読書-アンソロジー:雨読夜話

ここでは、「読書-アンソロジー」 に関する記事を紹介しています。


不思議の扉 午後の教室 (角川文庫)
不思議の扉  午後の教室 (角川文庫)
大森 望 (編集), カスヤ ナガト (イラスト)
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-08-25

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不思議な物語を集めたアンソロジーのシリーズ第4作で、学校がからんでいるというくくりで集められている。
『不思議の扉 時間がいっぱい』がなかなか面白かったので続けて読んだ。

  • 「インコ先生」湊かなえ
  • 「三時間目のまどか」古橋秀之
  • 「迷走恋の裏路地」森見登美彦
  • 「S理論」有川浩
  • 「お召し」小松左京
  • 「テロルの創世」平山夢明
  • 「ポップ・アート」ジョー・ヒル
  • 「保吉の手帳から」芥川龍之介

「お召し」は一度『すぺるむ・さぴえんすの冒険 小松左京コレクション』に収録されているのを読んでいるが、改めてネタバレしても問題ないレベルの作品に仕上がっていることが分かる。

「インコ先生」、「三時間目のまどか」、「S理論」は短いページ数の中であっと驚かされるのが爽快である。
「三時間目のまどか」の著者である古橋秀之はライトノベルを主に書いているようなので、毛嫌いせずに挑戦してみようかと思ったりもした。

「テロルの創世」は光(リュミエール)と影(オンブル)が関わる重い世界設定が心に残るし、スティーブン・キングの息子による「ポップ・アート」は風船人間の友達という妙な存在が気になったりと、独特の感じが楽しめる。

読んだことのある作家の知っている作品や知らない作品、初めて読む作家の魅力を知るというアンソロジーならでわの楽しみ方をすることができた。






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不思議の扉 時間がいっぱい (角川文庫)
不思議の扉  時間がいっぱい (角川文庫)
大森 望 (編集)
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書評家やアンソロジストをしている大森望による、時間にまつわる事件が発生する短編を集めたSFアンソロジー。
下記の作品が収録されている。
  • 「しゃっくり」 筒井康隆
  • 「戦国バレンタインデー」 大槻ケンヂ
  • 「おもひで女」 牧野修
  • 「エンドレスエイト」 谷川流
  • 「時の渦」 星新一
  • 「めもあある美術館」 大井三重子
  • 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」 フィツジェラルド

ある時点からある時点までの時間がリピートする作品が「しゃっくり」、「エンドレスエイト」、「時の渦」で、「しゃっくり」では筒井作品らしいパニック度合い、初めて読んだ『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ作品である「エンドレスエイト」では夏休みにイベントをこなすことにこだわるハルヒとSOS団員たちのかけあい、「時の渦」では奇妙な事態なのに淡々とした会話がなされる星作品っぽさが出ていて、似たシチュエーションでも作風によって大きく異なるものだと感じる。

ミュージシャンのイメージが強い大槻ケンヂの「戦国バレンタインデー」では、女子高生が過去へタイムスリップするが持ち前のバイタリティーを発揮するところは、鯨統一郎の『タイムスリップ森鴎外』に始まるシリーズや、宮本昌孝の『もしかして時代劇』を思い起こさせてくれた。

ブラッド・ピット主演の映画になった「ベンジャミン・バトン」は映画は観ていないのでどのような感じなのか分からないが、単純に短編として読むとフィッツジェラルドがSF作家ではないためか、描写などにつっこみどころというか弱いところがあるように感じた。
単純に好き嫌いの問題なのかもしれない。

どの作品もテンポが良くて読みやすく、一気に読み進むことができた。
時間SFの面白さを再認識したので、他にも読んでみようかという意欲がわいてきた。






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日本SF短篇50 III: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー (ハヤカワ文庫JA)
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日本SF作家クラブの創立50周年を記念して編纂されたアンソロジーの第3作。
1983~92年の10年間に書かれた作品の中から10作が収録されている。

この時期はSFのブームがひと段落して少し厳しい時代になってきた感じではあるが、戦後SFの第2世代くらいに当たる作家による、第1巻および第2巻に作品が収録されている初期の方々とは異なるタイプのSFが収録されている。

作品を読んだことのある作家たちの作品も多く、椎名誠「引綱軽便鉄道」、田中芳樹「戦場の夜想曲」、谷甲州「星殺し」、草上仁「ゆっくりと南へ」がそれに当たり、良かったと思う。
中でも草上作品は単行本未収録の短編が多数あるようなので、電子書籍だけでもいいので傑作選などが出てほしいところである。

読んだことのない作家の作品で印象に残ったのは川又千秋「火星甲殻団」、森岡浩之「夢の樹が接げたなら」あたりで、関心を持ったので著作を読むことを検討したい。

SFのアンソロジーでありがちなことだが、ジャンルの幅が広いためにあまり関心がなかったり難しく感じる作品もあったりはしたものの、総じては面白い1冊だったと感じている。





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日本SF短篇50 II (日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)
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日本SF作家クラブの創立50周年を記念して編纂されたアンソロジーの第2作。
1973~82年の10年間に書かれた作品の中から10作が収録されている。

この時期を筒井康隆が「SFの浸透と拡散」の時代と評したそうで、前作にも増して多くのSFジャンルの作品が収録されているが、予備知識がなければ魅力を感じにくい作品、ちょっと難解と思われる作品もいくつか入っている。

前者の例が横田順彌の「大正三年十一月十六日」で、後者の例が小松左京の「ゴルディアスの結び目」あたりで、後者については私の感性が合わないのか理解力が足りないのかのどちらかと思われる。

面白かったのは、叙情的な感じの梶尾真治「百光年ハネムーン」、正統的なタイムスリップによるパラドックスものである眉村卓「名残の雪」、戦闘機が出てくるシリーズの第1作である神林長平「妖精が舞う」、伝奇もので知られる著者の作風とは一風違った夢枕獏「ねこひきのオルオネラ」、タイムスリップと進化を絡めるという異質性がすごい新井素子「ネプチューン」あたりである。

特に、神林長平の作品は理系的な小難しい理屈をひねくり回すイメージがあったが、「妖精が舞う」により謎が多い世界観でのミリタリー作品のシリーズである『戦闘妖精・雪風』の魅力を知ったので、このシリーズの本を読んでみようと思った。

SF小説の大御所的なポジションにある作家の作品が多数収録されていて、かなり勢いのある時代だったのだろうと感じた。




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日本SF短篇50 I (日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)
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日本SF作家クラブの創立50周年を記念して編纂されたアンソロジーの第1作。
1963~72年の10年間に書かれた作品の中から、それぞれの年に1冊ずつ、合わせて10作が収録されている。

福島正実や石川喬司など、作家としてよりも編集者や評論家としての評価や知名度が高そうな人物の作品も入っていて、作品の面白さよりも日本SF作家クラブへの貢献度などを考慮して選ばれたのではないかと思った。
言い換えると、あまり面白く感じなかった。

一方で光瀬龍、豊田有恒、星新一、半村良、筒井康隆といった、日本SFのレジェンドとも言える作家たちの作品は文句なしに面白く、古い作品ということもあまり気にならない。

この中では半村良によるタイムとラベルものである「およね平吉時穴道行」が最も印象に残った。
これは江戸時代に活躍した山東京伝に傾倒した主人公がある奇書を手に入れたことから展開していく作品で、時代考証などの作りこまれた設定が活かされているので引き込まれる。

そして筒井康隆の「おれに関する噂」では、マスコミが報道価値があると判断すれば人の迷惑を顧みずにニュースにしていく一方、マスコミ自身のことなど都合の悪いことについては「報道しない自由」を行使する傾向がある部分を痛烈に描いていて、この時期からあまり変わっていないなと感じた。

時代を感じたのは小道具の他、テレビ番組のスタッフや広告代理店の社員、コピーライターなどが主人公となっている作品が目立つところで、この時期がテレビに影響力があって威勢が良かったのだろうとも思った。

思っていた以上に楽しく読むことができたので、続編も読んでみるつもりである。





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