読書-芸能:雨読夜話

ここでは、「読書-芸能」 に関する記事を紹介しています。


ブラタモリ 8 横浜 横須賀 会津 会津磐梯山 高尾山
ブラタモリ 8 横浜 横須賀 会津 会津磐梯山 高尾山
NHK「ブラタモリ」制作班
KADOKAWA 2017-06-23

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NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第8巻。
本作では横浜、横須賀、会津、会津磐梯山、高尾山を訪れた回を収録している。

横浜では幕末に開港した事情や「ハマ」と呼ばれた浅瀬を埋め立てて出島のような構成の街にした話、山を削ったり海を埋め立てて道路や鉄道を建設した事情、離れた相模川水系から用水を引いてきた大工事などが扱われている。

横須賀では東京湾の東側が浅瀬なので必然的に西側の横須賀を含む三浦半島近辺になる地理的な事情、幕末に小栗上野介がフランスからヴェルニーを招いて建設した横須賀の港や造船所が現在も米軍が使用しているくらいよくできた設計という話、アメリカ海軍の空母であるロナルド・レーガンに乗せてもらった話などが書かれている。
日露戦争で勝利した背景には横須賀の造船所で建設された軍艦があることも知られていて、小栗の功績はもっと評価されていい。

会津では断層に挟まれた構造盆地という地形が冷害をもたらす「やませ」から守ってくれたことや、会津若松の城下町にある防御を目的としていないクランク状の道が水流を制御していたのではないかという考察、猪苗代湖から引いた用水路、さざえ堂という入場と退場がスムーズにできる構造のお堂などが書かれていて、頑固というイメージが強い会津人がアイデアマンという一面もあることを教えてくれる。

会津磐梯山では山体崩壊という自然現象が五色沼をはじめとする多様な湖沼や天然のスキー場といった豊かな自然を生み出した事情や、植林事業によって山体崩壊で荒れた土地を観光地として繁栄に導いてきた先人たちの努力が扱われている。

高尾山では照葉樹林帯と針葉樹林帯の境目という絶妙な位置や地層が傾いた地形によってイギリス1国に匹敵するような豊かな植生や、武蔵・相模・甲斐の境目という重要な地ということで北条氏や江戸幕府の森林保護によって自然林が多く残っている話がなされている。
ここは東京に住んでいた頃に一度訪れているので、懐かしく思いながら読んでいった。

会津磐梯山が予備知識がなさすぎて少しピンとこなかったが、全体的には本作でも興味深い話が随所で紹介されていて興味深く読むことができた。
前作から宝とか恵みといったワードが増えているような気がする。

9巻と10巻も来月出る予定なので、これらも楽しみにしている。






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NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第7巻。
これまで担当してきた桑子真帆アナウンサーに代わり、近江友里恵アナウンサーが出演している。

行き先は京都(嵐山、伏見)と三重県(志摩、伊勢)で、伏見と伊勢の回は当時テレビで観ていた。

嵐山では複数の断層によって形成された傾斜を借景として生かした景色が解説され、京都の高低差マニアの梅林氏が3度目の登場をしているのが面白い。

伏見では交通の便がいい反面で湿地帯や急な坂、巨椋池などで必ずしも住みやすい地形でなかったところを秀吉が大土木工事によって凹凸を無視したまっすぐな道、斜面を掘って造成した街並み、巨椋池に太閤堤という道路などを造ったスケールの大きさが印象に残る。

志摩ではリアス式海岸ながら平坦で緑豊かな海岸段丘という地形と、そこで産するアワビ、カツオブシ、真珠といった豊かな宝の話がなされ、伊勢神宮の「御食国」とされてきたことがよく分かる。

伊勢では神宮を20年おきに造り直す式年遷宮の話がなされ、これは技術伝承のためという理由は知っていたが、古来の神明造だと構造上それくらいの期間で木材の隙間ができるためという解説がなされていて、よく考えられた方式なのだと改めて驚かされる。

そして伊勢神宮に関しては江戸時代に流行したお伊勢参りを支えてきた御師の活動や、明治時代以降になされてきた鉄道などのインフラ、一時寂れていた門前町の再開発などが紹介されている。

最初はあまりしゃべっていなかったような気がする近江アナも少しずつキャラクターが分かるようになってきて、桑子アナとはまた違った魅力を見せているのもポイントである。
本作と同時に8巻も出ているので、これも読むつもりである。






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ブラタモリ 6 松山 道後温泉 沖縄 熊本
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NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第6巻。
松山、道後温泉、沖縄、地震が発生する前の熊本を訪れている。

松山では元々荒れ地だったのを、松山城を築いた加藤嘉明が石手川の氾濫を防ぐために巨大な土手を築いて城と城下町を守った話や、元々は灌漑用水だった水路を三津浜港へ舟で移動する運河としても使用された話などが出てくる。
松山は3回くらい訪れているが、こうした部分はほとんど意識したことがないので興味深かった。

道後温泉も入った記憶があり、リアルタイムでこの回を観ていたこともあってここも熱心に読んだ。
火山がない場所での温泉の例として、地熱で温められた地下水が断層付近で湧き出していることや、道後温泉を一大観光地とするためになされた取り組みの話などがなされている。

沖縄では首里城と繁華街の国際通りの変遷を主に扱っている。
珊瑚礁が積み重なった地形で水に恵まれていることや、繁華街が現在は埋め立てられた島だった場所から内陸部に移り、さらには戦後の復興期に氾濫を繰り返してきた川を暗渠にしてまで街を造ってきた住民の方々のバイタリティなどが印象に残った。

熊本では加藤清正による「やりすぎ」ともいえる熊本城における防御施設の充実ぶりや、あえて街道が城内を通るように設定し「仮想敵」だった薩摩の島津氏に対してのデモンストレーションをやっていたことが興味深い。

熊本は「火の国」でもあるが水に恵まれた「水の国」でもあるとして、火砕流が形成した水が豊かな地形という事情も扱っている。
ここでも清正が、曲がりくねって氾濫をおこしていた白川を坪井川と分けてまっすぐにすることで治水、分けた川を二重の堀として活用、城下町の拡大といくつもの目的を達成しているのには感心した。
しかも白川が曲がっていた頃は熊本城の建設資材を運ばせていたり、「鼻ぐり井手」と呼ばれる火山灰が溜まらない工夫がなされた水路の建設など、清正の土木的なセンスには驚かされる。

本作の終章である熊本の回で桑子真帆アナウンサーが卒業し、次回作からは現在の近江友里恵アナウンサーが登場することになる。
近江アナのちょっととぼけた感じも面白いので、こちらも楽しみにしている。






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ブラタモリ 5 札幌 小樽 日光 熱海 小田原
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NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第5巻。
札幌、小樽、日光、熱海、小田原を訪れていて、小樽の回だけはテレビで観ていた。

札幌では2軒しかなかった寒村が150年で200万都市になったことを扱い、元から住むのに適していた扇状地だけでなく、住むのに適さない泥炭地に対し、土管を埋めたり新たな川を開くことで排水して土地を造成していった話が面白い。
竹村公太郎の本ではまっすぐな川を開いたことは知っていたが土管を埋めて排水していたことは知らなかった。

小樽では来るのが初めてだと語るタモリに、30年以上前にタモリが小樽を訪れ「小樽には何もない」と放言した新聞記事を見せられて苦笑いするところが最大のポイントとなっている。
(小樽市民はこの発言に発奮し、観光地化に努力したという)
そして発展する過程で台地を崩して土地を造成したり、急速に衰退したために既存のインフラを壊すこともできなかったことが皮肉にも観光資源になった話が興味深い。

日光では東照宮に見られるさまざまな仕掛けや、外国人から別荘地として愛される地形や気候が火山によって形成された過程、熱海でも火山が温泉などの地形に与えた影響に、家康をはじめとした歴代の徳川将軍から愛された話、昭和はじめに開通した丹那トンネルが水不足も解決した話などが扱われている。

小田原では小田原用水が江戸期の神田用水などに参考にされた可能性や、城下町全体を土居や堀で囲んだ惣構という構造が、小田原城攻めに参加した大名たちに衝撃を与え、江戸城など江戸初期のインフラに大きく影響を与えたのではないかという話が良かった。
敗者として歴史から退場した北条氏側の話は出てくることが少ないので、知らなかったことが多い。

末尾ではブラタモリで使用される地図が、アジア航測と東京地図研究社という2つの会社が提供していて、それぞれの特徴が担当者から語られていて、地図の表現技術が進歩したものだと改めて驚かされる。

本書も楽しく読ませていただいたので、第6巻も続けて読むつもりである。






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ブラタモリ 4 松江 出雲 軽井沢 博多・福岡
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NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第4巻。
松江、出雲、軽井沢、博多・福岡を訪れた回が収録されていて、松江と博多・福岡の回はテレビで観ていた。

松江では関ヶ原の合戦後に入部した後、山を崩して入り江を埋め、運河を通すなどの大規模な土地造成を実施した堀尾氏による土木技術のすごさに驚かされる。

出雲では江戸時代に遷宮のための費用を捻出するために神職が出雲御師(おし)として全国を回り、クーポン券や富くじ、暦、お札などを発行していたように、当時から観光客を呼び込むプロモーション活動がなされていた話が興味深い。

軽井沢では明治になって宿場町の機能をなくして寂れていたのが、カナダ人の宣教師が避暑地としての価値を見出したことから別荘地として発展していく経緯や、軽井沢のある長野県と群馬県の境にある碓氷峠(うすいとうげ)が西高東低の急峻な地形で交通の難所だったのをいかに克服してきたかの話が扱われている。

博多・福岡ではタモリの地元ということで、櫛田神社に段差が存在することを既に知っていたり、山陽新幹線開通当時の博多駅周辺が開けていなかった話など、いつも以上に饒舌に語るシーンが出てくる。

博多地区と福岡地区の違いや、タモリが何度か「歴史を大切にしない」と語るように新しもの好きの地域性が影響して遺跡の発掘では同じ土地で江戸時代、鎌倉時代、平安時代、弥生時代と何層にもそれぞれの時代の遺物が出てくる話が印象に残る。

また、軽井沢では碓氷峠を越えるために使用されたアプト式という線路と列車に歯車を組み込んだ鉄道、博多・福岡ではタモリが若い頃に利用していた路面電車や新幹線の車両基地、博多駅と車両基地を結ぶ博多南線と、タモリが大好きな鉄道関連の取材が多く、テンションが上がっているのが伝わってくる。

末尾では番組でしばしばカメラ撮影されたシーンが登場するが、それを撮影しているスチールカメラマンの山田氏によるつぶやきも収録されていて、内容に奥行きをもたらしている。

来月に5巻と6巻が刊行される予定なので、これらも楽しみにしている。






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