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読書-思想(東洋:儒教、儒学):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(東洋:儒教、儒学)」 に関する記事を紹介しています。



超訳 論語
許 成準
彩図社 2012/3/17



『論語』の言葉を見開き2ページで右に原文と現代語訳、左に具体的なエピソードを上げての解説文という構成で書かれている作品。

この著者の作品は、例えに使っているエピソードが現代の企業や経営者などによる初めて知るものが多く、ありきたりな例を使っていないところがいい。

例えばグーグル、『ターミネーター』や『アバター』などで知られる映画監督のジェームズ・キャメロン、スティーブ・ジョブズ、ウォーレン・バフェット、孫正義などで、具体的で分かりやすい。

儀礼などの現代で役立てにくい話をばっさりカットしているのもいいし、職権の話を「その職位にいる人への敬意・配慮」と読み替えているのも的確だと感じる。

孔子の弟子たちや各国の政治家たちといった登場人物の説明を最小限に抑えてくれているのも、この手の知識を既に得ている側からすると助かる。

著者はあとがきで、古典で長く残るものは「確実に面白い本」(『三国志演義』や『アラビアンナイト』)か「確実に役立つ本」(『孫子の兵法』や『君主論』)だとして、『論語』も現実的なことが書かれた「確実に役立つ本」という話も納得しやすい。

本書もまた読みやすく役立ったと感じるので、他の著作も続けて読んでみようと思う。




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守屋 洋 (著)
PHP研究所 (2012/11/27)


PHP研究所から出ている古典の言葉を現代語したシリーズの1冊で、『孟子』の言葉と現代語訳を右ページ、著者の解説文が左ページという見開きで構成されている。

著者の作品は解説での説教臭さが鼻につくが、本書では特にその傾向が著しいと感じた。
これはおそらく、『孟子』の言葉自体の熱さ・ウザさと、著者のウザさ・老害ぶりが相乗効果を上げているためと思われ、なかなか強烈である。

「昔は良かったが今は道徳が廃れてダメ」とか「昔はどこにでもいた、面倒見が良くて筋の通った人々はどこに行ったのだろう?」といった趣旨の言葉がいくつも出てきて、著名人がSNSでつぶやいたら炎上しそうなものが多い。

これは斉の宣王や魏の恵王との問答の雰囲気や背景などがそぎ落とされていて、言葉だけの響きだけが強く出たための可能性もあるかと思っている。

『孟子』の言葉自体は理想主義的でちょっと重いものが多いが、「賢いと余計なものまで詮索してしまう」みたいに味わい深いものも多いので、もう少し他の作品も読んだ方がいいかもしれない。




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知識ゼロからの論語入門
谷沢 永一 古谷 三敏
幻冬舎



文芸評論家の谷沢永一が『論語』の言葉から人生論やビジネス論を語った文章と、バーを舞台とした漫画『Barレモン・ハート』のキャラクターによる挿絵で構成された作品。

訳文の時点でかなり谷沢氏による解説というか意見が書かれていて、さらに現代だとこうなるとか、昔に比べて・・・みたいな語りが書かれていて、『論語』で扱われていた言葉の趣旨からはみ出しているところも多く、「入門」というタイトルにはそぐわないような気がする。

谷沢氏の文章だけだったら主張のくどさにより読むのがキツかったと思うが、『レモン・ハート』の挿絵がくどさを緩和してくれる働きを果たしている。
ただ、私が『レモン・ハート』を読んでいてその魅力を感じていたためかもしれず、未読の人からするとそれでもいまいちな感じを受けるかもしれない。

これまで読んだ谷沢氏の作品は当たり外れが大きいように思え、本書も文章だけだとハズレに入ると思う。
なぜこうなるかというと、谷沢氏は自由に書いていい場合は駄作『聖徳太子はいなかった』みたいにダラダラと自己主張を書いていく人で、どれだけ編集者がコントロールできたかにより作品の出来不出来が出たためではないか?と思っている。




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物語として読む 全訳論語 決定版
山田 史生
トランスビュー 2019/4/10



以前読んだ『寝床で読む『論語』―これが凡人の生きる道』の著者による、『論語』で扱われている話を全て現代語訳し、話を一続きのものと捉えて著者による見解をエッセイ風に語っている作品。

訳文は比較的自由な感じの現代語訳となっていて、読みやすい。
また、『論語』の全てということで他の関連書ではあまり扱われていない箇所(例えば当時の儀礼に関する話で現代に活用しようがないもの)も含んでいるため、かなり分厚い。

訳文の後に書かれている著者の話では、「孔子はこの言葉を笑いながら話していたのでは?」とか「孔子はこう言っているけど違うんじゃないの?」とか「このようなストイックな行動は凡人の私にはムリ」など、自由な感想や自虐が書かれていて面白い。

『寝床で読む論語』の時よりも時間が経過していることもあり、文章もこなれてきたように感じる。

著者は一連の流れで『論語』を捉えようとして書いたようなことを語っているが、順番に読むのもいいが、私からすると文章が読みやすいので好きなところから読んでいく方が合っていた。






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『論語』の言葉を現代的にアレンジし、戦争ではなく日常生活や仕事の面でどのように活用できるかを語っている作品。
慶応大学での講義内容をまとめたもので、先日読んだ『孫子の至言:あらゆる困難に打ち勝つための「人生の戦略書」』と同じシリーズに当たる。

少し前に読んだ、『論語』と『韓非子』を比較する記述が多かった『組織サバイバルの教科書 韓非子』の記憶がまだけっこう残っていたためか、『論語』は自身が学ぶこと、人格を高めることで間接的に周囲に影響を与えていくことを重視しているなという印象が強かった。
言い換えると、周囲を積極的に動かしたり働きかけたりすることは必ずしも積極的でなさそうにも読める。

書かれていることで印象に残ったことでは、現状を肯定してよりよくしていくという感じの話もある。
そして逆境にある時の心構えについては、ややきれいごとが書かれているようにも感じられた。
ブラック企業に勤めたりしたら、不遇を楽しむなどと言ってられないように思うし、感覚が80年代くらいまでの企業を想定しているのでは?と思ったりもした。

著者が仕事で関係することが多い人は一定以上の地位のある人が多く、ワーキングプアとされるような人々のことはあまり考慮できていないのかもしれない。(かなり偏見が入っているであろうことは自覚している)






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