FC2ブログ

読書-思想(東洋):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(東洋)」 に関する記事を紹介しています。





中国の古典からリーダーに求められると思われる言葉を100集め、見開き2ページで右が訳文、左が解説文の構成で紹介されている作品。

いいことが書かれているのは確かだし、例えば『墨子』で「人は長所で失敗する」という趣旨の言葉の鋭さが印象に残ったりもしたが、全体的にはやや無難な言葉が多いように感じた。

著者の悪癖である解説文の説教臭さもかなり出てしまっていて、あまりいい方の作品ではない。






にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

関連タグ : 守屋洋,



さまざまな中国の古典から、リーダーシップやインテリジェンス、道徳などについて書かれた言葉を現代語訳し、分かりやすい事例とともに解説している作品。

『孫子』や『論語』のようなメジャーな古典だけではなく、諸葛孔明の兵法とされてきた『便宜十六策』や明代にそれまでの兵書を集大成した『武備志』のようにあまり知られていない作品が紹介されているのがいい。

しかし、解説の文章ではエッセンスに触れる前にその兵書の性質に文章を割きすぎたり、原文に書かれた話をせずにいきなり現代の事例に進んだりと、あまり読みやすくない。

この傾向が最もひどいのが『間書』というインテリジェンス(諜報活動)について書かれた作品のところで、訳文で「たとえば張儀が楚王に対して行ったものがあります」といった感じで書かれているのに、その張儀や楚王についてのエピソードが全く触れらなれていない。
そこでは中国共産党がアメリカや日本にしかけた謀略の例が書かれているのは(腹が立つけど)いいとして、まずは原文のエピソードくらい書くべきではないか?と思った。

著者の他の作品でも感じたところだが、著者は多くの書物や事例についての知識が豊富なのに対し、編集や構成のセンスがあまりにも悪い。
才能と力がある編集者がついて、著者がその人の言うことを聞いてくれればかなり面白い作品になるはずだと思うと、残念である。






にほんブログ村 本ブログへ



『韓非子』で扱われている説話を中心に解説している作品。
対訳がついていない分、すらすらと読んでいくことができる。

賞罰の権限を委譲してはならないことや、自身の意向を知られることは家臣に操られることにつながるので避けるべきなど、君主と家臣の立場の違いが対立につながる部分は厳しいが正しいところを突いていることが伝わってくる。

基本的には君主のために書かれた作品なのだろうが、逆用すると下の者が上の者を差し置いてのし上がる方法、下克上マニュアルとしても使用できることも分かってくる。
もしかすると、王朝の簒奪をしてきた歴史上の人物たちも、こうした古典を参照していたのかもしれないと思った。

トリックを仕掛けて相手の意向を知ったり、底意地の悪い手法で恨みを持つ人物に意趣返しをする話がしばしば出ているところが、マキャベリの『君主論』よりもえげつないと感じたりもした。

著者の作品にしては引っかかるところが少ないと感じたが、これは著者が解説でちょいちょい書くことがある、現代の世相に対する嘆きや説教を書いていないためかと思う。
こうした部分を修正してもらうと一気に読みやすくなるので、ぜひ続けてほしい。






にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 守屋洋, 韓非子,

60分で名著快読 論語 (日経ビジネス人文庫)
Posted with Amakuri
狩野 直禎
日本経済新聞出版社 2015/7/2


『論語』の言葉を時代背景や孔子や弟子たちなどとの人間関係も踏まえて図解もつけた上で現代語訳・解説している作品。
元々はナツメ社から出ていた『図解雑学』シリーズを文庫化した作品という。

構成としては1つの言葉当たり文章2ページ、図解1ページの3ページという構成になっている。
現代語訳に加えて時代背景や事例、例えば『韓非子』や『老子』といった他の古典に書かれていて現代語訳された言葉と通じる言葉も紹介されていて、特徴が出ているのがいい。

孔子の言葉を単に教訓として有難がったり説教ぶったりはあまりせず、「この時代背景で孔子はこのように考えていた」というスタンスで書かれているのもポイントが高い。

『論語』の解説本としては、なかなかいい方の部類に入ると思う。






にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 孔子,



『孫子』に書かれている内容をかなり現代的なものに即した形で訳し、具体的な例も交えて解説している作品。

天候や地形のように、当時のままに訳するしかないと思われているところも、例えばビジネスや人間関係などで発生しうる環境に読み替えて解説しているところがなかなかすごいと感じた。

また、古代ローマ帝国や『三国志』、日本の戦国時代、現代のアップルやマイクロソフトといった企業など豊富な例を挙げていて、具体的に理解しやすく書かれている。

勝算がないのに戦ってはいけないことや、戦うとさまざまなリソースを消費するためにできるだけ短期間に終わらせるべきこと、戦わずに勝つことがベストであることなど、『孫子』のエッセンスがよく出ているように思った。

「正」と「奇」の話で名案は敵も思いついて実施したり対策を立てたりする場合もあるため、その裏をかくという話のところでは、先日読んだ『覚悟が決まる 人生が変わる 戦国武将の言葉』で上杉謙信が「上策は敵も考えていると思うので、あえて下策を採用する」という意味のことを語った話を思い起こした。
また、ノムさんの本でも裏のかきあいをする話にも通じているかと思う。

体裁がちょっと派手で読む前は少し偏見を持ったが、思った以上にしっかりした内容で、ためになった。
著者は他に何冊かの古典を超訳した本を出しているので、これらも読んでみようと思っている。





にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 孫子,