読書-SF(日本:短編集):雨読夜話

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どこかの事件 (新潮文庫)
どこかの事件 (新潮文庫)
星 新一
新潮社 1986-10-28

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星新一による、21編のショート・ショート集。

夫の寝言で恨みによる殺人計画が語られて妻が聞いているしかない表題作の他、
  • 金と暇のある老婦人がある経験をする「入会」
  • ある会社の社員が売上金を突然失うことから事情が分かってくる「消えた大金」
  • ぱっとしない男が悪魔と出会って契約するかどうか悩む「お願い」
  • 期待外れとされる会社員がある話を持ちかけられる「企業の秘密」
などが収録されている。

星作品の前半によく見られるあっと驚く展開の作品あり、後半で目立つ少しシュールだったり妙な読後感を抱かせる作品ありと、著者の作品の面白さを楽しむことができる。

この中では一見うまくいっていたりいなかったりする事態の別の側面が分かる作品や、ドタバタに近い展開の作品が特に良かったと思う。






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ありふれた手法 (新潮文庫)
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星 新一
新潮社 1990-11-27

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星新一による後期に書かれた30編のショートショート集。
久しぶりに読み返してみた。

口下手で自己アピールが苦手な料理人がある青年に出会って自分を変えられるか試みる表題作の他、想像力豊かなアトランティスの王が国の終わりを神に告げられてからの行動を描く「レラン王」、著者の『できそこない博物館』で検討されていたアイデアが一部形になったのではないかと思われる「忘れ物」、著者の作品でしばしば見た題材を使用した「サイドビジネス」など、全く古びていないことに改めて感心する。

後期の作品ということで、鋭さよりももやもやした感じを狙ったような作品が多いところは『夜のかくれんぼ』などと共通している。

著者によるあとがきでは、自身がいかにして作品の構想を得ているかや、そうした構想をいかに形にするかという話をしているのも興味深い。
せっかく思いついたアイデアを生かせなくなければ意味がないので、小話を覚えたりストーリーの要約などを行うことで、ストーリーを作るコツを得ることが重要というあたりも作家志望の人にとっては役立つ部分かと思う。

やはり、星作品は深くて面白い。






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星 新一
角川書店 2008-01-25

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星新一による、SF落語という感じで書かれた短編集。

アダムとイブが現代に出現する表題作をはじめ、「オオカミそのほか」「戸棚の男」のように必ずしもSFっぽさが強くない作品、「ふーん現象」での会話の絶妙さ、「所有者」で事態がエスカレートするところなど、落語の要素が随所で感じられる作品が収録されている。
「心残り」などはばかばかしさが強すぎて逆に星作品らしくない感じすらしている。

そして「所有者」は、中学生の頃に読んだ少年向けのSF小説アンソロジーである『果てしなき多元宇宙』に収録されていることでも印象に残っていて、懐かしい気分になった。

著者によるあとがき、そして著者と親交の深いSF作家の一人である平井和正による解説「星さんへのファンレター」もなかなか読みごたえがある。

あっというどんでん返しや何とも言えない読後感の残る作品もいいが、こうしたあっけらかんとした感じの作品も楽しい。




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ごたごた気流 (角川文庫)
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星 新一
角川書店 2007-09-25

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星新一による12編の短編集。

スクープを撮るために作られた装置をめぐるドタバタ劇である表題作の他、いい話と思わせてじわじわ気持ち悪さがくる「品種改良」、落語のようなやり取りや展開をしている「見物の人」「まわれ右」「条件」、初期の作品に近い感じの「追求する男」「追跡」など、バラエティ豊かな作品集となっている。

巻末には著者へのインタビューが収録されている。
キャリア前期でオチが明確なショートショートが多かった背景にはマイナーな分野だったので明確なオチと分かりやすさを重視して書いたこと、そしてキャリア後期で少し不条理なストーリーの短編が増えたのは企業のPR誌が減ったりオチが明確な作品にするのに少し飽きたためなどと語っていて、作風とそうなった理由についての話が面白かった。

久しぶりに読み返して懐かしく感じる作品、覚えていなくて新鮮な気持ちで読んだ作品ありで楽しめた。




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夜のかくれんぼ (新潮文庫)
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星 新一
新潮社 1985-10-29

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星新一による28編のショートショート集で、比較的後期の作品に当たる。

鏡明の解説にも書かれていたが、前期から中期にかけての星作品では最後にあっと驚くような結末をつける切れ味の鋭さが目立っていたが、後期の作品ではそうした作品もある一方で、奇妙な雰囲気のまま終わらせるような作品も多くなっている。

「背中の音」「黄色い薬」「自信」などがそうしたタイプの作品に当たり、普段生活している世界が必ずしも固定したものではないのかもしれないという感じを受ける。

他にも落語のような展開をする「うすのろ葬礼」「つきまとう男たち」、フレドリック・ブラウンのある作品や著者の『盗賊会社』に収録されている作品とちょっと感じが似ている「悪の組織」なども面白かった。

今はもう少し、後期の星作品を何冊か再読してみたい。




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