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読書-芸能:雨読夜話

ここでは、「読書-芸能」 に関する記事を紹介しています。



塙 宣之 (著)
集英社 (2019/8/9)


ナイツの塙宣之が、M-1グランプリの特性や吉本興業のしゃべくり漫才が高得点を出しやすい理由、過去に出場した芸人たちがウケたりスベったりした背景、ヤホー漫才を生み出した経緯、漫才とコントの違いなど、お笑いについて深く・熱く語っている作品。

ナイツは何度かM-1に出場したものの優勝には至らず苦戦することが多かったため、「言い訳」とタイトルにつけている。
自身で苦戦した理由を分析したところ、4分という持ち時間がナイツでは持ち味を出しにくいところ、漫才が関西弁のようなコテコテの言葉が向いていて標準語だとテンポが悪くなりがちなこと、そして吉本興業の芸人の層の厚さなどを挙げている。

そして、M-1で優勝した中川家、ますだおかだ、フットボールアワー、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、アンタッチャブル、サンドウィッチマン、優勝しなくてもブレイクのきっかけをつかんだオードリーやミキ、南海キャンディーズなどの面白さを、著者が好きな野球などに例えて解説しているのが面白い。

自己紹介で時間を使わずにすぐにネタに入った方がいいことや、自虐ネタや内輪ネタを好まない理由、M-1では新しさを求められること、下ネタや毒を使うことの難しさ、ツッコミが引いたら観客も引くことなど、おそらく売れていない若手芸人にとっては参考になる話が多いように思われる。

自身で「お笑いのことばかり考えている」とか「芸人しかできない」と語っているだけあり、さまざまな表現で芸人たちの魅力や笑いのセオリーみたいなことを解説していて、面白くて一気に読み進むことができた。

あまりネタを見たことがない芸人のことも書かれているので、見てみようという気にもさせてくれる。





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ブラタモリ 18 秩父 長瀞 大宮 室蘭 洞爺湖 宮崎
NHK「ブラタモリ」制作班 (監修)
KADOKAWA (2019-03-15)



NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第18巻。
秩父、長瀞(ながとろ)、大宮、室蘭、洞爺湖、宮崎の回を扱っていて、宮崎の回で近江友里恵アナウンサーが番組を卒業となっている。

秩父では「ずっと日本を盛り上げてきた」というキーワードが提示され、セメントの原料となる石灰石の産地として高度成長期を支えたことや、断層や浸食によって形成された独特の地形が信仰の対象となったことなどが扱われている。

長瀞という地名は初めて目にしたと思うが秩父の隣町で、東京湾に注ぐ荒川の上流域に形成された岩畳が縦横に走ってベンチ状になっている地形の妙や、天然水のかき氷、観光地として栄えている話などが紹介され、日本で知らない土地はまだまだ多いことを痛感させられる。

大宮では明治初期は鉄道の駅が作られなかったことから地元の人々が駅を誘致するために氷川神社の森を観光地として開発してきた経緯や、東日本方面の分岐駅としてライバルとなった熊谷に勝った理由、ターミナル駅だけでなく整備工場も造られた経緯などが扱われている。

室蘭では断崖によって風や波に守られた上に深さもある天然の良港という地形だけでなく、砂鉄や石炭の調達にも便利という理由から工業都市として発展した経緯が語られている。

洞爺湖では湖の中にある複数の元火山によって形成された中島や、湖の水面より少し下まで隆起したために火山の原型を観察できる話、そして詳細な成長記録が残されている唯一の火山である昭和新山が紹介されていて、文章からは伝わりづらいが土地の所有者である三森氏のキャラクターも面白かったらしい。

宮崎では青島にある「鬼の洗濯岩」と呼ばれる地形や、日南海岸に観光振興のために植えられたフェニックスという種類のヤシの木に施された工夫と、タモリが学生時代の思い出の地だったと思い出すシーン、日南市にある鵜戸神宮の「下り宮」という珍しい構造や洞窟にあるコンクリーションと呼ばれる岩の塊が紹介されている。

宮崎を除くと埼玉に北海道となじみが薄い場所が扱われている分、初めて知ることが多くて新鮮にも感じた。
次回からは現在近江アナに代わって担当されている林田理沙アナウンサーが登場することになるわけで、こちらも楽しみである。






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ブラタモリ 17 吉祥寺 田園調布 尾道 倉敷 高知
NHK「ブラタモリ」制作班
KADOKAWA (2019-03-15)



NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第17巻。
吉祥寺、田園調布、尾道、倉敷、高知の回を収録していて、今更ながら放送された順番ではなくまとまりのいい組み合わせで編成されていることに気づいた。

吉祥寺では「吉祥寺」という寺がない事情や吉祥寺駅が五日市街道と鉄道の交差点にない理由、井の頭池や神田上水、玉川上水といった江戸時代の水利事情の話が面白い。

田園調布では渋沢栄一・秀雄父子が設計した、あまり日本的ではない駅前に放射状に広がる街並みやカーブの多さ、地形に合わせて住宅地と商業地域を分離した工夫などが扱われている。
そばの出前をしているおじさんを見つけてクイズのヒントを出すという演出がなかなかよかった。

尾道では寺院に(こっそり)設置されていた鳩小屋の役割や、明治時代になって現在のような坂の街になった事情が紹介されていて、よく考えたら行ったことがありそうで行ったことがないので少し関心を持った。

本書で唯一行ったことがある倉敷では、地名が「倉敷地」に由来することや、天領だったために商人たちが干拓して土地を造成した話、塩害に強いこともあって綿花の栽培が盛んだったことが紡績業の発達につながった話などが語られていて、美観地区の街並みや大原美術館に行った記憶を呼び起こさせてくれた。

高知の回では先日テレビで観た鳴門の回とも共通する、プレートの境目に近い場所ならではの地層や、山に囲まれつつも海と通じている絶妙な立地、上士の居住区から堀で区切られた外で育った坂本龍馬の話などが扱われている。
「がっかり観光名所」として知られる「はりまや橋」も、写真からもショボさが伝わってきてちょっと笑ってしまった。

東京近郊と瀬戸内、高知というチョイスが穏やかそうな感じで、なかなか良かったと思う。






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NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第16巻。
富士山・三保松原、高野山、宝塚、有馬温泉の4ヶ所を訪れた回を収録している。

富士山・三保松原の回は「鶴瓶の家族に乾杯」との合同番組として放送され、笑福亭鶴瓶とともに三保松原や久能山東照宮を訪れている。
思っていた以上に久能山が海に近いところにあったり、「一富士二鷹三なすび」が家康の嗜好による静岡の名産という話などが興味深い。

高野山では高山の上に開けた土地に形成された巨大な仏教都市としてのすごさと、それを実現させた水利や食糧事情、人材調達などの事情が書かれていて、本書で扱われている中で最も行く機会がなさそうなところなだけに新鮮な話が多かった。

宝塚では元は寺内町だったところが宿場町、そして温泉が発見されて温泉および歓楽街になった経緯が語られ、女性や子供向けに阪急の小林一三が室内プールの失敗をした後で作ったのが、宝塚歌劇団という話につながっているのが興味深い。

有馬温泉はこの中で唯一訪れて温泉に入った場所で、鉄分や塩分を多く含んだお湯だったことを懐かしく思い起こした。
断層がマグマで温められた海水を温泉にしているメカニズムや、まっすぐな道を建設したこのシリーズでお馴染みのあの権力者の話、炭酸が石灰となってすぐに詰まってしまうほどの濃度であることなど、次に行ったら気にするであろう話がいくつも出てくる。

この回は宗教や信仰、娯楽などに関連した場所の話が多く、タモリや近江アナもより楽しんでいるたように感じて面白かった。






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ブラタモリ 15 名古屋 岐阜 彦根
Posted with Amakuri
NHK「ブラタモリ」制作班
KADOKAWA 2018/12/14


NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」を書籍化した作品の第15巻。
名古屋、岐阜、彦根の回を扱っていて、多分どの回もリアルタイムで観たような記憶がある。

名古屋では名古屋城が建設された経緯や戦争時と平和時どちらでも活用できるよう考え抜かれた設計、熱田台地の北端に築いた名古屋の城下町と熱田の港をつないだ運河、古い町がないところだったことを活かした碁盤の目の街づくりなどが紹介され、まさに回のテーマとなった「尾張名古屋は家康でもつ」ことを知ることができる。

岐阜では金華山に築かれた岐阜城のことがメインで扱われていて、チャートの地層を活かして堅固な山城にしただけでなく褶曲したチャートを楽しむ庭園にしたなど、この城を拡張した信長の工夫が紹介されているのが面白い。

彦根では江戸時代に井伊家の居城となった彦根城が紹介されていて、東の伊吹や鈴鹿といった山脈、西の琵琶湖、かつてな北にあった内湖、南に小河川を集めて付け替えた芹川という地の利や、石垣や大堀切といった防御設備などにより、当時としては最先端の要塞だったことが分かってくる。
また、交通の要所として監視機能を強化した足軽屋敷の話も出ている。

この回は城や街づくりといった部分が多く取り上げられていて、戦国時代や城が好きな人が特に楽しめる回だと思う。






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