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読書-漫画(シリーズ・その他):雨読夜話

ここでは、「読書-漫画(シリーズ・その他)」 に関する記事を紹介しています。


Black Jack―The best 12stories by Osamu Tezuka (1) (秋田文庫)Black Jack―The best 12stories by Osamu Tezuka (1) (秋田文庫)

手塚 治虫
秋田書店 1993-07

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手塚治虫の名作漫画『ブラックジャック』の文庫版の第1巻。

多分以前も読んだはずで、大金持ちの不良息子の手術を依頼された回や、ピノコとの出会いを扱った回、目立たないが実はすごい医者の話、核実験で被爆した画家の話などを思い出すことができた。

作者の友人だったSF作家・小松左京をモデルとしたと思われる「小松佐京」先生が登場していて、見た目や話し方もそれっぽかったのに笑ってしまった。

今回読んでその話が印象に残ったということは、最初に読んだ時は小松左京のことを知らなくて何となく流し読みしたのだろう。

各話のタイトルにも、こだわりが感じられる。





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カミムラ 晋作 (著)
双葉社 (2022/11/10)


作家の椎名誠と書評家の目黒考二が設立した書評誌である『本の雑誌』の来歴を描いた漫画の第1巻。
目黒が書いた『本の雑誌風雲録』と、椎名が書いた『本の雑誌血風録』の2作が原作となっている。

最初に描かれている50代くらいの頃の椎名は似ていると思うが、若い頃の椎名の姿は椎名の著作で写真を見たことがあり、それと比べるとちょっとかっこよく描かれ過ぎていると感じていて、巻末に収録されている本の雑誌社の社員たちとの座談会でも同じことが指摘されている。

目黒は若い頃の姿をあまり知らないので似ているか分からないが、社員たちによるとこちらもかっこよく描かれ過ぎているという。
そして、感じがそのままだという評価だったのがイラストレーターの沢野ひとしで、椎名作品で描かれている自由な変人といった雰囲気が再現されているように思った。

話は椎名が編集長を務めるデパート業界向けの雑誌に、副編集長の菊池仁の紹介で目黒が入社を志望してくるところから始まる。
目黒は菊池いわく「破綻した男」で、重度の活字中毒で、本の次に好きなのがギャンブル、本を買う資金が欲しくて会社勤めをするも、「本が読めないから」という理由ですぐに辞めることを繰り返すエピソードが出てくるのが強烈である。

この2人が本についての話が盛り上がり、目黒が退職した後も目黒から読書感想のレポートが椎名に送られて来て、菊池や周囲の人々も読みたがったことでコピー代や郵送料がかさむこととなり、相談を受けて椎名が雑誌を出すことを提案、さらには双葉社の編集者である本多健治が「おれも一口のせろ!!」と参加を表明したことで、企画が本格的になっていく。

本作では創刊号が出たところまでで、続きは双葉社のサイト「COLORFUL」で描かれていて、面白かったので最新作まで読み進めた。




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藤堂 裕 (漫画), 明智 憲三郎 (原作)
秋田書店 (2017/5/19)


明智光秀の子孫という明智憲三郎氏による『本能寺の変 431年目の真実』に始まる一連の作品をコミック化した作品の第1巻。

原作が面白かったので手に取ったものの、絵のタッチが苦手だったので1巻だけ読んだ。

話自体は原作をストーリー仕立てにしたもので、信長の意外な一面や著者が明智光秀側の立場のために秀吉がかなり悪人面に描かれていることなど面白そうなところもあり、原作を読んでいなければ楽しめたかもしれない。

私にとっては、ノンフィクションタッチの原作の方がいい。





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荒川弘 (著)
スクウェア・エニックス (2002/1/22)


アニメ化や映画化もされた大人気漫画の第1巻。
今まで存在は知っていたものの読んだことがなく、初めて手に取った。

舞台は錬金術が実現されていて、それでいて銃や蒸気機関車などがあるので20世紀初め頃の科学技術レベルにあると思われる欧米に似た世界で、主人公はエドワードとアルフォンスのエルリック兄弟という少年たちである。

2人は錬金術で母親を蘇らせようとした報いを受けてエドワードは右手と左足が鋼のものに、アルフォンスは体全てを失って鋼の鎧という悪魔将軍とかさまよう鎧みたいな姿になっているという設定で、初めから重さがある。

錬金術では「等価交換」(無から有を生み出すことはできない)という思想が随所で描かれていて、2人は失った体を取り戻すために旅をすることで話が進んでいく。

設定がかなり重めのためか、エルリック兄弟のキャラクターを明るくしたり笑いの要素をいれることで、うまくバランスを取っているように感じられる。

まだ第1巻しか読んでいないが、人気作品になっていく話ということは伝わってきた。





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久住 昌之 (著), 谷口 ジロー (イラスト)
扶桑社 (2020/5/31)


先日読んだ『孤独のグルメ1』の続編。

ペルー料理店やパリのアルジェリア料理店のような国際色豊かな回や、静岡での汁おでん、鳥取市役所のスラーメン(うどんのスープ+ラーメン)などの地方ならではの食事、私も以前行ったことがある東大の学食など、幅広い回が扱われている。

前作で出てきた五郎の武闘派な一面は本書でも出てきて、酒が飲めない部下にアルハラを働く客に注意し、逆切れしてきた客をのしてしまうという大立ち回りが描かれているのもポイントとなっている。
食べる場所の雰囲気をあくまでこだわりたいという五郎の思いが伝わってきてしまう。

末尾では、2017年に逝去した作画担当の谷口ジロー氏へのインタビューや、壇蜜による解説文も収録されていてこれらも面白い。





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