読書-思想(東洋):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(東洋)」 に関する記事を紹介しています。


40代から悔いなく生きる中国古典の知恵 (知的生きかた文庫)40代から悔いなく生きる中国古典の知恵 (知的生きかた文庫)

守屋 洋
三笠書房 2011-08-20

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中国史で活躍したとされる、伝説上の堯舜から元代の耶律楚材にいたる人物にまつわる名言やエピソードを1項目当たり見開き2ページで紹介している作品。

『左伝』、『戦国策』、『史記』、『三国志』、『十八史略』、『宋名臣言行録』といった古典の言葉が引用されていて、思想家っぽい人物よりも政治家や将軍タイプのエピソードが多く扱われている。

例えば『三国志』で権謀術数を用いる悪役のイメージが強い曹操の意外な気さくさや、劉邦や李世民といった皇帝と名臣たちのやりとりなどが興味深い。
特に南北朝時代以降はそれまでと比べて日本で知名度の高い人物が少なそうなこともあり、初めて知る話が多かった。

そこから組織で活躍するための心得などを抽出しているという形で、そういう使い方をするのかと思いながら読んでいった。

たまに「このエピソードは教訓として適切なのか?」というところや、しばしば最後の一文で「それに比べて現代は・・・」という嘆きを入れているのはあまり好感が持てない。
前者は好みが分かれるところだろうが、後者だと読者がこれを読んで「そうだ、頑張らないとな」ということにはならないと思っていて、もう少し効果を考慮してほしいところではある。

この手の本を数十冊読んだこともあるためか、1回読むには興味深いが、再読するほどの内容でもないと感じた。






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孔子、老子、韓非子から孫子、尉繚子まで 知っていると役立つ「東洋思想」の授業
孔子、老子、韓非子から孫子、尉繚子まで 知っていると役立つ「東洋思想」の授業
熊谷 充晃
日本実業出版社 2016-11-17

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中国古典「一日一話」 (知的生きかた文庫)


中国の春秋戦国時代に活躍した諸子百家から、孔子、孟子、荀子、老子、荘子、韓非子、孫子、呉子、尉繚子の思想を分かりやすく解説している作品。

それぞれ文献の来歴や構成、著者とされる人物の業績、ポイントとなる言葉の解説、故事成語となった言葉などが書かれている。
この中では特に、著者とされる人物についての話が充実しているように感じた。

知っている話も多いが、春秋時代に活躍した人物(孔子や孫子)とその後の戦国時代に活躍した人物(荀子や韓非子)では経済の発達や国際政治が複雑になったこともあり、より政治的な話が多くなっているという傾向を指摘しているのはなるほどと思った。

この手の作品では扱われることが少ない荀子や尉繚子についてそれなりにページが割かれているのも好感が持てる部分となっている。

それぞれの書物が江戸時代や明治時代に及ぼした影響についても書かれていて、いかに時代を通用する思想となっているかを再認識することにもなった。

ところどころでケアレスミスと思われる記述が散見されるのはマイナスポイントだが、それ以外は入門書としてまずまずの内容になっていると思う。






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現代語訳 論語 (ちくま新書)
現代語訳 論語 (ちくま新書)
齋藤 孝
筑摩書房 2010-12-08

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齋藤孝による、『論語』を現代語訳した作品。
「すっと読めて」「完全にわかる」ことを意識し、白文や読み下し文、解説などはなく、現代語訳のみの構成で書かれている。

用語や背景が分かりにくいところは現代語訳の本分の中に違和感が出ない程度に書かれていて、中国の春秋時代の予備知識があまりなくても読みやすいものとなっている。

文体についてもかなり平易なものとなっていて、孔子が御者を務める弟子のレベルの低い質問に少しいらだったり、多弁な傾向のある司馬牛にやんわりと諭したりと、やり取りの感じがよく出ているように思う。

その分、孔子や儒教では弱いとされていると思われる、政治や礼楽以外の職業の人への敬意があまり感じられないところや、秩序にこだわりすぎるところなども出ていて、『論語』のいい部分もいまいちな部分も出ているようだった。

下に挙げる関連記事で取り上げた作品と同等くらいに、『論語』を現代語訳した作品として優れていると思う。
そこから先は、訳し方や文体の好みということになる。






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よくわかる論語―やさしい現代語訳よくわかる論語―やさしい現代語訳

永井 輝
明窓出版 2001-02

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『論語』をまずは一通り通読してもらうことを重視して現代語訳している作品。
その意図から、白文や読み下し文は入れておらず解説も最小限に抑えていて、現代語訳のみで書かれている。

「仁→人間愛」、「君子→立派な人」、「小人→つまらない人」のように、いかにも儒教っぽい表現をできるだけ一般的な言葉に置き換えていて、読み進めるのが容易になっている。
訳者も本書はあくまで『論語』の入り口になればということをあとがきで書いていて、その試みは成功していると思う。

さすがに孔子や『論語』に関係する本を30冊以上読んできたので、ある程度の感じがつかめるようになってきた。

本書と近いスタンスで現代語訳した作品では、下村湖人訳の『[現代訳]論語』と佐久協訳の『高校生が感動した「論語」』を読んでいて、訳の仕方によって感じが違っているのも興味深い。
私の好みでいくと、下村訳>本書>佐久訳の順になる。

1冊を何度も繰り返して読み返す方法もあるが、『論語』については異なる現代語訳の本や解説書を読む形で読んできたことになる。
まだ何冊か読んでいない『論語』に関連した本を積読しているので、これらも読んでいくつもりである。






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高校生が感動した「論語」 (祥伝社新書)
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佐久 協
祥伝社 2006-06-27

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元高校教師による、『論語』を思い切った形で分かりやすく現代語訳している作品。

原文に書かれていないニュアンスや、補足として語りそうなことを加えて訳しているので、著者が捉えている孔子のイメージが伝わりやすい。

ただ、中途半端に古い言葉、少し前に流行したような言い回しを使っているなどのくせがあるので、好き嫌いは分かれると思う。
(例えば子貢がインサイダーまがいの投機をしていると訳しているのはちょっと言いすぎ)
私としては下村湖人訳の『[現代訳]論語』の方がくせがなくて好みである。

孔子の死後における後継者争いの経緯などを推定しているなどの解説も読みごたえがあり、興味深く読むことができた。






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