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読書-伝記(世界):雨読夜話

ここでは、「読書-伝記(世界)」 に関する記事を紹介しています。





ローマ史を専門とする歴史学者が、2012年~2013年初めにかけて産経新聞のコラムとして連載していた51人分の人物評伝をまとめた作品。
1人当たり4ページという構成で読みやすい。

コラムという性質と時代背景から、3.11後の話や民主党政権の話、著者が好きな小沢一郎の話なども入っていて、好きではないがこれは仕方がない。

扱われている人物はカエサルや曹操、明治天皇のように多くの人が選ぶであろう人物もあるが、少し変化球みたいに思われるチョイスや、著者が競馬好きなためかダービーの語源となったダービー卿を選んだりしているなど、著者による偏りも面白い。

中でも、下記のような人物が印象に残った。
  • 十字軍の時代に外交交渉でエルサレムの引き渡しを実現したフリードリヒ2世とアル・カーミル
  • 五代十国の時代に複数の皇帝・王朝に数十年の間宰相として仕え続けた馮道(ひょうどう)
  • モンゴル帝国から(イスラム勢力を共通の敵とする)西欧諸国へ使節として派遣されて外交に当たったネストリウス派キリスト教僧侶のバール・サウマー
  • ナポレオン3世の時代、現在に続くパリの美しい街並みを整備したジョルジュ・オスマン
  • 国内の様々な勢力から嫌われながらも、イタリア統一に最大の功績があった首相のカブール

世界史で人物を約50人選ぶと人によって大きく差が出るものなのだろうと思いながら、興味深く読んだ。






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1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 人物編
デイヴィッド・S・キダー (著), ノア・D・オッペンハイム (著),
パリジェン聖絵 (翻訳)

文響社 2019/4/12



『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』シリーズの第2作で、人物編。
365人の簡単な伝記みたいな構成になっていて、指導者、哲学者・思想家、革新者、悪人、文筆家・芸術家、反逆者・改革者、伝道者・預言者の7つのカテゴリーに分けて輪番で紹介されている。

「アメリカ人がアメリカ人向けに書いた」本という性質上、アメリカ人が多くなるのは当然で、特にモルモン教やクエーカー教のようなアメリカで生まれたキリスト教系の新興宗教の創始者や、黒人や女性の地位向上に尽力した活動家たち、マフィアや暗殺者、爆弾犯、詐欺師のような悪人などが印象に残った。

中でも作品や研究実績を知らなければ理解しづらい哲学者や作家、科学者などと違い、悪人はやったことがある意味明快なので、どうしても読むところが多くなった。
言葉は知っていたが詳細は知らなかった「バウンティ号の反乱」や「切り裂きジャック」などの話も扱われていて、悪人列伝みたいな本の方が売れるような気もする。

選ばれた人物では思った以上にイスラム圏の人物が多かったり、中国や日本の人物が少ないのが予想通りだったりした。
選ばれていてもおかしくないのに選ばれていない人物ではエジソン(同時代のグラハム・ベルやニコラ・テスラは入っている)やキング牧師、ヒトラー(ムッソリーニは入っている)、ポル・ポトなどが挙げられ、その編集意図がどうなのかも興味深い。

扱われている人数が多くて一読しただけで覚えられるものではないが、どのような人がアメリカ人から見ると有名なのかの一例として知ることができる。






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30の「王」からよむ世界史 (日経ビジネス人文庫)
本村 凌二 (監修), 造事務所 (編集)
日本経済新聞出版社 2018/6/2



古代から近代にいたる30人の王、皇帝、スルタンなど呼び名はさまざまだがその時代を代表する君主たちの業績を紹介・解説している作品。

アッバース朝のハールーン・アッラシードのように多分初めて知る人物、アルフレッド大王やオットー大帝のように名前は読んだことがあるが具体的な業績を知らなかった人物、ロシアのニコライ2世のように亡国の君主など、選び方にそれなりの独自性があるのが興味深い。

ハールーンが『千夜一夜物語』で助さん格さんを従えた水戸黄門のような役で登場していたり、「ヨーロッパの祖母」と呼ばれていたのは『世界史の10人』で扱われていたアリエノールだけでなく大英帝国時代のヴィクトリア女王もだったなど、興味深いエピソードも多く扱われている。

戦争や外交、家臣の登用、他の王族との争いなど、王家につきものの出来事が多く書かれていて、単なる英雄の話とは異なることが伝わってくる。

題材としてはまずまずだと思うが、構成や書き方は少し特徴に欠けているような気がしないでもない。





「王室」で読み解く世界史
宇山 卓栄
日本実業出版社 2018/12/20


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本当は偉くない?世界の歴史人物 世界史に影響を与えた68人の通信簿 (SB新書)
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八幡 和郎
SBクリエイティブ 2013-08-17

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世界史上の人物を68人ピックアップし、十段階評価で偉人度と重要度(歴史に与えた影響度)を評価した上で解説している作品。
日本からは明治天皇と池田勇人の2人が選ばれている。

知っている人物もあまり知らない人物も入っていて、人物評にしても著者の意見や好き嫌いが色濃く出ていて通説とは異なっているが、それくらい思い切った評価でなければ特徴が出ないのでいいと思う。
ただ、なぜそのような評価になったのか?という部分の説明が消化不良に感じるのは、1人当たりのページ数に限界があるためだろう。

偉人度では最高の10にリンカーン、ルイ9世、リシュリュー、ドロール(欧州委員長)、ビスマルク、康熙帝の6人を挙げていて、最低の1がヒトラーになっている。
いい人だけど無能っぽいルイ16世がヒトラーより少し高い3になっているところを見ると、能力だけでなく人格も合わせての評価ということになるのだろうか。

初めて知った人物、名前だけは知っているがどんな人物かは知らなかったケースなどもあり、そこそこ興味深く読んだ。






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世界史上の人物たちの事跡から、失敗を避けて成功に至るための法則やヒントを紹介している作品。

ナポレオン、ビスマルク、東郷平八郎、劉邦、劉備、秀吉、家康といった偉人たちが実施したことから不遇な時期の過ごし方、戦略と戦術の違い、勝ち続ければいいというものではないことや敵を追い詰めることの危険など、『孫子』や『論語』のような思想書に書かれているようなポイントが書かれていて分かりやすい。

ダメな例も多く扱われていて、小モルトケ、ペタン、ハンニバル、秦の昭襄王、上杉謙信など、分かりやすい失敗をした人物から、世間的には英雄や名君とされる人物の失敗を書かれていて、しくじり先生みたいに読むこともできる。

特に、秦の昭襄王(始皇帝の曽祖父)は秦がイケイケで領土拡大していた時代の王だったので何となく名君と思っていたが、范雎のような家臣による大将軍・白起に対する讒言を受け入れたなど、家臣たちに振り回されたことが書かれていて確かにそうした面もあると納得した。
「遠交近攻」策で知られる范雎にしても、著者はかなり辛辣に評価している。

ビザンツ帝国、オスマン帝国、プロイセン、サファヴィー朝ペルシアといった世界史の教科書で登場することが少なくて知名度が低くなりがちな国の人物もけっこう取り上げられていて、このあたりもいいところだと感じる。

事例を出して分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。






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