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読書-投資一般:雨読夜話

ここでは、「読書-投資一般」 に関する記事を紹介しています。



投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識

ハワード・マークス (著), 貫井 佳子 (翻訳)
日本経済新聞出版社 2012-10-23

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オークツリーというアメリカで長期にわたりリターンを出し続けてきた投資信託会社の創業者による、投資する場合の考え方を20項目にわたって語っている作品。

投資経験のある者として重い内容に感じたのか、読むのにちょっと時間がかかった。

著者が顧客向けに出してきたレターを随所で引用しており、ITバブルや不動産バブル、そしてリーマンショックなどが発生した際に多くの人々がどのような行動をし、著者がどのように考えていたのかが書かれているのが印象に残る。

著者のスタンスは相場がいい時期に大きく儲けるというよりも、相場が悪い時期も損失を抑えて暴落で価格が下がった資産を購入するというもので、長期にわたり続けられてきたのも理解しやすい。

多く書かれているのはリスクに対してリターンが見合っているのか?を判断することや、本質的な価値が分かれば投資の可否を判断できるだろうこと、周囲の状況などから相場のサイクルが楽観的な時期か悲観的な時期かを見極めることなどで、ウォーレン・バフェットをはじめとする多くの投資家たちから絶賛されたのも分かる。

投資を自己資金でやる分には「投資をしない時期」を設けても他人から口出しされることはないが、顧客から資産を預かって運用する投資信託会社の場合はそうもいかないので、かなり大変な仕事だとも感じた。

著者の言うところの「スキルがある」投資家になることはできそうにないが、バブルの時期に一旦それに入っていいのか考えることや、暴落の時期に勇気をもって逆張りを考えることは意識しておきたい。




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日経マネー (編集)
日経BP (2017/12/19)


以前読んだ『楽しみながらがっちり儲かる 優待バリュー株投資入門』の著者である「みきまる」氏など、億単位での利益を上げた個人投資家たちが語った言葉を77紹介している作品。

投資スタンスの違いや、スタンスが違っても通じると思われる話など、投資に関してなるほどと思ったりそうでもなかったりする言葉が収録されている。

やはり利益を上げる人は、しっかりした考え方をしているものなのだろう。

今の私のスタンスとしては、『会社四季報別冊「会社四季報プロ500」』を読んで高配当の銘柄を適当に選んで買う→そのまま保持する→ごくまれに売却する、といういい加減なもので、含み益が一定以上になってから色々と面倒になってこの方法に落ち着いた。

時々この手の投資関連の本を読み、参考になりそうな部分を探すくらいのやる気は残っている。




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奥野 一成 (著)
ダイヤモンド社 (2020/5/28)


農林中央金庫の系列会社で、バフェット流の投資を行う「長期厳選投資ファンド」を運営する人物による、投資の重要性を語っている作品。

内容は「ひふみ投信」の藤野英人氏などの著作と近い内容で、既にこの手の作品を読んでいたらそこまで目新しさはないが、著者の経歴や「長期厳選投資ファンド」の方に関心を持った。

企業の研究をきちんとして売らずに持ち続けたい企業に投資するという考え方は重要だと思う一方で、そこまで時間を割きたくない自分としては、ある程度まで調べたら思い切って適当に個別株を購入する形になっていて、著者からするとダメな投資方法ということになるのだろう。

チャートのテクニカル分析に否定的なのは考えが合う一方、配当に対する考えで異論があったりと、投資についての考え方で合わないところもあるが、的確なところは抑えられているので、読んでおいて損はなかったかと思う。






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井出 真吾 (著)
日本経済新聞出版 (2022/5/11)


近年の情勢の変化を踏まえた上での、資産形成について語っている作品。

まず印象に残ったのは、日本株はこれから上昇トレンドに入っていくので積み立て投資ではなく一括投資の方がいいとしているところで、根拠として日本の株価と、著者が作った「身の丈グラフ」の乖離が小さくなったことを挙げている。

この「身の丈グラフ」というのは株価の適正水準はこれくらい、というグラフで、2010年頃までは 実際の株価 > 身の丈グラフ となっていてバブルとも言える状態だったのが、それ以降は概ね同じくらいの水準で推移するようになったようである。
身の丈グラフの根拠は?とか、身の丈グラフが上がる根拠は何?という疑問はあるが、楽観的な話を読むのは気分的に悪くない。

今後物価が上がっていって預金は実質的に目減りを続けるという見通しについてはその通りだと思っていて、長期投資をすることでリスクとリターンのコントロールをしていくという話は受け入れやすい。

他にもROE(自己資本利益率)をどのように捉えるか?や、ポートフォリオの組み方、リバランスなどの話をしているが、この辺りの話は少し前からチェックするのが面倒臭くなっていてあまり気にしなくなったので、流し読みする形になった。
関心がある人にとっては興味深い内容だと思う。

それなりに参考になる部分もあったので、読んだ意義はあったと思う。





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厚切りジェイソン (著)
ぴあ (2021/11/12)


お笑い芸人でエリートビジネスマンでもある、厚切りジェイソンによる資産運用の本。

基本的な方法として節約して資金を増やす、そしてインデックスファンドで積み立てる、というシンプルなもので、私が初めて知って印象に残ったものは、著者が投資しているというVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)のことくらいで、投資したことがない人や投資の初心者向けの内容となっている。

今のところ諸手続きが面倒なのでアメリカのETFやら楽天の投資信託を購入するつもりはないが、VTIはメジャーなS&P500よりも中小企業を多くカバーしているそうで、このタイプの指数に連動して信託報酬が安い投資信託や国内のETFが出てきたら、投資を検討するつもりである。

同じ事を投資や経済の評論家が書いてもそれほど売れるとは思わないので、現在ベストセラーになっているのはひとえに著者の知名度やキャラクター、語り口などによるものだろう。

基本的な方向性は私が考えている(けど必ずしもこの通りにはやっていない)方法とそれほど差がなく、売れるだけあるいい作品だとは思う。





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