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読書-コミックエッセイ:雨読夜話

ここでは、「読書-コミックエッセイ」 に関する記事を紹介しています。



高田 かや (著)
文藝春秋 (2017/1/30)


先日読んだカルト村(故人の所有をしない社会を目指す農村共同体)で生まれ育ったことを描いたコミックエッセイ『カルト村で生まれました。』の続編。

前作では初等部(小学生相当)の時期を描いていたのに対し、本作では中等部(中学生相当)、高等部(高校生相当)、そして村を出てからの話が扱われている。

思春期ならではのやり取りや、作者が高等部になって配属された東海地方(三重県?)の村の本部での暮らし、世話係とのトラブルなどで高等部を辞めていた時期など、前作と同様に語られていて興味深い。

前作では時代がらもあって世話係から体罰を受けるのが当たり前みたいなところに引いたが、中等部や高等部になると理由の説明もない形での説教?とか隔離?などの描写が出てきて、これもまたきついと感じた。
一般人代表の形で登場する作者の夫も、マインドコントロールではないか?ということを語っていて、カルトの怖さの一端を知ることができる。

このような村みたいな組織があることを知らない不明を恥じていたが、後半でオウム真理教に近いのでは?と思われたり、脱税だか申告漏れだかでニュースになったと書かれていて、調べてみると「幸福会ヤマギシ会」らしいと分かり、2000年頃にニュースで観たことを思い出した。

外部からの先入観を受けずにその中で生まれ育ってきた立場からの話がストレートに描かれていて、本作もまた興味深く読むことができた。





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高田 かや (著)
文藝春秋 (2016/2/12)


平成の時代なのに「カルト村」と呼ばれる農村の共同体(?)で生まれ育った人物による、小学生時代のエピソードを赤裸々に描いたコミックエッセイ。

著者の旦那さんが一般人代表みたいな立場で、感想を入れていくのが世間的な常識と異なることを再認識させてくれる効果を出している。

著者が生まれ育った村は「所有をしない」ことを目指していたもののようで、集団生活、できるだけ自給自足、娯楽も最小限など、このような共同体が平成の時代にも存在していることに驚かされる。

感じとしては社会科の教科書で学んだ記憶がある、旧ソ連のコルホーズ(国営農場)や毛沢東時代の中国で運営されていた人民公社、イスラエルのキブツなどを連想させる内容で、ここの大人たちはどこの政党に投票しているのだろうか?と気になった。

こうした子供たちも小学校は一般の小学校に通っていて、著者がお金などの概念についてしばらくは分からずにトラブルになることが多かったことも描かれていて、やるなら国全体でやらなければ弊害が多いように感じた。

著者にとっては生まれ育った環境で慣れていることや昔話なのでそれほどシリアスに描いていないが、実際はかなりハードな環境だったであることは伝わってくる。

それをほのぼのとしたタッチで重くならないように描いているのは、なかなかうまいと感じた。
続編に『さよなら、カルト村』という作品もあるので、読んでみようと思う。





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スウェーデン出身で日本のアニメや漫画の文化に憧れて日本に在住するようになった漫画家による、日常生活を送る中でスウェーデンと比較して驚いたり感心したりすることを4コマ漫画で描いている作品。

出た頃にチェックしていたのだがすっかり忘れていて、見つけて思い出したので読んでみた。

『日本人の知らない日本語』のシリーズでも扱われていた日本語の表記の仕方や話し方の使い分け、婉曲にノーを言う表現(難しい、行けたら行くなど)の外国人から見た分かりにくさ、物価の違いや驚くほど便利な商品の数々など、著者が驚いたり失敗したりしているところをコミカルに描いている。

著者がスウェーデンに帰省した時期の話も扱われていて、夏の白夜で寝れなかったり冬の黒夜(昼でも暗い状態が続く)に滅入ったり、実家の食事なのに食べておなかを壊すなど、著者の日本歴が長くなって体質も日本人的になってきているのが面白い。
また、スウェーデンの社会や文化の一端を知ることができるのもいい。

普段意識しないようなことを新たな視点で楽しく認識できる作品なので、続編も読んでみたいところである。








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父70歳、母69歳、娘40歳と現代に比較的いそうな沢村さん一家の日常を描いたコミックエッセイの第4作。

正月や大晦日のように季節のネタはしばしば出てくるが、その期間を過ぎても当然年を取ることはないわけで、サザエさんを連想してしまう。
読んでいる限りだと登場人物たちは健康で大きな悩みもなさそうなので、ある意味うらやましくもなる。

四朗が絶賛した白和えが実はいただきものだったために夫婦げんかになったり、典江がヒトミに独身いじりをチクリとやって怒られるシーンなどが面白い。

1冊に1話くらいの登場頻度というレアキャラだが、ヒトミの職場にいる「経理部のアイドル白鳥さん」も本作で登場しているのもくすっとしてしまう。

安定して楽しめるシリーズなので、著者の他の作品も読んでみようかと思う。






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父・四朗(70)、母・典江(69)、娘・ヒトミ(40)の沢村さん一家を描いたコミックエッセイの第3作。
タイトルにあるように四朗と典江が函館旅行したり、ヒトミが沖縄旅行に行ったりしているがほんの一部で、基本的には先日読んだ『沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳』と同様の日常を描いた話が中心になっている。

四朗が自分史を執筆していたり、昔の話をすると典江が四朗に言い放つ「今だから言うけど」の攻撃力、ヒトミが「もう・・することはないかもしれないし」といったセリフの重さなど、第1作からさらに設定が充実していっていることを感じる。

基本見開き2ページで2+4+4+4の14コマという構成が長くも短くもなく、ゆったりした感じで読むことができる一因なのかもしれないとも思っている。





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