-芸能:雨読夜話

ここでは、「読書-芸能」 に関する記事を紹介しています。



バイきんぐ 西村 瑞樹 (著)
ワニブックス (2020/1/28)


お笑いコンビ・バイきんぐの「小峠じゃない方」だったのがキャンプ芸人となって「西村キャンプ場」という冠番組を持つまでになった西村瑞樹のエッセイ集。

タイトルのジグソーパズルは何年もかけて未完成のジグソーパズルがあるというエピソードからで、ちょこちょこ変な話が出てくる。

小峠とは大分で通っていた自動車学校で初対面だったがコンビを組むことになるとは思っていなかったという話や、ヒロシにキャンプに連れて行ってほしいと頼んだことからキャンプにのめり込んでいった経緯、なぜかネタ番組中にじん帯断裂に見舞われる悲劇など、芸人らしいエピソードを楽しむことができる。

中でも、小峠からキャンプ芸人というキャラがなかったら…という話が面白く、確かにそれだったら単なる「じゃない方」芸人になってしまっていたと思う。

「西村キャンプ場」で見られるキャラクターと近い内容で、楽しんで読むことができた。




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東野 幸治 (著)
新潮社 (2020/2/27)


東野幸治が『週刊新潮』で連載していた、交流のある吉本芸人のエピソードを語ったコラムを書籍化した作品。

売れている芸人、一発屋芸人、ブレイクすることなくバイト生活が続いている芸人など、多くの芸人たちの変なエピソードが語られていて面白い。

西川きよしや坂田利夫のように芸歴が離れた大先輩は師匠、ほんこんや大木こだま、リットン調査団といった先輩はさん付け、ノブコブ吉村やキングコング西野、品川祐ら後輩は君付けで呼ぶのが基本となっている。

その中で極楽とんぼの山本圭壱は君付けなのに加藤浩次だけはなぜか「加藤」と呼び捨てしているのが、加藤の若い頃からの悪行エピソードと相まって異彩を放っている。

芸人としては成功できていないがバイトでは出世しているリットン調査団の藤原や、闇営業が発覚する前はコンサルティング会社を起業して稼いでいたカラテカの入江なども、あくまで自分は芸人でありたいとの趣旨のセリフを語っていて、芸人は一度ウケたらやめにくい職業のようである。

東野の毒のこもったコメントにもしばしば笑い、楽しく読んだ。




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ヒロシ (著)
大和書房 (2019/3/9)


ソロキャンプYouTuberとして有名になった芸人・ヒロシによる、自身の自虐ネタやこれまでの経験から考えたことなどを語っているエッセイみたいな言葉を集めた作品。

一発屋と呼ばれるとずっとそのような扱いをされ続けることになる話や、テレビに出るようになって変わるのは自分よりも周囲の人の方がひどいこと、売れても必ずしもうまくいくとは限らないなど、多くの自虐エピソードとともにさまざまなことを語っている。

刺さったのがつらかったら逃げてもいいという話で、笑ったのがホスト時代に××(美人の反対)ばかりから指名されたが全然慣れなかったという話で、テレビに出なくなったのはあくまでメンタルによるもので才能のある賢い人ということが分かる。

また、テレビに出演する際はヒロシ的なものばかりを求められて消費されるつらさみたいなことも語っていて、芸能の世界で一発屋を消費する構造の恐ろしさみたいな部分も感じた。

巻末にはヒロシと漫画家・蛭子能収との対談が収録されている。
蛭子さんがテレビでは抑えているということを語り、ヒロシが「お、抑えてあれですか?」と驚き「鬼畜みたいな発言するときがあります」と返しているところが最も笑ってしまったし、蛭子さんがギャンブルでヒロシが女性と嗜好の違いが出ているなど、なかなか楽しい内容となっている。

ヒロシの人柄がよく出た作品となっていて、楽しく読むことができた。




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山田ルイ53世 (著)
朝日新聞出版 (2019/1/4)


お笑いコンビ・髭男爵の山田ルイ53世によるエッセイ集。
一発屋の悲哀や自虐を中心に、日常で体験したことや過去の経験、それらから考えてきたことなどをつづっている。

テレビ局で受付のところで手続きに時間がかかってしまったり、サインがオークションに出されて入札されなかったり、大型特番で出番がなくて失意のまま帰るなど、一発屋としてのエピソードがユーモアと皮肉にあふれた文体で書かれていて面白い。

また、お笑い芸人としては当初は正統派の漫才で行きたかったがうまくいかずに現在の貴族スタイルになったこと、そしてこのスタイルではテレビ制作の現場の人々から受けが悪く、「世界観」を持つ芸人にはかなわないという話はなるほどと感じる。

著者が「進め!電波少年」に出演していたことは全く知らなくて驚いたりもした。

著者は中学時代から引きこもり生活を送るなどうまくいかない時期が長く、「やっぱり駄目か」という経験を何度もしてきたことからの感想や、うまくいかなくてもとりあえず生きるなど、後半では心に刺さる話が多くて考えさせられた。

著者のうまくいかない経験をしている人への優しさが伝わってきて、なかなかいい作品だったと思う。



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志村 けん (著)
青志社 (2020/8/7)


昨年逝去した志村けんが、著作やインタビューなどで語っている160の言葉を紹介している作品。

生い立ちや芸名の由来、ドリフターズでの活躍、変なおじさんやバカ殿などのキャラクターへの思い、作りこんだ笑いへの情熱などが語られていて、知らない話も多くて読ませる内容となっている。

あくまでやりたいのはコントで、これまであまり受けてこなかった俳優としての仕事も始めていた時期に亡くなったため、どのような活躍をしていたのかを見ることができないのが実に残念だと思う。

笑いが古いとかマンネリなどと呼ばれることもあったが、年代を問わず分かる笑い、外国人にも理解できる笑いを追求していたというのは改めてすごいことだと感じた。



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