FC2ブログ

読書-ファンタジー・幻想小説:雨読夜話

ここでは、「読書-ファンタジー・幻想小説」 に関する記事を紹介しています。



カルロ・ゼン (著), 篠月 しのぶ (イラスト)
KADOKAWA/エンターブレイン (2014/5/31)


第二次世界大戦期の欧州に似た異世界で少女に転生して戦うというライトノベル『幼女戦記』の第2巻。

前作の第1巻の最後で攻めてきた東欧のダキアを強襲によって一蹴したり、北欧の協商連合の後方への上陸作戦、共和国軍と塹壕戦をしている最中での新兵への実戦を通した演習など、少女なのに少佐を務める主人公のターニャ(中身はエリートサラリーマンのおじさん)は、今作でも多方面の戦争でこき使われながらも実績を上げてしまっている。

そしてターニャの活躍もあって帝国軍は優位に戦局を進めているが、上層部や参謀たちは徐々にこれまで経験したことがない総力戦は長期化することを認識しつつあり、打開策を模索するシーンが描かれているのがなかなかリアルである。

この後もターニャが率いる第203魔導大隊がこの後も随所で活躍するシーンが書かれていくのだろうが、泥沼化していく戦いになるのは間違いないようなので、単調にならないか少し懸念している。

まだまだ面白くなりそうな要素もありそうなので、もう少し読み続けてみるつもりである。






にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト





カルロ・ゼン (著), 篠月 しのぶ (イラスト)
KADOKAWA/エンターブレイン (2013/10/31)


ドライな考え方をするエリートサラリーマンが第二次世界大戦時期のヨーロッパを思わせる異世界に少女として転生し、軍人としてバリバリ活躍してしまうライトノベルの第1巻。
元同僚の方にライトノベルのおすすめを聞くと本書を挙げてくれたので、読んでみた。

サイコパスを疑われるくらい合理的な考え方をしていて人事部に勤務していた主人公は、リストラを通告して逆恨みされた結果駅のホームから突き落とされて亡くなり、その合理的すぎる考え方を創造主X(いわゆる神様?)に嫌われた結果、意識がそのままでターニャという少女として生まれ変わる。

転生先の世界では空を飛んだりエネルギー波で攻撃するような魔法が存在し、ターニャも魔法使いの素質があって転生前の知識もあったために10歳そこそこなのに軍の学校を飛び級で卒業し、成り行きで戦闘に巻き込まれて大活躍をしている。

そのターニャは合理的な考えから一見危険そうだが安全な手段を選び、組織の中で出世して安全な後方の部署で勤務することを望んでいるが、好戦的と勘違いされたり有能さを認められて新兵器のテストをさせられたり、前線の戦いに投入されるなどなかなかうまくいかないところが面白い。

少しテンポが悪く感じられるところや癖のある文章は好みが分かれる可能性があるが、歴史や軍事などの知識を随所にちりばめていて、予備知識があるほど楽しめる内容となっている。

これから面白そうな場面に入りそうなところで第1巻が終わったので、第2巻も読んでみるつもりである。






にほんブログ村 本ブログへ


蝉川 夏哉 (著)
宝島社 (2016/8/4)


小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されているライトノベルを書籍化した作品で、以前読んだコミック『異世界居酒屋「のぶ」(1)』の原作。

話や設定はコミック版と同様だが、料理の描写や登場人物の心理などが書かれている分、コミック版での記憶と相乗効果を持って楽しむことができる。

大将の信之、給仕のしのぶ、そして途中から採用されるのエーファやヘルミーナなどの店員たちと、古都の騎士たちや聖職者、徴税人などの常連たちとのやり取りで連作が構成されている。

先月読んだ『異世界食堂 1』と設定は似ているが、本書だと決まった場所で平日も普通に営業していたり、客は基本的に普通の人間でエルフやリザードマンのような亜人種や魔法のようなファンタジーの設定がないところなどが異なっている。

WOWOWで品川ヒロシ監督で実写版ドラマ化されているのも、比較的実写化しやすそうだからという事情があるのではないかと考えている。

異世界の「帝国」や「古都」での出来事と「のぶ」での出来事や料理が関連していたりしていなかったりして、読み切りの連載ながらもそれぞれの話が関連していくので、順を追って読んでいくのが正しい楽しみ方ということになる。

コミック化、アニメ化、実写ドラマ化とメディアミックスがなされているだけあり、安定して楽しめる作品だと思う。





にほんブログ村 本ブログへ


高山 理図 (著)
KADOKAWA/メディアファクトリー (2016/1/25)


大学の准教授として新薬の研究に没頭しすぎて過労死した人物が異世界に宮廷薬師見習の少年として生まれ変わり、現代日本の医学・薬学の知識や身に着けていた魔法で活躍するライトノベルの第1巻。

著者はがん研究に取り組む現役の学者で、自身の見識や他の医師や研究者に取材しているなど、きちんとした医学知識が反映されているのが大きな特長となっている。

主人公は突然死してから異世界で落雷によって死亡したはずの少年・ファルマとして意識を取り戻す。
この異世界は中世のフランスを思わせる風土に、魔法や悪霊なども存在するファンタジーの要素もある世界となっているが、医学や薬学の書物を読むと中世らしい迷信で逆効果にしかならなかったり有害な治療法が多いことにファルマはショックを受ける。

また、魔法を父の高弟である少女のエレンから習っていて、魔法をやってみたところエレンが恐れるレベルの魔力を持ち合わせていることが判明する。
魔法には右手で物質を生成したり、左手で物質を消去するようなチートなものも持ち合わせていた。

ファルマが元々宮廷薬師の次男ということもあり、異世界でも医学・薬学の知識によって多くの人々を救うことを望み、女帝の病を治療した功績によって薬局を開くこととなる。

挿絵とイラストがいかにもライトノベルという感じで敷居が高いが、しっかりした医学・薬学の情報が話に厚みを加えていて、ただ面白いだけの作品になっていないところが非常にいい。
本巻ではまだ出てこないが、ペスト(黒死病)との戦いのところは、現在の新型コロナウイルスとの戦いと通じる部分が多々あり、医療関係者への感謝の念をさらに思い起こさせてくれる。

料理の記述が具体的な『異世界食堂 1』でも感じたところだが、現代での知識が厚みを加えて変にキャラクターに頼ったりしないタイプのライトノベルが私の好みのようである。





にほんブログ村 本ブログへ


伏瀬 (著), みっつばー (イラスト)
マイクロマガジン社 (2014/5/30)


小説投稿サイト「小説家になろう」で投稿されていたライトノベルを単行本化した作品の第1巻。
以前読んだコミック『転生したらスライムだった件(1)』の原作でもある。

話自体は当然コミック版と同じだが、主人公のリムル(悟)による心情を語っているところが多く、しばしば不謹慎な感想が出ているところなどが面白い。
また、得たスキルの内容や説明、そしてゴブリンや狼といったモンスターとのやり取りが充実しているように感じ、コミックやアニメになったりスピンオフ作品が出るだけの面白い内容であることを改めて認識することができた。

人間の国が複数あったり、魔王が何人かいたり、モンスターの国や集落もさまざまなど、世界観の設定にも幅を持たせているところも長く書くための工夫なのだろう。

気軽に読み進めることができる作品で、楽しむことができた。





にほんブログ村 本ブログへ