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読書-地理・地域:雨読夜話

ここでは、「読書-地理・地域」 に関する記事を紹介しています。





日本史の舞台となった、各地の街道を紹介・解説している作品。

この手のテーマは好きでしばしば読んでいるが当たり外れが大きい印象があり、本書はハズレという感想となる。
著者は古街道研究家ということで知識や経験が豊富なのは分かるのだが、文章や構成の方面の才はいまいちなのかもしれない。

ページの都合もあるのだろうが、街道を著した地図が小さくて3つくらいしか地名が扱われておらず、かなり不満がある。
また、まとめ的に最初の方に日本地図に本書で扱う街道を掲載したものがあるといいのだが・・・と、編集の視点からダメ出しをしたくなってしまった。

類似のテーマの本では、『「街道」で読み解く日本史の謎』の方をおすすめする。






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日本各地の自然が形成した絶景をカラー写真で紹介・解説している作品。

火山活動、プレートの動き、海流や河川による浸食、隆起や沈下などにより、いかに多様な地形が形成されるかが分かるし、ただ写真を眺めているだけでも面白い。

NHKで放送されている『ブラタモリ』でタモリや案内人の方の口からしばしば語られる「柱状節理」などの用語も出てきて、「そうそう、これこれ」と思いながら読んだ。

印象に強く残ったのは沖永良部島の銀水洞や豊岡市の玄武洞、伊豆諸島の青ヶ島などである。
扱われている中で実際に行ったことがあるのは山口の秋吉台と鹿児島の桜島で、また行ってもいいなと思ったりもした。

その場所に行くための交通手段や問い合わせも合わせて紹介されていて、その点も行き届いている。
(交通の便が悪いところも多いが・・・)





日本の地形・地質―見てみたい大地の風景116 (列島自然めぐり)
斎藤 眞 (著), 下司 信夫 (著), 渡辺 真人 (著), 北中 康文 (写真)
文一総合出版 2012/3/3


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九州の19の城下町と長崎を合わせて20の町を、古地図と現在の地勢を交えて変化や由来を紹介している作品。
福岡(と博多)、柳川、秋月、久留米、熊本、八代、人吉、府内(大分市)、中津、臼杵、佐賀、唐津、長崎、厳原、飫肥(日南市)、高鍋、延岡、鹿児島、知覧が扱われている。

城下町の防御力を高めるセオリーはある程度共通しているようで、以下のような記述がしばしば出てくる。
  • 防御施設に転用可能な、寺院や武家屋敷を周囲に配置する。
  • 城下町を通る道路はクランク上に曲げ、わざと見通しを悪くする。
  • 河川や海を堀の代わりに利用し、橋もできるだけ架けない。

個性的な工夫も出てきて、例えばこの辺りが印象に残った。
  • 佐賀や柳川は低湿地にある地理条件を利用し、有事の際は町や城を水浸しにして防衛する仕組みがあった。
  • 熊本城の城内をわざと街道が通るようにして、薩摩の島津家の大名行列などを威圧した。
  • 薩摩藩では外城という砦のような防御施設を100以上築いた。

安土桃山時代から江戸時代にかけて地名変更もしばしばなされていたようで、福崎→福岡や隈本→熊本は知っていたが、財部(たからべ)→高鍋や県(あがた)→延岡の例は知らなかった。
(財部や県は大友氏と島津氏の合戦に関する記述で目にしたような気がするが、具体的な場所がわかってなかった)

変に風景がどうとか観光ポイントがどうといった脇道にそれず、あくまで情報を中心に書かれているところに好感が持てる。
こうしたテーマを扱った作品はこういう構成がいいのだ、と思わせてくれた。






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興味を持って読めて分かりやすい『読むだけですっきりわかる』シリーズの世界地理編。
世界の各地域ごとに、それぞれの国のことを限られたページ数の中でどんどん解説していく。

通常社会科や地理の授業で扱われることが少ない地域、例えばサハラや東アフリカの国々、中南米やカリブ海の国々、オセアニアの島国などについても書かれているのはすごいと思う。

サッカーなどのスポーツに関連付けたり、年配の人にとって分かりやすい呼称(ビルマとかセイロンなど)も合わせて紹介されているのも、読者のことを考えて書かれていることが伝わる。

細かなケアレスミス(東西南北の誤りや中米と中東を書き間違えるなど)が目立つのはいただけないが、それ以外は興味深くてなかなかいい作品だと思う。






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関連タグ : 後藤武士,

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嵯峨育ち、宇治在住の学者による、京都(洛中)の人々による差別意識などを周辺に住む者としての屈折した感情から語っている作品。

洛中とは京都市の中心部のことで、嵯峨、宇治、山科、伏見のように、他の都道府県民からすれば京都そのものと見える土地も、洛中の人からすると「京都ではない周辺の田舎」とされるらしい。
(宮津とか舞鶴とか福知山とか亀岡だったら分かりやすいが)

この傾向は教養ある人、例えば民族学者の故・梅棹忠夫(西陣出身)に著者が尋ねても差別意識を隠そうとしなかったエピソードが紹介されている。
もっとも、さらに中心の人からすると「西陣のくせに生意気」となることも書かれている。

また、宇治出身の悪役レスラーが京都に興行に出て京都出身と語ったところ「お前なんか宇治やないか」、「京都やない」といった罵声を浴びせられた話も味わい深い。

本書には書かれていないが、少し前に京都市出身のアイドルグループのメンバーが京都の見所を紹介するテレビ番組をやっていたことに対し、「木津川出身のお嬢さんが、京都を紹介するの。なれへんのに、ご苦労やな」と皮肉られる話を読んだことがあると思ったら、著者が京都新聞に寄稿した話だった。

このように洛中の人々が中華意識を持つのは、東京の人々が京都を無条件にありがたがることで増長させていることも一因なのではないか?とも指摘している。

他にも坊主が芸者遊びをして文化を担っていると開き直る傾向や、拝観料をがっつり取る寺院(中世のように武力を用いないだけまし?)、寺院におけるホテルとしての歴史的役割や庭園の文化などについても語っている。

大阪がお金にがめついイメージがあるが、京都もやり方がよく言えばスマート、悪く言えば陰湿なだけで、がめついことには変わらないようにも感じる。

京都に対しては、
  • 外国人も含めて観光客が多くて常に混雑している
  • 寺院などが拝観料などをやたらふっかける
  • 「ぶぶづけ」のような文化
  • 地方の人を見下す傾向
など、観念的に好きになれない部分がいくつかあって長らく訪れていない。
(でも、奈良県よりはまだましだと考えている)

本書の続編には官能篇というのがあるが、京都がらみではさらに共産党とか○○とか××といったタブーになる話にも踏み込んでいってほしい気持ちもあるが、危険すぎて書けないか。

京都周辺の人々が思っていてもなかなか書けなかったと思われることを赤裸々に書いていて、なかなか面白かった。






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