松村 邦洋 (著)
プレジデント社 (2021/12/11)
歴史好きとしても知られる芸人の松村邦洋が、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送を前にこの時代の人々について、演じた俳優たちの話を交えて語っている作品。
口語調なので、執筆したものなのか、それとも島田洋七が『佐賀のがばいばあちゃん』などでやったようにしゃべった内容を本にしたものなのか、どちらか分からない。
著者がラジオ番組などでの流ちょうな語り口からすると、後者のような気もするが。
著者は大河ドラマの大ファンで、例えば40年くらい前に北条政子が主人公だった「草燃ゆる」での配役と「鎌倉殿の13人」での配役の違いや、「鎌倉殿の13人」が三谷幸喜脚本ということで同じ三谷作品である「新選組!」や「真田丸」の話なども入っていて面白い。
義経や八田知家、大江広元らが頼朝を通さずに朝廷から官位を得たことを「闇営業」と表現しているのが面白かったり、三浦義村が承久の乱の戦後処理で大活躍していたという話を初めて知ってあなどれないと思ったり、なかなか読みごたえがあった。
随所に入れた小ネタで伝わらないところがたまにあったりもしたが、サービス精神が旺盛な内容となっている。

ヒロシ (著)
廣済堂出版 (2019/11/2)
ヒロシによる、集団でいることがしんどいと感じる人に対してエールや助言を与えるような話をしている作品。
結婚して子供を2人、友達を多く、定職について長く勤めて…といった同調圧力に振り回され、一人でいることに不安がある人もおおいことを指摘し、一人でいることは悪いことでもなく迷惑をかけなければ自由を得られると語る。
ただ、時間を持て余したり孤独感が強まったりしてマイナスなことを考えてしまうと、悪いことでの一発屋になってしまう危険も語っていて、これに対しては体を動かしたりやり込んだりできる趣味を持つこと、複数のことに手を出してみることなどを勧めている。
人間関係でのつらさを改善できそうにないところからは逃げてもいいと語っていて、昨年ある種の逃げとも取られることをした経験があるので、その通りだと感じた。
他にも、一人でいると浪費の誘惑も多いため、それらへの対策なども語っていて、著者が嫌いなリア充を儲けさせるような消費はしたくないと語っているのが面白い。
著者がリア充に対するひがみをストレートに語っていたり、自分は運が良かっただけで一歩間違えたら…といった話をしているあたりも面白く、共感しながら読むことができた。
つらい経験を優しさに変えられる人は強い。

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山田全自動 (著), 林家 はな平 (著)
辰巳出版 (2022/3/24)
落語家の林家はな平(林家正蔵=こぶ平の弟子)による落語家が思うあるあるネタを、山田全自動がイラスト化している作品。
洋服姿だと落語家だと気づかれないとか、「笑点」に出たことがあるかというグサッとくる質問(出たことがある落語家は1%もいない)、弟子入りから真打に至るまでの過程など、落語家しか知らなかったであろう話も多い。
観客が多い場合も少ない場合もある中、1人で高座に上がり、全て自分だけで何とかしなければならないというのは、かなりプレッシャーがある仕事だと思う一方、ウケた時の快感もまた、忘れられないのだろう。
東京に5か所ある寄席の紹介もされていて、池袋の西口にある池袋演芸場は前を通ったことがあることを思い出した。
東京に住んでいた頃に行ってみたら、落語にはまるなど色々と心境が変わっていたかもしれない。

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秋山 竜次 (著)
集英社 (2021/5/10)
ロバートの秋山竜次が、さまざまなクリエイターに扮して撮影した写真と、謎の名言で構成されている作品集。
天才子役、IT企業の経営者、モデル、プロデューサーなど多くの職業に扮していて、中でもモデル役では顔のえらの部分や脇の下などを黒く塗りつぶして黒い背景に立つことでスリムに見せようとするやり方をしていて爆笑してしまった。
意識が高そうで何を言っているのか分かるような分からないような言葉は、秋山だから笑いになっているが、実在するカリスマの人の言葉だったら、信者の人だったら意味があるのだと力説してしまいそうでもある。
秋山の表情の絶妙さもあり、楽しく読むことができた。

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