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読書-地理・地域:雨読夜話

ここでは、「読書-地理・地域」 に関する記事を紹介しています。



清水秀生 (著), R4320 (イラスト)
TOブックス (2015/7/20)


佐賀にまつわるあるあるネタを208個紹介している作品。
著者は東京出身だが福岡に移住し、奥さんが佐賀県出身ということを書いていて、佐賀県出身の人や佐賀県在住の人が当たり前すぎて意識していないことも多く扱われているように見える。

あるあるネタでは佐賀市周辺のもの、鳥栖周辺のもの、唐津・伊万里周辺のものと地域性があったり、ブラックモンブランやシシリアンライスのような食べ物ネタ、はなわや江頭2:50のような佐賀出身の芸能人ネタなど、知っているものも初めて知るものもありで、楽しく読むことができる。

私が知っていて扱われていなかったのは、井手ちゃんぽん(武雄北方に本店がある人気店)くらいだろうか。

各章のコラムで田舎や移住、県ではなく市の出身と答えることなどについて書いているのもいい。
中でも、例えば都会から田舎に憧れて移住したのはいいが、「思ったほど田舎じゃない」とがっかりしてさらに離島に引っ越した人の話が面白かった。

さらりと読んで新たに知ること、再認識することなどが多くて興味深かった。





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昭文社 旅行ガイドブック 編集部 (編集)
昭文社 (2020/1/30)


福岡県の歴史、地理、交通、産業、文化などについてのトピックを、地図を多用して紹介している作品。

この手の本でたまに地図が少なくて不満を持つことがあるが、本書では地図による位置関係がきちんと書かれているので分かりやすい。

平成筑豊鉄道の面白い駅名(東犀川三四郎駅、今川河童駅、源じいの森駅など)や、筑豊炭田から石炭を運んだ鉄道が現在の日田彦山線などの路線になった話、卑弥呼の墓という説がある糸島市の平原古墳、海の中道にあった雁の巣飛行場など、初めて知る話が多くて非常に興味深かった。

特に印象に残ったのは、筑豊炭田から沿岸部へ鉄道を敷こうとすると遠賀川河口の芦屋町が適切だったが、地元の反対に遭って堀川運河の河口にある若松が選ばれたことで若松の方が栄えるようになったという話で、もし芦屋に駅ができていたらその後の歴史はどのように変わったのか気になる。

福岡市内にはしばしば行くものの、福岡市、北九州市、糸島市、久留米市、柳川氏くらいは泊ったことがあって多少知っているものの、それ以外の筑豊や筑後、豊前といったエリアで知らなかったことが多いことを再認識したし、新鮮に感じるところも多かった。

「ブラタモリ」に近い感じの内容が書かれていて、非常に良かったと思う。






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都会生活研究プロジェクト[関西チーム] (著)
中経出版 (2007/2/1)


他の都道府県の人向けに書かれた、大阪の人々の行動や考え方、望ましい接し方や望ましくない接し方などを50項目にわたって解説している作品。

エレベーターで歩くのが左側とか、阪神へのさまざまな思い、エセ関西弁への嫌悪感など、比較的有名なものから少しずつ知られるようになったもの、あまり知られていないと思われるものなどさまざまで興味深い。

印象に残ったのは繁華街のキタ(梅田や北新地など)に出かける人とミナミ(難波や心斎橋など)に出かける人ではっきり分かれているという話で、少し前からミナミだけでなくキタにも訪れたことで何となく分かるような気がした。
私はミナミほど混雑していない印象があり、商店街や地下街のサイズがちょうどいいと感じるキタの方が好きである。

さらっと読み終えることができる作品で、まずまず楽しめた。






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広瀬 公巳 (著)
文藝春秋 (2019/10/18)


モディ政権になってからのインドの政情を中心に、モディ政権の政策、与党となっている人民党と長らく政権を担ってきた国民会議派の状況、カーストなどのインド独自の難しさ、ライバル国でもあり貿易相手国でもある中国との関係、IT産業が発達した背景、日本はどのように付き合っていくか?などを解説している作品。

モディは商店主の家に生まれた叩き上げの政治家で、特に経済政策での実績を上げていることが読んでいて印象に残った。
そして与党の人民党はヒンドゥー教徒を中心とした政党のようで、現在は他の支持層とのバランスをうまくやってきたと思われる。

モディの政策で一番目を引いたのは、高額紙幣の使用を突然停止したことで、どのように混乱が収拾されたのかがいまひとつ分からなかったのでもう少し知りたいところである。

そしてライバルの国民会議派は多くの支持基盤を持ち、日本の自民党に少し似た性格があるようだが、初代首相のネールに始まるネール・ガンディー一族が指導者を務めていることが多い。
(モディの前のシン前首相は、当時の党首だったソニア・ガンディーがイタリア生まれで国会議員になれなかったための就任)
ただ、一族の指導者が宗教対立に巻き込まれて暗殺されたことや、長期政権への不満などもあったのか現在は野党となっている。

こうした国内の政治的な話の他、トランプ政権の移民制限や入国管理強化などによる影響を受けている話、日本の安倍政権とのやり取りなどが印象に残った。

インドについてはあまり知識があるとは言えない状態だったので、初めて知ることが多くて興味深く読むことができた。






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日本史の舞台となった、各地の街道を紹介・解説している作品。

この手のテーマは好きでしばしば読んでいるが当たり外れが大きい印象があり、本書はハズレという感想となる。
著者は古街道研究家ということで知識や経験が豊富なのは分かるのだが、文章や構成の方面の才はいまいちなのかもしれない。

ページの都合もあるのだろうが、街道を著した地図が小さくて3つくらいしか地名が扱われておらず、かなり不満がある。
また、まとめ的に最初の方に日本地図に本書で扱う街道を掲載したものがあるといいのだが・・・と、編集の視点からダメ出しをしたくなってしまった。

類似のテーマの本では、『「街道」で読み解く日本史の謎』の方をおすすめする。






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