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聖徳太子は蘇我入鹿である (ワニ文庫)
聖徳太子は蘇我入鹿である (ワニ文庫)
関 裕二 (著)
ベストセラーズ 1999-10

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歴史上の聖人・賢者とされる聖徳太子と、彼の子の山背大兄王を滅ぼし大化の改新で暗殺された蘇我入鹿、この一見年代的にも通常別人だと思われている二人が同一人物であったということを各種資料から論証している本。

日本古代の代表的な歴史書である日本書紀では聖徳太子や蘇我入鹿の記述があり、この記述が一般的に歴史上の定説を構成している感があるが、これは天武天皇期から数代をかけて編纂されたものであり、藤原不比等ら当時の権力者に都合のいいように曲筆がなされているらしい。

始めに本書では蘇我氏と物部氏が仏教伝来においては争ったものの、実際には系図的に近い間柄にあること、古事記では天照大神が太陽神であるものの、実際にはニギハヤヒという出雲の神が当初大和を治めていたらしいことなどから日本書紀の記載に疑問を呈し、各種記述から聖徳太子というのは蘇我馬子の息子であり仏教に造詣の深かった蘇我善徳=入鹿であったという結論に達する。

なぜ別人にする必要があったのかというと、当時も聖人であったとされる蘇我善徳(聖徳太子)を暗殺した側(中大兄皇子や藤原鎌足)が自らの悪行を隠すためである。
また、その背景として当時の天皇家が出雲系と九州系に分かれており、蘇我氏とされる出雲系が大化の改新よりしばらくして九州系に抑えられてしまったからということがあるとのことで、論証など細かい部分はやや理解しづらい部分もある。

蘇我氏については「馬子」「入鹿」など名前に動物の名が入っていて、これは明らかに記載者に悪意があって書かれたものだろう。
蘇我入鹿については鞍作というのが通称であったようで、実際日本書紀の記述でもかなり学識ある有能な人物であったということまでは認めている。

日本書紀はこれでもかとばかりに改ざんが出てきているようで、後世の人々を迷わせる一方、ミステリーのネタとしてこれ以上ないような材料を提供している観があると思う。


[本書の新書による新版]
聖徳太子は蘇我入鹿である (晋遊舎新書 S03)聖徳太子は蘇我入鹿である (晋遊舎新書 S03)

関 裕二
晋遊舎 2012-04-14

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