小畑 健 (著), 大場 つぐみ (原作)
集英社 (2009/1/5)
少年2人が、週刊少年ジャンプの連載を持つ漫画家を目指して奮闘する漫画。
第3巻まで読んでいる。
中学生の真城は、あるきっかけからクラスメイトの高木から原作:高木、作画:真城のコンビで漫画家にならないかと誘われ、本格的に目指していく。
最初は物語の構成上必要なのは理解している、ヒロインたちとのやり取りがちょっと微妙だと感じなくはなかったものの、ジャンプ編集部に原稿を持ち込んで編集者の服部とやり取りするあたりから本格的に面白くなっていく。
漫画業界の裏話的な部分が多く書かれて厚みを出しているし、作者たちが経験しているであろうリアルな描写が印象に残る。
そして、3巻で主人公たちと同年代で中学を卒業してすぐにジャンプの連載を持つようになった天才漫画家の新妻エイジと、アシスタントをしていた福田と中井が出てくるあたりでさらに面白くなる。
エイジのぶっ飛んだキャラクターとツッコミ役だが何だかんだ面倒見のいい福田、いじられ役の中井がいると、真城とのやりとりが生き生きとしてくる。
各話ごとに作者たちのネームがどのように本編のコマになったかが紹介されているのも面白く、もう少し読んでみるつもりである。
- 著者たちの作品について書いた記事
- 『DEATH NOTE デスノート(1)』

葦原 大介 (著)
集英社 (2023/6/2)
ジャンプスクエアで連載中の漫画である『ワールドトリガー』の最新刊。
発売されたことに気が付いてすぐに買いに行った。
23巻くらいから始まった遠征選抜試験編で、11チーム対抗での戦闘シミュレーション試験が主に扱われている。
前日の試験と異なる点が発生し、3日間の間で他のチームを罠にはめたり、より効率のいい戦闘手法を考案するなど、各チームの特色が出てきている。
主人公の三雲が所属する諏訪7番隊では、エース格の香取があるきっかけでやる気を失ったと思ったら別のきっかけで復活したり、三雲の考案した戦術で下位からの巻き返しを図ったりしている。
これまでと同様に隊長の諏訪のリーダーシップも発揮されている他、隠岐の気遣いが地味に効いているのも読んでいて伝わってくる。
前作までは、試験に参加するメンバーをゲームで動かすという戦闘シミュレーション試験の意義が今一つ分からなかったが、参加メンバーたちのやり取りから徐々に分かってくるようになったのも面白い。
作者の健康問題と月刊誌連載という事情から次が出るのも9ヵ月~1年くらい先になると思うが、楽しみに待つ。
あと、本書の帯に本作の舞台「ワールドトリガー the Stage」のB級ランク戦開始編 が8月に東京と大阪で開催されることが書かれていたので、大阪に観に行ってみようと計画している。

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吉田 ひろゆき (著)
集英社 (1989/11/1)
30年以上前に『週刊ヤングジャンプ』で連載されていたオムニバス形式の漫画。
悩みを抱えている人に悩みを解決したり和らげたりする何かを提供されるが、その後何らかの報いを受ける・・・みたいな、後味の悪い感じの話が多く収録されている。
似ていると思ったのは藤子A不二雄の『笑ゥせぇるすまん』、フジテレビ系の「世にも奇妙な物語」、星新一のショートショートなどで、人のマイナスとされる感情をもてあそぶような作風となっている。
星新一のショートショートは好きなのに本作をあまり好きになれないのは、画風が苦手だからだと思う。
そして、星作品だとあの独特の文体が、引きそうな展開の話でも読む側を落ち着かせているのだとも感じた。

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西出 ケンゴロー (作画), 戸塚 たくす (原作), ひろゆき (監修)
集英社 (2022/11/17)
現在「論破王」としてあちこちで取り上げられたりネタにされることが多い、ひろゆき(西村博之氏)が異世界に召喚されるという、ライトノベルのような設定の漫画の第1巻。
魔王が100年に1回召喚される勇者を、出現直後に殺すという「ハメ殺し」という戦術を使い出したことで1000年経過し、語り手に当たる若い女性の召喚士はどのようなタイプの勇者を召喚したらいいか悩んでいた。
どのような能力のある勇者も能力を出す前に殺されてきた中、誰も出てこないと思っていたら、単純に遅刻していただけだった…という力の抜けた登場シーンから始まっている。
ひろゆきには言葉でのダメージが実体化するチートスキルがあるようで、魔王も色々と揚げ足取りをされて苦しんでいくシーンが面白い。
ひろゆきの表情や言われた人がかなりイラっとしそうな言動がよく再現されていて、このあたりが本書の重点なのだろう。
このようにネタにされるくらい共通認識が持たれているということは、本人がそのままのキャラクターもあるのだろうが、このように見られることを計算して振る舞っているのかな?とも少し感じている。
長く読み続けるほどではないが、ちょっとひろゆきのネタで楽しむにはいい作品かと思う。

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葦原 大介 (著)
集英社 (2016/3/4)
漫画『ワールドトリガー』のオフィシャルデータブック。
14巻と同時に発売されているため、それまでに登場したキャラクターが描かれている。
ただ、この時点でボーダーに所属する隊員たちの情報を作り込んでいるようで、その後に登場する隊員の名前や部隊名などは描かれているのがすごい。
また、本編を読んでいって何となく理解したつもりになっていた、ボーダーの組織やトリオンの仕様、戦いで使用される武器の特性などが事細かく書かれていて、マニアックな関心を満たすことができる。
15巻以降に登場する王子隊や生駒隊、弓場隊のことは文字のみの情報なので、できれば彼らのカットが入った第2版を出してほしいとも感じている。
(その場合、本作が古びて売れなくなってしまうが…)
巻末には『ワールドトリガー』の原型となった読み切り作品である『実力派エリート迅』が収録されていて、迅や陽太郎などは大体本編と同様の設定だが、唯我のキャラクターは同じであるものの役割が少し異なっているのが面白い。

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