シャーロック・ホームズシリーズの短編を朗読CD化した作品のひとつ。
先日聴いた同じシリーズの『六つのナポレオン』がなかなか良かったので、これも聴いた。
内容は、インド帰りの怪しい義父と住んでいて、姉が結婚直前に「まだらの紐」という言葉を残して怪死したという女性がホームズのもとを訪れ、ホームズとワトスンが調査に当たるというもので、シリーズの中でもサスペンス性の高さで知られている作品だと思う。
小説では既に読んでいたが、実際に朗読される形で聴くと、小説とは異なる恐ろしい感じが伝わってくるのが不思議である。
朗読およびワトスン役は『六つのナポレオン』と同様、サザエさんの波平役で知られる永井一郎で、本作ではホームズとロイロット博士の対決のシーンなどが緊迫感があって良かった。
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![]() | 【オーディオブックCD】桶狭間合戦 大阪夏の陣他(CD2枚組) ( 菊池 寛 (著), しみじみ朗読文庫 (編集) 響林社(しみじみ朗読文庫。Amazon販売:密林社) 2013-10-25 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
芥川賞や直木賞を創設したことでも知られる菊池寛の『日本合戦譚』から、「大阪夏の陣」、「鳥羽伏見の戦い」、「桶狭間合戦」の3編を収録している朗読CD。
内容としては、日本史上に残る合戦について語った歴史エッセイのようである。
基本的には通説に則って述べられているようだが、大阪冬の陣での講和の条件として、豊臣家が別の領地へ転封する代わりに雇った浪人たちの雇用を確保するために加増が話し合われていたらしいことや、鳥羽伏見の戦いにおける新撰組の動き、桶狭間の合戦前後での松平元康(後の徳川家康)の活躍など、これまでに読んだ歴史読み物であまり触れられていないことがところどころで書かれていて、思っていた以上に興味深く聴くことができた。
聴く前は戦前の人の文章なので硬い文体なのかと思っていたが、普通に聴くことができる文体で、この部分も意外と良かった。
抵抗なく読めそうなので、現在も発売されている作品や、青空文庫に収録されている作品でも読んでみようかと思った。

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文芸評論家や作家として活躍した小林秀雄のエッセイを、俳優の山本学が朗読しているCD。
小林秀雄についてあまり予備知識がないまま聴いてみた。
収録されているのは下記の6編で、言葉や感覚についての考察が多いように感じる。
- 「美を求める心」
- 「當麻」
- 「無常といふ事」
- 「栗の樹」
- 「人形」
- 「生と死」
この中では「美を求める心」で、芸術作品が分からないので勉強の仕方を知りたいという風潮に対し、とりあえず勉強するという考え方が間違っていて、まずは作品を頭の中で分類したり言語化せずにありのままを見たり聞いたりをじっくり行うべきだということを語っていて、なるほどと感じた。
「無常といふ事」では人間は生きている間はどのように変わるか分かったものではない不完全な存在で、死という完全な状態に至る過程にあるような視点での話をしているのが興味深い。
他にも、レストランで居合わせた老夫婦のエピソードである「人形」や、自身のこれまでの経歴や兼好法師の話をしている「生と死」もなかなかよかったと思う。
小林秀雄作品は初めてだったので、本作をきっかけとして他も試してみたい。
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城山三郎講演 第1集 新潮CD (新潮CD 講演) | |
![]() | 城山 三郎 新潮社 2007-09 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 城山三郎講演 第2集 新潮CD (新潮CD 講演) 言葉が怖い 新潮CD (新潮CD 講演) 養老孟司が語る「わかる」ということ (新潮CD講演) |
経済小説で知られた城山三郎の講演をまとめているCD。
著者が書いた『鼠』の主人公である鈴木商店専務の金子直吉、『雄気堂々』で扱った渋沢栄一、『落日燃ゆ』で描いた広田弘毅の業績や魅力について語っている。
3名ともすごいが、最初に話した金子のキャラクターが濃すぎて後の2人の印象がかすんでいる。
金子が大正時代に経営していた鈴木商店は情報に金を惜しまない投機的な商いを積極的に行ったことで三井物産や三菱商事を上回る大商社となったが、それでいて金子の代で倒産してしまったという話は豪快すぎて驚く。
倒産した原因は金子が拡大志向ばかりで守りの経営をあまりする気がなかったことや、銀行嫌いで資金繰りに困ったこと、経営手法や社風もあってか多くの敵を作りすぎたことなどがあったようで、このような大企業が短期間に成長してつぶれるというのは経済史上でもあまり例がないという。
渋沢について書かれた『雄気堂々』は読んでいたが、『鼠』と『落日燃ゆ』はまだ読んでいないので、このCDを聴いたことだし、そのうちに読んでみることも考えている。

![]() | 船場狂い 新潮CD 山崎 豊子 新潮社 2008-02 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
山崎豊子による短編集『しぶちん』に収録されている短編を収録した朗読CD。
先日聴いた『しぶちん』の朗読CDが期待以上に面白かったので、続けて聴いてみた。
大正から昭和、戦後にかけての大阪・船場が舞台で、船場と堀ひとつ隔てたところの商家の娘に生まれた久女(くめ)が主人公となっている。
船場というところは主人を「だんはん」(旦那様)、奥さんを「ごりょんはん」(御料人さん)と呼ぶなど独特のしきたりがあり、商人の中でも他とは異なる一ランク上の存在として扱われていたようなことが書かれている。
久女はこれに対して子供の頃から強烈な劣等感と憧れを持っており、いつか船場の住民になれるようにしきたりを習ったり、船場風の振る舞いを自分が行うだけでなく使用人などにも強要するなど、周囲の人たちから引かれるくらいの言動を繰り返している。
船場の向かい岸にある小間物問屋へ嫁いだ後もその志向は変わらず、蓄財して船場に店を構えるという強烈なモチベーションによって商いに精を出すという結果をもたらしている。
『しぶちん』同様に強烈なキャラクターの主人公が生き生きとユーモラスに描かれていて、本作も楽しんで聴くことができた。
- 著者の作品について書いた記事
- 『しぶちん』(朗読CD)

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