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読書-思想(東洋:兵家、兵法):雨読夜話

ここでは、「読書-思想(東洋:兵家、兵法)」 に関する記事を紹介しています。



現代ビジネス兵法研究会 (著)
すばる舎 (2008/9/19)


『孫子』に書かれている内容を、多くの事例を用いながら現代のビジネスなどでどのように役立てられるか?という観点で解説されている作品。

先日読んだ『「孫子の兵法」のことがマンガで3時間でマスターできる本』と傾向が似ていて、少し例や笑いを狙った話が古びているところも近い。

とはいえ、本質的なところはそう古びるものでもなく、きちんと応用可能なものにもなっていると感じる。
分かりやすく書かれていて、それなりにためになる。





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関連タグ : 孫子,


町田 三郎 (翻訳), 尾崎 秀樹 (翻訳)
中央公論新社 (2018/8/21)


中国の兵法書として名高い『孫子』と『呉子』を翻訳して1冊にまとめている作品。

『呉子』の方は、以前読んだ尾崎秀樹訳の『呉子 (中公文庫BIBLIO)』と同じ内容だった。

どちらの作品も別の訳書を読んでいるので大体の内容は分かっている状態から読んだ形だが、続けて読むとそれぞれの違いが出てくるように感じるのが面白い。

『孫子』が抽象的な記述が多い分実践とのギャップがある一方で応用の余地が大きく、一方の『呉子』は具体的で当時は使いやすかったと思われる反面で時代が変わると応用しにくいところがあるように感じた。

どちらの作品でも、当時にしては戦いをやらずに済めばそれに越したことはないという考え方が見られたり、単純に勝てばいいというところで終わっていないところなどが、長く読み続けられてきた一因なのだろう。





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関連タグ : 孫子,


田口 佳史 (著)
三笠書房 (2019/4/22)


中国の兵法書である『孫子』を経営にどのように活かすかを、現代のビジネスに置き換えて語っている作品。

元のタイトルが『社長のための孫子の兵法』ということもあり、戦場を業界やマーケットに例えたり、守備を固めることを内部の充実として人材採用や商品開発、財務などの話につなげているのが興味深い。

読んでいる側が経営者や役員などではないのでどの程度理解できているか?は何とも言えないが、応用はそれなりに可能な内容になっているかと思う。





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関連タグ : 田口佳史, 孫子,




1項目当たり見開き2ページで1分程度で読み終えられるようにし、77項目で構成されているシリーズの『孫子』編。

原著の言葉にこだわらない意訳によってビジネスにも生かせるような分かりやすい形で書かれているので、読みやすい。

『孫子』に関連する本は10冊以上読んでいるために重なる部分も当然あるが、このシリーズは区切りが短くて明確なので空いた時間に読めるのがいい。

右側のページの文字組みを縦組み・横組みで交互にしているのも、飽きさせないための工夫なのだろうと思う。

1点、朝倉孝景(正)と朝倉義景(誤)を間違えているのは、編集の人も紛らわしくてチェックできなかったのかもしれない。
(前者は応仁の乱でのし上がった梟雄、後者はその子孫で信長に滅ぼされた暗君)

情報の重要性、組織での関係が出来上がっていること、相手の弱点を突くことなど、『孫子』のエッセンスがうまく表現されている作品だと思う。





1分間君主論 差がつく実学教養3 (1分間名著シリーズ)
ニッコロ・マキャベリ 齋藤 孝
SBクリエイティブ 2018/6/13



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『孫子』の言葉を現代的にアレンジし、戦争ではなく日常生活や仕事の面でどのように活用できるかを語っている作品。
『論語の一言』、『老子の無言』に続くシリーズの第3作で、慶応大学での講義内容をまとめたものだという。

例えば間者を使って敵方から情報収集する話では、こちらからも便宜を図るなど人間関係を良くしていい情報を教えてもらえる人になることなど、シンプルだがまっとうなことが書かれている。

著者の経験や出会った経営者たちの話も交えられていて、松下幸之助に成功の秘訣を聞いたら運がいいこととの答えで、運が良くなるにはどうすればいいか聞いたら徳を積むこととの回答だったことから、他人から攻撃される要素を減らすという意味に捉えていた話が面白い。

また、江戸時代に最も軽蔑されたリーダーは「自失」するタイプと書かれていて、これはリーダーでなくても一定以上の年齢になると周囲に見られるのは恥ずかしいのでできるだけ避けたいところである。

なかなか興味深かったので、前2作の『論語の一言』、『老子の無言』も読んでみようと思う。







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