読んだ本の感想をつづったブログです。


日本型ポピュリズム―政治への期待と幻滅 (中公新書)
日本型ポピュリズム―政治への期待と幻滅 (中公新書)
大嶽 秀夫
中央公論新社 2003-08

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90年代の日本の政治史に登場してきた細川護煕、加藤紘一、田中真紀子、小泉純一郎といった一時的に人気を博した政治家に対する期待とその後の幻滅の模様を描き、マスコミの報道との関連を分析している。

失われた10年と言われるこの時期は政治のワイドショー化が盛んに言われた時期でもあり、この流れにて政治の流れが分かりやすく説明されており、政局の流れの概略を把握するのに便利である。

この中でポピュリスト政治家として典型的な例は、圧倒的な人気とそれに対し実績が分かりにくいという点で、やはり田中真紀子か。語られた事例で何がイヤかといえば普段はベルサーチを着ているくせして庶民的なイメージを持たせるために有権者の前でだけジャージ姿になることや、都合が悪くなるとすぐに弱者ぶるあたりで、外務省での騒動の前からもあまり好きではなかった。
小泉内閣発足時に外相就任とを知った時も、”飾りにしておくだけでいいのに”という印象を持ったものだ。何より理論も戦略も実績もないのがよろしくない。

後半では「サンデープロジェクト」「ニュースステーション」「ニュース23」などの政治を扱ったテレビニュースの変容と、政治のワイドショー化について述べている。
ワイドショー化しても何とか国は動いているわけでそれだけ平和なのだと思う反面、マスコミのミスリードで政治が動くことも多いはずなので、注意が必要だと思った。

ただし、マスコミの影響力も通用しない場合も最近は増えてきたようにも思える。これまで報道はおおむね左寄りであったが、不審船問題や小泉内閣に対する評価などでマスコミの報道と国民の世論が乖離しているので、このあたりについても別の本にて論考してもらいたいものである。


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徳川幕府2代将軍・秀忠の生涯を描いた小説。
あまりに偉大な初代・家康の影に隠れて地味なイメージを持たれがちな秀忠だが、この人が徳川幕府の仕上げを行ったからこそ15代続いたわけでもっと評価されてもいい。

将軍辞任後にも大御所として権力を振るった家康とその側近グループにさんざん振り回され苦悩している様子がクローズアップされていたが、家康の死後その側近たちをすぐに解任したりせずに徐々に自然淘汰に任せて無用なトラブルを発生させなかったあたりがさすがである。
さすがに目障りな本多正純は解任したが、徳川家の石田三成的な存在だった上に利用価値もなくなりつつあったから仕方ないだろう。

関ヶ原の合戦では西軍の真田父子の上田城攻めに手間取って本戦に間に合わなかったことが家康を激怒させたといい、ここでは徳川譜代の家臣団を温存させるための謀略だったということになっているが果たしてどちらなのだろうか。
これが本当であれば家康は確実に勝てる自信があったことになるが、仮に敗北していたら温存策は意味を成さなくなったかもしれない。あるいは敗北していてもこれだけ直属軍があれば巻き返せる自信があったということか。

秀忠が軍人として歴史に登場したのが関ヶ原と大阪の役だけ(しかも副指令官役)で、あまりに判断材料が少ないので何とも言えないところである。


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