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読書-地理・地域:雨読夜話

ここでは、「読書-地理・地域」 に関する記事を紹介しています。



森岡 知範 (著), 五味 洋治 (著), 角田 陽一 (著), 角田 裕育 (著)
宝島社 (2018/7/26)


東京やその近郊にある地下鉄、地下街、地下道、地下施設、地下水路などについて、101のトピックに分けて紹介・解説している作品。
地下施設の話は結構好きなので、本書も読んでみた。

この手の本を10冊くらいは読んだと思うので知っているものもそれなりにあるが、比較的新しいだけあって知らない話も多く扱われていて興味深く読むことができた。

例えば首都圏外郭放水路のことは知っていたが、正式名称が庄和排水機場で別名が「龍Q館」ということや、環状七号線の地下にも洪水対策のトンネルが存在して東京湾までの延長計画があることなどは知らなかった。
この環状七号線の下にあるトンネルの延長はこれまでの洪水対策が機能したために優先度が下げられたようである。

昨年は多摩川下流域の武蔵小杉などが豪雨による洪水に見舞われてタワーマンションが被害を受けたニュースが報道されていたが、元々は軟弱な地盤の工場用地だったわけだし、さすがに対策が立てられていなかったのだろう。
洪水が起こりそうな場所にマンションを多数建設して災害が起きたら税金で対策を・・・という話になると、理解が得られるのか少々疑問がある。

また、高輪の真言宗寺院の地下に変電所があることは知っていたが、他にもさまざまな場所にこうした地下変電所があって安定した電力供給を支えている話も興味深い。
場所はテロの問題があるので某所とぼかされていて、正しい判断だと思う。

他にも昔の雰囲気が残る地下街や、新たな名所となりそうな地下のスポット、地下の歴史遺産など多くの話が扱われている。

『大東京の地下鉄道99の謎―各駅の地底に眠る戦前の国家機密!』の著者である秋庭俊氏による地下施設に関する疑惑(旧日本軍が地下施設を建設していたのでは?というもの)にも触れているが、秋庭氏みたいに「隠されているから政府は真相を語れ!」みたいなことは書かれておらず、「おそらく当時の経済情勢では無理」とか「真相が明らかになることはおそらくない」とか「そんな施設を作ったら多くの作業員から漏れないとは思えない」など、冷静な意見が書かれていたのが面白かった。

好きなテーマについて新たな知識を得ることができ、読んでよかったと思う。





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ロム・インターナショナル (編集)
河出書房新社 (2004/6/15)


江戸・東京のそれぞれの土地で、かつて何が建てられていてどのように利用されていたかや、近代から現代にかけてどのような変化があって現在に至るかを紹介している作品。

現在は繁華街となっているところ、例えば秋葉原や広尾などが江戸時代は郊外の田園だったり、火除け地として空き地になっていたなど、その変化が大きいことに改めて驚かされる。

また、家康が入ってから埋め立てがなされた土地、各所にめぐらされていた堀や水路、水門や溜池といった地名に残るインフラ工事の話も興味深い。

過去に読んだ作品では『ブラタモリ 17 吉祥寺 田園調布 尾道 倉敷 高知』で紹介された吉祥寺にその名の寺がない理由や、『日本「古街道」探訪 東北から九州まで、歴史ロマン23選』で扱っていた石灰の道(青梅街道)や密貿易にも使用された絹の道(八王子→町田→横浜)の話も出てきて、記憶を呼び起こしながら読んだりもした。

この手の作品にありがちな、図解が不足しているという弱点(おそらくページの都合で難しい)はあるが、広く浅く紹介されていてそこそこ面白かった。





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藤井 青銅 (著)
柏書房 (2019/11/13)


世界各国の国名の由来から、その傾向による分類、日本ではどのような呼び名だったかなどを紹介している作品。

黒い山(ツルナゴーラ=モンテネグロ)のような自然からの命名、オーストリア(東)やアイルランド(西)、ベトナム(南)、北マケドニアのように方角が国名につく事例、アメリカ、コロンビア、ボリビアのように人命に由来した国名など、理にかなっていると思われるものもそうでないものも扱われている。

中には現在その国内にない山や川の名前がついていたり、西インドやニューギニアのように欧米からの「発見者」などから一方的に名付けられた例など、帝国主義時代や領土の変遷などの歴史も多少は知ることができる。
例えばコートジボアールの国名の由来を知ると、複雑な思いになる。

さらに、似た国名の相違や、王国、帝国、共和国、連邦などの国の政体を表す表現の話も興味深かった。

さすがに全部を覚えることはできないが、近年の国名変更(例えばスワジランド王国→エスワティニ王国)やドミニカ共和国とドミニカ国が別に存在することなど、新たに知って印象に残る話もけっこうあった。






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清水秀生 (著), R4320 (イラスト)
TOブックス (2015/7/20)


佐賀にまつわるあるあるネタを208個紹介している作品。
著者は東京出身だが福岡に移住し、奥さんが佐賀県出身ということを書いていて、佐賀県出身の人や佐賀県在住の人が当たり前すぎて意識していないことも多く扱われているように見える。

あるあるネタでは佐賀市周辺のもの、鳥栖周辺のもの、唐津・伊万里周辺のものと地域性があったり、ブラックモンブランやシシリアンライスのような食べ物ネタ、はなわや江頭2:50のような佐賀出身の芸能人ネタなど、知っているものも初めて知るものもありで、楽しく読むことができる。

私が知っていて扱われていなかったのは、井手ちゃんぽん(武雄北方に本店がある人気店)くらいだろうか。

各章のコラムで田舎や移住、県ではなく市の出身と答えることなどについて書いているのもいい。
中でも、例えば都会から田舎に憧れて移住したのはいいが、「思ったほど田舎じゃない」とがっかりしてさらに離島に引っ越した人の話が面白かった。

さらりと読んで新たに知ること、再認識することなどが多くて興味深かった。





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昭文社 旅行ガイドブック 編集部 (編集)
昭文社 (2020/1/30)


福岡県の歴史、地理、交通、産業、文化などについてのトピックを、地図を多用して紹介している作品。

この手の本でたまに地図が少なくて不満を持つことがあるが、本書では地図による位置関係がきちんと書かれているので分かりやすい。

平成筑豊鉄道の面白い駅名(東犀川三四郎駅、今川河童駅、源じいの森駅など)や、筑豊炭田から石炭を運んだ鉄道が現在の日田彦山線などの路線になった話、卑弥呼の墓という説がある糸島市の平原古墳、海の中道にあった雁の巣飛行場など、初めて知る話が多くて非常に興味深かった。

特に印象に残ったのは、筑豊炭田から沿岸部へ鉄道を敷こうとすると遠賀川河口の芦屋町が適切だったが、地元の反対に遭って堀川運河の河口にある若松が選ばれたことで若松の方が栄えるようになったという話で、もし芦屋に駅ができていたらその後の歴史はどのように変わったのか気になる。

福岡市内にはしばしば行くものの、福岡市、北九州市、糸島市、久留米市、柳川氏くらいは泊ったことがあって多少知っているものの、それ以外の筑豊や筑後、豊前といったエリアで知らなかったことが多いことを再認識したし、新鮮に感じるところも多かった。

「ブラタモリ」に近い感じの内容が書かれていて、非常に良かったと思う。






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