読書-歴史(日本:通史):雨読夜話

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港の日本史(祥伝社新書)
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吉田 秀樹 歴史とみなと研究会
祥伝社 2018-03-02

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運輸官僚として港湾行政に携わってきた人物と「歴史とみなと研究会」による、港が日本史において果たしてきた役割を解説している作品。

前半では琵琶湖水運の港である大津、鎌倉時代の和賀江島と六浦、琉球交易の拠点だった坊津、伊勢神宮への参拝もあって発展した安濃津など、現在では港としての印象があまりない地域の話が多くて興味深い。

トラックなどを用いた陸上運送が発展する前は河川での舟運も盛んだったわけで、河川の港の話も面白い。

後半では江戸時代の東廻り航路や西廻り航路といった物流の話、幕末になされた開港から始まった近代の港湾、戦後の引揚港や現在も使用されている軍港など、近世以降の話が多く書かれている。

江戸時代に例えば山形の酒田からの航路は東廻りが近いが西廻りが使用されたのは津軽海峡や太平洋岸の犬吠埼などの難所が多かったためと書かれていてなるほどと思った。
また、瀬戸内海の航路も島伝いに進む地乗りだったのが、島の間をまっすぐに進む沖乗りに変わった話も知らなかった。

港が歴史上は足してきた役割や、政治の変化や技術の発達で衰退する港と新たに栄える港が出てくることなどを知ることができ、なかなか興味深かったと思う。





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学校では教えてくれない日本史の授業 書状の内幕 (PHP文庫)
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井沢 元彦
PHP研究所 2017-03-03

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井沢元彦による歴史読み物。
2部構成で第1部がタイトル通りの内容である「手紙で綴る日本史」、第2部が歴史のifを語る「もうひとつの日本史」となっている。

第1部では義経の「腰越状」、直江兼続の閻魔大王への手紙、「日本一短い手紙」として知られる本多重次の家族宛の手紙のように有名なものから、竜造寺家乗っ取りを進行中だった鍋島直茂のしらじらしい手紙や島津久光の時代遅れな建白書、日清戦争で司令長官だった伊東祐亨が清の司令官に宛てた降伏勧告、法然が思想のエッセンスを少ない文字数でまとめきった一枚起請文など、手紙の背景となっている考え方などが解説されていて興味深い。

第2部はタイトルと異なる内容なので少し割り切れない思いをしながら読んだ。
こちらは日本が大陸と陸続きだったら?道鏡や足利義満が天皇に即位していたら?源頼朝・義経兄弟や足利尊氏、信長などが早い段階で殺害されていたら?日本がアメリカに勝利していたら?といった歴史のifを予想しているが、それほど目新しい話は多くないように思える。

共通して書かれているのは儒教のマイナス面についてで、改革の否定、商業や労働の蔑視、正しいことでも目上の人に逆らいづらい文化などで、日本で儒教が完全な形で広まらなかったことはいかにありがたいことかが分かる。
例えば米沢藩の上杉鷹山は自分をはじめとした武士も働くことで改革を成し遂げたが、これがいかに儒教に反するものだったかが書かれているところが印象に残る。

後半のいまいちさはあるが、まずまず興味深く読むことができたかと思う。





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井沢 元彦
PHP研究所 2013-02-05

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井沢 元彦
PHP研究所 2014-03-05

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「誤解」の日本史 (PHP文庫)
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井沢 元彦
PHP研究所 2012-03-03

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井沢元彦による、『逆説の日本史』シリーズに書いてきた日本史での定説における史料絶対主義や権威のある学者への追従といった弱点や、史料に出てこない常識を当てはめることでの解釈を語っている作品。

扱われているのは『日本書紀』や『源氏物語』、『魏志倭人伝』、『甲陽軍鑑』といった史料の評価への異議、徳川吉宗の過大評価と田沼意次や尾張宗春の過小評価、信長が弾圧した比叡山や本願寺といった武装した寺社の恐ろしさ、徳川綱吉の評価、鎖国や朱子学の普及による弊害などで、これまでに読んだ井沢作品のエッセンスが濃く出ている。

特に印象に残ったのは鎖国についての話で、神君と崇められる家康が貿易に熱心で三浦按針(ウィリアム・アダムズ)やヤン・ヨーステンといった外国人を顧問にしたことなどが江戸時代の間に忘れられていたという。
そして江戸時代の日本における最大の問題はちゃんと歴史を教えてこなかったことと指摘していて、現在でも戦後70年くらいのスパンでしか判断できていないと思われる言論が多いことにも通じるものがある。

細かな部分にはつっこみどころも散見されるが、歴史に対するひとつの考え方として重要なポイントを押さえていると感じるところが多く、興味深く読むことができた。






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秘伝・日本史解読術 (新潮新書)
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荒山 徹
新潮社 2017-05-16

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真説・戦国武将の素顔 (宝島社新書)


以前読んだ『徳川家康  トクチョンカガン (上・下)』など、朝鮮をからめた歴史小説の多い作家による、日本史の理解を助ける方法をあれこれ語っている作品。

伝奇ものっぽい著作が多い小説家としての立場から、どのように歴史をとらえ、ストーリーを組み立てているかという話をしている。

戦後になってからたいした根拠もなく記紀(『古事記』・『日本書紀』)の記述を創作と決め付けてあやしい説を出したり、中国から伝わったものも朝鮮半島を経由したかのような言説など、自虐史観に加えて朝鮮半島におもねった歴史観がひどいということを書いていて、史料が少なくて好き勝手が言いやすい古代史で捏造がまかり通るのは困ったものだと思う。

異説・珍説のたぐいは歴史学者ではなくて著者のような小説家の出番だということも語っていて、『トクチョンカガン』もかなりインパクトがあったことを思い出した。

白村江の戦いが大敗だったかのように書かれているが史料からはそれほどの大戦だったように思えないとか、仏教が複数の仏様が出てきてウルトラマン化(ウルトラマンとかウルトラセブンのようなもの)したと表現していたり、中国は西晋が滅びてからセルベ(鮮卑)族の王朝が長く続いてきたなど、一般的にイメージされるものと異なる話がなされているのが興味深い。

歴史小説にも地図をつけるとイメージしやすいとか、系図を用いれば源平藤橘のような氏族の関係性が理解しやすくなること、応仁の乱のように登場人物が多すぎる事件の理解を助けるための足利や新田の支族を解説したページが掲載されているなど、日本史の理解に役立つ話が多く書かれている。
(例えば最上義光が斯波氏の子孫、榊原康政が足利氏の支族である仁木氏の子孫などは多分初めて知った)

思っていた以上に知らなかった話、著者の歴史に関する熱のある話が多く書かれていて、興味深く読むことができた。






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日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか (朝日新書)
日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか (朝日新書)
大澤真幸
朝日新聞出版 2016-10-13

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応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)


日本はほとんど革命が起こらない国だが1度だけ起こったという観点から、日本の歴史的な社会構造や天皇の役割などを外国の革命などと比較して考察している作品。

著者が定義する革命とは、外圧によらず自国のメンバーによって起こされた変化という意味合いを持たせていて、例えば大化の改新や明治維新は、唐や欧米列強の外圧に起因するものなので革命とは言えないとしている。

その1度だけ起こった革命は何かというと、鎌倉時代に北条氏が執権を務める鎌倉幕府が後鳥羽上皇をトップとする朝廷に勝利した承久の乱で、この時軍を率いて京都を制圧したり執権になってから御成敗式目を制定した北条泰時を日本で唯一の革命家と評している。
そして泰時が革命家のイメージとはかけ離れた、朝廷からも武家からも人気のある人物だという。

ここから中国および西欧の革命がどのようなものかを比較対象として解説している。
中国は『孟子』にあるような天が皇帝(天子)を信任する形で信任を失ったら別の者がまた皇帝になるという形、西欧では旧約聖書と新約聖書のように従来の経典や法律を否定する形で革命がなされる形だとしていて、イメージは伝わるが要約はしづらい。

そして日本だと天や経典ではなく天皇との関係が重要な意味を持つことが書かれていて、ここから小難しいロジックや事例を用いて社会構造や革命についての話がなされていくが、ついていけるところとついていけないところがあった。

例えば外交をやっていれば外圧が完全にない状態なんてないと思うのが引っかかるなど、消化不良なポイントがいくつもあり、途中から話の内容が頭に入らなくなってしまった。

学生時代に社会学は少しは学んでいたはずなのだが、理解がついていかなかったのは私の知識や理解力の問題なのだろう。






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