読書-歴史(日本:通史):雨読夜話

ここでは、「読書-歴史(日本:通史)」 に関する記事を紹介しています。


「誤解」の日本史 (PHP文庫)
「誤解」の日本史 (PHP文庫)
井沢 元彦
PHP研究所 2012-03-03

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
学校では教えてくれない日本史の授業 天皇論 (PHP文庫)
学校では教えてくれない日本史の授業 悪人英雄論 (PHP文庫)
学校では教えてくれない日本史の授業 (PHP文庫)
日本史集中講義―点と点が線になる (祥伝社黄金文庫)
学校では教えてくれない日本史の授業 謎の真相 (PHP文庫)
逆説のニッポン歴史観―日本をダメにした「戦後民主主義」の正体 (小学館文庫)
学校では教えてくれない日本史の授業 書状の内幕 (PHP文庫)
逆説の日本史〈1〉古代黎明編―封印された「倭」の謎 (小学館文庫)
逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎 (小学館文庫)
逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館文庫)


井沢元彦による、『逆説の日本史』シリーズに書いてきた日本史での定説における史料絶対主義や権威のある学者への追従といった弱点や、史料に出てこない常識を当てはめることでの解釈を語っている作品。

扱われているのは『日本書紀』や『源氏物語』、『魏志倭人伝』、『甲陽軍鑑』といった史料の評価への異議、徳川吉宗の過大評価と田沼意次や尾張宗春の過小評価、信長が弾圧した比叡山や本願寺といった武装した寺社の恐ろしさ、徳川綱吉の評価、鎖国や朱子学の普及による弊害などで、これまでに読んだ井沢作品のエッセンスが濃く出ている。

特に印象に残ったのは鎖国についての話で、神君と崇められる家康が貿易に熱心で三浦按針(ウィリアム・アダムズ)やヤン・ヨーステンといった外国人を顧問にしたことなどが江戸時代の間に忘れられていたという。
そして江戸時代の日本における最大の問題はちゃんと歴史を教えてこなかったことと指摘していて、現在でも戦後70年くらいのスパンでしか判断できていないと思われる言論が多いことにも通じるものがある。

細かな部分にはつっこみどころも散見されるが、歴史に対するひとつの考え方として重要なポイントを押さえていると感じるところが多く、興味深く読むことができた。






にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

関連タグ : 井沢元彦,

秘伝・日本史解読術 (新潮新書)
秘伝・日本史解読術 (新潮新書)
荒山 徹
新潮社 2017-05-16

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
新装版 西郷隆盛 一 (角川文庫)
人工知能の見る夢は AIショートショート集 (文春文庫)
鬼神
戦争の日本古代史 好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで (講談社現代新書)
新装版 西郷隆盛 二 (角川文庫)
西郷星 (光文社時代小説文庫)
新装版 西郷隆盛 四 (角川文庫)
白村江
日本史は逆から学べ 近現代から原始・古代まで「どうしてそうなった?」でさかのぼる (知恵の森文庫)
真説・戦国武将の素顔 (宝島社新書)


以前読んだ『徳川家康  トクチョンカガン (上・下)』など、朝鮮をからめた歴史小説の多い作家による、日本史の理解を助ける方法をあれこれ語っている作品。

伝奇ものっぽい著作が多い小説家としての立場から、どのように歴史をとらえ、ストーリーを組み立てているかという話をしている。

戦後になってからたいした根拠もなく記紀(『古事記』・『日本書紀』)の記述を創作と決め付けてあやしい説を出したり、中国から伝わったものも朝鮮半島を経由したかのような言説など、自虐史観に加えて朝鮮半島におもねった歴史観がひどいということを書いていて、史料が少なくて好き勝手が言いやすい古代史で捏造がまかり通るのは困ったものだと思う。

異説・珍説のたぐいは歴史学者ではなくて著者のような小説家の出番だということも語っていて、『トクチョンカガン』もかなりインパクトがあったことを思い出した。

白村江の戦いが大敗だったかのように書かれているが史料からはそれほどの大戦だったように思えないとか、仏教が複数の仏様が出てきてウルトラマン化(ウルトラマンとかウルトラセブンのようなもの)したと表現していたり、中国は西晋が滅びてからセルベ(鮮卑)族の王朝が長く続いてきたなど、一般的にイメージされるものと異なる話がなされているのが興味深い。

歴史小説にも地図をつけるとイメージしやすいとか、系図を用いれば源平藤橘のような氏族の関係性が理解しやすくなること、応仁の乱のように登場人物が多すぎる事件の理解を助けるための足利や新田の支族を解説したページが掲載されているなど、日本史の理解に役立つ話が多く書かれている。
(例えば最上義光が斯波氏の子孫、榊原康政が足利氏の支族である仁木氏の子孫などは多分初めて知った)

思っていた以上に知らなかった話、著者の歴史に関する熱のある話が多く書かれていて、興味深く読むことができた。






にほんブログ村 本ブログへ

日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか (朝日新書)
日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか (朝日新書)
大澤真幸
朝日新聞出版 2016-10-13

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
げんきな日本論 (講談社現代新書)
憲法の無意識 (岩波新書)
可能なる革命 (atプラス叢書)
考えるということ: 知的創造の方法 (河出文庫)
続・ゆかいな仏教 (サンガ新書 72)
〈世界史〉の哲学 近世篇
日本的革命の哲学 (NON SELECT 日本人を動かす原理 その 1)
〈わたし〉と〈みんな〉の社会学 (大澤真幸THINKING「O」)
敗者の想像力 (集英社新書)
応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)


日本はほとんど革命が起こらない国だが1度だけ起こったという観点から、日本の歴史的な社会構造や天皇の役割などを外国の革命などと比較して考察している作品。

著者が定義する革命とは、外圧によらず自国のメンバーによって起こされた変化という意味合いを持たせていて、例えば大化の改新や明治維新は、唐や欧米列強の外圧に起因するものなので革命とは言えないとしている。

その1度だけ起こった革命は何かというと、鎌倉時代に北条氏が執権を務める鎌倉幕府が後鳥羽上皇をトップとする朝廷に勝利した承久の乱で、この時軍を率いて京都を制圧したり執権になってから御成敗式目を制定した北条泰時を日本で唯一の革命家と評している。
そして泰時が革命家のイメージとはかけ離れた、朝廷からも武家からも人気のある人物だという。

ここから中国および西欧の革命がどのようなものかを比較対象として解説している。
中国は『孟子』にあるような天が皇帝(天子)を信任する形で信任を失ったら別の者がまた皇帝になるという形、西欧では旧約聖書と新約聖書のように従来の経典や法律を否定する形で革命がなされる形だとしていて、イメージは伝わるが要約はしづらい。

そして日本だと天や経典ではなく天皇との関係が重要な意味を持つことが書かれていて、ここから小難しいロジックや事例を用いて社会構造や革命についての話がなされていくが、ついていけるところとついていけないところがあった。

例えば外交をやっていれば外圧が完全にない状態なんてないと思うのが引っかかるなど、消化不良なポイントがいくつもあり、途中から話の内容が頭に入らなくなってしまった。

学生時代に社会学は少しは学んでいたはずなのだが、理解がついていかなかったのは私の知識や理解力の問題なのだろう。






にほんブログ村 本ブログへ

ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義 (PHPビジネス新書)
ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義 (PHPビジネス新書)
藤野 英人
PHP研究所 2010-12-18

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
投資レジェンドが教える ヤバい会社 (日経ビジネス人文庫)
投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)
日本株は、バブルではない―――投資家が知っておくべき「伊藤レポート」の衝撃
ヤンキーの虎
投資バカの思考法
日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。 22年勝ち残るNo.1ファンドマネジャーの超投資法
「起業」の歩き方: リアルストーリーでわかる創業から上場までの50のポイント
5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則
投資は「きれいごと」で成功する――「あたたかい金融」で日本一をとった鎌倉投信の非常識な投資のルール
もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら タケコプターで読み解く経済入門


「ひふみ投信」を運営するレオス・キャピタルワークスの藤野英人氏による、商業の観点から日本史を語っている作品。

日本人には社交的な「ウミヒコ」と内向的な「ヤマヒコ」の性格を併せ持っていて、国際情勢や経済の動向などによってどちらかの性格が強く出ることを繰り返すという歴史観で話を進めている。

シナで農耕民の政権が安定した時代に「ウミヒコ」の性格が出やすく、海上交易、西日本重視、貿易拡大、自由などがキーワードとなる。

それに対してシナで内乱状態に陥ったり遊牧民の政権になった場合は「ヤマヒコ」になり、陸上交易、東日本重視、内需拡大、平等などがキーワードとなる。

当然どちらがいいというわけではなく、それぞれの長所と短所が出ていて、片方が続くと揺り返しが起こっていることがわかる。

そして、歴史上で行われた経済政策に対する批評もなされている。

まず、一部の階層から支持を受けるために実情を無視したおかしな政策、例えば徳政令、金利制限(これをやっている国の方が少ないらしい)、過度な規制、官庁主導による民間企業の合併などを実施すると、商業の基本となる信用が崩れたり、産業構造がいびつになるなどの弊害が大きいことを例を挙げて解説している。

また、貴族や官僚やインテリなど、指導者に当たる人々が経済を理解していない場合は経済が混乱し、民衆がつけを払わされることになるのも理解しやすい。

商業道徳については、海外との貿易が少なくなる「ヤマヒコ」の傾向が強い江戸時代に発達したのは、内向きである分継続的な取り引きが多かったためではないかと思っている。
(「ウミヒコ」の時代は少々あこぎなことをやっても別の取引先を見つけやすい)

著者が重視する中国に関しては世界が広くなったことでむしろアメリカの方を考慮した方がいいような気もするが、分かりやすい対比で話を進めていて、興味深く読むことができた。





お金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が「古代~現代史」にガサ入れお金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が「古代~現代史」にガサ入れ

大村 大次郎
KADOKAWA 2016-03-11

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

にほんブログ村 本ブログへ

30の都市からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
30の都市からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
金田 章裕
日本経済新聞出版社 2017-02-02

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史
経済は地理から学べ!
「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則 (日経ビジネス人文庫)
「お寺」で読み解く日本史の謎 (PHP文庫)
すごい立地戦略 街は、ビジネスヒントの宝庫だった (PHPビジネス新書)
人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)
日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語 (ブルーバックス)
日本国憲法を改正できない8つの理由 (PHP文庫)
火山で読み解く古事記の謎 (文春新書)
先生も知らない世界史 (日経プレミアシリーズ)


日本の30都市を選び、その歴史を解説している作品。

東京、大阪、名古屋、京都といった過去も現在も知られている都市、神戸、横浜、札幌、函館、新潟といった比較的新しい都市、十三湊(青森県)、平泉(岩手県)、鞆の浦(広島県)、今井(奈良県)といった現在はそれほどでなくても過去に栄えていた都市と、読んでいくと扱われている理由が分かってくる。

読んでいる人が住んでいる地域によって馴染みがあったりなかったりすると思うので、その土地の話を知ることができ、地理の本として読むこともできる。

地形や地勢についての話も書かれていて、NHKで放送されている教養バラエティ番組「ブラタモリ」で扱われた都市と重なるところも多いので、合わせて読むとより楽しめると思う。

もう少し深く知りたい場合は下に挙げる関連記事で挙げたような本に進むこともできるので、こうしたジャンルの入り口の作品として、興味深く読むことができた。






にほんブログ村 本ブログへ