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読書-歴史(日本:通史):雨読夜話

ここでは、「読書-歴史(日本:通史)」 に関する記事を紹介しています。


お金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が「古代~現代史」にガサ入れ (中経の文庫)
お金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が「古代~現代史」にガサ入れ (中経の文庫)
大村 大次郎
KADOKAWA 2017-04-15

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元国税調査官による、お金の流れから日本の歴史を解説している作品。

著者の作品では『お金の流れで見る戦国時代 歴戦の武将も、そろばんには勝てない』などの戦国時代をお金の観点から解説した作品を読んでいたために重なる部分も多いが、古代や近世以降についてもお金の面で歴史上の事件の観方が変わってくるので興味深い。

特に、マルクス主義史観や薩長中心の明治時代から見た江戸時代は立場上問題の多い暗黒時代であったかのように語られることが多いが、町人というほとんどの商工業者はほぼ無税、農民も意外なほどに税負担が軽かったという話には驚かされる。
このように税金が安かったから公務員に当たる武士階級の生活が苦しかったというのも納得がいく。

明治時代も思われていたほど税率が高かったわけでもなく、日清戦争でも酒税と国内での債券を財源とした軍隊で勝利することができた話がなされていて、かなり驚いた。
日露戦争で高橋是清らがヨーロッパで公債を募集した話は有名なので、こちらはそれほど目新しくはなかった。

第二次世界大戦に至る伏線としてはインド市場における日本とイギリスの経済摩擦や、経済的に持ちつ持たれつの関係だったのに満州をめぐってアメリカと戦わなければならなくなった悲劇、国内での経済格差が誤った方向に進んだ要因となった話などが書かれている。
アメリカにしてもイギリスにしても、日本のしぶとさに手を焼かされたというのは間違いないようである。

その後は日本の経済成長や産業の発達における背景として、旧日本軍の遺産が無視できないレベルで重要だったことが書かれている。
このあたりは日教組の教師が歴史の授業で語りたがらないところと思われるので、留意しておきたいところである。

著者の現代の経済政策についての考え方が妥当なのかどうかは分からないが、歴史をお金から分析している話は他の著作と同様に興味深く読むことができた。






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日本史のツボ (文春新書)
日本史のツボ (文春新書)
本郷 和人
文藝春秋 2018-01-19

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日本史を天皇、宗教、土地、軍事、地域、女性、経済の7つのテーマを用い、一連の流れとして分かりやすく解説している作品。

律令制が教科書で書かれているほどには実施されていなかったのでは?という話や、「職の体系」と実際の土地管理のギャップが武士階級の出現につながったこと、戦略目標を達成できたかどうかで見ると(南北朝時代の)青野原の合戦、川中島の合戦、関ヶ原の合戦などの構造が理解しやすくなるなど、時代によって対象のテーマが変化する話が面白い。

平易に書かれている分だけとがったところは少なくなっている気もするが、著者がタコツボ的な歴史学界の弊害に問題意識を持って本書を書いた話などの書いていたり、通説での記述では漏れてしまいがちな話が多く書かれていて、興味深く読むことができた。






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港の日本史(祥伝社新書)
港の日本史(祥伝社新書)
吉田 秀樹 歴史とみなと研究会
祥伝社 2018-03-02

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運輸官僚として港湾行政に携わってきた人物と「歴史とみなと研究会」による、港が日本史において果たしてきた役割を解説している作品。

前半では琵琶湖水運の港である大津、鎌倉時代の和賀江島と六浦、琉球交易の拠点だった坊津、伊勢神宮への参拝もあって発展した安濃津など、現在では港としての印象があまりない地域の話が多くて興味深い。

トラックなどを用いた陸上運送が発展する前は河川での舟運も盛んだったわけで、河川の港の話も面白い。

後半では江戸時代の東廻り航路や西廻り航路といった物流の話、幕末になされた開港から始まった近代の港湾、戦後の引揚港や現在も使用されている軍港など、近世以降の話が多く書かれている。

江戸時代に例えば山形の酒田からの航路は東廻りが近いが西廻りが使用されたのは津軽海峡や太平洋岸の犬吠埼などの難所が多かったためと書かれていてなるほどと思った。
また、瀬戸内海の航路も島伝いに進む地乗りだったのが、島の間をまっすぐに進む沖乗りに変わった話も知らなかった。

港が歴史上は足してきた役割や、政治の変化や技術の発達で衰退する港と新たに栄える港が出てくることなどを知ることができ、なかなか興味深かったと思う。





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学校では教えてくれない日本史の授業 書状の内幕 (PHP文庫)
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井沢 元彦
PHP研究所 2017-03-03

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井沢元彦による歴史読み物。
2部構成で第1部がタイトル通りの内容である「手紙で綴る日本史」、第2部が歴史のifを語る「もうひとつの日本史」となっている。

第1部では義経の「腰越状」、直江兼続の閻魔大王への手紙、「日本一短い手紙」として知られる本多重次の家族宛の手紙のように有名なものから、竜造寺家乗っ取りを進行中だった鍋島直茂のしらじらしい手紙や島津久光の時代遅れな建白書、日清戦争で司令長官だった伊東祐亨が清の司令官に宛てた降伏勧告、法然が思想のエッセンスを少ない文字数でまとめきった一枚起請文など、手紙の背景となっている考え方などが解説されていて興味深い。

第2部はタイトルと異なる内容なので少し割り切れない思いをしながら読んだ。
こちらは日本が大陸と陸続きだったら?道鏡や足利義満が天皇に即位していたら?源頼朝・義経兄弟や足利尊氏、信長などが早い段階で殺害されていたら?日本がアメリカに勝利していたら?といった歴史のifを予想しているが、それほど目新しい話は多くないように思える。

共通して書かれているのは儒教のマイナス面についてで、改革の否定、商業や労働の蔑視、正しいことでも目上の人に逆らいづらい文化などで、日本で儒教が完全な形で広まらなかったことはいかにありがたいことかが分かる。
例えば米沢藩の上杉鷹山は自分をはじめとした武士も働くことで改革を成し遂げたが、これがいかに儒教に反するものだったかが書かれているところが印象に残る。

後半のいまいちさはあるが、まずまず興味深く読むことができたかと思う。





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井沢 元彦
PHP研究所 2013-02-05

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井沢 元彦
PHP研究所 2014-03-05

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「誤解」の日本史 (PHP文庫)
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井沢 元彦
PHP研究所 2012-03-03

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井沢元彦による、『逆説の日本史』シリーズに書いてきた日本史での定説における史料絶対主義や権威のある学者への追従といった弱点や、史料に出てこない常識を当てはめることでの解釈を語っている作品。

扱われているのは『日本書紀』や『源氏物語』、『魏志倭人伝』、『甲陽軍鑑』といった史料の評価への異議、徳川吉宗の過大評価と田沼意次や尾張宗春の過小評価、信長が弾圧した比叡山や本願寺といった武装した寺社の恐ろしさ、徳川綱吉の評価、鎖国や朱子学の普及による弊害などで、これまでに読んだ井沢作品のエッセンスが濃く出ている。

特に印象に残ったのは鎖国についての話で、神君と崇められる家康が貿易に熱心で三浦按針(ウィリアム・アダムズ)やヤン・ヨーステンといった外国人を顧問にしたことなどが江戸時代の間に忘れられていたという。
そして江戸時代の日本における最大の問題はちゃんと歴史を教えてこなかったことと指摘していて、現在でも戦後70年くらいのスパンでしか判断できていないと思われる言論が多いことにも通じるものがある。

細かな部分にはつっこみどころも散見されるが、歴史に対するひとつの考え方として重要なポイントを押さえていると感じるところが多く、興味深く読むことができた。






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