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読書-思想(西洋):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(西洋)」 に関する記事を紹介しています。




西洋で戦争について書かれた代表的な書物でありつつ、難解なことでも知られるクラウゼヴィッツ著『戦争論』のポイントを分かりやすく解説している作品。

敵を圧倒するまで続ける絶対戦争と諸般の事情でそこまでいかない制限戦争(現実の戦争)の違い、そのギャップを生み出す「摩擦」やギャップを打ち破る「軍事的天才」など、独自の用語も交えて解説されている。

戦術をガチガチに決めると将兵が臨機応変に動けなくなったり、防御が攻撃に勝ること、相互作用として新たな戦術も真似されたり対策を立てられてしまうなど、戦争に限らずスポーツやゲームにも応用できそうな話も多い。

特にサッカーで例えると理解しやすいような気がするし、ヨーロッパのサッカーチームの監督でも『戦争論』を愛読している人もけっこういるのではないか?と思った。

政治と戦争の関係についても書かれていて、クラウゼヴィッツは政治が優先だとしていたのが、ドイツ統一戦争の鮮やかな勝利で『戦争論』を広めたプロシアの参謀総長・モルトケが戦争が優先(戦争中は政治家は口出ししないで欲しい)と意図的に誤読?したことがその後のドイツ第2帝国の崩壊、さらにはそれを真似した大日本帝国で統帥権干犯問題から軍部の暴走を招いたことも扱われている。

他にもクラウゼヴィッツが活動していた時代の話や彼の生涯、現在の戦争でも応用できる部分が多いことなども書かれていて、参考になる作品だと改めて感じた。






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60分で名著快読 マキアヴェッリ『君主論』 (日経ビジネス人文庫)
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河島 英昭
日本経済新聞出版社 2016-07-02

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マキャベリの『君主論』について、マキャベリの生涯や活躍していた中世イタリアの政治状況、『君主論』がその後どのような評価を受けてきたかなども含め、分かりやすく解説している作品。

著者の河島氏は岩波文庫版の『君主論(岩波文庫)』を翻訳していて、これは原文に忠実さを重視したためか少し分かりにくかった記憶がある。

この点を自覚していたり批評を多く受けたりしたのか、本書では国の政体による統治の仕方、君主としてすべきことやしてはならないこと、組織を運営していくに当たっての注意点などを図解を多用してかなり分かりやすく書かれている印象を受けた。

粛清や増税のような不人気な政策は最初に1回で済ませてしまうのが望ましく、恩賞のように人気取りの政策は小出しに出していくというくだりは、先日読んだ行動心理学の本である『不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」』に書かれていた内容と驚くほど通じている部分であり、マキャベリが人間の心理を熟知して書いていることが分かってくる。

本書は思っていた以上に丁寧に書かれていて、現代語訳した作品と合わせて読むことでより理解が深まる1冊だと思う。






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関連タグ : マキャベリ,

ウォーレン・バフェット 賢者の教え―世界一投資家思考の習慣 (経済界新書)
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桑原 晃弥
経済界 2011-06-01

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少し前に読んだ『ウォーレン・バフェット 成功の名語録 世界が尊敬する実業家、103の言葉』『1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則』と同じく、世界有数の投資家であるウォーレン・バフェットの言葉とエピソードを紹介している作品。

著者も同じなのでかぶるといえばかぶるが、再読するとは限らないわけで、似た作品を読む意義はある。

本書ではバフェットの家庭事情や経営するバークシャ・ハザウェイ社の後継者に関する話、ビル・ゲイツなどバフェットから栄光を受けた経営者たちの話などが印象に残る。

ミセスBとかジャック・バーンといった個性豊かで魅力的な経営者たちは、『マンガ ウォーレン・バフェット 世界一おもしろい投資家の世界一もうかる成功のルール』でも印象に残っていたので、「そうそう、こんな人たちがいた!」と思い出したりもした。

読みやすい構成でバフェットの考え方やスタイルを知ることができる、なかなかいい作品だと思う。






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どう生きるか、どう死ぬか「セネカの智慧」
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ルキウス・セネカ (著), 齋藤 孝 (巻頭エッセイ), 山本 ゆか (翻訳)
三笠書房 2011-03-26

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古代ローマ帝国で暴君として知られる皇帝ネロの家庭教師として初期の善政に貢献し、その後暴君振りを発揮したネロによって自殺に追い込まれた哲学者のルキウス・セネカの著書『人生の短さについて』と『心の平静について』を分かりやすく現代語訳した作品。
明治大学教授の齋藤孝氏が、巻頭エッセイを書いている。
(知名度を利用する目的というのが見え見え・・・)

『人生の短さについて』はパウリヌスというローマ帝国の官僚を務める友人に宛てた手紙で、人は人生の時間をいかに他人のために使ってしまっているかや、有意義に人生を送るためには今を一生懸命生きることの大切さを説いている。
ちょっとストイックすぎる気もするが、これは当時の上流階級としての矜持があっての話なのかもしれない。

例えば初代皇帝のアウグスティヌスが「自由な時間がほしい!」と嘆いていたらしく、地位や責任が上がればそれだけ自由に使える時間は減り、このあたりは庶民の方が時間に関してはましなのかもしれない。
もっとも、奴隷制度のあった時代の話であってセネカは一般大衆の話をほとんどしていない。

『心の平静について』は、弟子で友人でもあるセレヌスからの相談に答えたもので、もやもやした不安に対して取りうる考え方を語っている。

自分の能力を把握して物事に当たることや、付き合う人間を選ぶこと、失うことよりも得られないことの方が耐えやすいことなど、この手の話は時代を経ても変わらないと思わされる。

もう少し趣味や娯楽への理解があってもいいんじゃないか?という気もするが、繰り返し読むとより考えが深まるのではないかと思う。
塩野七生の『ローマ人の物語』シリーズに登場した偉人のエピソードが扱われていたのも、なぜか親近感が出て良かった。






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1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則 (1分間シリーズ)
1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則 (1分間シリーズ)
桑原 晃弥
SBクリエイティブ 2012-12-26

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投資家として有名なウォーレン・バフェットが語った言葉を、1分間で読めるよう1項目当たり見開き2ページで88項目という構成で紹介・解説している作品。

著者もテーマも同じ作品である『ウォーレン・バフェット 成功の名語録 世界が尊敬する実業家、103の言葉』と重なる話も多いが、文章も異なるし体裁にも差があるので、続けて読んでも問題ないと思う。

上記の作品ではバフェットの交友や出来ることと出来ないことの区別、無理をしないことなどが印象に残ったが、本書ではバフェットが故郷のネブラスカ州オマハという地方(日本だと岐阜市くらい?)に住んでいてウォール街の雑音があまり入らないようにしていることや、ウォール街の強欲なディーラーたちが過大なリスクのある金融商品を売りまくったり道徳的に問題の多い行動をしていることへの問題意識、持つものが持たざるものに対する義務といった考え方などが印象に残る。

また、自伝を書かない理由として、楽観主義者だからこれからが今までよりもさらにいい時期になると思っているからという趣旨のことを語っていて、いい考え方だと思う。

本書もまた、バフェットのことを知りさらに類書を読もうというモチベーションを与える1冊だと感じた。






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