読んだ本の感想をつづったブログです。


そんなバカな!―遺伝子と神について (文春文庫)
そんなバカな!―遺伝子と神について (文春文庫)
竹内 久美子
文藝春秋 1994-03

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最近竹内久美子の本が面白いので、続けて読んでいる。
これもその1冊で、この本では動物の生態から利己的遺伝子の動物に及ぼしている影響、ひいては人間社会の愛憎や神について及ぼしている影響を分析している。

その中では親が子供をガミガミ叱るのも、姑が嫁をいじめるのも博打に溺れて奥さんに逃げられるのも、遺伝子のコピーをより多く残すための遺伝子の計画に基づいてプログラムされた行動だそうである。

男性には遺伝子的に文科系男、理科系男、ケチ男、バクチ男と4種類あってそれぞれ遺伝子のコピーを残す戦略が違っている。
女性に関して分類がないと思ったが、これは男性が遺伝子のコピーを増やすこと(子供を生ませること)についてはかなり広範囲にできるのに対して、女性がそれ(子供を生むこと)を行うことにはおのずから限界があるため、それほど分類の必要なほどの違いを出さなかったということだろう。

人間社会の道徳や文化を遺伝子とミーム(後天的な性質)でぶった斬り、愛や友情といった気恥ずかしくなるようなことはないと断言してしまう甘えのなさが面白かった。



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エリートの反乱―短編小説全集〈中〉 (講談社文庫)
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『労働貴族』、『懲戒解雇』などの長編の元となった作品も含まれる短編集。
表題作は派閥争いの巻き添えを食ったエリート課長が薄弱な理由で懲戒解雇をされそうになり、裁判に訴えて戦うというもの。
味方と思われていた人事部長も役員の椅子をちらつかされてあっさり陥落してしまうところが組織人のつらさである。

これは実際に起こったことを下敷きにして書かれたようであるが、これはなかなかできることではない。地位保全の申請を行って裁判に勝ったところで、会社を訴えた訳だから、社内においての居心地は悪いに決まっているからだ。
理不尽な管理職に対する復讐の意味合いが強いが、ここまでやりますかね。

ところで作品そのものとは直接関係ないのでどうでもいいが、この著者の作品では佐高信が解説を書きすぎている。作品数からすると佐高の解説のものが異常なくらい多い。
私は佐高があまり好きではないので、佐高の解説が連続すると有名な作家であり解説を書いてくれる人はいくらでもいるだろうに・・・との思いを持ってしまう。
一人の人物ががある作家の著作について解説をするのは限界があり、同じような記載が出てしまうことが予想されるのでいろいろな人に解説をしてもらい、多面的な視点から分析をしてもらいたいと思うのだが。


懲戒解雇 (徳間文庫)
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あざやかな退任 (新潮文庫)
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大企業のワンマン社長が急死し、その後の体制をめぐって陰謀が渦巻く。

特に、筆頭株主の取引先から送り込まれた野村専務は後継者を目指し根回し工作に暗躍する。そんな中、後継社長とされる副社長の宮本は役員会での決断に迫られ、そこで出した結論とは・・・という話。

タイトルでネタバレしているというツッコミが入ってしまうが、読み終わってすがすがしい感じを得ることができた。

社長にはなりたいが、なってしまうと社の方向が先代の社長が望まなかった方向に進んでしまう、どうする・・・という宮本の苦悩が随所に出てきてサラリーマンの悲哀が感じられた。

未練を残したため引き際に失敗してしまう指導者が多いことを考えると、現実に宮本のような決断はなかなかできないと思う。


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賭博と国家と男と女 (文春文庫)
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竹内 久美子
文芸春秋 1996-01

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利己的遺伝子という切り口でで人間社会の重要な部分を構成する表題の4つを分析している。

反復囚人のジレンマゲームは他の本で読んでいたのでそれほど目新しくはなかったが、その後に出てくる男女の力関係と国家の関連性や、賭博と学問の関係などの話へと進むにつれてより面白くなってくる。

家庭のようなクローズな社会ではカカア天下の恐妻家亭主の方がうまくいくのに対し、国家のようなオープンな社会では伊藤博文のような女性好きの一夫多妻タイプの人物が指導者に立つほうがうまくいく。秀吉、家康しかりである。
逆に恐妻家は指導者に向かない。この恐妻家タイプで大失敗した政治家はルーマニアの独裁者チャクシェスクで、エレナ夫人に尻に敷かれっぱなしであったようである。

ここまでは利己的遺伝子と男女の関係から述べてきたが、数字の概念に関してはこれで説明できない。これは人類が古くより行ってきたこと、つまり賭博を切り口と代えて攻めていく。
賭博が国家形成を助長し、胴元が君主へとなる流れがあると説く。そして、貴族が役に立たない研究にのめりこむのは、賭博に溺れてカモ遺伝子に影響されることを防ぐ最良の手段であるからだと結論している。

学問の世界が、賭博の悪影響から逃れるための暇つぶしの手段として開発されたという説はかなり突飛に感じてしまうが、当世一流の生物学者であった昭和天皇の例などを読んでいくうちにけっこう納得してしまう自分がいた。
無用の用が、時に予期しなかった大きな成果を生んでしまうこともあるのである。


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ふたり道三〈1〉ふたり道三〈1〉

宮本 昌孝 (著)
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戦国時代の梟雄・斎藤道三が一人ではなく親子二代についてまとめてそう呼ばれているという設定に基づいて書かれた歴史小説。

前半はおどろ丸が庄五郎達の助けを借りて美濃で侍大将になるまでを描き、後半でそのおどろ丸の息子である新九郎(峰丸、法蓮坊)が仲間たちとともに美濃で勢力を伸ばして美濃の国王になるまでを描いている。

呪いの魔剣に忍者、出会いと別れ、友情と愛情、忠義と裏切り、謀略、憎悪など歴史小説に出てきそうな要素があらかた盛り込まれていて、4巻と長いもののすんなり読み進むことが出来た。

おどろ丸・庄九郎側に庄五郎、十夜、錦弥、源太之助、十郎、長雨丸など、対する敵役に無量斎、斎藤妙純・妙全、長井越中守、弥勒、三浦荒次郎など個性的・魅力的なメンバーが多数登場してめまぐるしくストーリーが進んでいく。

忍者の暗躍も一つの見所で、新九郎を守る椿衆とそれに敵対する裏青江衆、熊神衆、鹿深衆などとの戦いが続いていく。それからあまり関係はなさそうなのに風魔小太郎も仲間として登場してくる。

櫂扇派の刀鍛冶は一子相伝であり、これについつい北斗の拳の北斗神拳を連想してしまったのは私が北斗の拳世代だったから致し方のないところか。
とにかく、内容の濃い、面白い小説だった。

[本書の文庫版]

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