読書-ミステリ:雨読夜話

ここでは、「読書-ミステリ」 に関する記事を紹介しています。


怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)
怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)
エドワード・D・ホック (著), 木村 二郎 (翻訳)
東京創元社 2017-04-21

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エドワード・D・ホックの連作ものである「怪盗ニック」シリーズをまとめた作品集の第4集。

ニックは「価値のないもの」の盗みを2万5000ドルで請け負う泥棒で、このシリーズは「価値のないもの」をなぜ盗む必要があるのか?という謎を解くミステリーでもある。
ニックもしばしば依頼人に「なぜその辺の空き巣を雇わないのか?」と質問し、依頼者が答えたり答えなかったりして、最終的に分かるという展開になっている。

本作では「不可能を朝食前に」をモットーとして「白の女王」の異名を持つ女盗賊のサンドラ・パリスが登場し、ニックと競ったり協力し合ったりして話を盛り上げている。

本作は後期に属する作品なので、ニックの恋人のグロリアはニックの職業を知っていて、アドバイスや調べものをするなど協力するシーンも目立つ。
作品によってはニックとの破局の危機を迎えたり、サンドラに心穏やかでない様子を見せたりもしている。

ニックのいい意味での普通さや上品さと、依頼人にまつわる複雑な事情の対比が話を魅力的にしているのだと思うし、私が以前から読み続けている理由なのだろう。






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恐怖の谷【新訳版】 (創元推理文庫)
恐怖の谷【新訳版】 (創元推理文庫)
アーサー・コナン・ドイル (著), 深町 眞理子 (翻訳)
東京創元社 2015-09-30

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コナン・ドイルによるシャーロック・ホームズシリーズの長編。
ホームズものの長編は4作あり、その中でも最後に書かれたものという。

物語は、ホームズのもとにライバルである悪の天才・モリアーティ教授の部下からモリアーティに内密に暗号で書かれた手紙が届くところから始まる。

それを解読すると、ある地方の屋敷の主人に危険が迫っていると書かれており、ワトスンと話し合っている間に、旧知のマクドナルド刑事がその屋敷で惨劇が発生したことを知らせにやってくる。

行ってみると屋敷の主人が散弾銃で射殺されて顔も分からない状態になっていて、その夫人や客人、使用人たちの話ではごく短い時間に犯行がなされたらしいことが分かる。
ここからホームズの推理が進んでいく。

そして本書は二部構成となっていて、後半ではこの事件の約30年前に起こった出来事の話がなされていて、ホームズとワトスンもほとんど出てこない。
アメリカにある鉱山の町をおとずれたやや荒っぽい男が主人公として登場し、秘密結社が支配している町に関わっていくことで前半の話とつながってくる。

猟奇的なやり口での殺人から陰惨な恐怖の谷の話と、うまい感じで場面が切り替わっていて、どのように話が展開していくのか先が気になりながら読んでいくことができた。





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怪盗ニック全仕事(2) (創元推理文庫)
怪盗ニック全仕事(2) (創元推理文庫)
エドワード・D・ホック (著), 木村 二郎 (翻訳)
東京創元社 2015-08-29

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エドワード・D・ホックの人気シリーズである怪盗ニック作品を集めた作品集の第2集。
基本的に読みきりの短編集なので、特に第1集を読んでなくても問題ない。

怪盗ニックことニック・ヴェルヴェットはニューヨーク近郊在住で40代くらいのイタリア系アメリカ人で、仕事のない日は恋人のグロリアとボート遊びをするのが趣味となっている。

そして仕事は「金銭的価値のないものを盗む」というもので、報酬は2万ドル、危険を伴う場合は割り増しがついて3万ドルで請け負っている。

盗むことを依頼されたものは古いポスター、ワシの石像、失敗した映画のフィルム、アパートから捨てられるゴミと、さまざまなものが出てくる。
中にはニック自身が盗まれる話や、「何も盗むな」という変則的な話も出てくる。

ミステリーの要素も強く入っていて、ニックが盗もうとするものの所有者にいきなり会いに行って話を聞きだしたり、後半でさまざまな事情が明らかになったりする。

基本的にはスマートなやり方で盗みを行うが、本作ではさまざまないきさつから格闘する羽目になるケースも多かったりする。

以前他の本でニックの作品を読んでいて、やはりこのシリーズが大好きなのだと再認識した。
少なくともあと2冊分くらいはこのシリーズの作品があるので、続編を楽しみに待つ。





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漂流巌流島 (創元推理文庫)
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高井 忍
東京創元社 2010-08-11

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シナリオライターと映画監督が時代劇の筋立てを検討する過程で、歴史上の事件を推理する形式の歴史ミステリー連作。
先日読んだ著者の作品『本能寺遊戯』(ほんのうじゲーム)がまあまあ面白かったので読んでみた。

語り手のシナリオライターは、映画監督の三津木から歴史上の事件に関する史料を調べることを命じられ、調査結果を報告する。
そして一通り質疑応答をした後に、三津木が”筋が見えてきた”という意味のことを言って推理を語るというパターンとなっている。

探偵小説で言えば、シナリオライターが汗をかいて調べ回る助手で、三津木が安楽椅子探偵のような役回りである。

本書では4作が収録され、巌流島の決闘、赤穂浪士の討ち入り、新撰組の池田屋騒動、鍵屋の辻の仇討と、時代劇の題材にされることの多い事件を扱っている。

巌流島の決闘では、一般的に佐々木小次郎として宮本武蔵に敗れる人物が、上田宗久や津田小次郎など史料では名称が一定していないことや、江戸城内では浅野内匠頭が吉良上野介に切りかかったこと以外にも刃傷事件は多数あって幕府当局は対応に苦労していたこと、新撰組による池田屋事件で局長・近藤勇が突入を急いだ事情などの謎が書かれている。

他の3章はある程度知っている一方、鍵屋の辻の仇討はあまり知らなかったが、徳川家光の時代に大名と旗本の対立が仇討に発展した事件ということで、時代劇の題材になることも多いと知って興味深かった。

史料に書かれていること、そして書かれていないことから、意外な真相という形で推理され、そう来るかと驚きながら読んでいった。
『本能寺遊戯』より面白かったように感じるのは、ライトノベル臭さがないからだと思う。



[鍵屋の辻の仇討ち関連の作品]


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謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)
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東川 篤哉
小学館 2012-10-05

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2011年本屋大賞を受賞し、ミリオンセラーとなった6編から構成されるユーモア連作ミステリー。
その後、桜井翔・北川景子の主演でドラマ化され、近いうちに映画も公開される予定となっている。

設定としては国立市に邸宅のある財閥令嬢なのに刑事を務める麗子が事件を捜査し、その執事である影山が麗子に毒舌を浴びせながら推理していくという、アイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会 1』に系統が近い安楽椅子もののミステリーである。

金持ちの子息と有能な執事の組み合わせとしては、以前読んだ『ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻』に似ている。
ここに麗子の上司で、成金趣味で空回りばかりする風祭警部も登場し、それぞれが自意識過剰な発言や他人に対して空気の読めない言動を繰り返すことで、面白さを煽っている。

『ジーブスの事件簿』は舞台が20世紀初めの英国なので執事に対しそれほど違和感は感じないが、現代の国立市で令嬢と執事という設定には違和感がある。
肝心のトリックや謎解きの仕方も軽いが、これはユーモアテイストで書いていることもあるためかとも思う

本屋大賞を受賞するほど面白いかというとかなり疑問があるが、当時の流行や、書店員の方々からの潜在的なニーズを引き当てたために売れたのではないかと思う。

時間つぶしに読むには悪くないが、続編を読むのはしばらく先になりそうである。




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