読書-歴史(日本:中世以降):雨読夜話

ここでは、「読書-歴史(日本:中世以降)」 に関する記事を紹介しています。


地図で読む戦国時代: 90分でわかる!乱世から統一へ「150年の軌跡」 (知的生きかた文庫)
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「歴史ミステリー」倶楽部
三笠書房 2015-01-22

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足利義教誕生から大阪夏の陣にかけての時期を対象に、戦国時代における合戦の布陣図や勢力図など、地図を用いて分かりやすく解説している作品。

多くの項目では見開き2ページで右側が解説文、左側が地図と言う構成になっていて、重大な事件を扱ったところだとそれぞれさらに1ページずつ追加して4ページとなっている。

(第四次)川中島の合戦や長篠の合戦のように布陣図が有名なものはそれほどの感想はないが、人取橋の戦いや高城川の戦いのように中央とはあまり関係がなくてマイナーと思われる合戦などは新たな知識を得ることになって興味深い。

また、上杉謙信VS北条氏康や伊達政宗VS反伊達連合(蘆名や佐竹)におけるそれぞれの勢力に属する国人や城の分布図が扱われていて、やはり地図で表現されていると分かりやすい。

合戦だけではなくて鉄砲伝来やキリスト教の布教、甲駿相三国同盟といったトピックも地図が用いられていて理解が進む。

解説文はその事件のことを知らない人向けという形で書かれていて、既に知っている話であれば地図だけ眺めて文章は読み飛ばしてもかまわないと思う。

改めて地図があることでいかにイメージがしやすくなるかを感じ取ることができた。
小説などでも、もっと地図が用いられてもいいと思う。






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明治維新 1858-1881 (講談社現代新書)
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坂野 潤治 大野 健一
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日本が幕末期の開国から明治期の国会開設で近代化のひと段落がついた時期にかけてそれほど悪くない状態で乗り切ってきたことについて、当時の支配階層で「柔構造」が形成されていたためではないか?という仮説から明治維新を語っている作品で、歴史学者と開発経済学者という異色の組み合わせで執筆されている。
元々はイギリスの教授からの依頼で日本を含めた開発の比較をするために書かれた論文を、一般向けに加筆・再構成したものという。

この柔構造というのは以下に大別した4つのグループが対立したり協定を結んだりして、方向性の異なるさまざまな政策を実現していったことを指していて、例えば第二次大戦後に東アジアなどで多く見られた開発独裁などとは様相がかなり異なると指摘している。
  • 富国:大久保利通など
  • 強兵:西郷隆盛など
  • 憲法:木戸孝允など
  • 議会:板垣退助など
それぞれのグループの中にも保守派と革新派、手本とすべき国の違いなどもあり、さまざまな人物がくっついたり離れたりしていることが書かれている。
これを混乱していると書かれることが多いわけだが、本書では積極的に評価している。

こうした体制が成立した背景はというと、幕末に多くの藩で藩士たちが藩内で議論を深めたり他の藩との外交することで藩を超えたグループを形成するなどしたことが書かれている。

その中でも考え方の違いを越えてまとまりがあった薩摩、そして政争で主導権を握った派閥が前の派閥の政策をあまりひっくり返さなかった長州がリードした要因だとしている。
例えば薩摩では西郷、大久保、小松帯刀、吉井友実、伊地知正治らが考え方の違い(例えば伊地知は武力倒幕に反対で徳川慶喜の新政府への参加を主張)を越えてまめに連絡を取り合いながら自由に行動できたことが書かれている。

一方、執政の吉田東洋が暗殺されてから武市瑞山ら勤王党が失脚するまで後藤象二郎らが出てこれなかった土佐、重要な時期に横井小楠や由利公正らが干されていた越前、藩主のリーダーシップが強くて藩士間のまとまりが弱かった肥前などは、こうした部分で後れを取ったという。

そして明治を準備した江戸時代の社会、さらには梅棹忠夫の『文明の生態史観』なども用いて日本の地理的な条件も含めて話を展開している。

開発経済学者も明治について語っているだけあって、歴史学者の著作では出てこないような表現や概念も出てきて、思っていた以上に興味深く読むことができた。もっと売れてもいいと思う。






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古地図から読み解く 城下町の不思議と謎
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山本 博文
実業之日本社 2017-11-10

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日本各地の大きな城下町を現在の地図と当時の地図を対比させ、城や城下町を建設する際になされた工夫や、その後どのように変化していったかなどを紹介している作品。

三大都市圏である江戸城、名古屋城、大坂城の城下町、姫路、伊予松山、松本、松江といった天守閣が現存する城下町、小田原、福岡、熊本、鹿児島といったその他紹介しておきたい城下町といった分け方で構成されている。

読んでいくと名古屋城、大坂城、松江城、熊本城などは、NHKで放送中の教養バラエティ番組『ブラタモリ』で紹介された話も多く出てきて、思い出しながら読んでいくことができた。

城下町の建設にはセオリーがあったようで、三方向は天険でもいいが町を建設するために少なくとも1方向は平地に面していること、その方向が防御力が低い点は家臣の屋敷や寺院を建設することでカバーすること、寺院なら何でもいいわけではなく一向一揆で苦しめられた一向宗(浄土真宗)の寺院は外すこと、堀はできるだけ海や河川、運河とつないで物流の便を良くすることなどで、大名たちがお互いに設計方法を参考にしたのだろうと思った。
特に加藤清正、黒田官兵衛、藤堂高虎といった築城の名手とされた人物による城は、構造を多くパクられたのではないかと考えている。

それぞれの城下町ならではの特長も書かれていて、例えば熊本城ではあえて街道が城下町を経由するようにして島津の大名行列に城の堅固さを見せつけるようにしたり、囲まれると逃げ道がなくなる弱点を持つ犬山城では城下町の中心に町人の居住区を置いて惣構えと武家屋敷で囲む構造になっていたりと、地形や政治的意図からなされた土木工事が興味深い。

現在と当時で対比した地図があると理解しやすく、この手のことへの関心がさらにかきたてられる作品だと思う。






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徳川四代 大江戸を建てる! 驚きの江戸の町づくり (じっぴコンパクト新書)
徳川四代 大江戸を建てる!  驚きの江戸の町づくり (じっぴコンパクト新書)
河合 敦
実業之日本社 2017-09-08

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徳川家康・秀忠・家光・家綱の4代にわたる江戸のインフラ建設を中心に、江戸・東京の歴史を解説している作品。

関東が元々反骨精神旺盛な武士の土地であることや江戸氏の話、室町当時は江戸湾に流れ込んでいた利根川を境に古河公方と関東管領の上杉氏の勢力が分かれていたこと、太田道灌による江戸城築城の話が序盤でなされている。

その後北条氏による支配を経て家康が江戸に入部することになるが、家康は豊臣政権時代は伏見や名護屋にいることが多く、将軍を秀忠に譲った後は駿府に移っていて、江戸に住んでいた期間が短いという話はインパクトがある。
また、江戸を根拠地にした理由には秀吉から勧められたという説があるが、別の史料では家康は浦和を本拠地にしようと視察したところ水運の便が悪かったので江戸に変更したとあり、小田原や鎌倉が候補に出てこないのは過去のしがらみが少ない新興都市を意図していたのかもしれないと思った。

そこから、利根川などの河川がしばしば氾濫したり、低湿地が多くて飲料水が得にくい江戸を改造していく話になっていく。
このあたりは竹村公太郎氏の著作や門井慶喜氏の小説『家康、江戸を建てる』でも書かれている話がなされている。

例えば大久保忠行(主水)や玉川兄弟による上水道の建設、江戸湾に沿って造られた新川や小名木川のような水路、関東郡代を務めた伊奈氏による利根川の東遷工事、明暦の大火を受けての都市拡大や防災対策などが書かれている。

将軍の代ごとに分かりやすく記述されていて、興味深く読むことができた。






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学校では教えてくれない戦国史の授業
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井沢 元彦
PHP研究所 2015-08-25

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井沢元彦による、室町幕府成立から戦国時代、そして本能寺の変までを著者ならではの歴史観で解説している作品。
先日読んだ『学校では教えてくれない戦国史の授業 秀吉・家康天下統一の謎』の前作に当たる。

信長が始めるまでは誰も発想しなかった身分の壁を超える工夫、身分や宗教、血筋、規制といった制約が根強く残っていたという条件、農兵と常備兵の長所と短所、寺院が絶大な経済力と武力を持った集団だったことが見過ごされがちということなどが印象に残る。

身分の壁については斎藤道三と息子の義龍が戦った際に家臣の多くが土岐家の血を引くとされる義龍についた事例を挙げ、信長がこれを避けるために足利義昭を担いだ事情についての話が分かりやすい。

信長が比叡山焼き打ちをしたことに対しては作家の藤沢周平やそれに乗っかった評論家の佐高信などから非難されているが、比叡山は平和な寺院ではなく宗教をかかげた武装集団なので正規軍同士の戦いでしかないと誤解を指摘している。

そしていかに中世の宗教団体が戦闘的だったかの例として、比叡山が法華宗(日蓮宗)に論争で負けたことを逆恨みして法華宗の寺院を焼き打ちして多くの法華宗信者を殺害した「天文法華の乱」を挙げている。
これは応仁の乱よりも被害が大きかったという話には驚かされる。

法華宗にしても安土城で浄土宗の代表と論争をして負けたという「安土宗論」は信長による八百長だったとされることがあるが、そう主張する僧侶の論文に書かれた矛盾を指摘し、さらに浄土宗の僧侶にもそれを指摘した話には笑ってしまった。
これを読む限りだと単純に法華宗の僧が浄土宗の僧からの問いに答えられなかった時点で負けということになる。

他にも長篠の合戦で鉄砲によって織田・徳川軍が武田軍に大勝した背景には「馬が聞いたことがない鉄砲の轟音で暴れた」という説を語っているのが興味深い。

本作では戦国時代のおける宗教に関する話が特に印象に残り、なかなか面白かったと思う。





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井沢 元彦
PHP研究所 2017-03-03

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井沢 元彦
PHP研究所 2013-02-05

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