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読書-伝記(世界):雨読夜話

ここでは、「読書-伝記(世界)」 に関する記事を紹介しています。


本当は偉くない?世界の歴史人物 世界史に影響を与えた68人の通信簿 (SB新書)
本当は偉くない?世界の歴史人物 世界史に影響を与えた68人の通信簿 (SB新書)
八幡 和郎
SBクリエイティブ 2013-08-17

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世界史上の人物を68人ピックアップし、十段階評価で偉人度と重要度(歴史に与えた影響度)を評価した上で解説している作品。
日本からは明治天皇と池田勇人の2人が選ばれている。

知っている人物もあまり知らない人物も入っていて、人物評にしても著者の意見や好き嫌いが色濃く出ていて通説とは異なっているが、それくらい思い切った評価でなければ特徴が出ないのでいいと思う。
ただ、なぜそのような評価になったのか?という部分の説明が消化不良に感じるのは、1人当たりのページ数に限界があるためだろう。

偉人度では最高の10にリンカーン、ルイ9世、リシュリュー、ドロール(欧州委員長)、ビスマルク、康熙帝の6人を挙げていて、最低の1がヒトラーになっている。
いい人だけど無能っぽいルイ16世がヒトラーより少し高い3になっているところを見ると、能力だけでなく人格も合わせての評価ということになるのだろうか。

初めて知った人物、名前だけは知っているがどんな人物かは知らなかったケースなどもあり、そこそこ興味深く読んだ。






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最強の成功哲学書 世界史
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神野 正史
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世界史上の人物たちの事跡から、失敗を避けて成功に至るための法則やヒントを紹介している作品。

ナポレオン、ビスマルク、東郷平八郎、劉邦、劉備、秀吉、家康といった偉人たちが実施したことから不遇な時期の過ごし方、戦略と戦術の違い、勝ち続ければいいというものではないことや敵を追い詰めることの危険など、『孫子』や『論語』のような思想書に書かれているようなポイントが書かれていて分かりやすい。

ダメな例も多く扱われていて、小モルトケ、ペタン、ハンニバル、秦の昭襄王、上杉謙信など、分かりやすい失敗をした人物から、世間的には英雄や名君とされる人物の失敗を書かれていて、しくじり先生みたいに読むこともできる。

特に、秦の昭襄王(始皇帝の曽祖父)は秦がイケイケで領土拡大していた時代の王だったので何となく名君と思っていたが、范雎のような家臣による大将軍・白起に対する讒言を受け入れたなど、家臣たちに振り回されたことが書かれていて確かにそうした面もあると納得した。
「遠交近攻」策で知られる范雎にしても、著者はかなり辛辣に評価している。

ビザンツ帝国、オスマン帝国、プロイセン、サファヴィー朝ペルシアといった世界史の教科書で登場することが少なくて知名度が低くなりがちな国の人物もけっこう取り上げられていて、このあたりもいいところだと感じる。

事例を出して分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。






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中国説客(ぜいかく)列伝 (徳間文庫)中国説客(ぜいかく)列伝 (徳間文庫)

守屋 洋
徳間書店 1986-09

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中国の戦国時代に、弁舌の力で活躍した人物を紹介している作品。

主に扱われているのは張儀、蘇秦、范雎(はんしょ)、呂不韋、呉起、田単ら9名で、この時代を舞台とした漫画である『キングダム』でも登場人物や過去の人物として登場している。

彼らの出身国を見ると趙、魏、斉のように中央に近い国の出身者が多く、楚や秦のような辺境の国の出身者が少ないように見える。
これは楚や秦が大国で他国との交流が比較的少ないこと、武力に訴えがちな傾向があるなどの理由から、知略に長けた人物が育ちにくかったのかもしれない。

単純に正攻法で説得を試みると王から反発される可能性が高く、例え話や婉曲な言い回し、相手の心理状況を読み取った上での言動など、さまざまなテクニックを用いたことが伝わってくる。

この点で同時代人だった孟子は正直すぎて、同僚の説客からからかわれているシーンも書かれている。
また、呉起のように仕事熱心すぎて周囲から孤立した人物の悲劇も書かれていて、組織で活動する上での課題と捉えることもできる。

興味深かったのは蘇秦の話で、彼は『史記』は合従策の提唱者として六カ国の宰相を兼任したように書かれているが、『戦国策』などによると燕の密命を受けて斉で謀略活動をしていただけとあり、かなりスケールが小さくなってしまっている。
これは陳舜臣の『中国の歴史(二) 』にも書かれていたように、合従策を推進した人が何人もいて、その業績が蘇秦に集約されたという説が妥当なようである。

本書の元ネタはおそらく『史記』と『戦国策』がほとんどだと思われ、この2冊の関連書を読んでいたので目新しい部分が少なかったが、予備知識があまりない状態で読む分には分かりやすいのではないかと思う。





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大城 太
三笠書房 2017-01-23

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中国知将「一日一話」―練りに練られた「知恵の宝庫」 (知的生きかた文庫)中国知将「一日一話」―練りに練られた「知恵の宝庫」 (知的生きかた文庫)

篠原 央憲
三笠書房 2005-09

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中国史上の23人における知恵や行動力などをピックアップし、『孫子』や『呉子』といった古典の言葉と関連付けて解説している作品。

管仲、無忌(信陵君)、呂不韋、張良、季布のように『史記』の列伝などで扱われている人物、曹操や諸葛孔明、司馬仲達のような『三国志』で有名な人物の話は既に知っていることが多く、あまり響くところはなかった。

ただ、(司馬遷の死後に活躍したために)『史記』で扱われていない霍光の業績や、横山光輝の漫画版『三国志』では孔明と張り合うシーンばかりが印象に残っていた周瑜の戦略などはあまり知らなかったので、興味深く読んだ。

そして西晋以後の時代における王導(東晋の宰相)、石勒(後趙国皇帝)、狄仁傑(てきじんけつ:則天武后の宰相)といった、日本での知名度が低いと思われる人物の話も面白かった。
特に、狄仁傑は多分本書で初めて知った人物だと思う。

ページ数の関係上、それぞれの人物の扱いはポイントを絞ったものとなっている。
面白い話はもっとあるはずなので、あくまで他の本を読む前の入口として読むのがいいと思う。






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春秋戦国時代 武将列伝
春秋戦国時代 武将列伝
Suniwa
双葉社 2014-08-20

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人気漫画『キングダム』に便乗して出されたと思われる、中国の春秋戦国時代の人物を紹介したコンビニ本。
メインは戦国時代の武将だが、タイトルから「春秋」を外すと日本の戦国時代と区別がつかないためか、申し訳程度に孔子や老子、墨子といった春秋時代の諸子百家も収録している。

既に事跡を知っている人物も多いが、
  • 斉の威王と宣王は、実は「威宣王」という1人の王の事跡が分かれて伝わったという説
    (日本で斎藤道三が1人ではなく、父子の2代だったという説の逆)
  • 桓齮(かんき)という秦の将軍が燕に亡命し、荊軻(けいか)による始皇帝暗殺未遂事件に登場する樊於期(はんおき)は同一人物という説
  • 『キングダム』にも軍師タイプとして登場する昌平君という楚の王族出身で秦の宰相に出世した人物が、楚の滅亡に際して楚王に擁立されて秦と戦った話
など、本書で初めて知る話もけっこうあり、興味深い。

『キングダム』に登場するが架空の人物だと思っていた麃公(ひょうこう)や龐煖(ほうけん)が史書に残る実在の人物だったらしいことにも少々驚くとともに、『キングダム』を甘く見てはいけないとも思った。

天下統一を果たした秦には記録が多く残っているだけあって商鞅、張儀、白起、王翦(おうせん)、蒙恬(もうてん)、李斯、李信と人材豊富なのは当然として、隣国で秦との戦争が多かった趙でも藺相如(りんしょうじょ)、廉頗(れんぱ)、趙奢(ちょうしゃ)、平原君、李牧とそこそこ人材がいるように見えるが、秦による離間工作や王との反目によって失脚したり非業の死を遂げる事例が多いなど、王が人材を使いこなせなかった印象が強い。

秦と国境を接していたという条件では趙と同じはずの楚や魏、韓で扱われている人数が少ないように見えるのは、楚では王族・貴族の既得権益が強くて抜擢が少なかったため、魏では戦国時代の初期だけしか有能な君主が出なくて秦で出世した范雎(はんしょ)のように人材が流出したため、韓では単純に国が弱小すぎて活躍のしようがなかったためではないかと考えている。

そして、秦から距離があって直接の合戦が少なかったと思われる燕と斉で扱われている人物が少ないようなのは、秦の記録に残らなかっただけと考えると辻褄は合う。

秦が勝者となったのは、3人に1人くらいは有能な君主が出たこと、外交や法制などの基本方針が継続できていたこと、趙や斉のようにここぞというところで壊滅的な負け方をしていないこと、外国人の登用に寛容だったことなども大きな要因なのだろう。

誤字、誤植、雑な記述があちこちに出てくるのは読んでいて非常に引っかかるが、まずまず楽しめたと思う。






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