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長谷川慶太郎の戦争と平和
長谷川慶太郎の戦争と平和
長谷川 慶太郎
日本実業出版社 2004-04

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イラク戦争後の世界の形勢を戦争と平和の視点から分析している本。
著者はイラク戦争後に米国の圧力に押されてリビアの最高指導者であるカダフィ大佐がテロ支援をやめるという政策転換を行ったということを重要視しており、今後はテロ支援国家が徐々に姿を消し、平和になっていくと結論付けている。
イラクで現在行われているゲリラとの戦いも、警察など治安維持機関の充実に伴って沈静化するだろうということを、旧日本軍の満州統治を例に引いて述べている。

問題となって久しい国連の機能についても、もうだめだと突き放すことなく改革を行えばよみがえるという。現在の問題点は第2次大戦当時の国際秩序のままの機構となっていることである。特に日本とドイツに関する敵国条項が残り、さらに国内統治も満足にできていない国にも大国と同じ1票が与えられていることが事態を複雑にする。更にはフランスが実力もないのに拒否権を自国の都合のためだけに行使することに警鐘を鳴らす。

楽観的でいいと思うのだが、アメリカの問題点やアメリカが世界の世論とどれほどかけ離れているのかという点がほとんど述べられていないところに不満が残った。
ただし反戦とかお題目を並べるだけのマスコミの論調とは一線を画しており、独自の情報網から得た根拠には説得力があり、21世紀の世界が平和であるかどうかはやはりアメリカがどのように振舞うかにかかっているということではあるだろう。

日本はもはやアメリカと一心同体と述べており、その根拠としてアメリカで使用されている工作機械がほとんど日本製であることやアメリカから日本に使用料金を支払われる特許の数が最近アメリカを抜いたことを挙げる。
その意味からも日米同盟は今後の世界の前提ではあると思うのだが、問題は日本がアメリカの行動にどれだけ制約を加えることができるかだろう。

著者はアメリカの最近の高圧的な傾向やロビイストからの影響の強さなども把握はしているだろうが、こういった部分にばかり批判がのぼっているのであえてそうしたところはあまり書かなかったのかもしれない。




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