読書-ファンタジー:雨読夜話

ここでは、「読書-ファンタジー」 に関する記事を紹介しています。


ハザール事典 女性版 (夢の狩人たちの物語) (創元ライブラリ)
ハザール事典 女性版 (夢の狩人たちの物語) (創元ライブラリ)
ミロラド・パヴィチ (著), 工藤 幸雄 (翻訳)
東京創元社 2015-11-28

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中世のコーカサスやウクライナ地方に実在し、ビザンツ帝国やサラセン帝国(初期のイスラム)と国境を接して戦ったり同盟したりしていたらしい、ハザール王国の事典という体裁を取った小説。

ハザール王国は国教をキリスト教、ユダヤ教、イスラム教とそれぞれ変えたという設定にしていて、同じ項目をそれぞれの宗教から語った事典という構成にしている。

このハザール王国は突厥の流れをくむトルコ系の王朝らしいが、遊牧民系の王朝の多くがそうであるようにあまり記録を残すことに熱心でなかったこともあって実態がよく分かっていないことも多いことから、著者はある程度自由に話を組み立てているようである。

悪魔や妖怪のような存在が登場して王族とやり取りするファンタジーっぽい話や、ハザールの宗教を3つのうちどれにするかでそれぞれの宗教が中心に書かれているという違いなど、こうした宗教の予備知識があればさらに楽しめるのだろうと思う。

あまりよく知らない地方の話なので、読んでいてついていけたかかなり不安があるが、かなり変な話なのは確かで、その世界観は感じ取ることができた。



ハザール事典 男性版 (夢の狩人たちの物語) (創元ライブラリ)ハザール事典 男性版 (夢の狩人たちの物語) (創元ライブラリ)

ミロラド・パヴィチ (著), 工藤 幸雄 (翻訳)
東京創元社 2015-11-28

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僕僕先生 (新潮文庫)
僕僕先生 (新潮文庫)仁木 英之
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中国の唐代を舞台とした、青年と少女タイプの仙人が活躍するファンタジー。
以前著者の『我ニ救国ノ策アリ 佐久間象山向天記』を読んで本作を出していることを知り、読んでみた。

主人公は元官僚のどら息子である王弁で、飲んでばかりの生活を送っていたが、ある日父親から近くに住むという仙人へ贈り物を届けるように指示される。
そして嫌々ながら出かけたところ、青い服を着て自分のことを僕と呼ぶ少女と出会い、それが僕僕先生と呼ばれる仙人だった。

僕僕先生によると王弁は「仙骨」はないが「仙縁」はあるらしく、あまり欲のないところを気に入られたのか、なし崩し的に弟子入りした形となる。

その後、地方官僚が僕僕先生が世の中を惑わしているとして追及を始めたこともあり、僕僕先生と王弁は旅に出かけ、様々な経験をしていくこととなる。

この時の皇帝は楊貴妃にのめり込んで国を傾けてしまうことで有名な玄宗皇帝だが、まだ若く英明な姿を見せている。

また、中国神話に登場する嫦娥(じょうが)や渾沌(こんとん)などが出てきたり、昔の話ということで『三国志』の曹操や呂布の小ネタが出てくるのも面白い。

ファンタジーは当たり外れが大きいので続編を読むかは何とも言えないが、王弁と僕僕先生、そして他の仙人や妖怪たちとの会話がテンポ良くなされていて、楽しく読むことができたと思う。




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しゃばけ (新潮文庫)
しゃばけ (新潮文庫)畠中 恵 (著)
新潮社 2004-03

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ぬしさまへ


日本ファンタジー大賞優秀賞を受賞した作品で、NEWSの手越祐也が主演のドラマにもなったシリーズの第1作。

舞台は江戸時代、大商店の病弱すぎる若だんなである一太郎が、彼を守る妖怪たちとともに怪事件に立ち向かうというものである。

病弱で寝込んでばかりいるが芯が強く、これまで様々な薬を飲んできたために薬学に精通する一太郎は、店の手代の姿に化けている佐助(犬神)と仁吉(白沢)を初めとする妖怪たちと普段からともに生活している。
佐助は力持ち、仁吉はイケメンとそれぞれキャラが立っており、妖怪たちの中でも並外れた力を持つことが随所で描かれている。一太郎とは子供の頃から守護を命じられているためか、長い付き合いゆえのちょっとした言い争いも絶えない。

他にも子鬼の姿をして家のあちこちにいる鳴家(やなり、ポルターガイストを起こす妖怪)や屏風のぞき(屏風に描かれた人物が出てくる妖怪)、茶器などが変化した付喪神など様々な妖怪が登場する。

また、妖怪だけでなく人間でも一太郎を甘やかしてばかりいる父母や、隣に住むあんこ作りが苦手な菓子屋の息子、何かにつけては一太郎に自慢話をしに来る岡っ引きなども登場して、個性豊かなメンバーが話を盛り上げていく。

柴田ゆうによる妖怪の挿絵もユーモラスで見ていて和むものとなっており、鳴家や織部焼の付喪神などが特にいい味を出している。
これもまた、売れに売れている要因だと思っている。

妖怪が普通に人間社会の周辺に存在しているという設定が華があって楽しく、テンポ良く話も進むので面白く読んでいくことができた。
第8作まで続編が出ており、これらも読んでみたい。



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光の帝国―常野物語 (集英社文庫)
光の帝国―常野物語 (集英社文庫)
恩田 陸
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何事も忘れない記憶力や予知能力、空を飛ぶ能力といった超能力を持ち、それでいて権力からは離れてひっそりと暮らしている”常野”(とこの)の人々を描いた連作。
サブタイトルからは柳田國男の『遠野物語』や、日本神話でスクナヒコナが帰った常世国(とこよのくに)を連想させられる。

記憶を”しまえる”春田家の人々や長命なツル先生、未来を予知できる美耶子など穏やかで優しい人々が登場し、あたたかさともの哀しさが基調として流れている。

シチュエーションとしては 『神の血脈』 『産霊山秘録』 に似ているが、これらとは違って日常的な感じの中で物語が展開し、雰囲気のよさが印象に残る。

続編として以下の長編があるので、読んでみることになるかもしれない。


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オカルト系の時代小説集。能で有名な上に呪禁道を使う世阿弥元清、琵琶に仕込んだ宝剣で戦う闇源氏こと源霞、そして鬼に変身する良源大師という霊能者タイプの主人公たちが、もののけたちと戦いを繰り広げる。

夢枕獏の 陰陽師シリーズ のような感じのストーリーで、あまり好みのジャンルではないがまずまず面白かった。


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関ケ原幻魔帖 (大洋時代文庫)
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