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読書-SF(日本:シリーズ):雨読夜話

ここでは、「読書-SF(日本:シリーズ)」 に関する記事を紹介しています。


機龍警察 狼眼殺手 (ハヤカワ・ミステリワールド)
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月村 了衛
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近未来に警察庁に属する特捜部の機甲兵装(人が操縦する、パトレイバーやボトムズのようなロボット)が活躍する『機龍警察』シリーズの第5作。

捜査二課(知能犯・経済犯罪担当)が追っていた経済産業省と香港の企業フォン・コーポレーションとの合同プロジェクト「クイアコン」をめぐる汚職に関連し、関係者が次々と殺害される事件が発生する。

そして殺害された人物の元には事件当日にローマ法王のお札が郵送されていて、予告殺人の疑いもあり意図が不明なことに警察幹部たちは苛立ちを募らせ、捜査一課(強行犯担当)、捜査二課、そして特捜部の合同捜査を進めることとなる。

今回は大きな利権が絡むプロジェクトに関係した事件を扱っているだけに、警察の各部門だけでなく地検、国税、政治家、経産省、法務省、中国共産党、チャイニーズマフィアと、縄張り争いやら裏取引やらで濱嘉之の『警視庁公安部 青山望』シリーズに近いテイストの話になっている。

そして機甲兵装が暴れるシーンよりも特捜部の面々が抱えてきた過去などの話も多く扱われていて、次回以降への伏線となりそうな話がいくつも描かれている。

新たに登場したキャラクターでは財務捜査官(税理士や会計士出身者が警察で経済犯罪を捜査する役職)の仁礼(にれ)が存在感を出していて、ワーカホリックが日常となっている技術班の鈴石主任を気遣うなどのシーンが出てくる。
元々が警察官ではないので飄々とした雰囲気ながら、帳簿から経済犯罪の「声」や「歌」を聴くことができるという表現が面白い。

今回も特捜部は警察内部に勢力を張る<敵>との争いに巻き込まれ、超然とした雰囲気を出している特捜部部長の沖津が悩むシーンも回数を追うごとに増えている。

重くリアルだが読み進めてしまう魅力のあるシリーズで、続きが早く出ることを期待してしまう。






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機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)
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月村 了衛
早川書房 2014-01-24

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近未来に警察庁に属する特捜部の機甲兵装(人が操縦する、パトレイバーやボトムズのようなロボット)が活躍する『機龍警察』シリーズの第4巻。

本作ではチェチェンでテロに遭った女性たちで結成されたテロリスト組織「黒い未亡人」が日本に入国し、自爆テロを含めたテロ活動を開始するところから話が始まる。

「黒い未亡人」はリーダーの「砂の妻」、元兵士で長剣を得意とする「剣の妻」、短剣を用いた変幻自在な動きが持ち味の「風の妻」を中心としていて、女性や子供しか搭乗できない小型の機甲兵装「エインセル」の使用や自爆テロを辞さない戦法に警察が後手に回るシーンが続き、被害が拡大していく。

また、特捜部主任の由起谷が六本木で半グレ集団を叩きのめした少女のカティアと出会ったり、特捜部理事官の城木が兄で与党副幹事長を務める宗方亮太郎が警察内部で特捜部の活動を妨害する<敵>の協力者ではないかという疑惑に苦しむなど、警察内部での話も多く描かれている。

本作では特捜部と合同で対応に当たる公安部外事三課課長である曽我部のくせの強さが印象に残る。
馬面で落語家みたいに間延びした話し方という先代の三遊亭円楽みたいな容貌に、饅頭やお汁粉のような甘いものに目がないことなど、一見とぼけた管理職に見せて実は切れ者というギャップが際立っている。

他の作品と同様に機甲兵装が暴れるシーンは重要なところのみで、それ以外では事件の背景や各人の経歴を描いているところが物語に厚みを加えていて好感が持てる。
また、新潟県警では「毘」(上杉謙信の旗印)のエンブレムをつけているといった小さなネタを入れているところもいい。

警察で配備されている機甲兵装の数が少ないような気がしたり、自衛隊の存在感がないようなつっこみどころは多少あるものの、ストーリーの重さとリアルさが押し切っていく。

本作も一気に読み進んでいったが、機甲兵装が市街地で暴れるような世の中にはなってほしくない。






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刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼〈2〉―機動戦士Zガンダム外伝 ADVANCE OF Z (DENGEKI HOBBY BOOKS)
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『機動戦士Zガンダム』のサイドストーリーを描いた小説の第2巻。
第1巻が面白かったので、続けて読んだ。

このシリーズはZガンダム本編と並行して話が進んでいて、エゥーゴとアクシズの交渉を護衛するために向かうラーディッシュやエマ・シーンが搭乗するスーパーガンダムも出てきて、ガンダム「ケストレル」を操縦する主人公のヴァンと共闘するシーンが描かれているのはテンションが上がる。

そしてティターンズ所属のアーネストとロスヴァイセが乗るガブスレイとの戦いもあり、その中でヴァンはアーネストからダニカがコンペイトウ(旧ソロモン)にいることを知らされる。
ロスヴァイセはガンダム世界における強化人間のお約束として、戦闘能力を上げるための再調整を繰り返されたために精神に異常をきたしていくところも描かれていて、分かっていても読んでいてつらい。

その後エゥーゴがコンペイトウ攻略作戦を発令すると、ヴァンも巡洋艦デルフォンの一員として参加してダニカを救い出す目的もあって戦っていくが、これまでに何度もヴァンを追い詰めてきたバーダーが操る新型モビルアーマー「ラクシャサ」(ガンダムSEEDのレイダーガンダム・MA形態に色や形が少し似ている)が登場し、ヴァンの「ケストレル」と壮絶な戦いを繰り広げる。

Zガンダム本編のキリマンジャロ基地攻略作戦やダカール演説といったイベントが語られたり、『ティターンズの旗のもとに』の「兎印のガンダム」の話が出てきたりと、他の作品とのリンクがいくつも張られているのはガンダムファンとして嬉しい。
量産型モビルスーツもハイザックやマラサイだけでなく、ガンダムMk-Ⅱを量産化したとされるバーザムが大量に戦線に投入されているのがストーリー進行を感じさせてくれる。

終章にはスピンオフ小説である本作のさらにスピンオフとなる、「アイリス・リターン」という章が収録されている。
ここではヴァンが前作で乗っていて破壊されたジム改のカスタム機「ワグテイル」が修理されていて、ヨーンという青年が「ワグテイル」でキリマンジャロ基地攻略作戦において戦う話が描かれている。
こちらにもティターンズのあの機体が登場するのが印象に残る。

ガンダム世界のストーリーの広がりや、妙なリアルさがあって第1巻と同様に楽しむことができた。
本作で終わりにしてもいいくらいの内容になっているがあと2冊続きがあるので、少し時間を置いてから読んでみようかと考えている。






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刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼〈1〉―機動戦士Zガンダム外伝 ADVANCE OF Z (DENGEKI HOBBY BOOKS)
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神野 淳一 矢立 肇 富野 由悠季
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刻に抗いし者〈2〉―ADVANCE OF Z (DENGEKI HOBBY BOOKS)
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機動戦士Zガンダム外伝 ティターンズの旗のもとに 下巻 アドバンス・オブ・Z
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『機動戦士Zガンダム』のサイドストーリーを描いた小説の第1巻。
図書館に1巻と2巻が置いてあったので、借りて読んだ。

本書には前作があり、地上でジム改のハイスペックな試作機「ワグテイル」と強化人間用のハイザックが戦ったり、両軍の指揮官が壮絶な最期を遂げたりといった話のダイジェストが冒頭で紹介されていて、いきなり本書を読んだ立場からすると助かる。

主人公はエゥーゴに加入した青年のヴァンで、宇宙に上がってから新型ガンダム「ケストレル」のテストパイロットになるあたりから話が始まる。

ケストレルは元々強化人間用に開発されたものらしく、高出力に伴う強力なGのために誰でも乗りこなせるものではないが、近いタイプのワグテイルを操縦したヴァンが選ばれたという事情が語られている。

前作でヒロインに当たるダニカはティターンズに囚われて宇宙に移動したという情報も明らかになったことで、ヴァンはダニカを救い出すという目的でも戦っていくことになる。

そしてティターンズではダニカの兄でヴァンともともに育ってきたアーネスト、そしてアーネストといい仲になりつつある強化人間のロスヴァイセが重要な役割を果たしていく。

エゥーゴではリック・ディアスやメタスのカスタム機、ネモなど、ティターンズではガブスレイのカスタム機、ハイザック、マラサイのようにZガンダムに登場するモビルスーツの他、旧型に属するジムキャノンⅡや偵察型ザクⅡのカスタム機が登場するのも面白い。

また、今野敏の『ティターンズの旗のもとに』や『宇宙海兵隊 ギガース』のように宇宙空間での戦闘における環境的な制限が書かれているのも、設定に厚みを持たせている。

思っていた以上に面白くて比較的早く読み終わったので、本作に続く第2巻も早速読み始めた。






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宇宙軍士官学校─前哨─ 8 (ハヤカワ文庫JA)
宇宙軍士官学校─前哨─ 8 (ハヤカワ文庫JA)
鷹見 一幸
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宇宙軍士官学校-前哨-6 (ハヤカワ文庫JA)
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鷹見一幸による宇宙軍士官学校シリーズの第8巻。

前作のラストで行われたかく乱戦法に加え、粛清者からはさらなる新兵器が投入され、地球人類が属する銀河文明評議会軍は苦戦・敗戦といった感じの戦況となってしまう。

主人公の恵一が指揮を取る軍は色々あったとはいえこれまで順調すぎたくらいだったので、本作ではかなり重いストーリーとなっている。
恵一たちよりも粛清者の襲撃を受けているモルダー星系の人々の話が多く、全体の話の調整を行っているような部分になるかとも思う。

この後どのように結末へ持っているのかが非常に気になっていて、次作も既に購入して読むことにしている。




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